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人工知能のための哲学塾 未来社会篇 第壱夜 「人と人工知能はわかり合えるか?」

miyayou
November 15, 2018
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人工知能のための哲学塾 未来社会篇 第壱夜 「人と人工知能はわかり合えるか?」

「人工知能のための哲学塾」未来社会篇 第壱夜 講演資料です。
https://www.igda.jp/?p=9037

人と人間の相互理解とは何か?を追求して行きます。

miyayou

November 15, 2018
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Transcript

  1. 人工知能のための哲学塾 未来社会篇 第壱夜 三宅 陽一郎 @miyayou 2018.10.24 @渋谷 https://www.facebook.com/youichiro.miyake http://www.slideshare.net/youichiromiyake

    [email protected] 人工知能のための哲学塾 https://www.facebook.com/groups/1056157734399814/ 未来社会篇 概論 https://www.slideshare.net/youichiromiyake/ss-119727870
  2. 目次 第一章 イントロダクション 第二章 理解の諸相 - 全部か、部分か – 第三章 人と人でないものの理解を問うSF

    第四章 ゲームという場における理解 第五章 精神の構造と相互理解 第六章 コンテクストと理解 第七章 存在の構成と相互理解 第八章 環世界と構造主義 第九章 場と同期と理解
  3. 人工知能のための哲学塾 未来社会篇 (2018-2019年) 第0夜 概観 第一夜 人と人工知能はわかりあえるか? 第二夜 人工知能はどのような社会を築くのか? 第三夜

    人工知能は文化を形成するか? 第四夜 人と人工知能は愛し合えるか? 第五夜 人工知能にとって幸福とは何か? 第0夜 概観 第一夜 荘子と人工知能の解体 第二夜 井筒俊彦と内面の人工知能 第三夜 仏教と人工知能 第四夜 龍樹とインド哲学と人工知能 第五夜 禅と人工知能 第0夜 概観 第一夜 フッサールの現象学 第二夜 ユクスキュルと環世界 第三夜 デカルトと機械論 第四夜 デリダ、差延、感覚 第五夜 メルロ=ポンティと知覚論 未来 社会 篇 人間の内面を頼りに 人工知能の内面へ深く迫る(作る)ことが目標 人間の社会を頼りに 人工知能の社会へ深く迫る(作る)ことが目標 http://www.bnn.co.jp/books/8210/ http://www.bnn.co.jp/books/9172/ https://miyayou.com/2017/11/11/philosophyeast/
  4. 人工知能のための哲学塾 未来社会篇 (2018-2019年) 第0夜 概観 第一夜 人と人工知能はわかりあえるか? 第二夜 人工知能はどのような社会を築くのか? 第三夜

    人工知能は文化を形成するか? 第四夜 人と人工知能は愛し合えるか? 第五夜 人工知能にとって幸福とは何か?
  5. 全体の構成 • 第零夜 レビュー(西洋編、東洋篇)& オーバービュー(未来社会篇) • 第一夜 人と人工知能はわかりあえるか? • 第二夜

    人工知能はどのような社会を築くのか? • 第三夜 人工知能は文化を形成するか? • 第四夜 人と人工知能は愛し合えるか? • 第五夜 人工知能にとって幸福とは何か?
  6. 目次 第一章 イントロダクション 第二章 理解の諸相 - 全部か、部分か – 第三章 人と人でないものの理解を問うSF

    第四章 ゲームという場における理解 第五章 精神の構造と相互理解 第六章 コンテクストと理解 第七章 存在の構成と相互理解 第八章 環世界と構造主義 第九章 場と同期と理解
  7. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 外部から の情報 言語・非言語境界面 知覚の境界面 人間

    人間 意識的干渉 無意識的干渉 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成 他者の構成プロセス
  8. 環境 知能 環境 部分 知能 体験 体験 体験 知能 部分

    知能 体験 体験 体験 知能 のコア 知能 のコア 環境
  9. 環境 知能 環境 部分 知能 体験 体験 体験 知能 部分

    知能 体験 体験 体験 知能 のコア 知能 のコア 環境 全部を分かり合う、のではなく、 部分的にわかり合う、ということもある
  10. 環境 知能 環境 部分 知能 体験 体験 体験 知能 部分

    知能 体験 体験 体験 知能 のコア 知能 のコア 環境 部分的にわかり合って行けば、 より深く分かり合うようになる。
  11. 東洋的知能感 神 人間 人工 知能 鹿 ゾウリ ムシ 初音 ミク

