Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
履歴を持つデータの設計
Search
Yoshitaka Kawashima
April 12, 2019
Programming
59
26k
履歴を持つデータの設計
酔いどれ設計ナイト2019の発表資料です。
Yoshitaka Kawashima
April 12, 2019
Tweet
Share
Other Decks in Programming
See All in Programming
CEDEC 2025 『ゲームにおけるリアルタイム通信への QUIC導入事例の紹介』
segadevtech
3
900
実践 Dev Containers × Claude Code
touyu
1
210
Infer入門
riru
4
1.5k
エンジニアのための”最低限いい感じ”デザイン入門
shunshobon
0
110
Introduction to Git & GitHub
latte72
0
110
LLMは麻雀を知らなすぎるから俺が教育してやる
po3rin
3
2.2k
DataformでPythonする / dataform-de-python
snhryt
0
180
オホーツクでコミュニティを立ち上げた理由―地方出身プログラマの挑戦 / TechRAMEN 2025 Conference
lemonade_37
2
480
AIに安心して任せるためにTypeScriptで一意な型を作ろう
arfes0e2b3c
0
370
DynamoDBは怖くない!〜テーブル設計の勘所とテスト戦略〜
hyamazaki
1
200
Claude Codeで実装以外の開発フロー、どこまで自動化できるか?失敗と成功
ndadayo
2
210
AI時代のドメイン駆動設計-DDD実践におけるAI活用のあり方 / ddd-in-ai-era
minodriven
21
8.2k
Featured
See All Featured
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
71
11k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
695
190k
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
161
15k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
44
2.4k
Mobile First: as difficult as doing things right
swwweet
223
9.9k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
23
1.4k
Code Review Best Practice
trishagee
69
19k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
50
5.5k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
231
18k
Building Adaptive Systems
keathley
43
2.7k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
51
3.4k
The Language of Interfaces
destraynor
160
25k
Transcript
履歴を持つデータの設計 kawasima 酔いどれ設計ナイト2019
課題 • 適用開始日 • 変更履歴 • 削除フラグ • …
ありがちなアドバイス • 最新のものだけ残して、あとはKVSに 入れろ • フラグじゃなくてステータスにしろ • ビュー (マテビュー)でなんとかしろ •
…
業務を考えずにパターンは決まらない イミュータブルデータモデルに沿って、まずは エンティティを分類 会員ID 姓 名 郵便番号 住所 電話番号 注文ID
会員ID 注文日時 リソース イベント 会員 注文 https://www.slideshare.net/kawasima/ss-40471672
イベントとリソースそれぞれで、 「履歴」について考えてみます
イベントの履歴 イベントはそもそも履歴だ。
リソースの変更イベント リソースエンティティに更新日時をもたせたくなるのは、リソー スにまつわるイベントが洗い出せていないことが原因です。 会員ID 姓 名 郵便番号 住所 電話番号 更新日時
会員 • 会員が自分自身で会員情報変更ペー ジから変更する • 規約に違反した会員であったため、 お客さまセンターのオペレータが強 制退会をおこなう。 • 会員からの「誤った退会をしてし まったので取り消して欲しい」との 問合せを受けて、お客さまセンター のオペレータが会員の復会をおこな う。
業務に沿ってイベントを設計する 会員ID 姓 名 郵便番号 住所 電話番号 会員 会員変更ID 会員ID
姓 名 郵便番号 住所 電話番号 変更日時 会員変更 強制退会ID 会員ID 強制退会日時 強制退会理由 強制退会 復会ID 会員変更ID 復会日時 復会
子リソースをたくさんもつリソースの 変更イベント 全部のエンティティ分、変更履歴テーブルもつの?
こういうリソースの変更履歴用途 • カスタマ問い合わせ対応 • 変更トリガーでのストリーム処理 (検索インデックス作成など ) • 属性での複雑な検索はいらない •
時系列DBやドキュメントデータベースに 突っ込む
ロングタームイベントパターン • イベントでもステータス管理が必要なケース • 長期間で完結するイベントはステータスをもち ステータス遷移のイベントを詳細イベントとし て記録する
None
リソースの履歴 • 買ったときの商品価格を参照したい。 • 駅テーブルに2020年〜高輪ゲートウェイが追 加される。 などなど →「履歴」というよりは「世代」になる。
デメリット大きいので、適用することは少ない。 が、マスタ管理機能など入力のみのものであれば用いる ことあるかな…
過去と予定を分けて扱えれば シングル世代テーブルパターンでもOK
バックエンド業務では世代が 必要で、コンシューマ向けの 機能では最新のもののみがあ ればよい、というパターンで は活用できる。
Gitのバージョンとタグの関係性のイメージ 古い世代や未来の世代も画一的に扱う業務に おいては、このパターンを用いる。
まとめ 「履歴」というワードで思考停止して、 実装手段の話を始めてはいけない 業務での利用用途を突き詰めて考え、 イミュータブルデータを出来るだけ作るように がんばりましょう。