LT for さくらの夕べ 研究所ナイト@福岡 (2020/1/16)
IPアドレスのおねだんKei Onimaru[email protected]Twitter: @keionimhttps://qiita.com/keys
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自己紹介• おにまる けいすけ• SIerでプログラム書いたりインフラ設計してます• Pythonista見習い• 最近はサーバレスアプリケーションに夢中• ねこだいすき2
おことわり• スライド中、とくに断りがない場合、“IPアドレス” は “IPv4アドレス” を指します3
さっそくですが、、、4
IPアドレスは枯渇しました5※諸説あります
2011年2月4日 IANA在庫枯渇• このとき結構話題に• IPv6の時代だ!…という人もいれば• NATもあるしIPv6いらんのでは?…という人もいた6https://www.nic.ad.jp/ja/pressrelease/2011/20110204-01.html
その後の動き• 2011/4/15 アジア・太平洋地区(APNIC)の在庫枯渇• 2015/9/24 北米地区(ARIN)の在庫枯渇• 2019/11/25 欧州地区(RIPE NCC)の在庫枯渇7
「在庫枯渇」とは• IANAやRIRから割り振るIPアドレスがなくなった、という意味• RIRからNIRへ割り振られたIPアドレスとは別• ただRIRから新しいアドレスをもらうことはできない• NIRはまだIPアドレスを持っている• 出版社在庫なし、店頭在庫のみ、のようなもの8RIR: アジアや北米といった地域ごとのレジストリ (APNIC, ARINなど)NIR: 各国のレジストリ (JPNICなど)
2019年7月3日 日本で部分的に割り振り終了• 割り当てに使っていた2つのプールの片方が割り振り終了• もう片方も節約開始• これで2023年まで延命できるらしい…9https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2019/20190703-02.html
IPアドレスを、くれ……!10
配給では手に入らない……• 枯渇寸前なので条件や制限が厳しくなっている• すでに割り当てされている組織にはとくに厳しい• 割り当てを受けられても、1度に512アドレスまで• 事業が大きくなるのに、これでは困る……(´・_・`)11
――だったら市場で買えばいい!• 余っているところからお金を払って手に入れる• (今までの配給のような割り当てでも手数料はかかっていた)• 余っているところ、とは• まだIPアドレスがジャブジャブあったころに割り当てられた組織があるhttps://en.wikipedia.org/wiki/List_of_assigned_/8_IPv4_address_blocks• 大きなブロックが取り引きされるのは、だいたいこの部分• Amazon, MS, Google, Alibaba などが目立つhttp://www.trefor.net/2017/05/12/ipv4-address-market/12
MSさんの大人買い(2011年)13
Amazonさんの大人買い(2018年)• もともとはGE(General Electric 社)が持っていたブロック14http://www.geekpage.jp/blog/?id=2018-11-16-1
ブローカー(斡旋業者)が現る15※売れ筋のブロックサイズ教えます(意訳)https://ipv4marketgroup.com/what-is-a-good-ipv4-block-size-to-sell/
市場トレンドレポートとか出てくる16https://ipv4marketgroup.com/ipv4-price-trends/
オークションサイトができる17https://auctions.ipv4.global/
IPアドレスは資産であり、商品である特別な会社だけの特別な商品でもないそこのあなたでも買える(しらんけど)18※審査があります
結論: IPのおねだんは?• 2020年1月現在、IPアドレスの単価は約20ドル(2,200円)• ただしより大きなブロックだと単価が違う可能性大19
まとめ• IPv4アドレスの供給は不十分• 設計上、母数を増やすことができない• IPv4アドレスの需要は大きい• パブリッククラウド業者や通信事業者はIPv4アドレスが必要• 利用者がIPv4で繋いでくる限りIPv4アドレスは必要• IPv4アドレスは需要と供給が成り立つ「商品」になっている20