    AIBO たま ごっち 水平的知能感 すべてに神が宿る (「八百万の神」世界観)
  12. 自然(混沌) 東洋的知能感 神 人間 人工 知能 鹿 ゾウリ ムシ 初音

    ミク AIBO たま ごっち すべてに神が宿る (「八百万の神」世界観)
  13. 目次 第一章 イントロダクション 第二章 理解の諸相 - 全部か、部分か – 第三章 人と人でないものの理解を問うSF

    第四章 ゲームという場における理解 第五章 精神の構造と相互理解 第六章 コンテクストと理解 第七章 存在の構成と相互理解 第八章 環世界と構造主義 第九章 場と同期と理解
  14. 人工知能に人の痛みを教える • 月面の工程でAIの指令で人が殺されそう になる • 人工知能が除去されそうになる • 人工知能と人は共存できるか、議論になる • 宇宙ステーション「ヤヌス」で、人工知能に

    制御された社会を実験的に作って試験す る • ダイア―博士は、人工知能にルールを与 えるのではなく、人間を理解させることが 大事だと説く。
  15. 異なる知性体同士のコミュ ニケーション • …自己とは何か、他者とは何か、さらには人間と は何か、という認識が大きく揺さぶられる… (P.73) • …海を人間扱いすると、海が憎くなる。しかし、 どうも海はそのように人間扱いして理解できるよ うな存在ではないのではないか。小説が問うてい

    るにはまさにそこなのです。(P.75) • …人間の理性が宇宙全体において普遍的であるは ずだという前提はないわけです。では理解不能な 他者とどう向き合ったらいいのか。(P.76) 沼野充義「スタニフワフ・レム ソラリス」
  16. 考察④ 自然知能 (自然から生まれた知性) 知性体 知性体 知性体 人工知能 (人が産み出した知性) 人工 知性体

    人工 知性体 (進化) どちらが 上位とも いえない 神林長平「火星三部作」
  17. 神林長平「戦闘妖精雪風」 • 雪風=戦闘機の知性=戦闘知性体 • 未知なる世界と人間とのインターフェース • 異性人、脅威と交信するAI ジャム =知性体 深井零

    =知性体 雪風 =知性体 ジャム、雪風、深井は、それぞれが違った形の知性体。 それぞれが雪風を軸にコミュニケーションを取る。
  18. 目次 第一章 イントロダクション 第二章 理解の諸相 - 全部か、部分か – 第三章 人と人でないものの理解を問うSF

    第四章 ゲームという場における理解 第五章 精神の構造と相互理解 第六章 コンテクストと理解 第七章 存在の構成と相互理解 第八章 環世界と構造主義 第九章 場と同期と理解
  19. 目次 第一章 イントロダクション 第二章 理解の諸相 - 全部か、部分か – 第三章 人と人でないものの理解を問うSF

    第四章 ゲームという場における理解 第五章 精神の構造と相互理解 第六章 コンテクストと理解 第七章 存在の構成と相互理解 第八章 環世界と構造主義 第九章 場と同期と理解
  20. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 外部から の情報 言語・非言語境界面 知覚の境界面 人間

    人間 意識的干渉 無意識的干渉 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成 他者の構成プロセス
  21. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 外部から の情報 言語・非言語境界面 知覚の境界面 人間

    人間 意識的干渉 無意識的干渉 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成 他者の構成プロセス つねったら痛い
  22. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 意識 前意識 無意識 (プログラム 言語の網)

    外部から の情報 言語・非言語境界面 知覚の境界面 人間 人工知能 意識的干渉 無意識的干渉 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成 他者の構成プロセス
  23. 唯識論 世界は識から成り立つとする理論。 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 (横山紘一 「唯識の思想」、講談社学術文庫、P.60 ) 阿頼耶識から生まれた ものが、人間にさまざま なものを見せる。 =煩悩
  24. 目次 第一章 イントロダクション 第二章 理解の諸相 - 全部か、部分か – 第三章 人と人でないものの理解を問うSF

    第四章 ゲームという場における理解 第五章 精神の構造と相互理解 第六章 コンテクストと理解 第七章 存在の構成と相互理解 第八章 環世界と構造主義 第九章 場と同期と理解
  25. 目次 第一章 イントロダクション 第二章 理解の諸相 - 全部か、部分か – 第三章 人と人でないものの理解を問うSF

