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AI×SaaSスタートアップのリアルなDX

 AI×SaaSスタートアップのリアルなDX

FastLabel

July 03, 2023
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  1. © 2023 FastLabel Inc. All Rights Reserved. - ⾃⼰紹介 -

    FastLabelの紹介 - 製品・サービスについて - 昨年度のリリース機能数実績 - 開発組織について - AI x SaaSスタートアップのリアルなDX - まとめ アジェンダ 2
  2. © 2023 FastLabel Inc. All Rights Reserved. ⾃⼰紹介 3 FastLabel株式会社

    VPoE 植野 晃司 新卒でERPパッケージベンダーの会社にエンジニアと して⼊社。 ⼤⼿企業向けの⼈事・給与システム、海外向け会 計システム、新規SaaSの開発・保守に従事する中 でコーディングだけでなく、設計・運⽤・マネジメントな ど様々な領域の業務を経験。 その後、2022年より「FastLabel」に参画しVPoE として開発業務全般を担当。 Twitter (@ueno_k0108)
  3. © 2023 FastLabel Inc. All Rights Reserved. FastLabelの紹介 - 開発組織について

    7 このうち、正社員エンジニアは5名 (2023年1⽉時点) ※6⽉現在は10名まで拡⼤ この限られたリソースの中で約450機能をリリースするには どのような開発⽂化・組織・取り組みがあるのか︖
  4. © 2023 FastLabel Inc. All Rights Reserved. AI × SaaSスタートアップのリアルなDX

    8 開発・技術 組織・⽂化 急成⻑が求められるスタートアップでの取り組み内容は様々ありますが、 ⼤別して以下の2点でご紹介させていただこうと思います。
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    - 開発・技術 10 最短最速で成果を出す必要がある -> そのために必要なものは何でも取り込んでいく。 いわゆる当たり前といわれるものも結構ありますが、そ ういったものをどれだけ実践して開発者体験を上げ、 最速の成果に繋げるかが重要だと思っています。
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    - 開発・技術 11 リポジトリに - フロント - バックエンド - バッチ - インフラ 全てをまとめている、いわゆるmonorepo 構成で運⽤しています。 組織横断的な開発運⽤がしやすい(今の フェーズだと必須なこともある)ことと、機能 単位での開発(Pull Request)が⾏いや すいようになっています。 fastlabel-application front backend batch infra
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    - 開発・技術 12 開発環境はDockerで構築することで、 各⾃の環境セットアップなどでつまることの無 いように&実際の開発までスピーディーに着 ⼿することが可能な状態に。 また、同様のDockerを本番環境(ECS)で ⽤いることでローカル・本番での挙動の際な どをなくすといった効果もアリ。
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    - 開発・技術 13 フロント、バックエンドを双⽅共に TypeScriptで統⼀。 (バッチ処理ではPythonを利⽤しているも のもあるが、それ以外は全てTypeScript) 利⽤する⾔語をできる限り統⼀することで、 ⾔語のキャッチアップコストを下げることと 、領域横断的に動けるように。
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    - 開発・技術 14 もはやスタンダートなことだとは思いますが、 ESLintも導⼊しています。 元々Recommendルールをベースにして 運⽤しているESLintですが、 必要に応じて拡充も⾏っています。 こちらはMUIのimportでの誤りをESLint によって事前検知できるようにした事例です 。
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    - 開発・技術 15 ソースコードのミススペルも⾃動で検知でき るように cspell を導⼊。 ミススペルは実際に発⽣していても実装上 の動作には問題ないが、 それによるコードの保守・可読性が下がる のを防⽌するために実施しています。 (e.g. レビュアーや他⼈が理解するのが困 難になるのを防ぐ)
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    - 開発・技術 16 先述したようなESLint, cspell, 他にも TypeScriptのコンパイル(tsc), ⾃動テス トなどを都度のタイミングで⾃動実施して検 知できるようにしています。 具体的には - pre-commit hookによる実施 - GitHub Actionsによる実施 の2つです。 双⽅共に何かに引っかかった場合コミット不 可、マージ不可の制限をいれることで⼈為 的ミスによる混⼊を防⽌しています。
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    - 開発・技術 17 インフラ構築にはCDKを利⽤。 適⽤についてはdevelop, mainブランチに マージがされたタイミングで CD(CodePipeline)による適⽤が⾛る。 これも当たり前だとは思うのですが、開発者 が適⽤について意識せずに⾃動で⾏われる ようにというポイントです。 またCDKを利⽤しているため、ローカルでは 検証が難しい(AWS上でしか検証不可の ようなもの)に対しても各⾃が即⾃分専⽤ の環境を建てられるような仕組みを整えて います。
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    - 開発・技術 18 GitHub Co-Pilotももちろん導⼊。 また導⼊した際の事例ですが、 開発側から即⽇で提案・実導⼊までもの すごく早いスピード感で達成できました︕
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    - 開発・技術 19 ChatGPTも社内導⼊しています。 開発以外の⽤途でももちろん利⽤しますが 、 開発だとソースの壁打ち相⼿としてよく利 ⽤します。 (キャプチャはECS+FargateでX-RAYを 導⼊しようとした際に壁打ちした時の事例)
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    - 開発・技術 20 (少し⽑⾊が変わって開発プロセス、というと ころになりますが) 前⼈未到の領域に対してはいくら仮説を⽴ てても実際に使ってもらうまで市場の反応 はわからない -> 如何にモノを早く出して反応を⾒るか 、が最重要になってくる -> そのために「求められている機能をすぐ に出す」には何が最適なのか、を都度考 えて実⾏しています
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    - 開発・技術 21 「如何にモノを素早く届けて、顧客の問題 を解決するか」 においては とにかく⼩さく早く出す ということが重要。 -> どこまでをやり・どこまでをやらないか、 というのを最初に決めておく、ということも 重要視しています。 こうしておくことで開発途中で迷ったり・⽅向 性が変わることをできる限り無くしています。
  17. © 2023 FastLabel Inc. All Rights Reserved. AI × SaaSスタートアップで求められるスキル

