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AI研究の自動化に向けたOSSの開発

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September 28, 2025

 AI研究の自動化に向けたOSSの開発

LADEC 2025の登壇資料です。

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September 28, 2025
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  1. 自己紹介 - 研究分野 - 量子コンピュータ上での機械学習の理論研究(大学院) - LLM - AI研究の自動化(ほぼ開発) -

    株式会社ブレインパッド/データサイエンティスト - デジタルマーケティング領域でのデータ分析や生成 AIを活用したプロダクト開発 - データサイエンティストのためのエンジニアリングの書籍を執筆 - AutoRes - AI研究を行う AIを構築するプロジェクト - AI研究の自動化のための OSS「AIRAS」を開発 - 株式会社NexaScienceのお手伝い 引用元:https://www.autores.one/japanese 引用元:https://gihyo.jp/book/2025/978-4-297-15100-3
  2. なぜAI研究を自動化するのか 研究の自動化を進めるためには AIの発展が不可欠である。また、 AI研究自体はコンピュータ上で研究 を完結させることができるため自動化に向いている。 AIの自動研究の重要性 実験環境を準備する容易さ AIの自動研究 - AIの自動研究を推進することは、

    AI研究そのものの発展に も寄与し、さらには AIによる自動研究やその他の分野にお ける自動研究の進展にもつながる - 物理的な世界とのインタラクションは研究の難易度が非 常に高くなる - AI研究は全ての研究プロセスをコンピュータ上で行うこと ができるため自動研究と相性が良い 発展 発展
  3. 自動研究の標準を目指している OSS 自動研究の標準化 様々な分野への研究自動化を展開 自動研究の標準化と様々な研究分野への自動研究の普及を目的として OSS(オープンソースソフトウェ ア)の開発 - 誰もが検証、改良に参加できる OSSとして開発

    - 自動研究ソフトウェアの国際標準を築き、自動研究におけ る「Autoware」(自動運転の OSS)を目指す AIの自動研究の OSS 分野Aの自動研究の OSS 分野Bの自動研究の OSS GitHubでは簡単にコピーが作れる - 分野を跨いでも研究プロセスの共通部分は存在する - 多様な分野の自動研究に応用可能な基盤として活用で きるよう整備 引用元:https://github.com/autowarefoundation/autoware
  4. AIRASとは - 複数のLLMを使い、AI/ML研究をアイデア生成から論文 執筆まで完全に自動で実行できる OSS - 学部レベルぐらいの研究論文を生成 - 他のAI研究の自動化システムとの違い -

    各研究プロセスを独立して実行でき、ワークフローを柔 軟にカスタマイズ可能 - 高い拡張性を備えた設計 - GitHubとの連携 - GENIACプロジェクトにおいて、株式会社 NexaScienceか ら開発支援を受けている - GENIAC 引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000151620.html
  5. 生成した論文 (※本論文の内容の正確性については、十分に保証できる段階には至っておりません ) - PURIFY-C: CONFIDENCE-GUIDED DIFFUSION PURIFICATION FOR ADVERSARIAL

    ROBUSTNESS - 敵対的攻撃に加えられているノイズを取り除くための研究 - LATENT-ENMESHMENT BACKDOOR: A DUAL-LEVEL APPROACH FOR ROBUST COPYRIGHT INFRINGEMENT IN DIFFUSION MODELS - 画像生成のための拡散モデルに対して著作権侵害に当たるコンテンツを生成するように変更を加える攻撃に関する研究 - CRITIC TREE-GUIDED DYNAMIC EVALUATION FOR ADAPTIVE GENERATIVE WRITING ASSESSMENT - AIが生成した文章の品質を評価するための手法の研究
  6. 自動研究のためのデータ型を作成 自動研究におけるデータの「型」を定義することで様々なシステムと連携を行うことができる - AIの分野では様々な自動研究のシステムが提 案されている - システムの標準規格などはなく、それぞれが独 自にデータを扱っている - システム同士を接続することが不可能

    - ARP(Automated Research Protocol)という自 動研究のためのデータの規格を作成 - 異なる自動研究システムでも ARPのデータ規格 に変換することで接続できる 引用元:https://sakana.ai/ai-scientist-first-publication/ 現状 解決策 Sakana AIのAI Scientist V2 論文の データ構造 新規手法の データ構造 メタ情報の データ構造
  7. 他の研究システムとの連携 システム側で対応するデータ型を定義していることで、様々なシステムや人間との連携をスムーズに行 うことができる 文献調査 仮説 実験 分析 論文作成 独自に開発したシステム AIRAS

    人間 AIRAS AI Scientist V2 AIRAS AIRAS 引用元:https://sakana.ai/ai-scientist-first-publication/ Sakana AIが開発し自動研究システム ※ AI Scientist V2も文献調査から論文作成まで実行できます。
  8. GitHubでの研究管理 AIRAS 研究に関する情報を GitHubリポジトリに整理することで、自動実験における「実験ノート」として活用でき る GitHub - GitHubとは - ソフトウェア開発者がソースコードを保存、共有するた

    めのプラットフォーム - 「リポジトリ」という単位で保存 自動研究ではプログラムを書いてシステムを実行するこ とが多いため、コード管理ツールと相性が良い - GitHubで管理するメリット - 再現性 - 透明性 - 共有のしやすさ - バージョン管理 研究1 研究2 ・ ・ ・ 研究の情報を書き込む リポジトリ リポジトリ
  9. AIRASのビジョン AIの進展とともに AIRASの研究対象を拡張し科学研究の自動化を加速させる 引用元 :https://www.youtube.com/watch?v=29xLWhqME2Q 引用元 :https://zenn.dev/karaage0703/articles/e01c2abc88373 c Unitreeのヒューマノイドロボット シミュレーション空間での強化学習の様子

    Phase 1(現在) Phase 2 Phase 3 Phase 4 難易度の低い AIの自動研究 ロボティクスのための シミュレーション空間での AIの自動研究 実世界で動く ロボティクスのための AIの自動研究 ロボットを制御し 様々な分野の自動研究