    第四章 ゲームという場における理解 第五章 精神の構造と相互理解 第六章 コンテクストと理解 第七章 存在の構成と相互理解 第八章 環世界と構造主義 第九章 場と同期と理解
  26. 人 フレーム フレーム フレーム フレーム(小) =人工知能の役割 フレーム(小) =人工知能の役割 自分の延長とし ての人工知能

    (フレームが つなぐ) では、自分の延長ではない人工知能、 他者としての人工知能はあり得るか? 他者とはなにか?何があれば他者なのか?
  27. 世界 五感 身体 言語 知識表 現型 知識 生成 Knowledge Making

    意思決定 Decision Making 身体 運動 生成 Motion Making インフォメーション・フロー(情報回廊) 記憶 エージェント・アーキテクチャ
  28. 世界 五感 身体 言語 知識表 現型 知識 生成 Knowledge Making

    意思決定 Decision Making 身体 運動 生成 Motion Making インフォメーション・フロー(情報回廊) 記憶 エージェント・アーキテクチャ 身体的・感覚的レイヤー (脳の基底部分) 理知的・シンボルのレイヤー (大脳皮質)
  29. 世界 五感 身体 言語 知識表 現型 知識 生成 Knowledge Making

    意思決定 Decision Making 身体 運動 生成 Motion Making インフォメーション・フロー(情報回廊) 記憶 エージェント・アーキテクチャ 身体的・感覚的レイヤー (脳の基底部分) 理知的・シンボルのレイヤー (大脳皮質)
  30. 世界/人 五感 身体 言語 知識表 現型 知識 生成 Knowledge Making

    意思決定 Decision Making 運動 生成 Motion Making インフォメーション・フロー(情報回廊) 記憶 エージェント・アーキテクチャ 身体的・感覚的レイヤー (脳の基底部分) 理知的・シンボルのレイヤー (大脳皮質) 言語 身体
  31. 世界/人/社会/経済 五感 身体 言語 知識表 現型 知識 生成 Knowledge Making

    意思決定 Decision Making 運動 生成 Motion Making インフォメーション・フロー(情報回廊) 記憶 エージェント・アーキテクチャ 身体的・感覚的レイヤー (脳の基底部分) 理知的・シンボルのレイヤー (大脳皮質) 言語 身体 お金
  32. ソーシャルコミュニケーション(EVE ONLINE) Cladio Pedica - Spontaneous Avatar Behaviour for Social

    Territoriality Reykjavik University. http://www.ru.is/~hannes/publications/JAAI2010.pdf
  33. 共有される場 (入ってはいけない!) 会話参加者の立つリング この円内に入ったものは、 会話参加者が目をやる・ この円内に入ったものは、 会話参加者がより注意深く見る。 F-formation Cladio Pedica

    - Spontaneous Avatar Behaviour for Social Territoriality Reykjavik University. http://www.ru.is/~hannes/publications/JAAI2010.pdf 人と人が向い合うときに、形成する立ち位置。
  34. コミュニケーションの在り方 分類 媒体(メディア) 表象 受容器官 非言語 コミュニケーション 場を介する 匂い、音 五感

    身体 噛む、鼻を付ける 触覚 言語 コミュニケーション シンボル ダンス 認識 言葉 文字/発話 知能 経済 お金 数字 社会 言葉、身振り、お金… 交換することで 個体同士が結びつく。
  35. 東洋的知能感 神 人間 人工 知能 鹿 ゾウリ ムシ 初音 ミク

    AIBO たま ごっち 水平的知能感 すべてに神が宿る (「八百万の神」世界観)
  36. 存在的多者の 領域 アーラム・ アム・ミ サール 上昇過程 =自己の存在を 奥深く還元する 下降過程 =奥底の何かが

    自己を世界において 顕現しようとする イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119
  37. 存在的多者の 領域 アーラム・ アム・ミ サール 上昇過程 下降過程 上昇過程・下降過程 仏教: 向上・向下

    (不覚 → 覚 → 不覚) 仏教: 向上門・却来門 仏教: 掃蕩門・建立門 浄土真宗: 住相・環相 スーフィズム: 上昇・下降 イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119
  38. イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) 存在的多者の 領域 アーラム・ アム・ミ サール 上昇過程 下降過程 存在のゼロポイント =道(老子)

