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20250625 Snowflake Summit 2025活用事例 レポート / Nowc...

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June 27, 2025

20250625 Snowflake Summit 2025活用事例 レポート / Nowcast Snowflake Summit 2025 Case Study Report

DataOps Night 特別編 Snowflake Summit 2025振り返り会
https://finatext.connpass.com/event/358431/

金融業界を中心に、どのような事例が多かったのかを類型化してお話ししました。
#dataopsnight #nowcast #snowflake #SnowflakeSummit

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K.Osawa

June 27, 2025
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Transcript

  1. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. ゴール / アジェンダ ゴール

    1. ⾦融機関やそれ以外の業界も含めた、Snowflakeにおける事例のトレンドをご紹介する。 2. ⽇本への⽰唆やまだ事例の少ない利活⽤法について、理解を深める。 アジェンダ 1. ⾃⼰紹介 2. サマリー 3. 事例紹介 a. AI活⽤の実⽤フェーズ移⾏ b. データの⺠主化の加速 c. データコラボレーションの進化 2
  2. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. ⾃⼰紹介 3 株式会社Finatext /

    株式会社ナウキャスト データ&AIソリューション事業 ビジネスデベロップメント リーダー ⼤澤弘毅 https://x.com/kkuv553 https://www.linkedin.com/in/koki-osawa-aa8919208/ Fintech業界⽀援 Finatext⼊社 データAI ソリューション ⽴ち上げ 経歴概要 • 2016年4⽉に⼤⼿⼈材会社へ。⼈材紹介事業部にて⾦融機関‧コンサルティング業界向けチ ームに所属し、Fintechベンチャーやネット銀⾏‧証券等⼈材⽀援に従事。 • 2021年3⽉にFinatext / ナウキャストのクライアントスペシャリストとして⼊社し、 ⼤⼿⾦融機関、事業会社との協働案件を推進。 • データ&AIソリューション事業の⽴ち上げに参画し、お客さまのデータ基盤構築から ⽣成AIの活⽤⽀援まで、幅広い業務コンサルティングを担当している。 • 現在はFinatext / ナウキャストのビジネスデベロップメント業務に従事。
  3. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. ⾃⼰紹介 4 過密スケジュール …20セッション参加

    特に興味深かったものをピックアップ そんな業界がAIを? そんなサービスあったの? そんな会社がデータ基盤を?
  4. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 6 サマリー 全538セッション中、AI系が127セッション、さらにそのうち⾦融系は23セッション存在した。 公式HPより

    (⼤澤調べ) AI系 アプリ‧BI マーケティン グ‧カスタマー 理解 データアーキ‧ エンジニアリン グ ガバナンス‧セ キュリティ‧監 視 コラボ‧マーケ ットプレイス Snowflake運 ⽤‧新機能 ⾦融 23 13 12 15 9 11 5 メディア‧エンタメ 13 13 16 5 9 5 3 ヘルスケア 16 15 8 4 10 7 1 メーカー 20 11 2 8 6 3 0 パブリック 7 4 0 2 1 4 0 リテール‧コマース 19 21 14 7 7 6 3 テクノロジー‧テレ コム 26 22 16 17 9 4 3 トラベル 4 8 10 4 3 2 0 業界不問‧ Snowflake主催‧そ の他 (61) (54) (15) (60) (50) (29) (57)
  5. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 7 サマリー 今年の事例を踏まえて感じたトレンドは3点。①AI実⽤化事例が多い点、②データの⺠主化事例が増えた点、 ③外部データ連携事例も拡⼤している点である。私が聞くことのできた事例から抜粋してお伝えする。

    1 2 3 データの ⺠主化の加速 AI活⽤の 実⽤フェーズ移⾏ データコラボレーショ ンの進化 BlackRock Thomson Reuters Alterra インベスコ Aptos One POS / BlueCloud HUB International HYATT デロイトトーマツコンサルティング マスターカード(dynamic yield) Marriott データ×AI / 技術導⼊ セルフサービス化 / 組織変⾰ データ外部連携
  6. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 8 サマリー 今年の事例を踏まえて感じたトレンドは3点。①AI実⽤化事例が多い点、②データの⺠主化事例が増えた点、 ③外部データ連携事例も拡⼤している点である。私が聞くことのできた事例から抜粋してお伝えする。

