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海外 IX 接続とピアリングイベントの歩き方

海外 IX 接続とピアリングイベントの歩き方

2023年6月に開催されたBBIX BGP Meetingでの発表資料となります。

Katsushi Yamaguchi

September 04, 2023
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  1. 2 会社紹介/自己紹介 • ビッグローブ株式会社 • インターネットサービスプロバイダ、AS2518のネットワークを運用 • 固定系ブロードバンドやMVNOなどのインターネット接続サービスを提供 • 自己紹介

    • 山口 勝司(Katsushi Yamaguchi) • 2022年3月 BIGLOBE 中途入社 • AS2518 ピアリングコーディネーター • バックボーン全体の設計や運用 • AS運用とピアリングは8年程の経験 • ピアリングイベント参加歴 • 国内:IXのユーザ会など主要なものは概ね参加 • 海外:アジアを中心に参加しPeering Asiaは初回から全て参加 Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved.
  2. 5 AS2518ネットワーク Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved.

    Tokyo Osaka Hong Kong Singapore San Jose Internet Exchange JPIX 100G JPNAP 100G x 2 BBIX 100G Equinix 100G Internet Exchange JPIX 100G JPNAP 100G BBIX 100G Equinix 100G PNI Facilities Equinix OS1 NTT Dojima 3rd Telehouse Osaka Internet Exchange Any2 10G BBIX 10G PNI Facilities CoreSite LA1 Internet Exchange HKIX 10G Internet Exchange Equinix 10G BBIX 10G Internet Exchange Equinix 20G Los Angels Internet Exchange AMS-IX 40G PNI Facilities Equinix TY2 Equinix TY4 @Tokyo CC1 KDDI Otemachi NTT DATA Otemachi Fukuoka Update • 2023年4月:福岡QD3に接続拠点を開設 • 2023年6月:HKIXを20G→10Gに減速
  3. 6 最近のトラフィック傾向 • トラフィックの多いAS(TOP18) • 海外のCDNやコンテンツASが大半 • 国内企業でのトップ18入りは2社 • 全トラフィックの50%近くを占める

    • 年1.3倍程度のトラフィック増加率 Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved. 本社のある国 組織概要 1 US Content、Cloud、CDN 2 US CDN 3 US Content、Cloud、CDN 4 US SNS 5 US 動画配信 6 US CDN 7 CN 動画配信 8 US 動画配信 9 US CDN 10 US CDN 11 JP CDN、キャリア 12 JP CDN、NSP 13 UK CDN 14 US CDN 15 UK CDN 16 US CDN 17 US ゲーム配信 18 US CDN ※ 海外ASの定義は本社が日本国外にあるAS ※ 2023年3月頃のデータに基づく
  4. 7 トラフィック傾向 • 大半のトラフィックはピアリングで交換 • ピアリングの中ではPNIが85%程を占める Copyright © BIGLOBE Inc.

    2023, All rights reserved. トランジット 4% ピアリング 96% トランジットとピアリングの比率 トランジット ピアリング IX 14% プライベート 86% IXとPNIの比率 IX プライベート ※ 2023年5月~6月初頭のデータに基づき、ピークトラフィックを集計、CDNキャッシュはPNIに含む
  5. 8 トラフィック傾向 • 東京で交換するトラフィックが圧倒的に多い • 海外のトラフィックは比率は少ないが国内では拾えないものが多い Copyright © BIGLOBE Inc.

    2023, All rights reserved. 東京 58% 大阪 24% 海外 18% IXトラフィックの地域比率 東京 大阪 海外 ※ 2023年5月~6月初頭のデータに基づき、ピークトラフィックを集計 大阪 26% 東京 74% ピアリングトラフィックの地域比率 大阪 東京 ※PNIとIXの合計、海外IXは除く
  6. 9 トラフィック傾向 Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved.

    • 海外トラフィックの伸びは横ばいから緩やかな増加 ※ 2023年1月~6月頃初頭のデータに基づく HKIX AMS-IX
  7. 10 トラフィック傾向 Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved.

    • BBIX Singapore は半年で2倍近く伸びました ※ 2023年1月~6月頃初頭のデータに基づく
  8. 11 海外のIXへの接続意義 Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved.

    • トランジットコストの低減と品質の向上 • トランジット価格の下落によりこの部分のメリットは薄れつつある • 直接接続することでトラフィックコントロールの自由度が高まる • ピアリング可能性の最大化 • トラフィックの100%をPeeringで流すことを目標としている • トラフィックを持つASとの接続可能性を最大化するため複数IXへ接続 • 海外のIXへ接続しないと直接貰えないトラフィックもある • 交渉力の維持 • 海外接続を維持することでトランジット調達等の交渉力をキープする
  9. 12 ピアリング交渉の傾向と悩み • 既にピア済のASとの交渉が中心 • トラフィックの増加に伴うPNI増速 • 拠点の変更に伴う接続の追加や廃止 • トランジットに漏れるCDNトラフィックへの対応

