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プロダクトマネージャーが押さえておくべき、ソフトウェア資産とAIエージェント投資効果 / pm...

プロダクトマネージャーが押さえておくべき、ソフトウェア資産とAIエージェント投資効果 / pmconf2025

2025/12/04 pmcon 2025 登壇資料

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Masato Ishigaki / 石垣雅人

December 04, 2025
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  1. 2 About me
 石垣 雅人
 合同会社 DMM.com
 
 プラットフォーム開発本部 副本部長

    / 第1開発部部長
 VPoE室 / アルファ室 / PF-AX戦略 マネージャー
 
 ・連載中 : 『開発生産性の多角的視点』(CodeZine) 
 ・連載中 : 『スモールチームが武器になる時代へ』(ProductZine) 
 ・連載中 : 『群知能から紐解く、スケールする“組織“の作り方 』(NewsPicks)
 
 2
  2. 5 話すこと / ペイン
 - 視野を広げる入口のきっかけに
 - 施策効果だけではない“お金の構造”
 - 経営層と多角的な視点でプロダクトを語れるPdMになる


    - └ 施策によるKPI改善やユーザー体験向上だけではなく
 - └ 財務につながるストーリーを持つ
 - PdM観点でのAI投資をどこに張るか
 

  3. 前提知識としての「ソフトウェア資産」とは
 - ソフトウェア資産の判断基準 
 - 判断基準は「将来の収益獲得または費用削減が確実と認められるか」 
 - 資産化すると:今年の費用が減る →

    利益が増える → 法人税が増える 
 - 費用化すると:今年の費用が増える → 利益が減る → 法人税が減る 
 価値
 時間
 ソフトウェア
 仮勘定
 開発中
 1年
 2年
 3年
 資産計上 → 減価償却
 残存価値
 価値
 時間
 ソフトウェア
 仮勘定
 開発中
 1年
 2年
 3年
 費用化(経費)
 残存価値
 なし
 8
  4. 10 PdMに欠けがちな「財務諸表の視点」とは何か
 - PdMが普段扱う視点(顧客・UX・KPI) 
 - └ 外向きの価値は強いが、内部の財務構造は捉えにくい
 - └

    価値の尺度が短期に寄りがちで、資産や税率といった長期が抜ける
 - └ 経営と話がズレる背景になる
 
 - 経営が見ている視点(資産・費用・投資・回収) 
 - └ 単年P/Lだけではく、B/SやC/Fや企業価値の部分
 

  5. 11 抜けがちな視点。例えば、 
 1,000万で、A機能を作ろう!(工数10人月×単価100万) 
 
 • PdM的な視点
 - 1,000万に対してのROI(狙ったKPIの%)

    
 - ユーザー価値は?
 - 機能の優先順位はあがった? 
 主に“価値対コスト(効率)”で判断する世界。 
 • B/Sな視点
 - 資産化なら:
 - └ 1,000万円を5年で回収する前提で、毎年200万円の 償却負担が続く(利益が増えるから) 
 - └ → 価値がなければ“5年間の財務負債”になる 
 - 費用化なら:
 - └ 今年の利益を1,000万圧縮し、来年以降には負担が 残らない
 ※ C/F観点だと実際にキャッシュは1,000万出ていくので注意 
 PdMに欠けがちな「財務諸表の視点」とは何か

  6. -200万
 
 12 - “作る前 → 作り中 → 作った後” でお金は変化する

    
 - └ 投資 → 資産計上 → 減価償却という流れが生まれる
 - └ 膨大が額になると回収期間(Payback Period)の意味が変わる
 計画→開発
 -500万
 -1,000万
 企画
 -500万
 単年施策効果
 1,000万
 費用
 償却
 費用
 資産
 release
 コストは1,500万ではなく700 万という見方もできる
 
 単年
 PdMに欠けがちな「財務諸表の視点」とは何か

  7. 14 ソフトウェアを資産として見るということ
 ソフトウェアは価値を回収していく“資源” 
 - └ 費用化はその年で経費/資産化は価値が積み上がる
 - └ プロダクト寿命と資産寿命は一致しない


    - プロダクトとしては 2年で終了したいのに、資産寿命は 5 年残っている等 
 - └ テクニック : 
 - テストマーケ的にPoCを作ってマーケして駄目だったら撤回だと資産化ではなく費用化 にする
 - 資産対象でも少額(20万)だと費用化できる (国税庁 : No.5403 : 少額の減価償却資産になるかど うかの判定の例示)

  8. 15 ソフトウェアを資産として見るということ
 - 意味のないものを作ると“B/Sを圧迫する”リスク 
 - └ 機能過多はUXだけでなく“財務負債”でもある
 - └