    - 判断・決断⼒ 22 まだまだ成⻑途中のプロダクトにおいて、既 存機能が存在することによるコードやアーキ テクチャの複雑性が増すと、今後の開発効 率にも関わる -> 思い切って機能を廃⽌する決断をお こない、実際に廃⽌することもやっています -> 開発時にほぼ利⽤されていない、メリッ トのない機能・ソースの保守のことを考えな いといけないという時間を産まないように。と いう形です。
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    - 組織・⽂化 24 組織・⽂化についてもFastLabelのバリューがベースと なっています。 特に「できない理由を考えるのではなく、できる理由 を考え続ける」 というバリューが浸透しており、 少しでも開発者体験をあげるための組織や⽂化が醸 成されていっています。
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    - 組織・⽂化 25 組織はモジュール単位で構成。 フロント・バックエンド・インフラなどで分割せ ずにそれぞれの組織の各メンバーが必要 に応じて必要な部分をやっていくような形 にしています。 SREに関しても主にインフラ領域での業務 が中⼼にはなっていますが、必要に応じてバ ックエンド等の開発も⾏うような形になって います。(逆も然り) 各領域で分業することによるコミュニケーショ ンロスや認識齟齬による弊害はほぼ無い状 態です。
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    - 組織・⽂化 26 組織は割っていますが、担当が特に定まっ ていないような問題が発⽣することも多々 あります。 そのような場合でも各メンバーが積極的に ボールを拾いに⾏くような⽂化が醸成され ています。 このような⽂化が起こりやすい背景には - Slackで開発全員にメンションできるグ ループを作っている - バリューや期待役割に領域横断的に 動くことを⽬標として設ける といった仕組みを導⼊し各⾃が意識しやす いようになっている点もあります。
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    - 組織・⽂化 27 新⼊社員向けオンボーディングリストを⽤意 して、新⼈の⽅が迷いなくすぐに業務に⼊ れるようにしています。 また、開発全体で共通でのオンボーディング もあれば、各Unit(チーム)単位で異なる部 分もあるのでそれぞれごとの項⽬をカスタマ イズしたりもしています。
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    - 組織・⽂化 28 定期的にMGRと各メンバーで1on1も実 施しています。 また、CEOとMGR/各メンバーでの1on1も あります。 ⽇々の業務の悩みから業務外の話まで、 ⼈によって様々ですが担当タスク以外での コミュニケーション時間を設けることで、チー ムや組織の活性化に繋がっています。
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    - 組織・⽂化 29 先ほどのような1on1や定期的な朝会など は設けていますが、(特に新⼊社員は)突 発的に困った時に相談しづらいといったケー スもあります。 e.g) リモートワークだと声をかけていい状況 なのかわかりづらい。など そういった場⾯を解消してもっと気軽に話し かけられるようにバーチャルオフィス (oVice)も活⽤しています。
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    - 組織・⽂化 30 書籍購⼊・資格補助の制度もあります。 エンジニアとして必要な書籍だったり、今の仕事と は直接関係なくても興味のある領域だったり、い ろいろあるとは思うのですが、 いわゆる「部署・仕事で必要なものだけ買えます 」のような制度ではなく、各個⼈が必要と思った ものを購⼊(⽉ごとの上限額まで)できるような 制度となっています。 ※以下弊社のNote記事でも詳しくご紹介しています。 https://note.com/fastlabel/n/n4acd0e54c092?ma gazine_key=m02fea64b03cb
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    - 組織・⽂化 31 とにかく良さそうと思ったものはSlackで気軽に共 有しています。 開発全体チャンネルもありますが、 各⾃のtimesチャンネルを作って⾃由に投稿で きるような形にもなっているので、 変に気遣うことなくいいと思ったものをパブリックに 共有できるような形です。
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    - 組織・⽂化 32 今まで上げたような開発環境・組織・⽂化などは トップダウン発案のものもありますが、⼤半はボトム アップ形式で組み込まれています。 それを実現しているのが毎週定期的に⾏っている 「開発組織改善MTG」です。 ここではチームや役職、領域にこだわらず 「開発組織を良くしていくにはもっとこういうものが あればいいよね」 といったような内容を話しています。 CEOの上⽥が元エンジニアなこともあり積極的に 議論が⾏われています。
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    - 組織・⽂化 33 開発組織改善MTGでは各⾃が思っている改善 点をリストアップして議論しています。 ただし 「リストアップした⼈がその改善まで担当する」 という形にならないようにして ⼼理的安全性を保つようにしています。 (意⾒を上げる -> 結局⾃分がやらないといけな い。。-> 上げるのやめておこう、という事象を防ぐ ) あくまで意⾒はフラットに挙げられて、実際の改善 を誰がやるかはまた別途相談して決める形にして います。 ここも1つ、組織改善が上⼿く回っていくためのポイ ントかと思っています。
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    - まとめ 34 実際に取り組んでいる施策であったり 開発・組織・⽂化をご紹介させていた だきました。 いわゆる「当たり前」なことも多々あっ たとは思いますが、 それらを如何に実践できるか、が開発 者体験に繋がっていると思っています。 今回紹介した取り組みの中で参考に してすぐにでも取り組んでいただけるも のがあれば幸いです。