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データモデリングを通じて管理会計のオペレーションを再設計する
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Keisuke Tagashira
April 29, 2026
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データモデリングを通じて管理会計のオペレーションを再設計する
https://findy-inc.connpass.com/event/386091/
の登壇資料です。
Keisuke Tagashira
April 29, 2026
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Transcript
1
自己紹介 2
ファインディ / データエンジニア 田頭啓介 / @tagasyksk 2024年5月〜 CTO室データソリューションチームにジョイン マルチプロダクトのデータ基盤の開発に従事 経営管理部門のデータ整備もやっている
自己紹介 3
✅ 話すこと: データモデリングに基づいたコミュニケーション 業務担当者とのヒアリングを起点に、業務オペレーション自体を再設計していった話 🚫 話さないこと: 技術スタックの詳細について 事前発表で紹介されていた通り 話すこと・話さないこと 4
管理会計の現状 5
経営判断のための会計 財務会計(外部報告)とは別に、社内の意思決定に使う会計 事業部別・プロダクト別の損益・KPI・予実管理 経営層・事業部長が毎月参照する、実務に直結する数字 データエンジニアリングとの接点 集計ロジックと業務定義が密に絡む領域 ソースが多岐にわたる(会計SaaS・スプシ・組織マスタ等) 管理会計とは 6
課題 7
📑 スプレッドシート中心の集計 月次で関数・ピボットを手作業で組み直す運用 🕸️ スプシのリネージが50件超 IMPORTRANGEやVLOOKUPで絡み合い、どこか1枚崩れると全体が連鎖的に壊れる 🔁 ロジックの重複と乖離 同じKPIが部署ごとに別計算、数字が合わない ⏳
月次締めの遅延 毎月集計完了まで2~3日かかり、意思決定が後追いになる オペレーションの実態 8
🕸️ リネージを明らかにする スプシで絡み合っていた依存関係を、データの流れとして可視化できる 🧹 ロジックを整理する 業務担当者の頭の中に散らばった計算式を、再利用可能なファクトに集約する 🌱 新たに生まれるユースケースに対応する 予実分析・AIによる会計分析など、新しい要求にもファクトを起点に応えられる データモデリングで解けること
9
データモデリングによる再設計 10
勘定元帳やマクロを眺めても始まらない 「計上組織」 「補助科目」 「配賦」 「予算番号」...専門用語が飛び交う 業務担当者の頭の中にある集計粒度・分析軸を引き出す必要がある 業務担当者との対話で輪郭を掴む 何を集計したいのか(売上?粗利?受注?) どの軸で切りたいのか(事業部・プロダクト・月・顧客) どの粒度で見たいのか(月次?日次?契約単位?)
→ ヒアリングを重ねるうちに、モデリングに必要な情報が集まっていく モデリングはヒアリングから始まる 11
『アジャイルデータモデリング 組織にデータ分析を広める ためのテーブル設計ガイド』 業務担当者との対話を起点にディメンショナルモデルを立 ち上げる手法(BEAM✲ )を体系化した一冊 ヒアリングで「誰が・何を・いつ・どこで」を引き出 し、ファクトとディメンションに落とす流れ この本のアプローチをなぞる形で、経営管理部の担当 者とのヒアリングとモデリングを進めた
参考にした書籍 12
経営管理部の担当者と何度もMTGを重ね、業務の流れと集計の意図を整理 総勘定元帳を起点に、売上・費用・原価を月次粒度のファクトとして分離 💰 売上ファクト 事業別の売上実績を月次で管理 💸 費用ファクト 事業別・費目別の費用実績を月次で管理 🏭 原価ファクト
サービス別の原価を月次で管理 ヒアリングから立ち上げたファクト設計 13
会計データソースをDriveにアップロード&TROCCOのジョブを起動してもらう 会計実績値がdbtで集計され、Looker・スプシから参照できる 全体構成 14
得られた効果 15
🔘 ワンボタンで月次集計が完了 dbtを流すだけで月次の実績値が揃う。スプシ再構築の手作業はゼロに 🚨 イレギュラーな科目の可視化 想定外のレコードを自動で検出、月次締めで見逃さない 🎯 数字の一貫性 「どの数字が正しいか」の議論がなくなった オペレーションの変化
16
今後の展望 17
📐 予算・見通しデータを取り込んで予実分析 実績ファクトと同じ粒度で予算・見通しを持たせ、予実の差分を自動で可視化 🤖 AI Agent Readyな会計データ基盤 整備済みのファクトを起点に、自然言語で会計分析を行えるようにする これからの管理会計とデータ 18
Lookerの会話分析による人件費の予実分析 19
伝えたいこと 20
データエンジニアリング = プロダクトのためのもの、ではない バックオフィス業務はスプシと手作業で回っていることが多い 集計ロジックの設計・整理・自動化は、まさにデータエンジニアの得意領域 バックオフィスにこそモデリングの余地が大きい 業務が長年積み重なり、構造が複雑化している 数字が経営判断に直結するため、整備のインパクトが大きい → 今日話した管理会計はその一例。プロダクト外にも踏み込む価値は大きい
バックオフィスにもデータエンジニアの出番がある 21
ご清聴 ありがとうございました 22