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Cloudflare OS から考える、SaaS の次のかたち

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October 12, 2026

Cloudflare OS から考える、SaaS の次のかたち

AI Talks Night #8(2026/10/12)での LT 資料です。Cloudflare が公開した「Cloudflare OS」を手元で動かし、何ができるのか、どう安全にしているのか(Gatekeeper)、そして社内で使うなら何が課題かをまとめました。SaaS をただ買い足すのではなく、足りない部分を社員が自分で作れる時代の土台として見ています。

イベント: https://rayven.connpass.com/event/406231/

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October 12, 2026

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Transcript

  1. AI TALKS NIGHT — LIGHTNING TALK Cloudflare OS から考える、 SaaS

    の次のかたち SaaS を買い足す前に、まず作ってみる 鈴山 英寿 2026.10.12
  2. 01 はじめに 自己紹介 鈴山 英寿 RAYVEN 取締役 CTO 仕事の概要 経営

    事業戦略・PdM 開発 受託開発と、自社プロダクトの開発 組織 採用・人事・情報システム 最近のこと 昨日、久しぶりに USJ に行きました。 02
  3. 01 はじめに その SaaS、ちょっと合わなくないですか? 1 欲しい項目が、ない 結局、横に Excel を置いている 2

    開く画面が、多すぎる 1 つの仕事で、タブを行き来する 3 要望は、通らない 自社だけの都合では直らない 足りない分は、自分で作って足す。 Cloudflare OS は、そのための社内の土台。今日はこの見方で話します。 03
  4. 01 はじめに SaaS は捨てない。上に自分の画面を載せる いまある SaaS Cloudflare OS 自分用の社内ツール 

     そのまま使う 門番が間に立つ 頼んで作る データも権限も、 元の場所に置いたまま 許した範囲だけを、 AI とアプリに渡す Issue の一覧、週次の集計、 承認の画面 など SaaS を買い足す前に、まず作ってみる。その置き場所が Cloudflare OS。 ※ 右の 3 つは想定例で、実績ではありません。SaaS は置き換えず、足りない分を足す、という発表者の見立てです 04
  5. 02 なぜ Cloudflare OS は作られたのか 全社員に AI を配ると、鍵の渡し方で詰まる たとえば 営業の

    A さんが AI に頼む。「今月の売上を集計して」 やり方 1: 全部の鍵を渡す やり方 2: 何も渡さない 便利。でも、給与や 契約書まで見える 安全。でも、人が手で コピペして貼るだけ 欲しいのは 3 つめ これを仕組みにしたのが Cloudflare OS 頼まれた分だけ、その都度わたす。 05
  6. 03 Cloudflare OS とは ひとことで言うと、 社員一人ひとりに配る、 ブラウザで動く AI の仕事場。 公式

    README の書き出し(2026-10-10 取得) 出どころ 公開 よくある誤解 Cloudflare が社内で 使っていた基盤 2026 年 8 月に オープンソース化 Windows や Linux の 代わりではない 06
  7. 03 Cloudflare OS とは 開くと、こういう画面が出てくる 1 2 1 3 2

    3 真ん中の欄に、文章で頼む ふつうの言葉で「◯◯を作って」と書く 左は、作ったものの置き場 作業の机・設計図・できたものが並ぶ 下は、頼みごとの例 会議の資料づくり、作業の自動化 など つまり AI に文章で頼む、社内用の Web ページ 07
  8. 03 Cloudflare OS とは 先に全体図: Cloudflare の上でこう動く Cloudflare 上(すべて Workers

    で動く) Browser 利用者の画面 アプリは iframe の中 Access 本人確認 IdP 連携 Workspace Gatekeeper SaaS Durable Objects SaaS ごとに 1 つ 認可・監査ログ Google / Slack / GitHub など AI Gateway LLM LLM のプロキシ Anthropic / OpenAI など Router Gadget Worker Dynamic Workers コード実行 唯一の 公開口 Facets 専用の SQLite 記録と上限 入口は Access と Router の 1 か所。外への出口は Gatekeeper と AI Gateway の 2 本だけ。 ※ 手元の pnpm run-local では Access は使われず、ユーザー名とパスワードでサインインします。図は公式資料をもとにした簡略図 08
  9. 03 Cloudflare OS とは ChatGPT と似ている。でも、返るものが違う ChatGPT などの AI チャット