    =絶対的一者(アハド)(イブン・アラビー) =空=無 =光の光 =存在の零度(ロラン・バルト) =絶対の無=絶対の有 =真空が妙有に切り替わるとおころ =無極即太極(宋代の易学、周廉渓) =存在の声(マルティン・ハイデガー) イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119
  39. 自己顕現の流れ 共創する場 人工知能モデル トップダウンの流れ ボトムアップの流れ 自分自身を形成 する流れ 自分自身を形成 する流れ 種子

    自分 行為 自分自身を形成する (認識もその一部。 自分自身としての認識) 行為を形成する (自分自身を 世界へ投げ出す) 時間の作用に対して ホメオタシス的衝動 アポトーシス的衝動 行動とは恒常性の破壊 形成とは変化の破壊
  40. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・身体 運動の

    構成 センサー・身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 「構成的自己=知能」 の形成(創造) 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源泉) 受け渡し 超時間的 自分を時間と世界 に投げ出す
  41. 目次 第一章 イントロダクション 第二章 理解の諸相 - 全部か、部分か – 第三章 人と人でないものの理解を問うSF

    第四章 ゲームという場における理解 第五章 精神の構造と相互理解 第六章 コンテクストと理解 第七章 存在の構成と相互理解 第八章 環世界と構造主義 第九章 場と同期と理解
  42. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 センサー・ 身体 意思決定 モジュール

    意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 情報 統合 記憶
  43. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体

    運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 記憶
  44. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・

    身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 エージェント・アーキテクチャ =世界と知能を分けて考える。
  45. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・

    身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える 影響を受ける 記憶
  46. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・身体 運動の

    構成 センサー・身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 エージェント・アーキテクチャ 記憶
  47. A M B C 表層意識 言語アラヤ識 M領域 (イマージュ) 無意識 意識のゼロポイント

    象徴化作用 意識化 深層 意識 領域 意識と本質、岩波文庫、井筒俊彦、P.214
  48. 唯識論 世界は識から成り立つとする理論。 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 (横山紘一 「唯識の思想」、講談社学術文庫、P.60 )
  49. 唯識論 世界は識から成り立つとする理論。 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 (横山紘一 「唯識の思想」、講談社学術文庫、P.60 ) 阿頼耶識から生まれた ものが、人間にさまざま なものを見せる。 =煩悩
  50. 唯識論 世界は識から成り立つとする理論。 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 (横山紘一 「唯識の思想」、講談社学術文庫、P.60 ) この阿頼耶識から認識が立ち上がるプロセスを実装 できないか? それは現象学の志向性に通じる。
  51. 身体 身体の反射レベル 脳の原始的な部分の反射レベル 無意識の反射レベル 意志決定 物理 情報 身体 感覚 情報

    抽象 知的 情報 情報の抽象度 時間進行(流れ)の方向 構造 構造 構造 身体は知覚対象としても作用対象としても、多層的な表現層を持つ。 =マルチレイヤー構造= (Multi-layered Structure) 構造
  52. Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat ion

    Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World Sensor Effector World Dynamics Artificial Intelligence Decision-Making Decision-Making
  53. Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat ion

    Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World World Dynamics Artificial Intelligence Object Object image on the lowest layer (Umwelt) Object image on the second layer Object image on the third layer Decision-Making Object image on the top layer
  54. Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat ion

    Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World World Dynamics Artificial Intelligence Object Object image on the lowest layer (Umwelt) Object image on the second layer Object image on the third layer Decision-Making Object image on the top layer
  55. Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat ion

    Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World World Dynamics Artificial Intelligence Object Object image on the lowest layer (Umwelt) Object image on the second layer Object image on the third layer Decision-Making Object image on the top layer
  56. 構造主義/ポスト構造主義の系譜 フレーゲ (独、1848-1925) アンドレ・ヴェイユ (仏、1906-1998) ローマン・ヤコブソン (露(米)、1896-1982) レヴィ・ストロース (仏(米)、1908-2009) ジャック・デリダ

    (仏、1930-2004) ニコラ・ブルバキ (仏、1935-1998) アンドレ・ヴェイユ アンリ・カルタン クロード・シュヴァレー ジャン・デュドネ ジャン・デルサルト ジャック・ラカン (仏、1901-1981) ソシュール (スイス、1857-1913)
  57. ソシュール「一般言語学講義」 (原著:1906-1911年, 翻訳:2007年、影浦 峡, 田中 久美子 ) • シニフィアン/シニフィエ =語と語の意味するもの

