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滑空スポーツ講習会2018 第4回 名古屋「グライダー競技の世界とそこから得られる安全への考え方」 / jsa safety seminar 2018 gliding competition and safety

日 時:2019年1月19日(土) 13:00~17:00
場 所:JR名古屋駅西口 名駅ABCビル ABC会議室 2階
主 催:公益社団法人日本航空機操縦士協会
共 催:一般社団法人日本飛行連盟 
    公益社団法人日本滑空協会
    NPO法人AOPA-JAPAN
    NPO法人全日本ヘリコプター協議会 
後 援:国土交通省航空局
「グライダー競技の世界とそこから得られる安全への考え方」
日本グライダークラブ 丸山 毅 氏
https://www.japan-soaring.or.jp/2018jsaseminarnagoyareport/

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JSA seminar

January 19, 2019

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Transcript

  1. 講師紹介 丸山 毅 47歳 (2019/1現在) 総飛行時間 3,400 時間 TEAM MARU

    パイロット ブログ http://maru-wgc.blogspot.jp/ Facebook https://www.facebook.com/teammaru サラリーマンパイロットのグライダー競技への挑戦 世界選手権 1999年、2008年、2014年、2018年 日本オラクル株式会社 エンジニア 日本滑空協会 理事 国際滑空委員会日本副代表委員 日本グライダークラブ 理事・インストラクター 2
  2. グライダー世界選手権とは? • 1937年~ 2年ごと、次回は2020年(第36回) • 世界チャンピオン – ドイツ x 18、フランスx

    18、ポーランド x 15 、イ ギリス x 12、アメリカx5、オーストラリア x 5 – 過去10年ではポーランド x 10, ドイツ x 7, フラン ス x 5, イギリスx3, 他 • 日本からの参加者 – 1956 年~参加、延べ 43人 4 最高2位
  3. グライダー世界選手権とは? • 競技タスク – 250km - 700km 平均速度 100 -

    140km/h 3時間-6時間 • 競技期間 – 14日間 内1日の休息日 • 競技クラス – スタンダードクラス、15mクラス、クラブクラス – 18mクラス、 20mクラス、 オープンクラス – 近年はクラス毎に開催地、時期をずらして2カ所で開催 • 参加選手 – 各クラス最大 50名 各国2名枠 – 3クラストータル 130機(各クラス40-50機前後) 5
  4. 近年の世界選手権開催国 青字 ヨーロッパ外 開催年 2006 2008 2010 2012 2014 2016

    2018 2020 2021 2022 クラス 国 Open, 18m, 15m, Standard Club, World Open, 18m, 15m Club, Std, World Open, 18m, 15m Club, Std, World Open, 18m, 15m Club, Std, 20m Open, 18m, 15m Club, Std, 20m Open, 18m, 15m Club, Std, 20m Open, 18m, 20m Club, Std, 15m Open, 18m, 20m Club, Std, 15m Open, 18m, 20m Club, Std, 15m スエーデン フランス ドイツ イタリア ハンガリー スロバキア アメリカ アルゼンチン ポーランド フィンランド オーストラリア リトアニア チェコ ポーランド ドイツ フランス ハンガリー ? 6
  5. 大会概要 • 日程 – 出国 • 2018/7/21(土) – 準備期間 •

    2018/7/23(月) - 2018/7/27(金) – 競技会 • 2018/7/28(土) - 2018/8/12(日) – 帰国 • 2018/8/14(火) • 参加国数、選手数、機数 – 29ヶ国 112人、94機 • 開催クラス – 18mクラス(45機), 20mクラス(18機),オープンクラス(31機) • 開催地 – チェコ共和国 ホシン飛行場 http://maru-wgc.blogspot.jp/ 8
  6. チェコってどこ? • • • • • 東西 450km 南北250km 標高

    400-600m 山1200m 言語 チェコ語 為替 チェココルナ EU 人口 1000万人 9
  7. 日本現地チーム チームリーダー パイロット兼TC クルー week1 クルー week2 クルー week3 赤石

    京子 Soarist 丸山 毅 日本グライダークラブ、Soarist 福崎 誠 日本グライダークラブ 吉岡利典 日本グライダークラブ、Soarist 市岡拓也 Soarist http://maru-wgc.blogspot.jp/ 11
  8. 18m クラス出場機体(新世代) • 18m クラス – 翼幅 18m 最大離陸重量 600kg

