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第28回 著者ゼミ:Identification of drug responsible glycogene signature in liver carcinoma from meta-analysis using RNA-seq data

第28回 著者ゼミ:Identification of drug responsible glycogene signature in liver carcinoma from meta-analysis using RNA-seq data

第28回 著者ゼミにて用いた資料になります。

Tatsuya Koreeda

June 15, 2024
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Transcript

  1. 2 自己紹介 名前 是枝達也 略歴 ・クリエイティブサーベイ データエンジニア ・クリニックフォア田町 バイオインフォマティシャン ←Web系のITベンチャーでバックエンドエンジニア(Ruby,

    AWS) ←名古屋大学大学院生命農学研究科 博士後期課程 専門 ・トランスクリプトーム・ゲノミクス・マルチオミクス解析 ・薬剤刺激における遺伝子シグネチャの解析 趣味 ・Snowflakeを使ったデータエンジニアリング 活動 ・Snowflake Squad 2024(日本人初&日本人唯一)
  2. 6 幅広いバイオインフォマティクス分野 • ゲノムシーケンシング • ゲノムアセンブリ • ゲノムアノテーション • RNAシーケンシング

    (RNA-seq) • 遺伝子発現解析 • 代謝経路解析 • スプライシングバリアント解析 • タンパク質同定 • タンパク質発現解析 • タンパク質構造予測 • タンパク質相互作用解析 • 代謝物プロファイリング • 代謝パスウェイ解析 • メタボライト同定 • 系統樹推定 • 分子進化 • 集団遺伝学 • タンパク質構造モデリング • ドッキングシミュレーション • 分子動力学シミュレーション • 生物ネットワーク解析 • 統合オミクス解析 • モデル生物シミュレーション • 個別化医療 • バイオマーカー発見 • 疾患関連遺伝子解析 • エピジェネティック修飾解析 • クロマチン構造解析 • ヒストン修飾解析 • 次世代シーケンシングデータ解析 • 大規模データ解析 • マシンラーニングとAI応用 • データベース設計と管理 • 公共バイオデータベース利用 • データ統合と標準化 • 画像解析 • 3Dリコンストラクション • 生物イメージデータの量的解析 何からやればよいのかわからん。。。
  3. 8 最初に勉強した書籍 • 初心者にもわかりやすいPC解析環境 から、実践的なバイオインフォマティク ス解析まで網羅されたバイオインフォ 初心者本 • こちらの内容を一通りさらう感じで勉強 しました

    https://www.amazon.co.jp/Dr-Bono-E3-81-AE-E7-94-9F-E5-91-BD-E7-A7-91- E5-AD-A6-E3-83-87-E3-83-BC-E3-82-BF-E8-A7-A3-E6-9E-90/dp/481573011 3/ref=dp_ob_image_bk https://www.amazon.co.jp/%E7%94%9F%E5%91%BD%E7%A7%91%E5%AD%A6%E8%80 %85%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AEDr-Bono%E3%83%87%E3%83 %BC%E3%82%BF%E8%A7%A3%E6%9E%90%E5%AE%9F%E8%B7%B5%E9%81%93% E5%A0%B4-%E5%9D%8A%E8%BE%B2%E7%A7%80%E9%9B%85/dp/4815701725/ref=p d_sim_d_sccl_4_3/356-7673021-0198244?pd_rd_w=feUAT&content-id=amzn1.sym.d68620 9d-8edb-4501-90de-4e255f5b32cf&pf_rd_p=d686209d-8edb-4501-90de-4e255f5b32cf&pf_rd _r=9TK49KJQF3DW8FP3SMSN&pd_rd_wg=0nnE3&pd_rd_r=b1b3c6d8-3c7c-4be8-8341-40 f645529706&pd_rd_i=4815701725&psc=1
  4. 20 (仮説)glycogeneの変動を見ることで、糖鎖を対象とした医 薬品の効果を変動させることができるのでは? The image of medicine mix and antibody

    is from TogoTV (© 2016 DBCLS TogoTV, CC-BY-4.0 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja glycan therapy drug treatment glycogene↓↑ Alteration of glycan structure by drug treatment
  5. 21 研究デザイン koreeda et al., 2024 1. 公共データベースから肝臓がん細胞に薬 剤刺激されているRNA-seqデータを取得 する

    2. RNA-seqデータの処理 3. RatioとScoreを計算 4. glycogene(399遺伝子)だけを抽出 5. PCA、エンリッチメント解析、PPIネットワー ク解析をする
  6. 24 Overview of the properties of liver cancer cell-derived RNA-seq

    data list koreeda et al., 2024 • SRAデータ:139 • データセット:86 • 肝臓がん細胞種:11 • 薬剤刺激:13
  7. 25 ikra v2.0.1 -RNAseq pipeline centered on Salmon- • 安水

