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AIネイティブな開発組織を 目指して
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iwahiro
September 02, 2025
Technology
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AIネイティブな開発組織を 目指して
iwahiro
September 02, 2025
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Transcript
© asken.inc AIネイティブな開発組織を 目指して askenエンジニアの現在地 株式会社 asken シニアテックリード 岩間良浩
© asken.inc 2 Agenda 1. asken におけるAI活用の取り組み 2. エンジニア組織でのAI活用 3.
今後に向けて
© asken.inc 3 自己紹介 • 名前:岩間 良浩 ( iwahiro /
x: @yoshivic) • 所属:株式会社asken • 好き: 沖縄⛱、カメラ📸、AWS • 経歴: ◦ 前職はSIerにて主に受託開発のリーダ ◦ 現在はaskenでシニアテックリード
© asken.inc 4 弊社は「食×健康×テクノロジー」を主軸にビジネスを展開し、 世の中に貢献し続ける、ヘルステックカンパニーです。 株式会社 asken
© asken.inc 5 栄養士からのアドバイスが特徴的な食生活改善アプリ『あすけん』 弊社サービスの紹介
© asken.inc 6 1. 業務効率化 2. エンジニア組織での開発生産性向上 3. プロダクトへのAI機能組み込み 今日話すのは「
2. 開発生産性向上 」の部分 経営戦略として重要視 askenにおけるAI活用の取り組み
© asken.inc 7 • AI予算の確保 • 優先的な法務チェック対応 • セキュリティチェックしAIエージェントのツール・サー ビスをスピーディに導入
経営層の強力なプッシュとAIエンジニアの推進 開発生産性の向上
© asken.inc 8 エンジニア組織での AI 活用 • 経営層の理解やAIエンジニアの献身的な推進活動により 順調にAIエージェントツール・サービスの導入が進んだ メッチャ恵まれている環境!
順調に AI Native な開発組織に!
© asken.inc 9 というわけでもない...
© asken.inc 10 起きたこと • 大小の様々な問題が発生 • コスト問題 • IDE問題
• AI活用の浸透が鈍い
© asken.inc 11 コスト問題 / IDE 問題 コスト問題💰 • RooCode(AWS
Bedrock)から利用開始した結果 ◦ 従量課金だがゴリゴリ使ったエンジニアが短期間で約6万円溶 かした! ◦ コスト感覚が分からず恐る恐る使う状態に IDE 問題 • InteliJ , Xcode , Android Studio を使い慣れており、 RooCode が使える VS code を使う人が増えない...
© asken.inc 12 対処 • コスト問題 ◦ 定額課金の Cursor や
Devin を導入 ◦ コストに対する心理的なハードルを除去 • IDE 問題 ◦ Cursor + IDE (InteliJ / xcode / Android Studio) という二刀流が 当たり前に ◦ Curosr は IDE ではなくAIエージェントを実行するツールという 位置づけ(現在は Claude Code に置き換わりつつある)
© asken.inc 13 AI活用の浸透が鈍い 1. 意識の問題 a. 従来通りの業務遂行 ( 慣性バイアス
) b. AI をまず使ってみようという意識が持てていない 2. 木こりのジレンマ a. AI を使いこなすための時間が取れない b. 刃こぼれした斧で木を切ろうとしている
© asken.inc 14 対処 • 組織的な対応が必要と考え、AI 使うように縛りを課した asken AI Native
Dev Day を6月から週一回で開催 • AIを使うことが非効率でも一旦使ってみる!という姿勢 • この日は極力ミーティングも入れずAIを使った開発業務 に集中 • 随時運営のふりかえりを全員で行い、この日が全員に とってより良いものになるようボトムアップでカイゼン • 経営層の合意のもと活動
