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アジャイルコーチの妙理 失敗モード・成功モード with コーチングアジャイルチームス

keitaro
February 20, 2025

アジャイルコーチの妙理 失敗モード・成功モード with コーチングアジャイルチームス

コーチングアジャイルチームスの一部を実体験含めてサクッと紹介。
失敗モードと呼ばれる言動、成功モードと呼ばれる言動、心当たりしかないやつです。

keitaro

February 20, 2025
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Transcript

  1. w i t h コ ー チ ン グ ア

    ジ ャ イ ル チ ー ム ス ア ジ ャ イ ル コ ー チ の 妙 理 失 敗 モ ー ド ・ 成 功 モ ー ド 2 0 2 5 / 2 v e r . 1 . 0 1 k e i t a r o m a t s u k u r a
  2. 01 前 段 リサ・アドキンス著 「コーチングアジャイルチームス」 マイク・コーン(Mike Cohn)——“Succeeding with Agile”著者 本書では、マジシャンでありアジャイルコーチであるリサ・アドキンスが、舞台袖に私たちを招き入れタネ明かしをしてくれます。さらにすごいのは、彼女の衣装にはタネも仕掛けもないことです。あなたが目にす

    るのは、チームをこれまでにない大きな成功へと導く、素晴らしいテクニックなのです。この素晴らしい本は、マスターアジャイルコーチたる彼女が職人技を披露してくれているので、あなたは正しい方向を向いて 旅立てることでしょう。 ジム・ハイスミス(Jim Highsmith)——Director Agile Practice, Cutter Consortium 私は本書の熱心な支持者です。私の本棚の中でもトップ10 に入るものです。本書は、個人、リーダー、コーチにとって、アイデア、プラクティス、チェックリスト、そして珠玉の思考の宝庫です。 Scott Duncan——アジャイルコーチ 本書の指針やアドバイスは、アジャイル(スクラム)チームに関わるすべての人に当てはまるものです。また、チームメンバーにとって、スクラムマスター、アジャイルコーチ、プロジェクトマネージャーがチーム のために行う仕事が、自分とどう関係するのかをよりよく理解する助けになることは間違いありません。そして、それ以上に、本書の適用範囲をアジャイルベースの取り組み以外にも広げることで、あらゆるグルー プに対してコーチングの能力をいかして仕事をする人も価値を感じることができるでしょう。 Rachel Davies——『アジャイルコーチング』著者 リサは、プロフェッショナルコーチングのスキルを、アジャイルソフトウェア開発チームのコーチングにどのように応用できるかを見事に説明しています。リサが、誰もが認識している日常的な経験に関連づけるこ とで、実践的なアドバイスに命を吹き込んでいるところが私のお気に入りです。本書はすべてのアジャイルマネージャーの本棚に欠かせないガイドです。 Kris Blake——アジャイルコーチ 本書を読んでいると、リサの声が実際に聞こえてきて、私を導いてくれたり、貴重な「アハ体験」を与えてくれたりしました。これはまさに最高の次善策になります。最善策はもちろん経験豊富で賢明なコーチがあ なたのそばにいて、最高のコーチになる手助けをしてくれることですが。 Bill Wake——Industrial Logic, Inc. リサ・アドキンスは、アジャイルコーチングを、しっかりとした裏づけとともに優しく紹介してくれます。彼女は、コーチングがチームの自己組織化を助けるというパラドックスを解決し、育成的な環境がチームの パフォーマンスをこれまで以上に向上させることを示しています。 Christopher Avery——Responsibility Process mentor 私はリサが言うアジャイルコーチの3つの資質である「愛情を持って接すること」「共感すること」「妥協しないこと」が大好きです。どの章も、思想と行動、フレームワークと自由、取るべきアプローチと避けるべ きことの魅力的な融合を提供しています。本書は、本棚に綺麗に並べるよりも、常に手元において手垢まみれにする可能性が高い1 冊です。 Dave Hendricksen——ソフトウェアアーキテクト,Thomson-Reuters 私のアジャイルプロジェクトでの経験上、アジャイルコーチは正しく行われなければいけない最も重要な役割の1 つです。本書は、優れたアジャイルコーチになるために必要な詳細と実践的な洞察を提供しています。 Martin Kearns——CSC+CST,Principal Consultant, Renewtek ply. Ltd. リサは、私たちコーチが目指すものをすべて集めただけでなく、チームのために最高のコーチになるにはどうしたらよいか、現実的な方向性を示した素晴らしいアドバイスをしてくれました。 とてもいい本だったのでとりあえず一部、紹介したい。
  3. 02 失 敗 モ ー ド ・ 成 功 モ