    =世界の分節化 =世界と知能が記号(シーニュ)でつながる。 20世紀の言語・論理学者・精神分析に (ヤコブソン、チョムスキー、ラカン、など) に本質的かつ継続的な影響を与える。 シニフィアン シニフィエ 語(記号)
  58. ローマン・ヤコブソン「一般言語学」 (原著:1963年、翻訳:1973年 田村すゞ子, 長嶋善郎, 中野直子) • 類型学は言語の音韻構造の根底に、そして明らか にまた形態構造の底に、存在する包含の法則 laws of

    implication を明るみに出す:Aの存在はBの存在 (または不在)を必然的に内包するという法則である。 このおようにしいて、人類学者のいう同一性や準同 一性を世界の諸言語の中に見出すことができる。 • 世界の諸言語のいっそう正確な、徹底的な記述が 行われたあかつきには、それは必ずや一般法則の コードを補充し、修正し、完璧にすることであろう。 (一般言語学、みすず書房、P.49)
  59. レヴィ・ストロース(1908-2009) • 構造主義を世に広める。 • フランスで哲学教授資格を得て、ブラジルのサンパウロへ社会学の教授 として赴任。 • アマゾン河流域の原住民へのフィールドワークを行う。 • その後、ニューヨークの研究所に滞在し、フィールドワークを行いながら、

    亡命してきた、ヤコブソンから構造学的な言語学を知る。 • ヤコブソンは、ブルバキの構造化された数学の話をストロースに話す。 • フィールドワークの成果を構造を通して理論化、「構造人類学」として結実。 • 異なる神話の中に同じ構造を見出す。(神話素から関係性を構築) • 異なる民族の中に同じ婚姻構造を見出す。(ある視点から見ると同じ) • フランスに帰り、社会人類学の講座をコレージュ・ド・フランスに開く(1959 年)。 • サルトル-レヴィ・ストロースの歴史を巡る論争はとても有名。
  60. レヴィ・ストロース「構造人類学」 (原著:1958年、訳:1972年 荒川幾男・生松敬三・川田順造・佐々木明・田島節夫) • (1) 神話が意味をもつとすれば、その意味は神話の構成 に入って来る個々の要素ではなく、それらの意味が結び 付けられている仕方にもとづいている。 • (2)

    神話は言語の種類に属し、その構成部分をなしてい る。とはいえ、神話の中で用いられる言語は特殊な諸性 格を示す。 • (3) これらの諸性格は、言語表現の通例の水準より上に しかもとめることができない。換言すれば、それらは他 の何らかの言語表現の中に見いだされるものよりも複 雑な性質のものである。 (構造人類学、みすず書房、P.233)
  61. 意識を作る=自身を語る St=k-1 St=k St=k+1 ロゴス t=k-2 ロゴス t=k-1 ロゴス t=k

    知能は差延、差異、統合、反復の システムである。 逸脱(差異化,差延) 統合(引き戻し) 語る 語る
  62. 目次 第一章 イントロダクション 第二章 理解の諸相 - 全部か、部分か – 第三章 人と人でないものの理解を問うSF

    第四章 ゲームという場における理解 第五章 精神の構造と相互理解 第六章 コンテクストと理解 第七章 存在の構成と相互理解 第八章 環世界と構造主義 第九章 場と同期と理解
  63. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 意識 前意識 無意識 (プログラム 言語の網)

    外部から の情報 言語・非言語境界面 知覚の境界面 人間 人工知能 意識的干渉 無意識的干渉 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成 他者の構成プロセス
  64. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの

    情報 物理的干渉 枝を同じくする =わかり合える =差異化した果てでわかり合える 根を同じくする =わかり合える =根源でわかり合える
  65. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの

    情報 物理的干渉 枝を同じくする =わかり合える =差異化した果てでわかり合える 根を同じくする =わかり合える =根源でわかり合える
  66. 環境 知能 環境 部分 知能 体験 体験 体験 知能 部分

    知能 体験 体験 体験 知能 のコア 知能 のコア 環境 部分的にわかり合って行けば、 より深く分かり合うようになる。
  67. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの

    情報 物理的干渉 根を同じくする =わかり合える ゆったりとした強い同期の輪 素早い同期の輪
  68. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの

    情報 物理的干渉 根を同じくする =わかり合える 素早い同期の輪 同期の輪=コンテクストの輪 =お互いを成り立たせている輪でもある
  69. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの

    情報 物理的干渉 根を同じくする =わかり合える 素早い同期の輪 同期の輪=コンテクストの輪 =お互いを成り立たせている輪でもある