    • 特にトラフィック量の多いAS • ネットワーク機器の長納期化の傾向もあり計画的な対応と連携が必要 • 新規のASは接続が難しいASや先方からのリクエスト • ピアが難しいASと、どうピアするか • 相手からのリクエストは前述のポリシーに沿って対応 Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved. これらの交渉相手のASは海外事業者のASが中心 メールの交渉がなかなか進まない… 途中でメールが途切れてしまう… 増速の話となったときにロケーションや ポートなどの調整に苦慮する… メールを送っても返信が無い
  10. 15 主なピアリングイベント • 国内の主なイベント • Peering in Japan BoF •

    大阪ピアリングフェスティバル • 各IXのユーザ会 • 海外の主なイベント • Peering Asia • APF (アジア) • APRICOT • GPF (北米) • EPF (欧州) • 各IXのユーザ会 Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved. Equinix主催のPeeringイベント(招待制) 2023年は9月に北海道開催 今年は国内開催のため参加しやすい 2023年は11月に韓国開催 日本企業の参加者が多く参加しやすい 韓国開催ということで日本から近い
  11. 16 ピアリングイベントに参加するメリット(1) • 担当者と直接話すことで顔見知りになれる • 結局は人と人のつながりが大切 • Face to Face

    で話すことで交渉がスムーズに進む。 • 断られることもあるが次に繋がる関係ができる。 • トラブルシューティングの際にこの繋がりが役に立つことも Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved. 人の繋がりでインターネットは成り立っている
  12. 17 ピアリングイベントに参加するメリット(2) • 有益な情報を共有できる • 新DCの情報を先行して教えてもらいPNIの準備ができたことも • HKIXの減速検討の際もここで聞いた情報が判断材料の一つに • 逆に日本国内のピアリング拠点について相談を受けたことも

    • 日本のAS(ISP)にとってプラスとなるディスカッション • 直近では福岡や大阪へコンテンツ事業者に来て欲しいという話をする • 国際専用線やトランジットなどの調達交渉 • キャリアやTier1の担当者が来ていることもある • 効率よく交渉を進めることができる Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved.
  13. 18 最近のピアリングイベントでの成果 • 大阪での新規PNI接続 • トラフィック量を理由に大阪でのPNIを断られていたAS • 東阪を運ぶトラフィックの負担などについて説明しPNIがOKに • トランジットに漏れるトラフィックへの対応

    • ピアをしているが相当量のトラフィックがトランジットに流れるAS • メールで調整を何度もお願いしたが改善しなかった • イベントで説明したところ担当者に連絡してもらえ改善 • 海外IXを突発トラフィックで輻輳させるAS • 構成上海外でのピアはしない方が良いとの話に… • 海外接続をDepeerし国内でトラフィックを渡してもらう構成に変更 Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved.
  14. 21 海外ピアリングイベントでの交渉戦術(1) • 英語問題 • 当たり前だけど話せた方が良い • できなくても準備をしっかりすれば何とかなる • 英語問題は事前準備が肝心

    • 話す内容(相手への要望)をミーティング前に英語で整理しておく • 下手でも恥ずかしがらずに使えるツールを使って頑張る • 翻訳アプリを使う、グラフを見せながら、絵を描きながら… • 相手も同じ目的のエンジニアなので分かってくれることが多い • どうしてもダメなら英語ができるIXの方に通訳を頼む • 交渉先に嫌がられるとこともあるので程々に… Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved.
  15. 22 海外ピアリングイベントでの交渉戦術(2) • 早めに準備することが大切 • トラフィックや課題の分析は日々しておく • 参加登録が始まったら早めに登録 • 参加者リストを見て話したいASには早めにコンタクト

    • ミーティング調整の際に連絡先を書いておく • FacebookやWhatsAppを書いている • SNSやメッセンジャーで連絡をすることがある • ミーティング当日の急な予定変更などの連絡も • イベント終了後も連絡を取り合える • 障害が起きた際に対応状況などの連絡を頂けたことも Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved.
  16. 24 海外ピアリングイベントでの交渉戦術(4) • ピアリングパーソナル • ミーティングをしなかった人 にも顔を覚えて貰えるチャンス • Peering Personalsの後の

    懇親会で声を掛けてもらえた ことも… Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved. APRICOT 2023 のピアリングフォーラムでの Peering Personals 少し分かり辛いですが、 APRICOT2023からAS番号入りのTシ ャツを着るようにしてみました。
  17. 25 海外ピアリングイベントでの交渉戦術(5) • できるだけ相手の質問は持ち帰らない • 「持ち帰って検討します」は実は良く思われていないかも? • 結局メールでの条件調整になり返信が途絶えたり…。 • その場で即決できれば進むスピードが速い

    • そのためにも、事前の準備はしっかりとしておきたい。 Copyright © BIGLOBE Inc. 2023, All rights reserved. 日々トラフィック傾向などを分析し 課題や設備リソース状況を頭に入れておくことが大切
  18. 26 2023年は多くの対面イベントが再開 APFは日本国内、Peering Asia 5.0は韓国で開催 現地参加してピアリングの課題を解決しましょう Copyright © BIGLOBE Inc.

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