Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

社内ドキュメント検索システム構築のノウハウ

 社内ドキュメント検索システム構築のノウハウ

企業内検索システムを作る際に遭遇するような課題を紹介します。

Shinsuke Sugaya

April 23, 2019
Tweet

More Decks by Shinsuke Sugaya

Other Decks in Technology

Transcript

  1. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring ▪ 名前: 菅谷信介 ▪

    仕事 ➔ 検索やAIに関する開発や技術コンサルティング ▪ オープンソース活動 ➔ Fess, Apache PredictionIO, DBFlute関連,... ▪ IT Search+で連載中 ➔ 「簡単導入! OSS全文検索サーバFess入門」 自己紹介 2
  2. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring ▪ 企業内の様々な情報を検索するシステム 企業内検索(エンタープライズサーチ) 5

    検索システム 利用者 社内(外)サイト 業務システム (クラウドサービスも含む) 検索 クロール ファイルサーバ 複数のデータソースを対象として横断検索を実現する
  3. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring 8 Fessとは ▪ オープンソースの全文検索システム

    ➔5分で構築できるくらい簡単に利用可能 ▪ Apacheライセンスで提供 ▪ Javaベースのアプリケーションサーバ ▪ Elasticsearchを検索エンジンとして利用 ▪ 様々な検索シーンで利用可能 ▪ 現在の最新バージョンは12.6 ➔今年で開発10年目! https://fess.codelibs.org/
  4. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring 11 検索分野での立ち位置 検索関連の知識なくても利用可能(すぐに使える) 検索関連の知識が必要(開発が必要)

    検索システム ➔ Fess、商用検索システム 検索サーバ+クローラ ➔ Hyper Estraier、Namazu、Nutchなど 検索サーバ ➔ Solr、Elasticsearch、groongaなど 検索ライブラリ ➔ Luceneなど
  5. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring ▪ クロール対象の大規模化 ▪ セキュア検索

    ▪ シングルサインオン ▪ 業務システムとの連携 ▪ ファイルの種類 よくでる課題 13
  6. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring ▪ クロール対象のファイル数の増加 ➔数千万ファイル以上の案件が増えた ▪

    クラスタにして分散検索 ➔Elasticsearchで実現できる(運用ナレッジは必要) ➔できるだけ運用リスクを減らす ▪ クロールする方法も工夫が必要 ➔通常のファイルシステムのクロールでは無理 ➔更新ファイルリストを生成しクロール クロール対象の大規模化 14 Fess データストアクロール 更新されたファイルの ファイルパス一覧 ファイルサーバなど 更新されたファイルだけ クロールする
  7. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring 15 セキュア検索(ロール検索) ▪ 認証状態により検索結果を出し分ける

    ➔ログインしているユーザー情報を利用する ➔AD連携して認証情報を取得するなど ▪ クロール時に権限情報を付加する ➔Sambaクロールの場合はファイルの権限を利用する 営業部 技術部 Fess 部門別や役職別に検索結果を 出し分けることが可能 営業資料 検索条件に 部署を追加 ドキュメントに 部署を追加
  8. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring ▪ 検索システムにも自動でログインする ➔Windows統合認証 ➔リバースプロキシ型認証

    ➔OpenID Connectなど ▪ Active DirectoryだとWindows統合認証 ➔今後はAzureADでOpenID Connectと増えるかも シングルサイオン 16 利用者 Fess 認証サーバ 利用者 Fess 認証サーバ Windows統合認証 OpenID Connect リバースプロキシ型
  9. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring ▪ いろいろな業務システムがある ▪ とはいえ、データはデータベースにある

    ➔SQLで取得してインデックスすれば良い ➔JDBCドライバがあればだいたい何とかなる 業務システムとの連携 17 Fess データストアクロール DBサーバ SQLのSELECT文 1行1ドキュメントとして 加工してインデックスする
  10. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring ▪ 検索するためにはテキスト化が必要 ▪ MS

    Office: POI ▪ PDF: PDFBox ▪ DocuWork: IFilter or xdw2text ▪ 一太郎: IFilter (消えつつある気がする…) ▪ AutoCAD: libdxfrw ▪ その他もろもろ: Tika ➔Tikaはいろいろなことをいい感じにテキスト化する ➔場合によっては微調整は必要 ファイルの種類 18
  11. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring 20 ▪ http://〜の検索結果ページでfile://〜のリンクが機 能しない

    ➔セキュリティポリシーの設定で有効な場合もある? ▪ 対応方法としては… ➔WebDAVでhttp://〜等でアクセス可能にする ➔Fessではプロキシとして対象ファイルを返却 file://〜問題
  12. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring 21 ▪ zipファイル爆弾 ➔展開すると数Gのファイルになる

    ➔展開時には展開後のサイズの考慮が必要 ➔Tikaは対策をしている ▪ excelファイル爆弾 ➔何でもExcelにコピペする人がいる… ➔無駄な単語が膨大にあり、Analyzerで高負荷に… ➔Fessは単語の切り捨てや重複除去対応での対策 〜爆弾ファイル
  13. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring 22 ▪ PDFのフォーマットにも複数のバージョン ▪

    テキスト抽出ならJavaだとPDFBoxとか ▪ PDFBoxは古いバージョンで文字化けする ➔古いバージョンなので気にする必要はない ▪ その他ではOCRのPDFとかの場合 ➔無駄なスペースが入るので、独別な処理が必要 PDF文字化け
  14. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring 23 ▪ クリック数やLike数をドキュメントに保持する ▪

    クリック数は検索結果クリック時に集計 ➔リンクを書き換えてリダイレクト ▪ 検索状況を集計してレポートする ▪ Function Score Queryでスコアに反映する 検索の集計や反映 利用者 Fess 検索結果を表示 検索結果をクリック 検索結果へリダイレクト 検索結果のサイト ここでクリック情報を取得
  15. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring 24 ▪ Google Search

    Applianceが保有する機能なので 普通に要求される場合が多い ▪ Analyzerで同義語辞書で対応可能な場合もある ➔リアルタイムな反映が求められると☓ ▪ 特定のクエリーのときに登録語を展開する ➔Fessでは実装済み ➔関連コンテンツ的な機能もあったり… 関連クエリー(同義語)
  16. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring 25 ▪ クロールとは別に画像生成処理を実行 ▪

    HTMLであればページ内で指定された画像 ➔metaタグのthumbnailかog:imageなど ➔ページ内のimgタグで正方形に近い画像など ➔PhantomJSなどでがんばる必要はない ▪ PDFであればImageMagickのconvertコマンド ▪ MS Officeはunoconvとconvertの合せ技 サムネイル画像の表示
  17. Search Engineering Tech Talk 2019 Spring ▪ 企業内検索を作る際にはいろいろと課題がある ▪ 今後はクラウドの対象も増えそう

    ▪ Fessは数々の課題を乗り越えてきた! ➔ 何か作るならFessをベースに考えると良いはず まとめ 27