    フラップ有り Ventus 3 (F/T) 12/ 45機 2016 – L/D= ? JS3-18 12 / 45機 2016 – L/D = 55 Diana3 1 / 45機 2018 – L/D =? http://maru-wgc.blogspot.jp/ 13
  9. 18m クラス出場機体(旧世代) • 18m クラス – 翼幅 18m 最大離陸重量 600kg

    フラップ有り JS1B/C-18 5 / 45機 2006 – L/D =53 ASG29(E/Es) 12 / 45機 2006 – L/D= 52 Ventus2cx(a/T/M) 3 / 45機 2003 - http://maru-wgc.blogspot.jp/ 14
  10. 20m クラス出場機体 • 20m マルチシートクラス – 翼幅 20m 二人乗り 最大離陸重量

    800kg ASG32 Mi 4 / 18機 2014 – L/D= ? Arcus(T/M) 13 / 18機 2009 L/D =? HPH 304TS Twin Shark 1 / 18機 2005 – L/D=49 http://maru-wgc.blogspot.jp/ 15
  11. オープン クラス出場機体 • オープン クラス – スパン 無制限 最大離陸重量 850kg

    フラップ有り EB29(D/R) 7/ 31機 29.3m 2009 – WL=50.2 L/D = 68 JS1C-21 18 / 31機 21m 2009WL=58.7 L/D = 60 Quintus(M) 2 / 31 機 23m 2011 – WL=57.8 L/D = ? ASH25 EB 3 / 31機 28m 2009WL=45 L/D = 60 http://maru-wgc.blogspot.jp/ 16
  12. 48

  13. オーガナイザーとのコミニケーション • WhatsApp(チャットア プリ) • 滑走路使用方向(グリッ ド方向)、タスク、曳航 開始延期、曳航開始時間、 インシデント、 •

    コミュニケーションが片 方向にならず、双方向で 行われること、やりとり の内容が全チームに共有 されるため、各国からの リクエストについても素 早く対応、周知 • 集合してのチームキャプ テン会議は練習期間を含 めて全3回のみ http://maru-wgc.blogspot.jp/ 49
  14. 55

  15. 66

  16. 91

  17. 2018年への目標設定 • 結果目標 – 2018年世界選手権 10位以内(得点率90% ) – 2014年世界選手権 31位

    / 46機(得点率 84%) • 行動目標 – クライム(他パイロットと同じ上昇、より良いコ ア選択) – クルーズ(平均130km/h台での高速ドルフィン、 コース選択) – 判断、決定能力 http://maru-wgc.blogspot.jp/ 96
  18. 練習メニュー、結果 • 2015年 – 複座トレーニング合宿@ポーランド – ヨーロッパ選手権@ハンガリー 20位相当81% • 2016年

    – チェコ選手権(プレヨーロッパ選手権)@チェコ 79% • 2017年 – LX navigation Cup@ハンガリー – チェコ選手権(プレ世界選手権)@チェコ 79% – ナミビア合宿(世界チャンピオン同乗トレーニング) • 2018年 – LX navigation Cup@ハンガリー 73% – チェコ選手権@チェコ 73% http://maru-wgc.blogspot.jp/ 98
  19. 2018年世界選手権 • 総合 79% – 前半 – 後半 結果 36位

    / 45機 73% 39位 84% 25位 • 前半も後半と同じくらいのパフォーマンスが出し たかったが。。 – 大会前ランキング 37位 / 45機 • ランキング相当の結果とも言える • 参考 2014年 84% 31位 – 得点率、順位とも低下 99
  20. トップクラスの飛び方 # CN Contestant Team Glider Total 1 WO Wolfgang

