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Google Cloud Next Tokyo '25 Recap

Google Cloud Next Tokyo '25 Recap

2025.08.08 チーム勉強会にてRecap報告

Transcript

  1. Contents • Google Cloud Next Tokyo ʻ25とは • 参加レポート ◦

    Tsuruoka ▪ Day1 - 6h, Day2 - 8h • まとめ
  2. • Googleによる、Google Cloudや関連技術に関する毎年開催の⼤規模カンファレンス • 今年も⽣成AIが中⼼であるのはもちろん、AIエージェント系の技術やビジネスでの利⽤シーン、組織浸透が多め Google Cloud Next Tokyo ʼ25

    とは 3 項⽬ 概要 名称 Google Cloud Next Tokyo '25 ⽇時 2025年8⽉5⽇(⽕)・6⽇(⽔) 会場 東京ビッグサイト 内容 • 基調講演 • ブレイクアウトセッション • Expo(展⽰) • ハンズオン・トレーニング
  3. • ⽬的: AIの最前線、Google Cloud製品のAI統合による進化、AIエージェントの実利⽤ケースを知る、など • セッション: 10個、ブース: ほぼ全部、Quiz Challenge: GKE、ガラポン:

    当選、ハンズオン系は抽選で参加できず。 • 久しぶりのイベント参加(⽇本語)だからか、安易な⾔葉で表現すると「めっちゃ楽しかった」。 • Agentspaceが多め、企業導⼊の実例や、導⼊⽀援、Agent Engineとの接続とかブース系は特に多かった印象。 個⼈的サマリ 4 ↑招待コードでガラポンができる。当選してスケッ チブックもらえた。 ↑Quiz Challengeで認定資格の簡易版みた いなクイズで正答率70%以上でバッジがも らえる。全7個でコレクトしている⼈も。
  4. • Gemini CLI GitHub Actionsが公開。Claude Code同様、PRやコメントでのやりとりが可能に。 • 新機能ではないが、sandboxモードで動かすYOLOモードや、Cloud Firestoreへのダミーデータ書き込みをデモ。 •

    gcloudコマンドとの相性や、プロジェクト設定からシームレスにプロジェクトリソース更新できるのは普通に便利。 Gemini CLI 関連 6 Session Google Blogより ref. 動画: Cloud Monitoringのログを読み込んで、Cloud Runの最適化をするデモ。 ローカルの設定と、Cloud Monitoringログを照らし合わせ、ワーカーやミニマム インスタンスの調整など、問題点を指摘し最適化。 コスト最適化の例
  5. • Googleの新規コードの4分の1以上はAIによって⽣成されている(”Claude Codeの90%はClaude Codeで”を意識?) • 登場直後6⽉に触って離れた⼈はぜひ今のタイミングで触ってほしいとのこと。進化してもはや別のプロダクトに。 • デモが⾯⽩い。2つのMCPサーバーを使って、データから画像→動画を⽣成しCloud RunデプロイでWeb反映するシナリオ。 Gemini

    AI Agent時代のプロダクト開発 7 Session デモの全体構成。Cloud Workstations上でGemni CLIで3ステップを動かす。シナリオは「⼈気No.1商品のプロ モ動画をWebサイトのHero画像と差し替える」。まずはMCP Toolbox for DatabasesでBigQueryから⼈気商品 を取得→Gen Media APIsをMCP経由でImagenを使い画像⽣成→画像から4バリエーションの動画を作成しつな ぎ合わせて20秒動画に→HTMLをVibe Codingで差し替えてCloud Runでデプロイ。 将来的に`/deploy`コマンドでCloud Runに⼀発デプロイできるようになるなど、Google Cloudリソースと統合さ れたコマンドがたくさん追加されると予想(カスタムスラッシュコマンドも最近対応した) 発表者が元同僚だったので、Ask the Speakerで話したがClaude Code追いつくぜ!でまずは頑張っているみたい
  6. • Data Science Agent (DSA): ⼀連のデータ分析のコードを⾃律的に作成。数⽇かかっていたMLモデルが⾃然⾔語で数時間構築 • SQL書くの⾯倒とか、MLモデルを作れない分析業務疎い⾃分の能⼒拡張ができるので、実サービスあればすぐに使いたい BigQueryの進化と⽣成AI活⽤ 8

