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歴史に敬意を! パラシュートVPoEが組織と共同で立ち上がる信頼醸成オンボーディング

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歴史に敬意を! パラシュートVPoEが組織と共同で立ち上がる信頼醸成オンボーディング

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Go Akazawa PRO

February 18, 2026
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  1. 自己紹介
 赤澤 剛 @go0517go エンジニアリング本部 VP of Engineering / プロダクトエンジニアリング部

    部長 2 2009-2018 株式会社ワークスアプリケーションズ(SWE, VP)  Works Applications Singapore Pte. Ltd.(VP) 2018-2020 LINE株式会社(Technical PjM) 2020-2024 株式会社ユーザベース    株式会社アルファドライブ(執行役員CTO)         株式会社NewsPicks for Business(取締役) 2024-  株式会社タイミー(VPoE) プロレス・ゲーム・アニメ・漫画・特撮ヒーロー・ガンダムが好きです! 
 弊社の #z_gundamチャンネルも盛り上がってます!「ねぇ、ハサウェイ・ノアの住所教えて」 
 2
  2. 本日のお話
 
 3 • パラシュート着任の「構造的な難しさ」と暗黙資産
 
 • 人の戦略:最初の90日間で「診断」できる状態を獲得する
 
 •

    組織の戦略:迎え入れる側のオンボーディング設計
 
 • 最新の実践:AIとHandbookによる「歴史のクローリング」高速化
 
 • 今日のまとめ
 3
  3. 組織の前提②:「プロダクトエンジニア」という在り方
 5 5 提供価値向上 お客様の課題解決のため、プロダクトの提供価 値を継続的に高めることに責任を持ちます。
 越境性 技術的、役割的、ドメイン的な「越境性」を重視 し、自身の専門領域に留まらず広範な知識とス キルを追求します。


    オーナーシップ 「How(どう作るか)」だけでなく、「Why(なぜ作る か)」「What(何を作るか)」の段階からオーナー シップを持って関与し、プロダクト全体の成功に 貢献します。
 タイミーの主に機能開発を担うエンジニアは、 プロダクトエンジニア = プロダクトの提供価値を継続的に⾼め続けることでお客様の課題を解決するエンジニア としてアウトカムに全員で向き合っています。
  4. 「エンジニアリング統括責任者の手引き」
 
 8 • 第2章:最初の90日間
 
 エンジニアリング統括責任者自身のオンボーディングについて書かれた章で す。 
 新任の責任者が最初の90日間で、ビジネスの仕組みや企業文化を自ら学び

    、 周囲との信頼関係を築きながら 、拙速な変更を避けつつ持続的な改善を行う ための土台作りを解説しています。 
 
 • 21章:エンジニアリング組織でのオンボーディング
 
 エンジニアリング組織全体が行うメンバーのオンボーディングについて書かれ た章です。
 新たに採用したエンジニアやマネージャーが早期に生産性を発揮できるよう 、 カリキュラムの策定やバディ制度などの役割定義を通じて 、組織として一貫性 のある受け入れ態勢を構築・運用する方法に焦点を当てています。 
 8
  5. 参考:「戦略のカーネル」(「良い戦略、悪い戦略」より)
 9 戦略のカーネルとは「良い戦略、悪い戦略」という名著で説明されている成功するために必要な戦略の基本的な構 成要素の事を言います。「戦略のカーネル」は以下の3つのステップから構成されます: 
 診断 (Diagnosis) 
 Technology、People、Process、Productの4領域において、最も重要かつ解決すべき課題 (不足しているケイパビリティ)を高い解像度で特定します。

    
 基本方針 (Guiding Policy) 
 診断された課題に対し、どのようにその不足を補うか(例:育成、採用、責務の分散など)と いう基本的なアプローチを策定します。 
 一貫した行動 (Coherent Actions) 
 策定した基本方針に基づき、チームを動かし、具体的な施策を実行します。 
 プロダクト開発組織全体のあらゆる戦略や方針策定の構造に「戦略のカーネル」を適用しています。 

  6. 「期待」と「お手並み拝見」を分離していく技術
 12 期待は意識しないと⾃然と「お⼿並み拝⾒」を引き連れてしまう。期待をもち(もってもらい)、お⼿並 み拝⾒感を分離するにはその認識と技術が双⽅に必要。視線に怯えるのではなく、期待を「役割への信 頼」に変換する。 分離前 期待 + 観察 混在状態

