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Deep dive into log/slog package

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December 11, 2024

Deep dive into log/slog package

Go Conference mini 2023 Winter IN KYOTOでの登壇資料になります

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December 11, 2024
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Transcript

  1. なぜlog/slogパッケージが開発された? • 色々なパッケージが開発された結果 ◦ 巨大なアプリケーションでは依存関係を通して様々なロギングパッケージに依存し ている • 何を解決したかった? ◦ ログを統一的に扱えるようできる

    ◦ ユーザーがカスタマイズ可能な ”バックエンド” を定義した ◦ 将来的に色々なロギングパッケージがこの “バックエンド” を受け付ける (実装す る) ようになることを期待 ◦ より高品質なバックエンドを作成するためにGoのコミュニティが協力し合える ◦ 詳細は Proposal: Structured Logging#what-does-success-look-like に記載があ る
  2. 基本的なアーキテクチャ • Logger構造体 ◦ ユーザー (開発者) から呼ばれる関数を定義 ◦ Record構造体を生成しHandlerにわたす •

    Record構造体 ◦ ログの内容を構造体として保持する • Handlerインターフェイス ◦ Record構造体を受け取り処理する
  3. Infoメソッドをみてみる Output: • time, levelが出力 (デフォルト) • 第一引数はmsgのvalueとして出力 (デフォルト) •

    その後の引数はkey-valueとして出力 (なくても良い) ソースの位置の出力有 無などが設定できる
  4. 関数の呼び出し (インライン展開) • インライン展開とは? ◦ 関数を呼び出す側に呼び出される側の関数のコードを展開し、関 数への制御転送をしないようにする方法。これにより関数呼び出し に伴うオーバーヘッドを削減する (Wikipediaより抜粋) •

    コンパイラがいい感じにインライン展開してくれる • インライン展開できるかどうかは細かい条件がある ◦ https://github.com/golang/go/wiki/CompilerOptimizations#fun ction-inlining
  5. 関数の呼び出し (直接 vs 間接) • インターフェイス経由でのメソッド呼び出しはインライン展開されない場 合がある (されることもある) ◦ 関数呼び出しにオーバーヘッドが生じるのでパフォーマンスに影響

    する可能性がある • log/slogではどこで意識されているのか? ◦ Loggerはインターフェイスではなく構造体 になっている ▪ 呼び出し側でインターフェイスによる間接的なメソッド呼び出し にならないようにしている ◦ Infoメソッドなどはインターフェイス経由ではなく直接呼び出せる よ うになっている
  6. sync.Poolとは? • GoDocをみてみる ◦ 「... Pool’s purpose is to cache

    allocated but unused items for later reuse, relieving pressure on the garbage collector. …」
  7. sync.Poolとは? • GoDocをみてみる ◦ 「プールの目的は、割り当てられたが未使用のアイテムをキャッシュ し、後で再利用することで、ガベージ・コレクターの負担を軽減する ことである。」 • → 一時的に何かしらの値を保持して後で使いたい時

    /確保のコス トが高いものをあらかじめに用意しておきたい時に便利 • log/slogパッケージ以外では、fmtパッケージやencoding/jsonパッケー ジでも使用されている • パフォーマンスに関するベンチマーク等の話はたくさん記事が出ている のでここでは割愛