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トップマネジメントとコンピテンシーから考えるエンジニアリングマネジメント

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 トップマネジメントとコンピテンシーから考えるエンジニアリングマネジメント

エンジニアリングマネジメントにおいて、Intermediate EM と VP クラスの間には大きなギャップが存在します。
本セッションでは、トップマネジメントの視点からこのギャップを明らかにし、真のエンジニアリングマネジメントのあるべき姿を探求します。

マネジメントの神様と称されるドラッカーが提唱する8つの目標領域を起点に、顧客への価値提供という根源的な問いから考察を始めます。
トップマネジメントが求めるのは、単なるチーム運営ではなく、組織全体への戦略的貢献です。Intermediate EM と VP クラスでは、影響範囲、意思決定の質、そして組織への影響力において決定的な差があります。

具体的には、Engineering Ladders のコンピテンシーフレームワークを用いて、各レベルで求められるケイパビリティ、能力発揮の方向性、そしてレベルデザインを詳細に解説します。Intermediate EM から VP クラスへの成長には、技術的な深さだけでなく、ビジネス理解、組織横断的な影響力、そして経営視点での判断力が不可欠です。

理論と実践を架橋することで、真のリーダーシップとは何かを再定義し、あなた自身のキャリアパスを描くための実践的な指針をお届けします。トップマネジメントが期待するエンジニアリングマネジメントの本質を理解し、明日から実践できる具体的なアクションを持ち帰っていただけるセッションです。

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Transcript

  1. 登録ワーカーの属性 4 年代‧職業問わず、幅広い属性が利⽤ 性別
 年代
 職業
 その他 
 2.4%
 男性

    40.9%
 女性
 56.6%
 10代 15.5%
 20代 34.7%
 30代 17.7%
 40代 17.5%
 50代 11.7%
 60代以上 3.0%
 学生 31.8%
 会社員
 29.7%
 自営 業
 自由 業
 5.9%
 
 専業主婦 
 専業主夫 6.8%
 パート 
 アルバイト 16.8%
 その他 8.9%
 2024年12月時点
  2. タイミーの実績 スキマ バイト No.1 ※1 調査委託先:マクロミル 調査方法:インターネット調査 調査時期: 2025年1月31日~2025年2月4日 調査対象:直近1年以内にスキマバイトを経験したことのある 18~69歳の男女 1033人

    ※2 調査委託先:マクロミル 調査方法:インターネット調査 調査時期: 2025年1月31日~2025年2月4日 調査対象:直近1年以内にスキマバイトを経験したことのある 18~69歳の男女 1033人 ※直近 1年以内に 2回以上働いた経験があるスキマバイトサービスを聴取 ※3 2025年10月時点 ※ 4 2025年10月時点 利用率 ・リピート率 ※1 ※2 導入事業者数 215,000企業 ワーカー数 1,270万人 ※4 ※3
  3. 業務プロセスを踏まえた提案( BPR) 12 STEP 1 STEP 2 STEP 3 各企業の業務プロセスを踏まえて、

    業務カテゴリごとに区分け ワーカーがスポットでできる 業務を特定し、切り出し タイミーを利用した求人掲載を 拡大し、コスト削減を実現 ※物流事業者様の例
  4. 投資・生産性・利益の位置付け ▪ 顧客の創造 (マーケティングとイノベーション) には、資源 (人・物・金) への 投資 が不可欠。 ▪

    投資効率を上げるには、コスト削減ではなく 生産性 (成果への結びつき) に注 目する。 ▪ 利益 は原因ではなく 結果。不確実性への備えであり、次の成長への再投資の 原資。
  5. 起点は「顧客・マーケット」 ▪ 事業の定義は、会社の内側 (組織図・製品名) ではなく 顧客 と マーケット か ら始める。

    ▪ 顧客が満たそうとする 欲求 は何か。 ◦ ジョブ理論や Value Proposition と同じような考え方です ▪ その欲求を、どんな場面で、どんな代替 (Alternative) と比べて選ぶのか。
  6. われわれの事業は何であるべきか (イノベーション) ▪ 変化 (技術・制度・競争・顧客行動) を踏まえ、次の価値を設計する。 ◦ PEST 分析や 5

    forces 分析などを用いたりします ▪ 顧客・市場の再定義が必要なら、事業の境界も更新する。 ▪ 過去の延長ではなく、新しい機会を創る問いを持ち続ける。
  7. マネジメントの三つの役割 ▪ 使命の達成 ◦ 組織特有の目的 (使命) を果たす ▪ 人の活用 ◦

