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飲食業における業務支援システムの開発

 飲食業における業務支援システムの開発

川上 大心

December 13, 2024
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  1. お客様志向 店側志向 0 5 10 15 20 25 有効 やや有効

    やや有効ではない 有効ではない ②の質問に対しては全店舗で有効だと答える人が多かった。 そう思った理由として、 ・新人の時は何もわからないから助かる ・店側としてはミスを減らせる ・教育する側も楽になるし仕事の効率も上がる ・社員やリーダーが不在時でもやりやすくなる などがあった。 ①の質問では店舗ごとに傾向きっぱりと分かれた。 一人のお客様と接する時間と相関関係が見 られた。また、各店舗で教える、教えられ る際に、時間がかかる、重視しているポイ ントについての質問にも同じように店舗ご との特色がでました。 ジュースバースタンド:ファミレス店:焼肉店 7 1 8 1 7 2 3 1 3 3 n=31 店側志向:仕込み、売上意識、店を滞りなく営業する、回転率を上げる、など お客様志向:笑顔での接客、温かいお茶を提供する、雨の日に傘立てを用意する、など ①あなたは働くときにお客様志向、店側志向どちらを重視していますか? ②状況に合わせたアドバイスはお客様志向または店側志向に有効ですか? 期待度調査アンケート 04
  2. 店舗ごと特徴、特色、暗黙知をプロンプトの手法と組み合わせていく。 使用したプロンプト手法 Chain of Thought Prompting(ステップで答えさす) :返答の精度が上がる Role-Play Prompting(店員になりきらせる) :返答の精度が上がる

    Scope Limitation Prompting(答える範囲を定める) :必要のない返答が減る Contextual Prompting(コンテキスト、周囲の情報を伝える) :専門的な返答になる Few-shot Prompting(複数の回答例を入れる) :返答が安定する プロンプトと参照用データ 06 Contextual Promptingの例(焼肉店) 参照用データは、状況別のアドバイス例やマニュアルを作成した。 例:入力(金曜日、晴れ)答え(金曜日で天気も良いから今日は忙しく、薬味を多めに補充。 )
  3. 0 1 2 3 4 5 6 有効 やや有効 やや有効ではない

    有効ではない 0 1 2 3 4 5 6 7 アドバイスの数 アドバイスの長さ 理解しやすさ アドバイスの的確さ アドバイスの構成 情報の正しさ なし 04 店舗ごとに実証実験を行った。働く前に今日の状況を入力し、状況にあったアドバイス を生成、アルバイトには勤務前に目を通してもらい、働いた後、アンケートを取った。 ②の質問に対しては、特によかったのはアドバイスの理解しやすさと的確さであった。 しかしアドバイスの数や長さが悪いと答えるアルバイトが少数確認された。 具体的に良かった点として、 ・新人の時は何もわからないから助かる ・何を気にして仕事をするべきか、わかる などがあった。 ①の質問に対して、実証数は店舗ごとに違い はあるものの全店舗で、店側志向とお客様志 向に対して、全員が有効もしくは、やや有効 だと答えた。 n=9 ①本システムがお客様志向、店側志向に有効であったか? ②具体的にどこが良かったか? 有効度調査アンケート 07
  4. 04 今回再現がうまくいった要因はスタッフの暗黙知と考え方を多く引き出し、プロンプト の手法に組み合わせたことだ。今後、エージェントAIを作る際には今回のように人と技 術をうまくつなぎ合わせるすべが大切であると考察する。 考察、まとめ 08 またアンケート②ではアドバイスの数、長さ、的確さが良くないという意見があった。 数、長さについては一度に指示を出す形式では指示文が長くなってしまう課題があり、 この課題はより状況に合わせたリアルタイムでの短いアドバイスに変更することで解決 できると考えられる。

    的確さについては、状況の入力が現在、天気、曜日、予約数、スタッフの数などで、お 客様に対しての情報がないので、エッジセンサー(カメラや温度計など)を活用してよ り現場の状況に適したアドバイスを行っていくことで改善されると考えられる これらの研究結果から私たちの立てた仮説に本システムは有効であると結論付けた。 この研究を通して配膳ロボットなどを導入する余裕のない店舗がより現実的に課題の 解決ができることを期待する。 今後の展望として、客席にカメラを設置し、客卓の状況からスタッフにアドバイスを 送るエージェントAIなどによってさらにこの課題が解決に向かうことを願う。 考 察 ま と め