Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
Lean プロジェクトの依存関係を 自動更新する
Search
井上亜星
January 17, 2026
Technology
1
33
Lean プロジェクトの依存関係を 自動更新する
井上亜星
January 17, 2026
Tweet
Share
More Decks by 井上亜星
See All by 井上亜星
Leanで本を執筆する
inoueasei
0
67
Lean言語は新世代の純粋関数型言語になれるか?
inoueasei
1
80
Other Decks in Technology
See All in Technology
クラウド × シリコンの Mashup - AWS チップ開発で広がる AI 基盤の選択肢
htokoyo
2
260
VLAモデル構築のための AIロボット向け模倣学習キット
kmatsuiugo
0
160
楽しく学ぼう!コミュニティ入門 AWSと人が つむいできたストーリー
hiroramos4
PRO
1
200
マルチアカウント環境でSecurity Hubの運用!導入の苦労とポイント / JAWS DAYS 2026
genda
0
720
チームのモメンタムに投資せよ! 不確実性と共存しながら勢いを生み出す3つの実践
kakehashi
PRO
1
110
モブプログラミング再入門 ー 基本から見直す、AI時代のチーム開発の選択肢 ー / A Re-introduction of Mob Programming
takaking22
5
1.6k
OCI技術資料 : コンピュート・サービス 概要
ocise
4
54k
今のWordPress の制作手法ってなにがあんねん?(改) / What’s the Deal with WordPress Development These Days?
tbshiki
0
460
us-east-1 に障害が起きた時に、 ap-northeast-1 にどんな影響があるか 説明できるようになろう!
miu_crescent
PRO
13
4.4k
Agent ServerはWeb Serverではない。ADKで考えるAgentOps
akiratameto
0
110
スクリプトの先へ!AIエージェントと組み合わせる モバイルE2Eテスト
error96num
0
180
プラットフォームエンジニアリングはAI時代の開発者をどう救うのか
jacopen
5
3.3k
Featured
See All Featured
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
21
1.4k
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
249
1.3M
Discover your Explorer Soul
emna__ayadi
2
1.1k
Introduction to Domain-Driven Design and Collaborative software design
baasie
1
640
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
199
73k
AI Search: Where Are We & What Can We Do About It?
aleyda
0
7.1k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
413
23k
Leadership Guide Workshop - DevTernity 2021
reverentgeek
1
240
The Straight Up "How To Draw Better" Workshop
denniskardys
239
140k
30 Presentation Tips
portentint
PRO
1
250
Product Roadmaps are Hard
iamctodd
PRO
55
12k
Bash Introduction
62gerente
615
210k
Transcript
Lean プロジェクトの依存関係を 自動更新する 井上亜星 Proxima Technology 2026-01-12
はじめに
自己紹介 はじめに • 趣味で Lean を勉強しています • Lean by Example
という日本語リファレン スを書いています • 2025 年 9 月に Lean の入門書をラムダノー トから出版しました 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 2 / 21
今回の目的 はじめに • そもそも Lean とは何かを紹介する • Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 方法について紹介する
• 開発の裏話を聞いていただく 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 3 / 21
そもそも Lean とは何か
Lean は、証明支援系 そもそも Lean とは何か • 定理証明支援系の一種 ‣ Rocq(旧 Coq)や
Isabelle などの仲間 ‣ 数学の定理やソフトウェアの仕様をコードで表現して、 証明できる • 間違いを犯しやすい人類に代わって、 ソフトウェアや証明の正しさをチェックしてくれる • ここでは詳しく説明しないが、 「依存型」という強力な型システムに基づいている 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 5 / 21
Lean は、プログラミング言語 そもそも Lean とは何か • Lean は汎用言語としても使えるように作られている • 公式サイトにも、programming
language だと書かれている 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 6 / 21