    良明さんを中心とした阪大医学部Python会の 皆様が開発 • RNA-seqデータのfastqファイルから一気通貫して Scaled TPM データを得ることができる優れもの →Macbook(Quad-Core Intel Core i7, Memory 32GB) 環境で約4ヶ月間ikraをずっと回し続けた yyoshiaki/ikra: ikra v2.0
  8. 26 UMAP plot of the characteristics of the liver cancer

    cell-derived RNA-seq data list ・それぞれのデータセットごとにクラスターができることが確認された ・Glycogeneのほうがより明確にクラスターの分離を捉えている
  9. 27 PCA using glycogenes derived from liver cancer cells stimulated

    by various compounds Score Plot ・HJP、HJP & CHI、CHI、およびAZDの薬剤がPC1と正の 相関を持つことが観察された。 ・HHTにおいて、PC1に沿った正から負への広範な分離ス ペクトルが見られた。 Loading Plot ・PC1-PC2プロットでは、POFUT、EXT2、ALG6、GLCE、 CHST12、POMGNT2が、HJP、CHI、およびAZDの分離 に寄与し、これらは第 4象限に向かって区別される。 ・PC1-PC3プロットでは、ST3GAL1、FUT6、HAS2がCF の分離に寄与し、これらは第 3象限に向かって区別され る。
  10. 28 Analysis of the nature of varying glycogenes in drug-stimulated

    liver cancer cells using score koreeda et al., 2024 ・ScoreにおいてOGAが42で最高であり、PIGZが-33で最低であった。今回用 いた薬剤刺激で最も変動し易いglycogeneである。
  11. 29 Analysis of the nature of varying glycogenes in drug-stimulated

    liver cancer cells using score koreeda et al., 2024 ・スコアを用いたPPIネットワーク解析。中心性スコアが高いノードを大きくしている。薄緑色がスコアで上位であった glycogeneを表している。 ・B4GALT1がアップレギュレーションの中で最も中心性スコアが高く、GMDSはダウンレギュレーションの中で最も中心 性スコアが高かった。 ・これらglycogeneは薬剤刺激においてのハブ遺伝子になっている。
  12. 31 Glycopathway enrichment analysis using glycogenes from liver cancer cells

    stimulated by various drugs koreeda et al., 2024 • HomoharringtonineおよびCHIR98014刺激は HepG2細胞においてglucuronidationが活性化 され、Hjp-6-171刺激によって抑制される。 • Tigecycline刺激はMHCC97H細胞において Fucosylationを活性化する。 • Homoharringtonine刺激はHepG2細胞におい てPOMGNT2 Type/O-Man pathwayを抑制す る。 • Cinobufagin刺激はcapping O-GalNAc pathwayに属するST3GAL1遺伝子を活性化す る。 • GDF11刺激はHepG2細胞においてHS sulfation PathwayのHS3ST3A1遺伝子発現を 抑制する。
  13. 32 ・8つの肝がん細胞株と 13種類の薬物を含む86のデータセットを公共データベースから取得。 399 のglycogeneを特定した。 ・PCA ではPOFUT、EXT2、ALG6、GLCE、CHST12、POMGNT2遺伝子が、HJP、CHI、AZDの 分離に寄与し、ST3GAL1、FUT6、HAS2がCinobufaginの分離に寄与していた。 ・ScoreにおいてOGAが42とトップであり、PIGZが-33で最も低かった。今回用いた薬剤刺激で最も 変動し易いglycogenesとなった。

    ・PPIネットワーク解析では、 B4GALT1がアップレギュレーションの中で最も中心性スコアが高く、 GMDSはダウンレギュレーションの中で最も中心性スコアが高かった。これら glycogeneは薬剤刺 激においてのハブ遺伝子になっている。 ・CHIR98014、Homoharringtonine、Tigecycline、Cinobufagin、GDF11はそれぞれ、 glucuronidation、てFucosylation、POMGNT2 Type/O-Man pathway、capping O-GalNAc pathway、HS sulfation Pathwayを変動させていた。 結果総括
  14. 37 ドラックリポジショニング ・既存の薬物を新しい治療用途に再利用 ・既存の薬物がすでにヒトでの安全性や薬物動態が確立されているため、従来の新薬開発に比べてコストと時 間を大幅に削減できる Various drug treatment Alteration of

    glycan structure by drug treatment ・それぞれ化合物が各細胞種の glycogenesの発現をどのように変動させるかを予測するモデルを構築する →細胞表面の糖鎖構造を自在にアレンジできるようになり、 糖鎖を標的とした治療薬の効果を高める ことができる
  15. 40 在野研究で論文書いて大変だったこと • ディスカッションする相手がいないので孤独。研究の方向性があっているかわからない。 ◦ 知り合いに声をかけて論文の感想を聞いたりしていた • Macbook(Quad-Core Intel Core

    i7, Memory 32GB)環境で約4ヶ月間ikraをずっと回し 続けた ◦ これが一番ハードな作業。メタ解析はそこまで優しい研究ではなかった。 ◦ データが出すぎるので注目するポイントに絞らないと解析仕切らない
  16. 42 バイオインフォマティクスTips • バイオインフォマティクスはたくさんの書籍が出ているので やる気があれば全然独学でキャッチアップ可能 ◦ 今はChatGPTに聞きながらコードを作成することも容 易 • どちらかというと、バイオインフォマティクスで出したグラフ

    の解釈の仕方を覚えるのが大変 ◦ PCAではどこまで主張できるのか、エンリッチメント解 析では何がわかるのか、など ◦ 論文を読んでこのグラフでは何を主張しているのかを 読んで覚えていく