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カオナビのディレクターにおけるAI活用(Snowflake MCPによるデータ分析) / A...

カオナビのディレクターにおけるAI活用(Snowflake MCPによるデータ分析) / AI Utilization by Directors

2025年10月30日に開催された「kaonavi Tech Talk #21 〜 カオナビの業務におけるAI活用 〜」での登壇資料です 。
https://kaonavi.connpass.com/event/372337/

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株式会社カオナビ

October 30, 2025
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Transcript

  1. 名前:福角 駿 職種:ディレクター(≒ POやPdM) 経歴概略: 1. 銀行のSE 2. 自社サービスのバックエンドエンジニア 3.

    受託開発のプロジェクトマネージャー 4. カオナビでディレクター 自己紹介 © kaonavi, inc. 2
  2. ディレクターの Snowflake MCP活用 © kaonavi, inc. 4 大きく2種類の使い方で Snowflake MCPを活用している。

    • (ふと思いついた)仮説や疑問を検証 ◦ Claude Desktopを使い、自然言語で Snowflakeのデータを分析 ◦ (例) ▪ ユーザーと会う前に、インタビュー顧客の利用状況を把握する。 ▪ ◯◯機能を使ってくれている顧客と△△機能を使ってくれている顧客に相関はある? • 定期的(週次)に、過去と比べて利用状況に変化が現れているかどうかを調査 ◦ Snowflake のダッシュボードを眺める。 ◦ Claude Agent SDK + Snowflake MCPを使ってAIエージェントが定期的に分析して Slackに投稿
  3. Snowflake MCPを使ったデータ分析のコツ © kaonavi, inc. 6 • Claude Desktopのプロジェクト機能を使い、 システムプロンプトにて、

    Snowflake MCPを使って調査す ることを予め指定しておく。 • 利用するデータベースやテーブルは、予めシステムプロンプトに指定 しておく。 • SnowflakeのテーブルDescriptionやカラムDescriptionは必ず記載する。 • その上で、プロジェクトのプロンプト or ナレッジに、ドメイン知識を入れておく ことでLLMが正しく解釈し てくれる可能性が高くなる。 • クエリを簡素化できるように、 View TableやDynamic Tableを使って、複雑なSQL構文を吸収しておく。 (複雑なSQLを作らせようとすると、失敗する確率が高まる) • システムプロンプトにて、 Snowflakeに、投げたSQLを出力するように指示 しておき、デバッグや正確性 の確認をできるようにしておく。 ChatGPTのGPTs、GeminiのGemみたいなもの
  4. システムプロンプト(一部抜粋) © kaonavi, inc. 7 このプロジェクトでは、ユーザーからタレントマネジメントシステムであるカオナビの分析機能(カスタムガジェットとダッシュボード) に対して、データ分析を求められます。
 
 Snowflake MCPを使って、データを取得し、取得したデータをもとに分析結果を返してください。なお、分析結果を返す際には、実

    行したSQLクエリもユーザーに見せるようにしてください。
 
 
 ## プロジェクトで利用するテーブル
 
 このプロジェクトでは、以下のテーブルにアクセスして分析してください。
 
 - {hoge}
 - {hoge}
 - {hoge}
 
 上記のテーブルには、CUSTOMER_CODEがあるが、顧客情報のマスターは以下にあるので、適宜JOINすること。
 {hoge}
 
 また、知識ファイルにカオナビの分析機能に関する基礎知識があるため、随時参照すること。

  5. 分析プロンプト(一部抜粋) © kaonavi, inc. 10 あなたは、カオナビというタレントマネジメントサービスのビッグデータを分析するエージェントです。 以下の指示に従い、必要に応じて Snowflake MCP ツールを何度でも使用して深掘り調査してください。

    ## 分析指示 ### Snowflake で分析対象とするテーブル [省略] ### 分析観点 - 直近 1 週間(現在の日時: {current_time})の LLM 使用状況について、それまでの利用状況傾向と比較する。 - 直近 1 週間において、初めて AI 機能を使った顧客がどれくらいいるか必ず報告する。 ### 用語説明 [省略] ## 出力形式 [省略] Claude Desktopのプロジェクトでも同じだが、一般的にテーブルは大量に あると思うので、プロンプトで限定したほうがいい 念の為、エージェンティックに動いてもらうことを明示 どんな観点で分析してほしいか言語化する。
  6. 今後より進化させたいこと © kaonavi, inc. 11 • Claude Desktopを使った自然言語によるデータ分析 ◦ Claude

    のプロジェクトではなく、Skills で実現したい。 • AIエージェントによる定期分析レポーティング ◦ エージェントがローカルPCで動いているが、AWS AgentCore などを使いたい。 ◦ 現在はSlack投稿だが、わかりやすいグラフとかも入れたいので、以下にしたい。 i. HTMLレポートを作成 ii. HTMLレポートをGASのWebアプリとしてデプロイ iii. Slackに概要とURLを添付 現状は社内の様々な制約から実現できず。。
  7. データ分析業務に AIを入れたことでの気づき © kaonavi, inc. 12 • 以前は、データ分析に膨大な時間を費やすので、限界があった。 → パッと思いついた仮説をサクッと調べられるのはかなり助かる。

    → データと向き合う時間より、ユーザー(非データ情報)と向き合う時間に集中できる。 • AIによる時間の省略化はうまくいきやすいが、スキルの省略化はまだ厳しいと思う。 → 皆それぞれスキルが異なるので、横展開は容易ではない。 → (少なくとも今は)誰かが作ったものの再利用ではなく、 自分でキャッチアップしてうまく使い こなすことが重要