    Cloudflare OS  返ってくるもの 文章の答え 動くアプリ。残って、配れる  会社のデータ 自分でコピペして貼る 許可した分だけ、取りに行く  会社から見ると 誰が何を貼ったか不明 記録と費用が見える ※ 左列は一般的な使われ方の話。最近の AI チャットには、成果物を残す機能や外部連携を持つものもあります 09
  10. 04 Cloudflare OS を実際に動かしてみる 初回の起動は、コマンド 4 行 $ git clone

    https://github.com/cloudflare/cloudflare-os.git $ cd cloudflare-os $ pnpm install $ pnpm run-local → http://localhost:8787 必要なもの データの置き場 位置づけ Node.js と pnpm .wrangler フォルダ 本番用ではない 開くと、まずサインイン画面(手元で撮影) ※ CLI を使わず、ブラウザで os.cloudflare.app/deploy から自分の Cloudflare にデプロイする方法もあります(未検証) 10
  11. 04 Cloudflare OS を実際に動かしてみる 起動したら最初に、AI モデルをつなぐ 1 左下の自分のアイコンを開く メニューから Providers

    を選ぶ 2 Add provider で登録する 使うモデルの API キーを入れる 3 入力欄でモデルを選ぶ 「No agent」の表示を切り替える 最初のつまずきどころ つなぐまでは、頼んでも動かない ※ API キーは各自で用意します。モデルの利用料は、登録した事業者側にかかります 11
  12. 04 Cloudflare OS を実際に動かしてみる 実物の画面は、こうなっている 1 3 AI との会話 頼むと、やったことを説明しながら進める

    1 2 2 できあがったアプリ この例は、6 枚のスライド資料 3 コードと接続先のタブ 中身のコードも、つないだ先も見える 画像: cloudflare/cloudflare-os(Apache-2.0) 13
  13. 05 押さえる言葉 押さえる用語は 4 つ。SE の言葉に置き換える Gadget Workspace Blueprint Gatekeeper

    小さな Web アプリ 作業環境 テンプレート 認可プロキシ 画面 + サーバー処理 + 専用 DB(SQLite)を持つ フルスタックの 1 本 会話・状態・成果物と 接続権限をまとめる プロジェクト単位 コードだけを複製する 配布用のひな形。データと 認証情報は含まない 外部 API の手前に立ち、 トークン保管・スコープ 制限・監査ログ・承認 Workspace の中に Gadget を作り、Blueprint で配布し、外部 API は Gatekeeper 経由で呼ぶ。 実行基盤の部品(Durable Objects / Dynamic Workers / Facets)は、8 枚目の全体図にあるとおり 14
  14. 05 押さえる言葉 Gadget は、利用者ごとに作れる A さん B さん C さん

    そのまま使う そのまま使う 自分用に改造する 「期限を設定できるようにして」 と頼んでも、変わるのは自分の Gadget だけ。 足りない機能は、要望を出して待つのではなく、自分の分をその場で直す。 ※ 共用の SaaS を呼ぶのではなく、その人専用のアプリが別のサンドボックスで動く。だから他人のデータが漏れない(README) 15
  15. 05 押さえる言葉 Blueprint = コードだけを配る「設計図」 共有(Collaborators) Blueprint 同じ 1 つを、一緒に使う

