Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
医療と機械学習とMRI
Search
hayata-yamamoto
April 13, 2019
Science
0
240
医療と機械学習とMRI
発表で使いました
#AIMS
hayata-yamamoto
April 13, 2019
Tweet
Share
More Decks by hayata-yamamoto
See All by hayata-yamamoto
生成AI動向まとめ 2025年7月
hayata_yamamoto
0
11
テック系起業家のための 会計入門 数字を味方につける経営ガイド
hayata_yamamoto
0
9
バランスト・スコアカード(BSC)
hayata_yamamoto
0
8
データ同化入門
hayata_yamamoto
0
27
中小企業のための 行政デジタルID活用ガイド
hayata_yamamoto
0
19
AIエージェントにおける評価指標と評価方法:本番環境での包括的検証戦略
hayata_yamamoto
0
10
統計的意思決定論の入門
hayata_yamamoto
0
15
コンテキストエンジニアリング入門
hayata_yamamoto
0
50
困難は分割せよ。既存のサービスにナレッジベースなAI駆動開発を導入していくための一つの方略
hayata_yamamoto
0
140
Other Decks in Science
See All in Science
データマイニング - グラフ構造の諸指標
trycycle
PRO
0
150
データベース06: SQL (3/3) 副問い合わせ
trycycle
PRO
1
620
A Guide to Academic Writing Using Generative AI - A Workshop
ks91
PRO
0
120
「美は世界を救う」を心理学で実証したい~クラファンを通じた新しい研究方法
jimpe_hitsuwari
1
140
データベース15: ビッグデータ時代のデータベース
trycycle
PRO
0
310
How To Buy, Verified Venmo Accounts in 2025 This year
usaallshop68
2
200
データベース12: 正規化(2/2) - データ従属性に基づく正規化
trycycle
PRO
0
940
Accelerated Computing for Climate forecast
inureyes
PRO
0
110
局所保存性・相似変換対称性を満たす機械学習モデルによる数値流体力学
yellowshippo
1
290
眼科AIコンテスト2024_特別賞_6位Solution
pon0matsu
0
430
機械学習 - DBSCAN
trycycle
PRO
0
950
安心・効率的な医療現場の実現へ ~オンプレAI & ノーコードワークフローで進める業務改革~
siyoo
0
300
Featured
See All Featured
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
46
7.5k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
407
66k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
21
1.4k
The World Runs on Bad Software
bkeepers
PRO
70
11k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
35
2.5k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
51
8.7k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
194
16k
Making Projects Easy
brettharned
117
6.3k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
8
870
Faster Mobile Websites
deanohume
308
31k
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
71
11k
Adopting Sorbet at Scale
ufuk
77
9.5k
Transcript
医療と機械学習とMRI Hayata Yamamoto
注意事項 • この資料は私個人の見解を示したものです。 所属する組織の意見を代表しません。 • 医療分野の知識については、 医療従事者から見ると至らない点がある可能性があります。
Agenda 1. 医療と機械学習 a. 医用画像解析を軸にして話します。 2. まとめ
医療と機械学習
Hayata Yamamoto (23) • 職業: Data Scientist @RareJob.inc • 経歴:
Sales -> ML eng. -> DS • 関心: 教育、ヘルスケア、医療 • Twitter: @hayata_yamamoto • 医療分野との関わり: ◦ sMRI T1の脳画像を見てました
http://www.ajnr.org/content/33/1/77
今日伝えたいこと • 医療と機械学習はとても面白い分野であること • データを分析する際には、高度な背景知識が求められること • データ分析と医療関係の知識を満遍なく習得して欲しい
医療とテクノロジーで何を思い浮かべますか?