    1 2 3 データの ⺠主化の加速 AI活⽤の 実⽤フェーズ移⾏ データコラボレーショ ンの進化 BlackRock Thomson Reuters Alterra インベスコ Aptos One POS / BlueCloud HUB International HYATT デロイトトーマツコンサルティング マスターカード(dynamic yield) LSEG Marriott データ×AI / 技術導⼊ セルフサービス化 / 組織変⾰ データ外部連携 1. AI活⽤の実⽤フェーズ移⾏ • 昨年⽣まれたCortexのユースケースが⼤幅に増えていた。 • ⼀⽅でAIエージェント化を実運⽤しているユースケースはまだまだ少ない印象。 2. データの⺠主化の加速 • データ利活⽤を進めるために、GUI利⽤なども実施しながらセルフサービス化を狙う企業が増加。 • 加えて利⽤が増えることによるコスト最適化のユースケースも多い。 3. データコラボレーションの進化 • これまで実現できなかったデータ連携事例が増えている。差分プライバシーやデータクリーンルー ムなどの実例が増えてきている。また、データカタログなどの情報の重要性も⾼まっている。
  7. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 9 事例紹介:AI活⽤の実⽤フェーズ移⾏ BlackRock Snowflake

    Cortex Searchを利⽤し、クライアント向けの会議準備の効率化の事例 • 昨年はAladdinに組み込んだZoomInfoのCopilotの活⽤事例を話していたセッションなどを拝⾒したが、今年はCopilotなど、 Snowflakeのマネージド機能をフルに活⽤している事例を紹介。 • 状況 ◦ クライアントMTG準備に社内の過去議事録 や戦略資料などと、社外の情報をかき集め ての準備が必要だった • 現状 ◦ CortexができるまではベクトルDBを別環 境に作り、PoCを実施していた • 結果 ◦ Cortex Searchがとてもシンプル ◦ PoCやテストが⾮常に簡単だった ◦ 正確な結果を早急に返してくれることで MTG準備が⾼速になったとのこと ◦ 悪い結果が返ってくるならデータが悪い、 という状態を作っている
  8. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 10 事例紹介:AI活⽤の実⽤フェーズ移⾏ Alterra 機械学習モデルを利⽤したスキーリゾートの需要予測

    • 北⽶を中⼼に18のスキーリゾートや関連事業を運営。多様な事業活動のため、マーケティングや運営の効率化には需要予測が重要。 • スキーリゾートでの需要予測の必要性について、現在は各リゾートの収益管理者が⼿作業でスプレッドシートを使い予測を⾏っていた。 多くの変数(天候、季節性、曜⽇効果、イベントなど)に左右されるため、従来の⽅法では標準化と効率性に課題があった。 • 状況 ◦ 短期予測と⻑期予測の2種類のモデルに分けて構築 ▪ ⻑期モデルはシーズン全体の来客数を予測し、短期モデ ルは⽇々更新される天候や直近の傾向などのデータを取 り⼊れる⼿法が採⽤ ◦ データの⼀元管理と最新の情報更新により、予測モデルが常 に最新の情報に基づいて動作する • Snowflake Feature Store ◦ 特徴量エンジニアリングやデータ前処理を容易に ◦ 過去データと最新データをシームレスに結合することで、複 雑なタイムシフト問題にも対処可能 • Snowflake Model Registry ◦ 多数の個別モデル(リゾートや製品ごと)を効率的に管理
  9. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 11 事例紹介:AI活⽤の実⽤フェーズ移⾏ / データの⺠主化の加速