    Austria Janowitsch 2I Mario Germany Kiessling 3 FM Jean-Denis France Barrois Ventus 3T Ventus 3T JS 3 10,236 96.5 95.3% 93.9% 97.0 86.4 92.4 86.6% 97.0% 97.7% 93.2 96.6% 100.0 % % % % % % 10,097 98.2 93.8% 97.5% 98.1 93.0 97.6 80.1% 96.6% 93.4% 95.0 84.6% 86.8% % % % % % 9,915 97.8 96.5% 98.3% 87.2 87.0 94.6 89.5% 94.8% 100.0 80.3 85.8% 88.1% % % % % % % 4 VY Peter Netherlan Ventus Millenaar ds 3T 5 FQ Christophe France JS 3 Cousseau 6 LB Roman Czech Ventus 3 Mracek Republic FES 7 3V Tomas Czech Ventus Suchanek Republic 3T 8 IG Katrin Germany JS 3 Senne 9 OG Oscar South JS 3 Goudriaan Africa 10 AX Gyorgy Hungary JS 3 Gulyas 1 2 3 9,820 93.7 92.9% 97.4% % 9,766 98.0 100.0 100.0 % % % 9,709 95.9 94.2% 91.0% % 9,690 96.5 94.2% 93.8% % 9,664 91.1 93.4% 97.3% % 9,626 90.7 91.4% 82.1% % 9,622 81.5 89.6% 92.9% % 4 5 86.9 % 86.9 % 85.3 % 98.5 % 95.8 % 96.5 % 89.0 % 6 90.7 % 88.6 % 77.7 % 82.1 % 92.1 % 87.4 % 91.6 % 7 8 9 92.7 84.1% 92.4% 85.7% % 94.2 100.0 92.1% 92.0% % % 92.2 91.7% 91.0% 84.3% % 94.4 93.6% 78.4% 88.7% % 90.2 94.5% 99.4% 95.5% % 96.7 94.1% 100.0 95.8% % % 92.3 93.6% 81.0% 94.4% % 10 11 12 97.5 84.8% 82.5% % 44.5 98.0% 88.1% % 84.4 92.9% 91.7% % 93.6 80.6% 75.0% % 55.7 81.9% 82.2% % 56.0 85.7% 90.0% % 73.2 100.0 81.5% % % •安定した成績(ミスがない、大きな失点にしない) •トップクラスはガグルに惑わされない、自分の判断で飛ぶ •チームフライトする選手(FM&FQ, LB&3V, IG&OG&LV&JS3、AX&BX)、 ソロで飛ぶ選手(WO, I, VY) •大きく動いたDay10(不安定条件) •競技後半の追い上げ力 102
  21. 大会全体の状況 • 18mクラス機体の世代交代、新世代機との差(滑空比、高翼 面荷重でのハンドリングの改善) • 強い(早い)コンディションが持続 – 「平均速度140km/h代」が毎日持続する異次元のスピード(巡 航220km/h) –

    競技設定日14日、実施日12日、平均速度150km/h台 1日、 140km/h台 5日、130km/h台 5日、100km/h台 1日 – ヨーロッパウエザーらしからぬ想定外の早さ、好天の持続 • 好条件での機体(新世代)とパイロット(飛び方)の進化 (さらなる高速化) • トラッキングによりガグルで飛ぶパイロットがさらに増化 (同じスタートタイミングを狙う)。とはいえ優勝するのは ソロパイロット 103
  22. 自分自身の振り返り • 部分部分は成長を感じているが、スコアにつながると ころで大きな失敗があり、結果に結びつかなかった – 2014年大会はスコアにつながる大きな失敗が少なかった • フレキシブルな判断変更が3-4年前より遅くなってい る。(一度決めたことを変える判断が遅れている) –

    ギアチェンジの遅れによる致命的な失敗があった。例:標 高の上昇、コンディションの悪化、によりクルーズバンド、 ピックするサーマルの基準の変更が遅れた。 • 競技開始後最初の3-4日はビッグガグルでスタート前 に待つことに恐怖を感じ、ガグルから離れたくなり、 スタートが早すぎた(後半は恐怖に慣れ?克服?) 「恐怖の克服」は世界選手権でしか練習できないテー マの一つ http://maru-wgc.blogspot.jp/ 104
  23. 次大会に向けての改善プラン • 再現性(プロセスの理解、言語化) – ドルフィン ついて行けるときと行けないときの 違いは? – クライム ついて行けるときと行けないときの違

    いは? • コンディション変化時の判断の切替、切替の 反応速度 • 「恐怖の克服」焦らず待つ(スタート前) – 40機のガグルで怖がらずにスタート待機 – 機数が多いと衝突が怖くてスタートしてしまいた くなる http://maru-wgc.blogspot.jp/ 105
  24. 世界選手権での安全対策 まとめ • Safety Briefing(大会初日、大会中適時) – 意外と有効 • FLARM(Situational Awareness状況認識デバイス)の

    利用 – 機器を使っても空中衝突は減らない – トラッキングを避けるため戦略的にOFFにするケース有り、 今大会では ON 必須 • Safety Committee(代表パイロットの安全委員会) – 経験あるパイロットからの提言 – 選手間での安全についての声を拾いやすくする • 安全対策に王道なし。トップパイロットも人の子、ミ スを犯す。愚直に言い続ける 137
  25. 大会練習期間振り返り • 7/23 – 午前計測 午後フライト • 7/24 – 621km