© asken.inc 15 結果どうなったか AI ファーストな思考の定着 • まずはAIでやれないかと考え試してみる状態へ • 上手くいかなくても思考錯誤する姿勢に
着実なアウトプットの向上 • サイクルタイム • アクティビティ
© asken.inc 16 サイクルタイム • 去年に比べるとサイクルタイム(コミットからPRオー プンまでの平均時間)が短縮傾向に 1月は年末年始を持ち越したフューチャーが あったか・・・ ※Findy
Teams+ から抜粋した asken の主軸チームの結果
© asken.inc 17 アクティビティ • コミット数、PR作成数、PRレビュー数などアウトプッ トが全体的に増加傾向 ※Findy Teams+ から抜粋した
asken の主軸チームの結果
© asken.inc 18 AIを使うスキルにギャップが発生 現在の課題 エンジニア間で AIの使いこなしに ギャップが発生
© asken.inc 19 AIを使うスキルのギャップ 上手く使えていない人には以下の原因がありそう 1. コンテキスト(必要な情報)が不十分 2. エンジニアリングのスキル不足
© asken.inc 20 コンテキストが不十分 • 特に経歴の少ないエンジニアがAI に必要な情報を渡せて いなさそう🤔 • 仮説として、リーダーのような立場で人へタスクを依頼
する経験が少ないからか? ◦ 人へ依頼する時と同様にAIに依頼する時も必要な情報を整理し 明確な完了条件を提示する必要がある
© asken.inc 21 対処 原則:LLMはステートレスなので最良の出力を求めるた めには最良の入力が必要 • Context Engineering 学ぶ
• 例えば、要件定義、詳細設計...のステップを刻むプラク ティスの導入 ◦ AWS Kiro のように開発フローが組み込まれているツールの利 用も試行
© asken.inc 22 • 経歴の少ないジュニアよりのメンバーがAI のアウトプッ トの良し悪し判断に時間がかかる傾向がある • AIのアウトプットについて事前にどれだけ具体的な答え を持っておけるか
◦ シニアは答えあわせの割合が多く ◦ ジュニアは答え探しの割合が多い 成果物のイメージをどれだけ持てているかの違い エンジニアリングのスキル不足
© asken.inc 23 • AIのアウトプットの確認を人が行うという時点でその人 の能力値の上限がAIの能力値の上限 • エンジニアとしての純粋なスキルアップが従来通り必要 (少なくとも現時点では) エンジニアリングのスキル不足
いろいろと書きましたが結局...
© asken.inc 24 • AIに先生になってもらい効率的な学習を ◦ LLMに学習済みの著名な方をロールプレイしてもらいレッスン を受ける ▪ TDD
なら t-wadaさん ▪ Ruby ならMatz さん、 等 ◦ AIを使った学習ではエンジニアのアウトプットをAIに評価して もらうような方法を模索していく エンジニアとしてのスキルアップ 対処
© asken.inc 25 今後に向けて 1. エンジニア全体でAI活用を推進 a. エンジニア全員が主体で最新情報のキャッチアップ、ツール調 査、知見の共有 b.
LTやテックブログでの知見の共有
© asken.inc 26 今後に向けて 2.”AIを使いこなす”の再定義 a. これまでは ”Claude Code などをいかに使いこなす”かだった
b. 今後は開発業務の一部を委譲できるような AI エージェントも 開発 (DeNAさんのDARS個人レベルでいうLevel 5を目指す) 改めてAI Native な開発組織の形態を定義していく段階
© asken.inc 27 今後に向けて 今ここ
© asken.inc 28 AI Native な開発組織 になるぞ!
© asken.inc 29 We're hiring!! 募集職種 — 株式会社asken (あすけん): https://www.asken.inc/recruit
(最終閲覧日 : 2025/08/24) 🍏積極募集中です🍏 インフラエンジニア、iOSエンジニア、Androidエンジニア、 バックエンドエンジニア、エンジニアリングマネージャー、テックリード 勉強会イベント テックブログ 採用情報を発信中!
© asken.inc 30 Kotlin Fest 2025 開催 asken はスポンサー協賛しています! •
2025/11/1 (Sat) • 東京コンファレンスセンター品川
© asken.inc 31 Thank you !