    Thomson Reuters OpenSetuというAI Agentでアナリストでなくともデータ分析を可能に。 • 状況 ◦ アナリストのようにテクノロジーを理解している⼈だけでな く、データにアクセスさせたかった ◦ Snowflake, Excel, Document関連のデータに対しアクセスし、 ディシジョンメイキングをする ◦ SnowflakeはCortex、それ以外のファイルはそれぞれToolkit 経由でAPI連携 • 実施内容 ◦ セキュリティ⾯のテストとして、不正テーブル削除リクエス トに対する対策実施とその結果評価。 ◦ 信頼性評価も実施。 • 特徴 ◦ ユーザーの質問に対して、エージェントが顧客データのスキ ーマを返答:平均⼝座残⾼や市場セグメントごとの注⽂分布 など、SQL⽣成とその実⾏結果を⾃然⾔語で表⽰。エージェ ントがメールでのレポート送信を⾏う様⼦も紹介。 ◦ 各システムとの連携は専⽤ツールキット(個々のAPIを備え たモジュール)で実装。スケーラブルな拡張が実現。
  10. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 12 事例紹介:データの⺠主化の加速 Invesco Snowflakeのコスト削減やモニタリング、オブザーバビリティについての説明を実施。

    • 利⽤状況を⾒ながら適切なモニタリング‧監視をしながら、SLAの設定や、適切なFinOps(財務×DevOps)を進め、クラウドコスト の最適化を⽬指した。 • データを触らせることなどを展開していく上で重要なスタート地点としてのコスト管理‧可観測性の実現に向けて構築。
  11. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 13 事例紹介:データの⺠主化の加速 Aptos One

    POS / BlueCloud POSのオンプレミスデータ基盤をSnowflakeへ移管。ELTツールにはGUIベースのCoalesceを選択。 • Aptosは、リテール分野にてオムニチャネル体験、在庫管理、顧客エンゲージメントの最適化などを⽀援するソリューションを提供し ている。BlueCloud社の⽀援により、Snowflakeを基盤に、Snowpipeでデータインジェスチョン、CoalesceにてELTをUIベースで実装。 オンプレミスのインフラから脱却し、Snowflakeを選択。POSからS3へ連携後、Snowpipeで取り込み、Transformされる。
  12. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 14 事例紹介:データの⺠主化の加速 Aptos One

    POS / BlueCloud ※Coalesce:Snowflake向けのローコードELTツール • ⽇本ではあまり事例はなく、2024年からAPJ展開開始した様⼦。Snowflake向けに設計されたローコード変換プラットフォーム。 • 列レベルのメタデータを⾃動管理するアーキテクチャが特徴。ブースでも特徴を説明いただき、データリネージやテーブル情報、メタ データなどを管理できる状況を⾒せてもらうことができた。
  13. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 15 事例紹介:データの⺠主化の加速 / データコラボレーションの進化

    HYATT / Marriott:ホテル各社の発表事例の特徴 HYATTはセルフサービス化事例、Marriottはパートナー連携のためのDCR事例 • HYATTは宿泊データやゲストセグメンテーション、ロイヤリティや検索⾏動などを分析できる状態を、ThoughtSpotを利⽤して構築。 • ⼀⽅でMarriottは、外部関係会社とのデータコラボレーションのための、データクリーンルーム活⽤事例を紹介。 • パートナー間でのデータエンリッチメントやオーディエンスの最適化、効率的なメディアキャンペーンの実施が期待されています。
  14. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 16 事例紹介:データコラボレーションの進化 デロイトトーマツグループ Asset

    Insight Suiteを作り、アセマネ会社向けのパッケージにてデータコラボレーションを容易に。 • 状況 ◦ デロイトグループがアセットマネジメント会社向けのデータ管理プラットフォームを提供。 ◦ 事前構築済みのデータモデル‧コネクタ‧マネージドサービスなどを組み合わせレガシーシステムを簡 単に移⾏。
  15. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 17 事例紹介:データコラボレーションの進化 ※ナウキャストも、Nowit AM

    Suiteとしてアセットマネジメント会社向けのフレ ームワークを提供しており、構成としては類似のもので進んでいる印象。 お客様環境 データ基盤 ナウキャスト共通データモデル 口座 ファンド ニュース 運用会社 ベンチ マーク 顧客データ コネクタ お客様側DB AIツールキット 運用報告レポート コメント生成 ESG分析 ナウキャスト他 決算 有価証券届 出書 統合報告書 統合報告書 RFP作成 支援 決算データ 分析 広告審査 契約書 レビュー 3rdパーティーデータ コネクタ API … システム 特化型機能① 特化型機能② 特化型機能③ … ナウキャストが提供するデータ を利用することでデータ収集の 工数を削減 顧客のデータをコネクターで共通デ ータモデルに変換して取り込み アセットマネジメント業務における 共通のデータモデルを利用すること で、AIツールキットの再利用性が高 まる データ基盤とAIツールキットの 実行環境は貴社環境とナウキャ スト環境から選択可能 アセットマネジメント業務における 生成AI活用のユースケースを標準化 したツールキット。個別のカスタマ イズも可能 APIでツールキットの結果を業務シス テムへ連携
  16. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 18 事例紹介:データコラボレーションの進化 Dynamic Yield