たとえば • 電子カルテ • 遠隔診療 • 高度な医療機器 など
https://bit.ly/2rTquc5
わかること • メディカル市場は発展中 ◦ 日本が強みを発揮できる分野であるという調査もあります。 • スタートアップもたくさんいる • ウェアラブルとかも含めると、もっとたくさん会社がいそう
機械学習との関わり
現状 • 医療データの機械学習に取り組む研究者は割といます。 • 脳波から診断データ、MRI、CTなど材料はたくさんあります。 ◦ 画像認識 ◦ 自然言語処理などなど •
深層学習の定番は、医用画像のsegmentation。 ◦ Unet, Unet++とか
https://arxiv.org/pdf/1807.10165.pdf
MRIって知ってますか? • Wikipedia ◦ 核磁気共鳴画像法(かくじききょうめいがぞうほう、 英語: magnetic resonance imaging, MRI)とは、核磁気共鳴(nuclear
magnetic resonance, NMR)現象を利用して生体内の内部の情報を 画像にする方法である。 • CTとの違い ◦ 撮影時間 ▪ CTは約10分、MRIは約30分 ◦ 撮影方法の違い ▪ CTはX線、MRIは磁場の共鳴 ▪ 故に、MRIは被曝しない • 参考 ◦ http://www.kuki-med.jp/ctmri/ ◦ http://bit.ly/2UXhdi0
難しく、面白いところ • データ自体のドメイン知識がかなり必要 ◦ データによって、画像や信号の特徴が明確に異なる。 ▪ センサーデータ中心 ▪ 波形データ、2D, 3D,
4Dまである。 ▪ 画像の種類やピクセル値ごとに、移りやすい臓器や物質がある。 ◦ 階調処理、現像の処理が必要になることも。 ▪ ベンダーや取得時の環境によってデータに味がある ◦ データの見方がわからない ▪ 教師データがあってもいまいち素人には違いがわからないこともある。 ▪ 3Dデータだと、2D化する際の画像の切り方で見えない部分が発生する。 • 例えば、脳画像だとSagittal, Coronal, Axial
MRIの種類(一部) http://casemed.case.edu/clerkships/neurology/web%20neurorad/mri%20basics.htm
難しく、面白いところ • 前処理の知識 ◦ 正規化をしたりします。(ソフトウェア依存) ▪ 骨をとる、大きさを整える、など ▪ 情報の損失はいかほどか... ◦
正規化せずタスクをやることもできるが大変。←私がやってたこと ▪ 子どもと大人、男性と女性、頭の形でデータがめちゃくちゃ揺れる • データ数の少なさ ◦ そもそも多くの人は、MRIとか滅多に受けない ◦ さらに、症例の少ないデータは、正解データが本当に少ない ◦ 大きいデータの使用には、倫理審査など厳密な手続きが必要。
難しく、面白いところ • 説明責任の問題 ◦ 分類問題が予測できても、原因についての考察ができないとダメな場合がある。 ▪ LinearSVCはよく使われてる印象。係数が取れるし。 ◦ 業務効率化など、厳密な説明能力を問われない領域とは機械学習の相性が良さそう。 ◦
確率の揺らぎはどうする?(学習時の塩梅によってクラス分類が変わる可能性) • ツールに対する理解 ◦ SPM, FreeSuferなど ◦ 典型的な分析はかなりまかなえる。 ▪ 何をやってるかの理解は必要 ◦ 生データを取得した際には、既存のソフトウェアをうまく使いながら分析する必要がある ◦ 1サンプルのデータ量が大きくなるケースでは、メモリをうまく使うプログラミングも必要
要は、めっちゃいろんな知識いります。
医療ドメインとテクノロジーどちらもわかる人材が重要
ドメインの知識と機械学習は両輪
望ましいスキルセット • 医療分野に対する知見 ◦ データ生成過程やデータに対する着眼点を理解するため ◦ 着眼点から意義のあるテーマを見出すため • テクノロジーに対する知見 ◦
人がやっている思考プロセスを数学的に再現するため ◦ 実際にデータを加工して、実験を行うため もちろん、どちらかだけでも取り組むことはできる。
習得の難しさ 医療のドメイン知識 > プログラミングや機械学習
医療知識を習得する • 学習機会を得にくい • 習得までに時間がかかる ◦ 一朝一夕が難しい • 実際に使う場面が少ない テクノロジーを習得する
• 工学系学部ならおおよそ勉強できる • MOOCs, ブログなどで自学できる ◦ コピペでも最初はどうにかなる • 実際に使う場面をたくさん作れる ◦ Kaggleとか
問題設定の難しさ • タスク自体の特性をよく理解する必要性 ◦ 問題が解ければ良いのか ◦ 問題が解けた後に説明する必要もあるのか • 自力のアノテーションは、知識がないと難しい ◦
医用画像のマスク作成などは、お医者さんが日常的にやってる業務 • 分析したいテーマにそぐうデータが存在するか ◦ クローズドのデータもある(審査が必要) • できる限り実現可能なタスクにできるか ◦ 検出の難しさや、クラス分けの難しさ
医療の知識があって、データ分析をすると最強
まとめ • 医療 x Techはすごく面白く、盛り上がってる分野です。 • 医療データを扱う際には必要なドメイン知識がかなりあります。 • 医療の知識を持った上で、テクノロジーを使える人材が重要です。
ありがとうございました!