    フィニッシュするつもりが最後高度足りなくなり10km手前 O/L • 7/25 – 609km 最終サーマルガグルを見失いO/L • 7/26 – 446km top 130km/h Maru 121km/h 87% • 7/27 – 406km top 138km/h Maru 134km/h 96% • 前半 フィニッシュしきれないミス • 後半 ガグルと飛べるようになってきた実感、良いフィーリ ングで大会には入れると思ったが。。 141
  26. 本戦振り返り(1) • 7/29 day1 312km top 141km/h Maru 118km/h 41位

    – 初日で焦りすぎ、練習期間と異なるビッグガグルに恐怖心。ス タートした機体につられてスタート。さらにガグルを見失うミ ス 69% • 複数機以上のガグルのスタートにあわせてスタートする(単独機のフォ ローはしない) • 7/30 day2 357km top 142km/h Maru 128km/h 38位 – スタートは今日は冷静に出来た。だが上がりイマイチで遅れる – 4thレグで遅れたと思ったがオフトラックのガグルで盛り返せて 喜びすぎて前に出てしまい失敗。最後までガグルを利用するべ き。 トップは異次元のスピード 80%の割に順位悪い • 7/31 day3 512km top 135km/h Maru 131km/h 11位 – この日から重心位置調整。ガグルがフェイクスタート、一瞬お かしいと思ったが修正できずそのままの失敗スタートに。もう 一機がスタートしてくれたのでガグルフライト、前に出ずに ぐっとこらえる。結果オーライで 94% http://maru-wgc.blogspot.jp/ 142
  27. 本戦振り返り(2) • 8/1 day4 485km top 135km/h Maru O/L 44位

    – スタートはGood!, 1st, 2nd レグも順調だったのだが、標高が高 く、コンディションの弱くなった3rd leg で切替が出来ずに低い まま前に出てしまってプチパニックでO/Lの大失敗 29% フィ ニッシュできる日だった。自信持ちすぎ、もっと他機を使おう。 弱くなったときの切替が出来ず、強気に前に出すぎた • 8/2 day5 3hAAT top 141km/h Maru 121km/h 35位 – ガグルをフォロー。クライムは調整出来たが、ちょっとの遅れ で 72%。良いガグルを選択できなかった • 8/3 day6 541km top 141km/h Maru 130km/h 31位 – スタート前は上がりきれずスタート。コースでも遅れながらガ グルを乗り継げて 86% http://maru-wgc.blogspot.jp/ 143
  28. 本戦振り返り(3) • Day7 8/4 AAT3h top 151km/h Maru 118km/h 43位

    – スタート前が上がりづらく、苦労したがなんとか上がり切れて スタートは成功。第2レグで遅れるもこのまま行けると思い込み すぎ。2ndエリアで早めにガグルについていくべき判断変更が出 来ないミス。さらに低くなって水を全部抜いてしまう操作ミス。 他機がFLARMレーダーで見えなく最後に弱いクライムでフィ ニッシュが大幅に遅れ。 56%。。フライト後にFLARMアンテナ 調整 • 8/5 – レストデー 一週間の振り返り。頭の中の再整理 http://maru-wgc.blogspot.jp/ 144
  29. 本戦振り返り(4) • 8/6 day8 326km top 108km/h Maru 92km/h 41位

    – ブルー、トップ低い。スタート遅すぎるとウエザー崩れると判 断してアーリースタート。実際は30分後レイトスタート組がベ スト。結果的に72% だが仕方ない日 • 8/7 day9 270km top 139km/h Maru 124km/h 28位 – 発達遅れてショートタスク。レイトスタートは待って、待って 成功、途中ちょっと上がりが遅れて79% • 8/8 day10 AAT 3h top 130km/h Maru 119km/h 11位 – AAT 3h サンダーストーム ガグルの乗り移りが上手く行って 91% http://maru-wgc.blogspot.jp/ 145
  30. 本戦振り返り(5) • 8/9 day11 415km top 135km/h Maru 124km/h 21位

    – 415km スタートは220km/hでJS3に遅れて小さな失敗。前半ブ ルーで上がりづらい、フォローに徹して回復。後半雲で上がり やすい。途中ガグルを間違えたが落ち着いてガグルに戻れて 85% • 8/11 day12 AAT 2h30m top 142km/h Maru 125km/h – 一日雨を挟んで最終日。2h30m AAT。スタートはイマイチだっ たが、2ndレグからはガグルで順調。最終レグがビッグガグルで 衝突が怖くて前に出れなく減速。80%は取れたと思ったがトッ プが早すぎて76% http://maru-wgc.blogspot.jp/ 146