    不要な減価償却が増えて成果のない負債を生む
 - └ 使われない機能や停止サービスもB/Sに乗り続ける

  9. 16 ソフトウェア資産の蓄積と売上の時間軸の難しさ
 
 資産 負債 純資産 売上 費用 利益 資産の蓄積


    (時間軸が長い)
 (売上へ間接的)
 cash in
 (時間軸が短い)
 (売上に直接的)
 積分(数年先に必要なことを今やってる.ex.バージョンアップやリファクタリング )
 微分
 開発
 資産→売上
 
 開発→資産
 
 作る
 減らす
 (資産を作っている段階では売れるかわからない)

  10. 18 AIエージェント投資の構造を理解する
 - 人件費モデル vs 開発AIエージェント 
 - └ 人でスケールして生産量を確保する時代の終わり


    - └ 人件費は固定費. AIは利用量による変動構造
 - └ 投資と回収の仕組みが異なる
 - └ 一方、開発AIエージェント = 人の代わりならば、改めて人件費の投資コストを考 える必要が出てきている。(900万の人が900万の価値があるか)
 
 
 人材関連費 
 ・給与手当 / 賞与 
 ・法定福利費 
 ・福利厚生費 
 ・採用費
 ・販管費 / 支払い手数料 
 
 販管費/支払手数料 
 (ライセンス料) 
 + + +700万 +700万 +700万 +700万 +700万 +20万 +20万 +20万
  11. 19 19 投資対効果を測る上での生産性構造例
 Budget -> Labor cost 新規開発 ‧‧‧ 運⽤

    ‧‧‧ 新規開発 10⼈⽉ / 5ヶ⽉ 1⼈⽉ / 0.5⼈⽉ 3⼈⽉ / 1⼈⽉ 20% 40% 30% PR In-Review Approve Commit ① 投資⼯数分布 (Bigquery→Looker) ② 施策⼯数‧⼯期 (Bigquery→Looker) ③ バリューストリーム (Bigquery→Looker) ④ 開発ライフサイクル (Findy Team+) Design UI Dev 施 策 ⽣産性ツリー ⽣産性ビジュアライズ QA
  12. 20 Agent Spec 新規 enhance 100⼈⽉ 保守開発 運⽤ 管理 Enhance

    Ops 障害対応 ⽬標設定 ⼀次対応 ポストモーテム n… 評価起案 n… 50⼈⽉ 50⼈⽉ ValueStream Requirement Task lists Task lists Task lists UI Test Cases select pattern BE FE PRD DD impl impl n… E2E Start Orchestration goal Increment ⽬標 : Capacity(投⼊⼯数)に対して、Imcrementの量を現状を100%だとして、150%にする 1. ValueStream(⼯数‧⼯期)をAIネイティブなプロセスで⾼速化し、Incrementを1.5倍にする 中⻑期的なメリット⼤ 2. Opsの⼯数をAIに置き換え(or協働)し余剰⼯数を25⼈⽉分新規に回して、Incrementを1.5倍にする 短期的なメリット⼤ Capacity (投⼊⼯数) ⼈同⼠が泥臭く合意するところ 意思決定を加速するためにAIを使う ⼈がPilot、AIがCopilot 作業はAI。品質は⼈が担保 ⼈がCopilot、AIがPilot 問題を定義するところ 問題を解くところ 20
  13. 21 2. Opsの⼯数をAIに置き換え(or協働)し余剰⼯数を25⼈⽉分新規に回して、Incrementを1.5倍にする 短期的なメリット⼤ 保守開発 運⽤ 管理 Ops 障害対応 ⽬標設定

    ⼀次対応 ポストモーテム n… 評価起案 n… 共通して抱えている業務をAIで置き換えて⼯数を捻出していく 開発区分における(保守開発〜管理業務)までの部分の ⼯数はおおよそ40%ある。ここで改善インパクトがある 部分をプロセスから探す 新しい価値への工数 既存価値への工数(Ops) グループ名 / 開発区分 新規開発 エンハンス 開発 保守開発 運用 管理業務 1 Aグループ 43% 12% 13% 1% 31% 2 Bグループ 20% 25% 31% 12% 12% 3 Cグループ 44% 12% 22% 11% 11% 4 Dグループ 43% 6% 7% 3% 39% 5 Eグループ 40% 32% 3% 0% 25% 6 Fグループ 45% 16% 24% 3% 10%
  14. 22 まとめ
 - 視野を広げる入口のきっかけに
 - 施策効果だけではない“お金の構造”
 - 経営層と多角的な視点でプロダクトを語れるPdMになる
 - └

    施策によるKPI改善やユーザー体験向上だけではなく
 - └ 財務につながるストーリーを持つ
 - PdM観点でのAI投資をどこに張るか