Lean では証明とプログラムは地続き そもそも Lean とは何か プログラムと証明は全然違うものという印象があるかもしれ ないが、 Lean では証明とプログラムは地続き Lean
でプログラムを書くと、証明が自然に現れる • 再帰関数を定義するとき、停止証明を要求される • 配列にインデックスアクセスするとき、 それが範囲内であることの証明を要求される • モナドを定義したら、 それがモナド則を満たしていることを証明できる 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 7 / 21
Lean では証明とプログラムは地続き そもそも Lean とは何か 逆に証明を書くときにプログラムが必要になることもある • 命題𝑃が成り立つかどうか判定するアルゴリズムがあるな ら、 それを実装すれば𝑃の証明に使えるようになる
• Lean での自動証明のカスタマイズは手続き的に行えるので まさにプログラミングそのもの 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 8 / 21
Lean では証明とプログラムは地続き そもそも Lean とは何か 同じ関数を証明にもプログラムにも使うことには問題もある たとえば文字列 String は •
証明に使うことを考えると文字 Char のリストとして定義し たい • プログラムに使うことを考えるともっと効率的な表現にし たい 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 9 / 21
Lean では証明とプログラムは地続き そもそも Lean とは何か Lean では等しいことの証明があればコンパイラ上で実装を置 き換えるように指示できて、ある程度この問題を解決できる ようになっている 井上亜星
Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 10 / 21
lean-update について
Lean はまだ開発中 lean-update について Lean 4 はだいぶ安定してきたとはいえ、月に一度のペースで 新しいリリース(候補)が出る (mathlib はもっと頻繁に更新される)
• 開発元は最新版しか見ていないので、使う側も最新を使い たい • まとめて更新すると大変なので、ちまちま更新したい! 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 12 / 21
lean-update とは lean-update について Lean の依存関係を更新して、ビルドが通るか自動で確かめて くれる GitHub Action が欲しい!
• lean-update が誕生 • 元々は Oliver Butterley さんのプロジェクト • Oliver さんのやる気がなくなったので 私がメンテナになった 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 13 / 21
lean-update の仕組み lean-update について • Lean の最新版のリリースを取得して • lake update
コマンドを実行して • ビルド&テストを試してみて ‣ テストが失敗したら issue 投稿したり ‣ ビルドが通ったら PR を出したり を行うだけ。シンプル。 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 14 / 21
lean-update のありがたみ lean-update について 「最新版だとビルドが通らなくなる」という事象を素早く キャッチしてくれるので、 特に mathlib に依存しているようなプロジェクトだとありが たいかも
井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 15 / 21
開発の裏話
問題が山積み 開発の裏話 作ってみると、意外と難しいことが分かってきた • 要件が意外と複雑 • GitHub Action 自体の保守のしんどさ 井上亜星
Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 17 / 21
要件が意外と複雑 開発の裏話 • Lean のバージョン取得のやり方 ‣ 各リリースごと ‣ rc は無視して
stable のみ ‣ nightly を追いかける • lake build 以外のチェック ‣ lake test も実行 ‣ lake lint も実行 • CLI ツールなら --version の出力も更新したい …etc 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 18 / 21
GitHub Action 自体の保守のしんどさ 開発の裏話 • action.yml ファイルにワークフローの処理を書いていく ‣ 状態管理も条件分岐も例外処理も全部 yml
• テストもやりにくい ‣「自分自身を呼び出す」ことによってテストしている でもこれが良い方法なのかわからない… ‣ IO 系の操作が多くてそもそもテストが書きづらい 要件の複雑さをカバーしきれない(私の能力不足もあり) 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 19 / 21
GitHub Action 自体の保守のしんどさ 開発の裏話 私の前に着手された Oliver さん、類似の Action を管理してい る
Anne さん、みなさん苦労されている様子 lean-update に限らず「自動更新 Action」が Lean 界隈で普及 しない原因はこの辺にありそう 良い方法があれば教えてください 井上亜星 Lean プロジェクトの依存関係を自動更新する 2026-01-12 20 / 21
ご清聴ありがとうござ いました