Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
IPアドレスのおねだん
Search
Kei Onimaru
January 16, 2020
Technology
0
3.6k
IPアドレスのおねだん
LT for さくらの夕べ 研究所ナイト@福岡 (2020/1/16)
Kei Onimaru
January 16, 2020
Tweet
Share
More Decks by Kei Onimaru
See All by Kei Onimaru
Eメールはまだまだ面白い
keioni
0
170
Other Decks in Technology
See All in Technology
米軍Platform One / Black Pearlに学ぶ極限環境DevSecOps
jyoshise
2
520
改竄して学ぶコンテナサプライチェーンセキュリティ ~コンテナイメージの完全性を目指して~/tampering-container-supplychain-security
mochizuki875
1
370
リアーキテクティングのその先へ 〜品質と開発生産性の壁を越えるプラットフォーム戦略〜 / architecture-con2025
visional_engineering_and_design
0
4.7k
『星の世界の地図の話: Google Sky MapをAI Agentでよみがえらせる』 - Google Developers DevFest Tokyo 2025
taniiicom
0
110
"'TSのAPI型安全”の対価は誰が払う?不公平なスキーマ駆動に終止符を打つハイブリッド戦略
hal_spidernight
0
100
ローカルLLM基礎知識 / local LLM basics 2025
kishida
21
6.1k
Android Studio Otter の最新 Gemini 機能 / Latest Gemini features in Android Studio Otter
yanzm
0
120
Tomcatが起動しない!?SecureRandomと乱数デバイスの罠
fujikawa8
1
110
pmconf 2025 大阪「生成AI時代に未来を切り開くためのプロダクト戦略:圧倒的生産性を実現するためのプロダクトサイクロン」 / The Product Cyclone for Outstanding Productivity
yamamuteki
3
2k
なぜブラウザで帳票を生成したいのか どのようにブラウザで帳票を生成するのか
yagisanreports
0
160
国産クラウドを支える設計とチームの変遷 “技術・組織・ミッション”
kazeburo
4
6.5k
重厚長大企業で、顧客価値をスケールさせるためのプロダクトづくりとプロダクト開発チームづくりの裏側 / Developers X Summit 2025
mongolyy
0
160
Featured
See All Featured
Navigating Team Friction
lara
190
16k
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
527
40k
Designing for Performance
lara
610
69k
Code Review Best Practice
trishagee
72
19k
Faster Mobile Websites
deanohume
310
31k
The Power of CSS Pseudo Elements
geoffreycrofte
80
6.1k
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
367
27k
Understanding Cognitive Biases in Performance Measurement
bluesmoon
31
2.7k
The Art of Programming - Codeland 2020
erikaheidi
56
14k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
79
6.7k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
307
110k
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
60
9.6k
Transcript
IPアドレスのおねだん Kei Onimaru
[email protected]
Twitter: @keionim https://qiita.com/keys
自己紹介 • おにまる けいすけ • SIerでプログラム書いたりインフラ設計してます • Pythonista見習い • 最近はサーバレスアプリケーションに夢中
• ねこだいすき 2
おことわり • スライド中、とくに断りがない場合、“IPアドレス” は “IPv4アド レス” を指します 3
さっそくですが、、、 4
IPアドレスは枯渇しました 5 ※諸説あります
2011年2月4日 IANA在庫枯渇 • このとき結構話題に • IPv6の時代だ! …という人もいれば • NATもあるし IPv6いらんのでは?
…という人もいた 6 https://www.nic.ad.jp/ja/pressrelease/2011/20110204-01.html
その後の動き • 2011/4/15 アジア・太平洋地区(APNIC)の在庫枯渇 • 2015/9/24 北米地区(ARIN)の在庫枯渇 • 2019/11/25 欧州地区(RIPE
NCC)の在庫枯渇 7
「在庫枯渇」とは • IANAやRIRから割り振るIPアドレスがなくなった、という意味 • RIRからNIRへ割り振られたIPアドレスとは別 • ただRIRから新しいアドレスをもらうことはできない • NIRはまだIPアドレスを持っている •
出版社在庫なし、店頭在庫のみ、のようなもの 8 RIR: アジアや北米といった地域ごとのレジストリ (APNIC, ARINなど) NIR: 各国のレジストリ (JPNICなど)
2019年7月3日 日本で部分的に割り振り終了 • 割り当てに使っていた 2つのプールの片方が 割り振り終了 • もう片方も節約開始 • これで2023年まで
延命できるらしい… 9 https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2019/20190703-02.html
IPアドレスを、くれ……! 10
配給では手に入らない…… • 枯渇寸前なので条件や制限が厳しくなっている • すでに割り当てされている組織にはとくに厳しい • 割り当てを受けられても、1度に512アドレスまで • 事業が大きくなるのに、これでは困る……(´・_・`) 11
――だったら市場で買えばいい! • 余っているところからお金を払って手に入れる • (今までの配給のような割り当てでも手数料はかかっていた) • 余っているところ、とは • まだIPアドレスがジャブジャブあったころに割り当てられた組織がある https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_assigned_/8_IPv4_address_blocks
• 大きなブロックが取り引きされるのは、だいたいこの部分 • Amazon, MS, Google, Alibaba などが目立つ http://www.trefor.net/2017/05/12/ipv4-address-market/ 12
MSさんの大人買い(2011年) 13
Amazonさんの大人買い(2018年) • もともとはGE (General Electric 社) が持っていたブロック 14 http://www.geekpage.jp/blog/?id=2018-11-16-1
ブローカー(斡旋業者)が現る 15 ※売れ筋のブロックサイズ教えます(意訳) https://ipv4marketgroup.com/what-is-a-good-ipv4-block-size-to-sell/
市場トレンドレポートとか出てくる 16 https://ipv4marketgroup.com/ipv4-price-trends/
オークションサイトができる 17 https://auctions.ipv4.global/
IPアドレスは資産であり、商品である 特別な会社だけの特別な商品でもない そこのあなたでも買える (しらんけど) 18 ※審査があります
結論: IPのおねだんは? • 2020年1月現在、IPアドレスの単価は約20ドル(2,200円) • ただしより大きなブロックだと単価が違う可能性大 19
まとめ • IPv4アドレスの供給は不十分 • 設計上、母数を増やすことができない • IPv4アドレスの需要は大きい • パブリッククラウド業者や通信事業者はIPv4アドレスが必要 •
利用者がIPv4で繋いでくる限りIPv4アドレスは必要 • IPv4アドレスは需要と供給が成り立つ「商品」になっている 20