    アウェイ感 分離技術 分離後 期待 エネルギー 観察 協⼒ パートナー関係 1 期待の明⽂化 「何を期待されているか」を具体的に⾔語化し、迎 える側、参画する側両者で共有する 2 観察の協⼒化 「⾒られている」を「⼀緒に診断している」に再定 義する 3 関係の再構築 アウェイからパートナーへと関係性を意図的に変換 する
  7. 古参リーダーがもつ暗黙資産
 13 海⾯(顕在レベル) 役職・権限(Title) 
 歴史
 創業からの経緯 
 仕様背景 


    「なぜこうなったか」 
 人間関係 
 信頼のネットワーク 
 社歴
 共に過ごした時間 
 古参リーダー 
 巨大な暗黙資産を保有している。 
 言葉足らずでも「あの人が言うなら」という正統性が働く。 
 パラシュート着任者 
 暗黙資産は ZERO。
 海面下の資産が一切ないため、全ての判断に 緻密な説明責任が求められ る。
 この「資産の格差」を自覚しないことが、ハレーションの根本原因である。 
 暗黙資産 = 組織の歴史が⽣み出した『説明責任のショートカット権』。共通の成功体験に基づき、ロジッ クを尽くさずとも意思決定を加速させるレバレッジであり、新参者が最も⼿に⼊れにくい希少資源。
  8. 16 課題B (事業最優先) 「サービスの分割よりもモノリシックな APIサービスで今は進⾏する」 という当時の判断 課題A 新任リーダーが最初に見つけるもの 
 課題C

    (依存関係) 「ここを直す前に別の仕様と設 計を変える必要がある」 という構造的制約 DIAGNOSIS 課題Aが残っている背景には、より重要だった課題Bや、あわせて解くべき課題Cという 「当時の判断」がある。 もし先に重要な課題Bを優先して問題Aが残存しているならそれは適切な対応だったはず。安易な指摘をせ ず、この背景(コンテキスト)を収集しきることが「診断」の第一歩。 
 事実と文脈:現在の事実状態だけでは見えない過去の経緯

  9. なぜ初手の「正論」はハレーションを生むのか
 17 文脈理解なき指摘は、既存メンバーとしては 「否定」を強く感じてしまう。 
 新任リーダーの視点 
 「負債」に見えるもの 
 非効率なプロセスや古い技術

    
 属人化した業務フロー 
 → これを「正論」で叩き直そうとする 
 現場の真実 
 繋いできた「歴史」= 「文脈」 
 当時のリソースで下した「最善の判断」 
 トレードオフとして飲み込んだ課題 
 → 歴史への敬意なき正論は「拒絶」を招く 
 背景と文脈を無視した正論は、 信頼関係の立ち上がりを初手で大きく失敗可能性を高めてしまう 。

  10. 歴史に敬意を払う、という診断行為
 18 KEY QUESTION 「なぜ先⼈はこの不備を許容したのか?」 過去の肯定 
 当時の状況下での
 「最適解」として
 過去の判断をリスペクトする。

    
 コンテキスト収集 
 表面的な「不備」の裏にある 
 「制約」や「意図」を
 完全に掘り起こす。 
 基本方針の提示 
 背景を味方につけてから 
 初めて「次の一手」を
 言語化・発信する。
 文脈なき「正論」は、現場のこれまでの努力を否定する行為になりかねない。 
 「診断」とは、過去と現在の因果関係を解き明かす知的誠実さである。 

  11. 「診断」なき行動の危うさ:その一手は「十分」か?
 
 
 19 診断と方針が欠落すると 
 網羅性の欠如 
 他にもっと重要な課題があるかもしれない 


    十分性の欠如 
 その施策だけで本当に解決するのか? 
 優先度の欠如 
 今それをやるべき理由は何か? 
 結果:「点」の改善に留まる 
 単体で見れば正しい行動も、戦略なき「点」の改善に留まって しまうリスク。
 例:
 • コードレビューの改善 ← 正しい 
 • テストカバレッジの向上 ← 正しい 
 • ドキュメント整備 ← 正しい 
 しかし、これらが組織の最重要課題を解決するか?
 診断の価値
 診断によって「課題の全体像」と「相互関係」を理解することで、
 限られたリソースを最も効果的な一手 に集中できる

