Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
「数理科学のこんな使い方」by ぱっちさん
Search
Presentation
February 02, 2020
Science
0
230
「数理科学のこんな使い方」by ぱっちさん
「数理科学のこんな使い方」by ぱっちさん
Presentation
February 02, 2020
Tweet
Share
More Decks by Presentation
See All by Presentation
にわかサウナーになって「ととのって」みませんか
event2020
0
380
そうだ、海外旅行しよう
event2020
0
250
アイドルオタクの生態
event2020
0
570
地方創生×教育~具体例で学ぶ公営塾~
event2020
0
390
シンガーソングライターとはなんや
event2020
0
370
村上春樹のススメ
event2020
0
480
早起きのすすめ
event2020
1
420
人の想像力3段階〜社会変革の思考法
event2020
0
370
猫ひねり問題
event2020
2
1.8k
Other Decks in Science
See All in Science
応用心理学Ⅰテキストマイニング講義資料講義編(2024年度)
satocos135
0
100
統計学入門講座 第1回スライド
techmathproject
0
220
Trend Classification of InSAR Displacement Time Series Using SAE–CNN
satai
2
130
240510 COGNAC LabChat
kazh
0
180
03_草原和博_広島大学大学院人間社会科学研究科教授_デジタル_シティズンシップシティで_新たな_学び__をつくる.pdf
sip3ristex
0
120
ACL読み会2024@名大 REANO: Optimising Retrieval-Augmented Reader Models through Knowledge Graph Generation
takuma_matsubara
0
140
Online Feedback Optimization
floriandoerfler
0
890
オンプレミス環境にKubernetesを構築する
koukimiura
0
110
Causal discovery based on non-Gaussianity and nonlinearity
sshimizu2006
0
230
Iniciativas independentes de divulgação científica: o caso do Movimento #CiteMulheresNegras
taisso
0
930
地表面抽出の方法であるSMRFについて紹介
kentaitakura
1
290
SciPyDataJapan 2025
schwalbe10
0
130
Featured
See All Featured
Fontdeck: Realign not Redesign
paulrobertlloyd
83
5.4k
KATA
mclloyd
29
14k
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
366
25k
10 Git Anti Patterns You Should be Aware of
lemiorhan
PRO
656
59k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
12
960
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
55
9.2k
The Invisible Side of Design
smashingmag
299
50k
How to train your dragon (web standard)
notwaldorf
91
5.8k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
21
2.5k
BBQ
matthewcrist
87
9.5k
Scaling GitHub
holman
459
140k
Side Projects
sachag
452
42k
Transcript
Profile 大学では物理・数学を学ぶ 「数理科学」に携わってきた 現在、企業勤め シミュレーションを 用いたコンサルティング 数式により、動作を指定する
たしかに、 数理科学は”役に立つ”… けれども、数理科学で もっと”ワクワク”したい! 2
数理科学を アートと混ぜたい! 2020/1/25 ぱっち
今回やってみたのは… ケイドロ 「警察」と「泥棒」の追いかけっこ 子どものときにやった、あの遊びとは少し違う プログラミングにて、正方形エリアの中で 青い点の警察が、赤い点の泥棒を追って、 追いつくかどうか をシミュレーションして、アニメーションで見てやる 「どのように追えば、逃亡者を捕まえられるか」 を分析でき、たぶん現実社会でも役に立つ
でも、「役に立つ」だけじゃない魅力!…を、感じてもらえれば嬉しいです 泥棒 警察 逃げる 追う
数理科学の言葉で書ける :警察の横の位置、:警察の縦の位置 ℎ:泥棒の横の位置、ℎ:泥棒の縦の位置 とすると、 = 1 ( , , ℎ
, ℎ ), = 2 ( , , ℎ , ℎ ) ℎ = 1 ( , , ℎ , ℎ ), ℎ = 2 ( , , ℎ , ℎ ) という4つの式により、2者の追いかけっこを表せる 上の式の 1 , 2 , 1 , 2 を決めてやることにより、 「どのように逃げるか」「どのように追うか」を変えられる 微分方程式の言葉で表せ、数理科学になる! (難しい言葉で言うと、4次元力学系の一種となっている)
①泥棒:周回運動 警察:泥棒の方向に進む 泥棒は、(何も考えずに)円に沿って 一定の速さでぐるぐると周る 警察は、常に泥棒の方向に 一定の速さで進む 泥棒と警察の速さは同じ という動きをするように、 数式を用いてプログラミング 警察と泥棒の動きは、どうなるか?