    仕事を通じて、働く人に働きがいと自己実現の場を与える ▪ 社会的責任 ◦ 活動が社会に与える影響を処理し、社会問題の解決に貢献する
  8. 時間の統合 / 管理的活動と起業家活動 ▪ 時間の統合 ◦ 「現在 (マーケティング) と未来 (イノベーション)」「短期と長期」を同時に扱い、基礎固めと投

    資のバランスを取る ▪ 管理的活動と起業家活動 ◦ 管理的活動: 既存の事業や活動を管理し、今日の成果を最適化する (マーケティング) ◦ 起業家活動: 昨日を捨て去り、新しい価値 (明日) を創造する (イノベーション)
  9. マネージャーの定義と二つの役割 ▪ 定義 ◦ マネージャーは「命令する権限」ではなく、組織の成果 に対して 貢献する責任 で定義される ◦ 部下の有無に関わらず、知識専門家を含む人々の仕事を成果につなげる。

    ▪ 役割1: 部分の和よりも大きな全体をつくる ◦ 資源を統合し、チーム全体として成果を生み出す。 ▪ 役割2: 現在と未来 (短期と長期) を調和させる ◦ 目先の最適化と、将来への投資・変化を同時に扱う。
  10. マネージャーの5つの基本作業 ▪ 目標を設定する ◦ 何を成果とするかを定め、優先順位を決める。 ▪ 組織する ◦ 仕事を分解し、人と役割を配置し、仕組みに落とす。 ▪

    動機づけ・コミュニケーションする ◦ 情報を整え、協働を成立させ、意欲を引き出す。 ▪ 評価測定する ◦ 尺度を定め、自己管理できるように可視化する。 ▪ 人材を開発する ◦ 学習と成長を支え、次の責任を担える状態にする。
  11. 管理手段の要件 ▪ 効率的: 使う情報と手段は最小限にする。 ▪ 意味がある: 成果に直結する重要事象に絞る。 ▪ 対象に適した尺度: 表面値ではなく、原因や集中点が見える。

    ▪ 精度は適量: 無意味に細かい正確さより、実態が伝わる粗さ。 ▪ 時間間隔は適量: 頻繁さが正義ではない (リアルタイムが有害な場合も)。 ▪ 単純: 直感的に理解でき、説明できる。 ▪ 行動に焦点: 情報収集ではなく、必要な行動が起こる設計にする。
  12. 経営科学の位置づけと基盤 ▪ 位置付け ◦ 経営科学は強力な道具だが、手法の適用が目的化 するとマネジメントの役に立たない。 ◦ マネージャーは専門家になる必要はないが、何を期待し、どう使うかは理解しておく。 ▪ 基盤

    ◦ 企業は 人から成るシステム であり、現実の企業活動を前提に公準を置く。 ◦ 数学を借りるだけでなく、マネジメントの前提と目的そのものを分析対象にする。
  13. エンジニアリングマネジメントにおける顧客は誰か? ▪ 開発チームのリーダー (POやPdM) ◦ 戦略の実現可能性と意思決定の精度を高めることで、投資対効果 (ROI) の最大化をもたらす。 ▪ 開発チーム

    ◦ 認知負荷の低減とチームフローを最適化することで、持続可能なデリバリー速度の向上をもたらす。 ▪ エンジニア ◦ 自己効力感と成長機会を高めることで、タレントの定着と自律的な組織文化の構築をもたらす。 ▪ 事業部門 ◦ 予測可能性と技術による競争優位を高めることで、市場の変化に対する適応力の向上をもたらす。 ▪ エンドユーザー ◦ プロダクトの信頼性と価値提供のスピードを高めることで、顧客満足度の向上とLTVの最大化をもたら す。
  14. エンジニアリングマネジメントによる価値提供 顧客 提供するソリューション 創出されるアウトカム 開発チームのリーダー (PO/PdM) 技術的負債の可視化とリソースの適正配分 戦略の実現可能性向上とROIの最大化 開発チーム 認知負荷の低減とチーム境界の保護