  12. 新しい組織でのマネジメント再現性(移植性)の定義
 20 再現性 =(診断力 + 説明責任)× 言語化 
 マネジメントの再現性とは、暗黙資産に依存せず、言語化された説明責任で意思決定を行う力。 


    経験のコピーではなく、説明責任の再構築こそが再現性の正体。 
 再現性
 = ( 診断力
 + 説明責任
 ) × 言語化
 診断力 
 • 課題の本質を見抜く理論構築 
 • 事象と文脈の相関関係の理解 
 • 歴史への敬意に基づく分析 
 説明責任
 • 判断根拠の明確化 
 • ステークホルダーへの透明性 
 • 失敗時の責任の所在 
 言語化
 • 暗黙知の形式知化 
 • 他者が理解可能な形での記録 
 • 組織の学習資産への変換 

  13. 実践①:Readme of VPoE in タイミー
 21 自分という「道具」の インターフェース化 
 自分自身の『取扱説明書』を公開し、周囲の不安を解消する

    
 説明責任の前倒し
 「何をする人か」「何をしないか」を先に宣言することで、周 囲の不安を解消し、信頼構築を加速させる。 
 コミュニケーションの最適化 
 自分の強み、弱み、フィードバックの受け方、稼働時間など を公開し、摩擦を最小化する。 

  14. Readmeの一部紹介:冗長性と相互補完性
 
 
 22 CTO Domain 技術の未来像とロードマップ 
 技術的負債への長期的スタンス 


    R&D・新規技術の選定 
 TECHNICAL STRATEGY Redundancy 意図的な「重なり」 
 組織文化の醸成 
 採用基準の策定 
 重大なトラブル対応 
 「どちらでも判断できる」状態を作り、 
 メンバーの不安とボトルネックを解消。 
 VPoE Domain エンジニアの評価と育成 
 開発プロセスの改善・効率化 
 ピープルマネジメント全般 
 ORGANIZATIONAL EXECUTION 「なぜ二人がいるのか?」という問いに、 可用性(止まらない意思決定) と専門性(役割の分担) の両面からロジックで 回答する。(と言いつつ、ヘイシャCTOの背中は大きく遠い!) 

  15. 実践②:VP朝会(共同診断)
 23 STEP 01 
 自分の「違和感」 
 STEP 02: VP朝会

    
 コンテキストの注入 
 STEP 03 
 合意された「診断」 
 共同診断のメカニズム 
 • 既存リーダーの知見: 新任には見えない「過去の意思決定の 背景」や「技術的制約」を共有。 
 • フィルター機能: 単なる文句や的外れな正論を、組織課題とし ての「診断」に磨き上げる。 
 • 孤立の防止: 「自分が正しいか」ではなく「我々としてどう診断す るか」というチーム戦への移行。 
 Outcome 新任の「主観」「モヤり」が、組織の「正当性」を帯びた方針 へと変換される。
 毎朝30分、CPO, CTO, VPoP, VPoEでSyncする時間を設定。(現在は規模と専門性から週3に変更、他2日はCTO-VPoEの会 に)煮詰まっていなくても将来的な懸念、重要になりそうなトピックを素早く議論し、自身がもった「違和感」をクイックに他のリー ダーに当て、組織的な診断へと昇華することができた。 

  16. 独りで「正しさ」を証明しなくていい状態
 24 既存リーダーを「検証相⼿」にする 主観的な違和感 
 「あれ、おかしいな?」
 既存リーダーのフィルター 
 コンテキストの注入 


    客観的な「診断」 
 「こうだから、こうだ」
 統括責任者の手引き:第14章「幹部チーム」の結束 
 新任一人の戦いではなく、組織の既存知(暗黙資産)を持つリーダー たちと「診断」を共有する。 
 新任の孤独を解消する 
 主観を客観に変えるフィルターを持つことで、「自分の意見が正しい か」という不安から解放される。 

  17. 実践③:接点設計
 25 業務接点
 意思決定の文脈: なぜそのスタックや設計を選んだのか
 負債の歴史: どの時点で「置いておく」判断を決めたのか
 人間関係の地図: キーマンは誰か
 趣味・個人接点