    ー ド と は 自分でも以前「こう行動しないほうがいい」 「こう動けたらいい」というのを少しまとめていたのですが、 「コーチングアジャイルチームス」が良すぎた。 自分がスクラムマスターをしていた時、自分のある言動にコーチより 「あなたはどの立場であの発言・行動をしましたか?」と言われ、何も言えなくなってしまいました。 無意識にわかっていたんです。スクラムマスターとしては失敗した行動だったと。 ただ、チームが「困っていて、その場で結果を出したかった」という動機で行動をしてしまった。 こういったチームの短期的な結果を求めるあまり行った行動が、いわゆる失敗モードに多く含まれています。 今回はそういった「失敗モード」 「成功モード」に関するまとめです。 ご照覧あれ。
  4. スパイ:チームを観察し、次のふりかえりのためのトピックを拾い上げるためだけに時間を費やし、夜の闇 に溶けていく 1. シーガル:デイリースタンドアップの場に飛び込んできて、善意の観察やアドバイスの形でチーム中にプリ ッと落とし物をして、また飛び去ってしまう 2. オピニオネーター:頻繁んに自分の意見を述べ、それに執着し、本来ならチームの中でディスカッションす るようになるコーチングが必要なのに、客観性を失わせてしまう。 3. アドミン:会議の運営、アクセス権の要求、その他の管理上の些細なことにおける不必要な仲介者となるこ

    とで、チームのオーナーシップを損なう。 4. ハブ:チームメンバー間のコミュニケーションやタスクレベルの調整において「宇宙の中心」的存在として 振る舞う。 5. バタフライ:チームからチームへと飛び回り、ご大層な知恵を授け、高尚な問いかけをしては去っていく。 6. エキスパート:チームの仕事の細部に立ち入ってしまい、木を見て森を見ずになる。 7. ナグ:デイリースタンドアップの開始、ストーリーボードの更新、コミットしたタスクの完了など、チーム の「リマインダー」として役立つ 8. 03 ア ジ ャ イ ル コ ー チ の 失 敗 モ ー ド 「アジャイルコーチングチームス」P.299-P300より
  5. マジシャン:質問すると「じゃじゃーん!」そこにあるのに見えなかったものが見えてくる。 1. チャイルド:純粋に「なんで?」と疑問を持ち、人生とそこにあるべてに対する飽くなき好奇 心に突き動かされている。 2. イヤー:すべてを耳にするものの、そのすべてに反応しないことで人に成長の余地を与える 3. ヘクラー:楽しく軽妙で、ほんの少しバランスを崩すことで、人々の自己満足に揺さぶりをか ける。 4.

    ワイズフール:啓発するような間抜けな質問をする。 5. クリーピングバイン:チームに気づかれないような小さな動きで、少しずつ執拗にアジャイル の核心に引き戻していく。 6. ドリーマー:創造されるのを待っている未来を勇ましく言葉にする。 7. メガホン:すべての声、特に抑圧された人々の声が聞こえるようにする 8. 04 ア ジ ャ イ ル コ ー チ の 成 功 モ ー ド 「アジャイルコーチングチームス」P308より
  6. 成功モード こんな質問 マジシャン 「他の可能性ってあったりしますか?」 チャイルド 「え、なんで?全然わかんないから教えてください」 ヘクラー 「えー、Sさん、本当は違うこと思ってるでしょ〜?」 「さー、どうする?なにもしない?」(ニヤリとしながら) ワイズフール

    「なんで、こうなったんでしょう?」 「じゃあ、事実ってなんですかねー」「ほう」 ドリーマー 「これ完璧にうまくいったら、どうなりそうですか?」 「今なにが起きているの?」 「今なにを出そうとしていますか?」 メガホン 「お、その顔はなにか考えてることありますか?」(話してない人を指しながら) 「最初に話したい人は?」 04 ア ジ ャ イ ル コ ー チ の 成 功 モ ー ド 「アジャイルコーチングチームス」P309を参考にちょっとカスタマイズ 成功モードのコーチは大体、 「ちょっと楽しそうに」 「ちょっと意地悪そうに」または「何も知らないように」 「本当に何も知 らずに無邪気に」という雰囲気で下記のような質問をするイメージです。こちら本をベースに引用。
  7. 05 最 後 に こうしてみると成功しているアジャイルコーチは、特段目立つ存在でないことに気づくと思います。 チームへのアクセントを与える存在。 そしてその存在感が薄いこと、がある側面では上手くいっている証なのだと思います。 (この件は、アジャイルコーチングチームスの別章でも語られている) また、 「失敗を糧に、改善を行う」はもちろん、スクラムマスターやアジャイルコーチにも当てはまります。

    むしろ、失敗を見せ、改善を見せるお手本になること自体が重要な存在でもあると思っています。 失敗モードを何度も経験し、時々成功モードを経験し、また失敗してしまう。 そういう繰り返しをしながら1歩1歩進めばいいと思っています。 3歩進んで、2歩下がる。です。