    コードを配り、各自が 1 つ持つ 同じアプリ・同じデータを触る リンクを渡すと、相手が自分用を新しく作る ユーザー名の指定か、共有リンクで招く 接続先とデータは、受け取った人のもの 権限は 2 段階: build(編集まで)/ use(使うだけ) 元が更新されたら、確認して取り込める Blueprint に入るもの ソースコード 入らないもの アプリ内のデータ 必要な接続の「型」 タイトルや説明 会話の履歴 認証情報と実際の接続 出典: cloudflare-os の docs/blueprints.md と docs/sharing.md。.gadget ファイルに書き出して、別の環境へ持ち込むこともできます 16
  16. 06 外部リソースへ、どう安全にアクセスするのか Gatekeeper = SaaS との間に立つ「門番」   門番 頼む側

    SaaS ごとに 1 人。鍵はここで預かる GATEKEEPER AI 作ったアプリ 許可する 範囲を絞る 鍵を持たない 記録する 承認を求める  接続先 外部サービス 社内データ パスワードや鍵を誰にも配らない。だから、全員に使わせられる。 ※ OAuth のトークンは門番の Worker が持ち、AI にも生成されたコードにも渡りません(README) 17
  17. 06 外部リソースへ、どう安全にアクセスするのか 承認を待つあいだも、AI は手を止めない これまで その場で承認 門番あり あとで承認 依頼する 1

    歩目で承認待ち 依頼する 操作 1 仮実行 操作 2 仮実行 戻ってきたら、何も進んでいない。結局 「全部自動承認」にしてしまう 操作 3 仮実行 まとめて 承認 本当に 実行 送信や変更など影響のある操作は、「仮に」済ませて先へ進む。 読み返されたら仮の結果を返す。承認と却下は、あとで一括でも 1 件ずつでも。 ※ 承認が要る操作は、門番が結果をシミュレートして返します。実装は gatekeeper-kit の actions と simulation(README) 18
  18. 07 触ってみた感想 感想: 「作る」より「守る」が大変になる 社内に本格導入するまでの課題 これから起きること AI が普及すると、一人ひとりが アプリを作る。大変になるのは ガードレールと保守運用。

    1 社内ツールと、どうつなぐか 2 チャットが、API の従量課金 社内のツール群を、Cloudflare OS 側に どうつなぎ込むかを決める必要がある Cloudflare OS の良いところ 管理と権限を、 一手に担う設計。 使うほど費用が増える。費用の見通しと 抑え方を整えたい この 2 つを改善できれば、本格導入できる。いま、社内での運用を検討しています。 19
  19. 08 まとめ まとめ: 8 つの言葉で振り返る Workspace Gadget Blueprint Gatekeeper AI

    と仕事をする机 自分専用の小さなアプリ 配るための設計図 間に立つ門番 Durable Objects Dynamic Workers Facets AI Gateway 続きを覚えておく コードを箱で動かす データの部屋を分ける 利用の記録と上限 上の 4 つが「使う人の言葉」、下の 4 つが「支える部品」。 ひとことで言うと: 道具の自由は個人に、データの線引きは会社に。 20
  20. 09 参考資料 参考資料 1 Cloudflare 公式ブログ「Cloudflare OS」 blog.cloudflare.com/ja-jp/cloudflare-os 2 GitHub:

    cloudflare/cloudflare-os(本体) github.com/cloudflare/cloudflare-os 3 GitHub: cloudflare/cloudflare-os-starter(デプロイ用) github.com/cloudflare/cloudflare-os-starter 4 公式ブログ「Dynamic Workers」 blog.cloudflare.com/dynamic-workers 5 デプロイページ os.cloudflare.app/deploy 6 Qiita「Cloudflare OS 入門」@tamakiiii(構成の参考) qiita.com/tamakiiii/items/037dddc0c4ca79e26156 数字とスクリーンショットは 2026 年 10 月 8〜10 日に取得 21
  21. まとめ 業務を 1 つ、接続先を 1 つ。 確かめてから、全員へ。 1 2 3

    4 業務を絞る 接続先を絞る 権限を試す 全員に配る github.com/cloudflare/cloudflare-os github.com/cloudflare/cloudflare-os-starter