    
 価値観の解像度: 何が判断や決定の指針、軸か
 心理的安全性: 弱みを見せ合える関係性
 雑談の効能: 好きなもの、今ハマっているものはなにか
 暗黙資産を⾃分に流し込むパイプライン TIPS
 ちょっとした声のかけやすさ、接点の持ちやすさのために、メンバーとは趣味での接点を1つ以上持つようにしています。例え ば、Aさんは音楽のゴスペルが好き、Bさんはラーメン、特に煮干し系。DさんはガンダムでSEED以降、Eさんは宇宙世紀で特 にZ、Fさんはクロスボーンガンダム...etc 
 業務上の接点だけでなく、個人的な興味や関心を通じた接点も持つ。 
 多様な接点を持つことで、情報収集のチャネルを増やし、組織の理解を深める。 

  18. プライベートオンボチャンネル:加工しない「モヤっと」の場
 
 
 29 クローズドな構成 新任EM ⾃分 (VPoE) メンター 「背景」を注⼊するための最短経路

    ⼼理的安全性が担保されたサンドボックス 違和感を「批判」に変えない。 未加⼯の感情を、組織の「診断」へと昇華させる。 モヤっと(違和感) コンテキスト注⼊ 診断の種 KEY MESSAGE 「なぜそうなっているのか」という歴史背景を即座に共有 し、個⼈の違和感を組織改善のロジックに変換する。 publicなオンボーディングや業務チャンネルとは別に、少数の相談チャンネルを⽤意。⾔語化や検証が⽣ 煮え状態の違和感やモヤりを連携しやすい状態を作る。(転職直後が最もgapを感じる期間、慣れる前に 組織としてのシグナルをキャッチし、診断に消化する。
  19. オンボーディングの再定義
 30 新たな定義: オンボーディング = 「組織診断⼒」をインストールする期間 誤解 ‧即座に成果を出す期間 ‧実⼒を試される期間 ‧早期⽴ち上がりのプレッシャー

    本質 ‧背景(⽂脈)を共有する投資 ‧中⻑期の武器を渡す期間 ‧組織診断プロセスの習得 「どこに着地すべきか」を 共に診断し、安定した基盤を作る
  20. 採用へのフィードバック
 31 「暗黙資産」に依存しない⼈を⾒極める。 ⾒極め:診断の⾔語化⼒ 「なぜ?」を深掘りできるか 既存の不備を「単なる負債」と切り捨てず、当時の合理的背景を 推測できる能⼒。 説明責任をロジックで果たせるか 「社歴」や「⼈間関係」という暗黙資産に頼らず、事実と理論で 合意形成を設計できる。

    アクション:資産の注⼊ ONBOARDING STRATEGY 診断のプロセスを⾔語化できる⼈を採⽤し、 オンボーディングで資産(コンテキスト)を注⼊す る。 歴史へのアクセス権 診断のための「余⽩」 再現性とは「持っているもの(資産)」ではなく、「作り出すもの(診断⼒)」である。
  21. 再掲:新しい組織でのマネジメント再現性(移植性)の定義
 35 再現性 =(診断力 + 説明責任)× 言語化 
 マネジメントの再現性とは、暗黙資産に依存せず、言語化された説明責任で意思決定を行う力。 


    経験のコピーではなく、説明責任の再構築こそが再現性の正体。 
 再現性
 = ( 診断力
 + 説明責任
 ) × 言語化
 診断力 
 • 課題の本質を見抜く理論構築 
 • 事象と文脈の相関関係の理解 
 • 歴史への敬意に基づく分析 
 説明責任
 • 判断根拠の明確化 
 • ステークホルダーへの透明性 
 • 失敗時の責任の所在 
 言語化
 • 暗黙知の形式知化 
 • 他者が理解可能な形での記録 
 • 組織の学習資産への変換 

  22. まとめ:今日伝えたかったこと
 36 歴史に敬意を、組織に診断力を 
 「正論」ではなく「診断」で対話し、暗黙資産の欠如を、説明責任の遂行で補う。歴史に敬意を払い、背景を味方につけよう。 
 再現性 = 設計力 


    診断・説明・合意形成のプロセスを
 言語化することこそが、
 移植可能なマネジメントの真髄。
 信頼は「説明責任」から 
 既存リーダーを検証相手とし、
 主観を客観へ昇華させる。
 ロジックで正統性を構築する。
 歴史に敬意を 
 「なぜ先人はこの不備を許容したか?」
 文脈(コンテキスト) を収集し、
 過去の判断をリスペクトする。