警察は泥棒を捕まえられるか?
結果の例
色々な位置に警官を置くと…
②泥棒:周回運動 (警察より早い) 泥棒の動くスピードを 早くする 警察の1.5倍のスピードで ぐるぐる周ると、 結果はどうなる…?
結果:警察より早い泥棒だと…
泥棒:周回運動 警官:3分の2の速さで追う だと… 警官は、 泥棒が描く円に対し、 サイズが3分の2の円に 収束する?
③泥棒:警察から45°の角 度の方向に逃げる 泥棒のスピードは元に戻す 警官と同じスピード 警察の位置により、泥棒も 逃げかたを変える なので、アニメが始まると 泥棒も複数に分かれる (分身する)ことに注意 45°
結果:泥棒が45°の方向に逃げると…
「おっ!」と思えて もらえますでしょうか? 数理科学で、もっとこういう 「おもしろい!」「美しい!」 をいろんな人と共有できる方向に行きたい と同時に、 「どうなるの?」 「なんでこうなるの?」 「この背後に隠れている数理的現象はなに?」 という疑問を、こねくり回していきたい
疑問の例 警察,泥棒の集まりは途中まで円をなす →なぜ? 警察の一部は円の内部に突入 →なぜ? 円が崩れたあと、新たな図形ができる →どういう式でどう表される? 15
疑問の例 全ての泥棒が捕まってからも… 壁→いきなり反対側に移動する →なぜ? 右斜め上・左斜め下に移動 →なぜ?
なぜそういうことを 考えたい? 単純に考えたい! こういうことがわかると、 よりその動きを強調・発展した動きをさせる 事が可能になるかも →より魅力のあるコンテンツに化ける 数理科学の新たな問題提起・分野拡大に なるかも!
現在の数理科学(というか学界全体)を取り巻く 状況は、 「どうやって社会の役に立てるか」 が重視される空気があるが… 現実の法則に合った動きをしなくてもいい。 数理科学で“リアリティのあるSF”を生み出す!
実は最近出てきている、 科学とアートの融合への潮流 ジェネレーティブ・アート (ジェネラティブ・アート) “コンピュータソフトウェアのアルゴリズムや数学的/ 機械的/無作為的自律過程によってアルゴリズム的に 生成・合成・構築される芸術作品を指す。” Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェネレーティブアート)より
実は最近出てきている、 科学とアートの融合への潮流 ジェネレーティブ・アート (ジェネラティブ・アート) https://www.amazon.co.jp/数学から創るジェネラティブアート-Processingで学ぶかたちのデザイン-巴山-竜来/dp/4297104636/ ref=pd_sbs_14_t_0/356-1912659-5519842?_encoding=UTF8&pd_rd_i=4297104636&pd_rd_r=8f086767-af62-4ae8 -86bf-252b4b2a270d&pd_rd_w=TNrEp&pd_rd_wg=Ypv8H&pf_rd_p=ca22fd73-0f1e-4b39-9917-c84a20b3f3a8&pf_r d_r=T3AZCCN4WDHZ4407TRAC&psc=1&refRID=T3AZCCN4WDHZ4407TRAC より https://www.amazon.co.jp/普及版-ジェネラティブ・アート―Processingによる実践
ガイド-マット・ピアソン/dp/4861009634 より
実は最近出てきている、 科学とアートの融合への潮流 チームラボ Rhizomatiks IAMAS(情報科学芸術大学院大学) 大阪芸術大学 アートサイエンス学科 metaPhorest (早稲田大学生命美学プラットフォーム) https://www.teamlab.art/jp/
より https://natalie.mu/music/news/161123 より https://www.ntticc.or.jp/ja/archive/works/heliotropika/ より
数理科学で、新たなアートを開きたい アートで、新たな数理科学を開きたい