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飲食業における業務支援システムの開発
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川上 大心
December 13, 2024
Education
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飲食業における業務支援システムの開発
川上 大心
December 13, 2024
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Transcript
飲食業界では、アルバイトスタッフの入れ替わりが激しいという課題がある。 店舗で主戦力となる学生アルバイトの学生生活が3年~4年、そして、実際にアルバイ トでシフト貢献できるのが2年程度、しかし店舗を任せられるほどの一人前に育てるた めには3年以上かかってしまい、長く続いたアルバイトを一人前に育てたときにはもう 卒業してしまうというのが現状だ。実際に私たちのアルバイト先でも同じような課題を 抱えていてベテランの人手不足によるサービスの質の低下が確認されている。 私たちはベテランと新人の差について「その差は経験の差であり、状況に合わせた判断 ができるかできないかだ。 」という仮説を立てた。この差をChatGPTのような大規模言 語モデルが、状況にあったアドバイスを行うことで経験の少ないアルバイトでも通常以
上の働きが期待できると考え本研究に取り組んだ。 はじめに 01 ・期待度調査アンケート ・システム作成 ・実証実験、有用度調査アンケート 課題 研究手順 仮説
使用するLLM:ChatGPTの機能の1つであるmyGPTを採用。 扱いやすさと実証実験のしやすさが理由。 研究範囲:アルバイトスタッフへ向けたアドバイスを行い、 経営や発注のアドバイスは行わない 異なるユースケースを試すために形態の違う3店舗のスタッフ協力のもとに行った。 研究環境 02 ジューススタンド店 ファミレス店 高級焼肉店
コース料理などがあり、 接客にこだわりがある 平均接客時間 2時間 セルフレジ、配膳ロボット を使用している 平均接客時間 1時間 座席はなく、受け渡しのみ 平均接客時間 10秒
・ChatGPTに与える指示をプロンプトと呼び、プロンプトには複数の手法がある。 ・参照用データを参考に答えるLLMのシステムをRetrieval Augmented LMと呼ぶ。 この手法を使うことで間違ったことを言う可能性が少なくなり、より専門的な回答が できる。 本研究では期待度調査アンケートの結果をもとに ノウハウを安定して伝えられるようにプロンプトと参照用データを編集した。 ChatGPTの機能の1つmyGPT システムの解説
03 ChatGPTを自分好みに変えられるサービスで、指示や参照用データを設定できる。
お客様志向 店側志向 0 5 10 15 20 25 有効 やや有効
やや有効ではない 有効ではない ②の質問に対しては全店舗で有効だと答える人が多かった。 そう思った理由として、 ・新人の時は何もわからないから助かる ・店側としてはミスを減らせる ・教育する側も楽になるし仕事の効率も上がる ・社員やリーダーが不在時でもやりやすくなる などがあった。 ①の質問では店舗ごとに傾向きっぱりと分かれた。 一人のお客様と接する時間と相関関係が見 られた。また、各店舗で教える、教えられ る際に、時間がかかる、重視しているポイ ントについての質問にも同じように店舗ご との特色がでました。 ジュースバースタンド:ファミレス店:焼肉店 7 1 8 1 7 2 3 1 3 3 n=31 店側志向:仕込み、売上意識、店を滞りなく営業する、回転率を上げる、など お客様志向:笑顔での接客、温かいお茶を提供する、雨の日に傘立てを用意する、など ①あなたは働くときにお客様志向、店側志向どちらを重視していますか? ②状況に合わせたアドバイスはお客様志向または店側志向に有効ですか? 期待度調査アンケート 04
期待度調査アンケートで店舗ごとに考え方が全く違うことが確認できた。 状況にあったアドバイスをするため、各店舗のベテランスタッフ協力のもと店の特徴、 特色、暗黙知を書き出していった。一部、紹介する。 各店舗に合わせたChatGPTの作成 05 ジューススタンド店 雨の日は来客数が少なくなるが、Uberなどのテイクアウトが増える。 配膳ロボットが基本運ぶが、ラーメンはこぼれることがある。 ハーフサイズの料理があって、飲みがはやっている。一人のお客様も多い。 新幹線改札中で働いてるので、新幹線の運行状況が大切で、朝1番に新幹線が止まると
お客様は来れないけど昼、夕方に止まると改札内に人がいっぱい留まるので、お客様が いっぱい来て、平日でも忙しくなる。 先読みサービスとして、お客様が気づく前にドリンクを伺ったり、 メニューを見ているお客様に声を掛けたり、網の交換を伺ったりする。 アイコンタクトで店員同士やり取りをしたりする。 ファミレス店 高級焼肉店
店舗ごと特徴、特色、暗黙知をプロンプトの手法と組み合わせていく。 使用したプロンプト手法 Chain of Thought Prompting(ステップで答えさす) :返答の精度が上がる Role-Play Prompting(店員になりきらせる) :返答の精度が上がる
Scope Limitation Prompting(答える範囲を定める) :必要のない返答が減る Contextual Prompting(コンテキスト、周囲の情報を伝える) :専門的な返答になる Few-shot Prompting(複数の回答例を入れる) :返答が安定する プロンプトと参照用データ 06 Contextual Promptingの例(焼肉店) 参照用データは、状況別のアドバイス例やマニュアルを作成した。 例:入力(金曜日、晴れ)答え(金曜日で天気も良いから今日は忙しく、薬味を多めに補充。 )
0 1 2 3 4 5 6 有効 やや有効 やや有効ではない
有効ではない 0 1 2 3 4 5 6 7 アドバイスの数 アドバイスの長さ 理解しやすさ アドバイスの的確さ アドバイスの構成 情報の正しさ なし 04 店舗ごとに実証実験を行った。働く前に今日の状況を入力し、状況にあったアドバイス を生成、アルバイトには勤務前に目を通してもらい、働いた後、アンケートを取った。 ②の質問に対しては、特によかったのはアドバイスの理解しやすさと的確さであった。 しかしアドバイスの数や長さが悪いと答えるアルバイトが少数確認された。 具体的に良かった点として、 ・新人の時は何もわからないから助かる ・何を気にして仕事をするべきか、わかる などがあった。 ①の質問に対して、実証数は店舗ごとに違い はあるものの全店舗で、店側志向とお客様志 向に対して、全員が有効もしくは、やや有効 だと答えた。 n=9 ①本システムがお客様志向、店側志向に有効であったか? ②具体的にどこが良かったか? 有効度調査アンケート 07
04 今回再現がうまくいった要因はスタッフの暗黙知と考え方を多く引き出し、プロンプト の手法に組み合わせたことだ。今後、エージェントAIを作る際には今回のように人と技 術をうまくつなぎ合わせるすべが大切であると考察する。 考察、まとめ 08 またアンケート②ではアドバイスの数、長さ、的確さが良くないという意見があった。 数、長さについては一度に指示を出す形式では指示文が長くなってしまう課題があり、 この課題はより状況に合わせたリアルタイムでの短いアドバイスに変更することで解決 できると考えられる。
的確さについては、状況の入力が現在、天気、曜日、予約数、スタッフの数などで、お 客様に対しての情報がないので、エッジセンサー(カメラや温度計など)を活用してよ り現場の状況に適したアドバイスを行っていくことで改善されると考えられる これらの研究結果から私たちの立てた仮説に本システムは有効であると結論付けた。 この研究を通して配膳ロボットなどを導入する余裕のない店舗がより現実的に課題の 解決ができることを期待する。 今後の展望として、客席にカメラを設置し、客卓の状況からスタッフにアドバイスを 送るエージェントAIなどによってさらにこの課題が解決に向かうことを願う。 考 察 ま と め