    Session Expo ref. ←カスタマーサービスエージェントのデモ: ユー ザーの欲しい商品に対して、⾃動エンベディングで のベクトル検索をしていくつかのおすすめ商品を提 ⽰。さらに、購⼊履歴もユーザーテーブルから取得 し、過去購⼊した製品との互換性を維持した商品レ コメンドをほぼBigQueryの機能のみで実現。 ←管理画⾯でのデモ: ⾃然⾔語で「ある商品の6ヶ ⽉間の売上と地域別シェアを出して」というと、 データサイエンスエージェントが実⾏され、グラフ 化だけではなく、予測モデルとかも⼀緒に出せる。 SQLを書かなくなる世界
  7. • 従来のRDBMSの利便性とNoSQLの拡張性の両⽅を備える(NewSQLの1つ)。Cloud Spannerからインスピレーション。 • Serverless版やCloud版の提供、簡易分析もビルトインされ、事業⽴ち上げ時や開発・検証環境のコストを抑えたい時にも優秀。 • 適当に検索すると、ここ1~2年での⼤⼿サービスのTiDBへの移⾏情報がたくさんでてくる。ちなみにStella AIもTiDB(後述)。 TiDB -

    MySQLと完全互換なオープンソースの分散型SQLデータベース 12 レバテック: TiDBは銀の弾丸になるのか? ~ レόテックの課題と新たな 挑戦 ~ TiDB User Day 2024 ref. DMM: DMMがMySQLのリプレース先として Google Cloud SpannerとTiDBを⽐較。選定 はpospome⽒、フェアに⽐較されていて参考に なる。 ref. Expo
  8. • Gemmaを使ったエッジ推論でのリアルタイムローカル映像分析のデモ • ⼯場現場とかネットが乏しい環境に最適で、⽴⼊禁⽌区域とかあらかじめFTさせたGemmaで警告や危険アラート出すなど • GDC上のGKE環境で、映像を元にサンプリングした画像をGemmaで読み込ませ分析(デモでは、物体検知でYes/No判定) Google Distributed Cloud with

    Gemma 13 ※Google Distributed Cloud: Google Cloudのインフラストラクチャとサービスを、顧客のオンプレミス環境やネットワークのエッジに拡張するソリューション ↑「⾚いスマホを持っている」など適当なプロンプトを⼊⼒後、 数秒ごとにサンプリングされ、検知されるとYesが、未検知の場 合はなぜ未検知なのかの理由も添えてフィードバックされる。 ↑当⽇はHP Z2 Mini G9 Workstation (w/t AMD GPU) が3台と、GDC Cluster Serverと ルーターが置いてあり、ローカルホストアクセス でデモをしていた。 Expo
  9. • 2025年5⽉のGoogle I/Oʼ25で発表された、ショッピング検索結果の⾐服をバーチャルに試着できる機能(略称: VTON) • 現在は⽶国しか利⽤できず試着アイテムもトップスのみだが、社内版ではすでにアクセサリーやキャップも展開しているとのこと • 年内のAPI化が予定されており、Vertex AI Platform上にのってImagenやVeoと同様のモデルとして展開される形とのこと

    Google: Try it On 14 ウェディングドレスのような「試着するのに労⼒や時間がかかる」ユースケースにも ぴったり。ブライダル担当者⽈く、1時間に1組で2,3着試すのが現在のオペレーショ ン上限界だが、VTONでいろいろ試した上で、本当に気に⼊ったドレスのみ袖を通 すみたいなことで、より選択肢も増えるし楽しいドレス選び体験になる、など。 Expo
  10. • ソフトウェア体験管理(SXM)プラットフォームと謳っている。平たく⾔うと、有料版のGA+リッチ版みたいな感じ。 • 実はドコモでも2023年12⽉頃にPD部で導⼊評価していたがおそらく未導⼊(技術⽂脈で調査協⼒したが費⽤が⾼い点が問題に) • 従業員を理解・評価するのと同じ視点でAIエージェントを評価する「Pendo Agent Analytics」。最近予測AIの企業も買収。 Pendo -