    開発フローの純度向上とデリバリー速度の安定 エンジニア (個人) 心理的安全性の確保と成長機会のアサイン 離職率の低下と自律的な組織文化の醸成 事業部門 開発プロセスの透明化と技術による価値提案 市場変化への適応力向上と競争優位の確立 エンドユーザー エンジニアリング・スタンダードの維持向上 プロダクトの信頼性向上とLTVの最大化
  15. DORA Capabilities で作る “Flow” ▪ 継続的デリバリー: 小さく安全に出せる(自動化、テスト、段階リリース、監 視)。 ▪ 信頼性の設計:

    SLO とエラーバジェットで、速度と品質を同じ指標系で運用す る。 ▪ 可観測性: 変更の影響と価値を計測できる(ログ/メトリクス/トレース、計測 設計)。 ▪ 作業の見える化: WIP を抑え、ボトルネックを全社共通の言葉で議論できる。 ▪ 学習文化: ポストモーテムで学びを蓄積し、再発防止を“仕組み”に落とす。
  16. ソーシャルダイナミズムを高める ▪ ダイナミック・リチーミングは「チームを頻繁に組み替える手法」ではなく、チーム が変化する前提で扱う姿勢。 ▪ まず チームのエコサイクルを観測 する (誕生→成長→成熟→硬直化の罠/貧困の罠 →再生)

    ◦ 兆候例: 会話と学びが減る、意思決定が遅い、ミーティングが長い、変化に脆い。 ▪ 次に ソーシャルダイナミズム を高める (新しい知識・視点の流入、学習機会、化学 反応) ▪ 変化は“上から押し付ける”だけでなく、自由度のスペクトルを設計する。 ◦ 例: 1on1 を起点にした異動支援、定期アンケート、志願制、自己選択イベント、チーム自身の再設計。 ▪ 目的は、硬直化を避けつつ再生を促し、結果として生産性 (価値への変換効率) を上 げる こと。
  17. Engineering Ladders とは? ▪ EM がメンバーと 期待値をすり合わせ、キャリアプランを検討するためのフ レームワーク。 ◦ 公式

    ◦ 日本語訳 ▪ 役割 (Role) ごとのラダーと、評価軸 (Axes) の組み合わせで整理する。
  18. 4つのラダー (Role) ▪ Developer: 深い技術的専門性で価値を出す。 ▪ Tech Lead: システムのオーナーとして設計・実装・運用をバランスさせる。 ▪

    Technical Program Manager: 複数チームに跨るイニシアチブを調整し、完 了まで推進する。 ▪ Engineering Manager: 継続的デリバリー、キャリア成長、幸福度に責任を持 つ。
  19. 5つの軸 (Axes) ▪ Technology: 技術スタックとツールへの理解。 ▪ System: システムへのオーナーシップ。 ▪ People:

    関係性と人の成長への関与。 ▪ Process: 開発プロセスを機能させる力。 ▪ Influence: 影響範囲 ◦ サブシステム→チーム→複数チーム→会社→コミュニティ。
  20. Technology のレベル定義 ▪ Adopts: 決められた技術を学び、使いこなす。 ▪ Specializes: 特定領域の相談役になる。 ▪ Evangelizes:

    調査/PoC で導入をリードする。 ▪ Masters: スタック全体を深く理解する。 ▪ Creates: 新しい技術を設計・創出する。
  21. System のレベル定義 ▪ Enhances: 追加/修正で改善する。 ▪ Designs: 中〜大規模を設計し負債を減らす。 ▪ Owns:

    運用・監視に責任を持つ。 ▪ Evolves: 将来を見据えアーキを進化させる。 ▪ Leads: 技術的卓越性と障害低減を牽引する。
  22. People のレベル定義 ▪ Learns: 学び、必要な時に踏み出す。 ▪ Supports: 他者の成功を支える。 ▪ Mentors:

    成長を加速させる。 ▪ Coordinates: 調整し、議論を前に進める。 ▪ Manages: 期待値・成果・幸福に責任を持つ。
  23. Process のレベル定義 ▪ Follows: プロセスに従い、継続的に出す。 ▪ Enforces: 徹底し、理解を揃える。 ▪ Challenges:

    改善案を探し、問い直す。 ▪ Adjusts: 変化を導き、調整する。 ▪ Defines: 規律と俊敏性のバランスで定義する。
  24. Influence のレベル定義 ▪ Subsystem: サブシステムへ影響する。 ▪ Team: チーム全体へ影響する。 ▪ Multiple

    Teams: 複数チームへ影響する。 ▪ Company: 会社へ影響する。 ▪ Community: コミュニティへ影響する。
  25. エンジニアリングマネージャーの定義 ▪ EM は、一貫したデリバリー、メンバーのキャリア成長、幸福度 に責任を持 つ。 ▪ Tech Lead が

    System を主に担うのに対し、EM は People を主に担う。 ▪ 扱う領域(例) ◦ キャリアプランニング、昇進、コーチング ◦ 人員計画、採用 ◦ 目標設定、フィードバック、1on1 ◦ チームビルディング、文化醸成、チームの保護
  26. EMのラダーレベル別の要求水準 Axis EM5 EM6 EM7 Technology Evangelizes(Lv.3) Evangelizes(Lv.3) Evangelizes(Lv.3) System

    Owns(Lv.3) Evolves(Lv.4) Evolves(Lv.4) People Manages(Lv.5) Manages(Lv.5) Manages(Lv.5) Process Adjusts(Lv.4) Defines(Lv.5) Defines(Lv.5) Influence Team(Lv.2) Team(Lv.2) Multiple Teams(Lv.3)
  27. 比較の仕方 ▪ Engineering Ladders を使い、影響範囲 (Influence) を固定 して役割差分を 見る。 ▪

    役割ごとの「専門性の重心」と「責任領域」を明確化する。
  28. 比較1: Influence を Team (Lv.2) で固定 Axis EM5 TL5 D4

    D3 Technology Evangelizes (Lv.3) Evangelizes (Lv.3) Evangelizes (Lv.3) Specializes (Lv.2) System Owns (Lv.3) Evolves (Lv.4) Owns (Lv.3) Designs (Lv.2) People Manages (Lv.5) Coordinates (Lv.4) Mentors (Lv.3) Supports (Lv.2) Process Adjusts (Lv.4) Defines (Lv.5) Challenges (Lv.3) Challenges (Lv.3) Influence Team (Lv.2) Team (Lv.2) Team (Lv.2) Team (Lv.2)
  29. 比較2: Influence を Multiple Teams (Lv.3) で固定 Axis EM7 EM5

    TPM4 TPM5 Technology Evangelizes (Lv.3) Evangelizes (Lv.3) Specializes (Lv.2) Specializes (Lv.2) System Evolves (Lv.4) Owns (Lv.3) Designs (Lv.2) Designs (Lv.2) People Manages (Lv.5) Manages (Lv.5) Coordinates (Lv.4) Coordinates (Lv.4) Process Defines (Lv.5) Adjusts (Lv.4) Adjusts (Lv.4) Defines (Lv.5) Influence Multiple Teams (Lv.3) Team (Lv.2) Multiple Teams (Lv.3) Multiple Teams (Lv.3)
  30. 戦略的かつ柔軟な意思決定 (Planning) ▪ 短期 (週次) を確実に完遂しつつ、長期 (四半期・年) と 整合 させる。

    (Process / Influence) ▪ クイックな一時凌ぎ (Spike) で凌ぐか、将来を見据えた堅牢な設計に投資する かを コンテキストで合理的に判断 する。(System / Process)
  31. コンピテンシーと役割分担で捉えるエンジニアリングマネジメント ▪ 必要なコンピテンシーは Engineering Ladders の 5軸 (Technology / System

    / People / Process / Influence) に分解できる。 ▪ 役割は混ぜるより、境界を握って補完した方が強い。 ◦ EM は People の最終責任を持つ (成長、幸福、期待値、組織能力)。 ◦ TL と TPM は System と Process を高いレベルで前に進める (進化、定義、横断推進)。 ▪ EM のアウトカムは 5つにまとめられる。 ◦ Delivery / Goals / Planning / Oversight / Relationships ◦ これらが揃うと、短期と長期、速度と品質、個人と組織を同時に成立させやすくなる。