    (MasterCard) マスターカード独⾃の消費⽀出可視化を踏まえたパーソナライゼーションプラットフォーム • 状況 ◦ Dynamic Yieldは、ブランドや顧客向けのパーソナライズ済 みデジタル体験を提供しており、Webアプリやメール、ター ゲティング、A/Bテストなど多様なプラットフォームで利⽤ ◦ 従来AWS環境内で運⽤されていたレガシースタックについて 紹介され、その中で複数の⾔語やフレームワーク(Spark、 Kubernetesなど)を利⽤していたため、オーバーヘッドや管 理の複雑さ、データロスリスクが懸念されていた ◦ パートナー間でのツールやデータソースの不統⼀による開発 効率の低下も問題だった • 解決策 ◦ SnowflakeやAirflowを中⼼に、シンプルかつ⼀元化された 新アーキテクチャへ移⾏ ◦ 膨⼤な量のカタログデータとユーザーエンゲージメントデー タをSnowflakeに集約し、KafkaやSparkを利⽤せず、バッチ 処理を中⼼としたシンプルな仕組みに変更
  17. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 19 事例紹介:データコラボレーションの進化 Dynamic Yield

    (MasterCard) マスターカード独⾃の消費⽀出可視化を踏まえたパーソナライゼーションプラットフォーム
  18. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 20 事例紹介:データコラボレーションの進化 Dynamic Yield

    (MasterCard) マスターカード独⾃の消費⽀出可視化を踏まえたパーソナライゼーションプラットフォーム
  19. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 21 サマリー(再掲) 今年の事例を踏まえて感じたトレンドは3点。①AI実⽤化事例が多い点、②データの⺠主化事例が増えた点、 ③外部データ連携事例も拡⼤している点である。

    1 2 3 データの ⺠主化の加速 AI活⽤の 実⽤フェーズ移⾏ データコラボレーショ ンの進化 BlackRock Thomson Reuters Alterra インベスコ Aptos One POS / BlueCloud HUB International HYATT デロイトトーマツコンサルティング マスターカード(dynamic yield) LSEG Marriott データ×AI / 技術導⼊ セルフサービス化 / 組織変⾰ データ外部連携
  20. © 2015 - 2025 Nowcast Inc. 22 サマリー(再掲) 今年の事例を踏まえて感じたトレンドは3点。①AI実⽤化事例が多い点、②データの⺠主化事例が増えた点、 ③外部データ連携事例も拡⼤している点である。

    1 2 3 データの ⺠主化の加速 AI活⽤の 実⽤フェーズ移⾏ データコラボレーショ ンの進化 BlackRock Thomson Reuters Alterra インベスコ Aptos One POS / BlueCloud HUB International HYATT デロイトトーマツコンサルティング マスターカード(dynamic yield) LSEG Marriott データ×AI / 技術導⼊ セルフサービス化 / 組織変⾰ データ外部連携 1. AI活⽤の実⽤フェーズ移⾏ • 昨年⽣まれたCortexのユースケースが⼤幅に増えていた。 • ⼀⽅でAIエージェント化を実運⽤しているユースケースはまだまだ少ない印象。 2. データの⺠主化の加速 • データ利活⽤を進めるために、GUI利⽤なども実施しながらセルフサービス化を狙う企業が増加。 • 加えて利⽤が増えることによるコスト最適化のユースケースも多い。 3. データコラボレーションの進化 • これまで実現できなかったデータ連携事例が増えている。差分プライバシーやデータクリーンルー ムなどの実例が増えてきている。また、データカタログなどの情報の重要性も⾼まっている。