    Webやアプリのユーザー⾏動を分析、UX向上SaaS 15 ←A2Aの33社でのテクノロジーパートナーに選 定された点をアピール。 余談だが、2025年6⽉にA2AはLinux Foundation に寄贈されたらしい。より中⽴的な オープンスタンダードなプロトコルとして整備さ れていく。 KDDIとかも導⼊している https://it.impress.co.jp/articles/-/27814 Expo
  11. • ⽣成AIのプロダクト開発における推進⽅法や投資対効果、サービスの選び⽅について語るパネルディスカッション形式 • Zennなどの個⼈発信も⽬⽴つUbieの⽣成AI活⽤事例を聞きたくて⼊ったが、ノバセルの元CTOの話が思いの外良かった • スピードとセキュリティの両⽴として、PoC(概念実証)と本番プロダクトで承認フローを分けるノバセル⼯夫は参考の価値あり ノバセル & Ubie -

    ⽣成 AI を活⽤したプロダクト開発のリアル 17 Breakout テーマ ノバセル Ubie テーマ1: ⽣成AI 活⽤の推進 従業員⼀⼈ひとりの「気持ち」と「スキル」の両⾯にアプローチ。スキ ル向上のための勉強会に加え、マネージャーが1対1の⾯談で「AIを使わ なかった理由」を尋ねることで、⼼理的なハードルを取り除きました。 また、評価制度にAI活⽤を組み込むことで、組織全体で利⽤を促進しま した。具体的には、週報作成など、従業員が「嫌がる」タスクをAIで楽 にする成功体験を与える。 AIを使いたい⼈が⾃由に試せる環境を整備することを重視しました。社 内で成功事例を共有する「草の根活動」を通じて、⾃然な形で利⽤を広 げていきました。 テーマ2: 投資対 効果(ROI) 効果の測定に時間をかけるよりも、まずは業務スピードを上げることを 優先しました。その結果、特定の業務における担当者が12⼈から4⼈に 減っても、品質やスピードが維持できたという具体的な成果を挙げまし た。 特定のプロセスで⼯数が10から3にまで圧縮された事例を共有しまし た。⼀⽅で、開発においてはコード作成は効率化されたものの、テスト がボトルネックになるなど、今後の課題も⽰されました。 テーマ3: ⽣成AI サービスの選び ⽅ モデルベンダーが提供するサービスにベットすべきという考えを⽰しま した。GenSparkやLovableもすごいがプロンプト芸なので究極⾃分で 作れる。モデルベンダーは、⾃社モデルの特性を最⼤限に活かしたサー ビスを開発しており、システムプロンプトが適切に設定されているた め、⾃然な形で使いやすいと述べました。 どれが正解かわからないので特定のサービスに固執せず、フットワーク の軽さを保つことの重要性を強調。CopilotやGeminiなどの複数の サービスを柔軟に使い分けたり、社員にバジェットを割り当てて⾃由 に試させたりすることで、最適な選択肢を常に探求していると説明しま した。
  12. • Stella AI for Bizのスケールを⾒据えたTiDB 選定と開発秘話。⼤企業連携の苦しさや焦りの⽣々しい悲鳴も会場にウケていた • 前半は会社概要とTiDB選択の結果を、後半はRAG構築の性能向上に取り組んだ源さんの⼯夫が丁寧に紹介されていた • 会場はビジネスマンが多めな印象で、Stella

    Extensionsの紹介では隣のおじさんが深く頷いていた(共感?) Stella AI - 複数のAIモデルを統合した⽣成AIプラットフォーム(法⼈向けも) 18 Breakout 2⽇間のトリで、TiDBの⽅が⼊⼝で勧誘するな ど全⾯バックアップを受けていた 当時の苦しみが⾚裸々に語ら れていて会場からは笑いも→ ↑導⼊した今でもDB関連の不具合はゼロだ そうで、この技術選定に満⾜の様⼦。 Google CloudのDB選択したくなる中で、 はじめから良い意思決定をしたのだと思う。