Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

AIで変わるデータ分析。現場の実務者がデータを正しい意思決定に活かす仕事術

Avatar for NCDC NCDC
October 17, 2026

 AIで変わるデータ分析。現場の実務者がデータを正しい意思決定に活かす仕事術

Avatar for NCDC

NCDC

October 17, 2026

More Decks by NCDC

Other Decks in Technology

Transcript

  1. サービス・プロダクトの二軸による価値提供 ⚫ 多様な強みをお客さま ごとのニーズに応じて、柔軟にお客様へ 提供。 ⚫ 多様なプロジェクトを 通じて見極めた「共通課題」に対しては 、製品やパッケージ化したサービスを提 供。

    Professional Services お客さまごとのニーズに 応じたソリューションを One to Oneで提供 Synergy Product Services 共通の課題を解決する 製品・サービスを 市場に幅広く展開 ⚫ AWSアドバンストティア サービスパートナー ⚫ AWS Lambdaパートナー ⚫ 内製化支援推進AWSパートナー NCDCの強み デジタル戦略 , AI , IoT , データ活用 , モダンアーキテクチャ , アジャイル , 内製化支援 , UX/UIデザイン , プロダクトマネジメント ⚫ 4 SORACOMソリューションパートナー
  2. デジタルビジネス立ち上げを一元的にサポート ⚫ デ ジ タ ルビ ジ ネ ス に

    必要 な 企 画 か ら開 発 ま で 、 一元 的 に 提 供 して い ま す 。 ⚫ ス モ ー ルス タ ー ト で の検 証 か ら 、 本開 発 ・ 継 続 的な 改 善 ま で サポ ー ト し ま す。 ユーザ視点を大切にした アイデア・企画 5 モックやプロトタイプ の開発・検証 システム・アプリ開発 継続的な改善 ビジネスモデルのデザイン スモールスタート・PoC システム・インテグレーション ワークショップを中心とした合理的 なプロセスで、ビジネスモデルの検 討からUXデザインまで、迅速に行 います。 関係者が多数いる場合の組織横断、 会社横断のファシリテーションも得 意です。 新規性の高いプロジェクト ではMVP(Minimum Viable Product)を用いた検証を行 うなど、目的に応じて段階 的な開発を企画します。早 い段階でモックやプロトタ イプを用意してユーザの評 価を確認します。 ユーザとのタッチポイントとなる各種デバイスのフ ロントエンドデザインから、クラウドサービスを駆 使したバックエンドの開発まで。多様なテクノロ ジーをインテグレーションします。 ⚫ AI / IoT ⚫ モバイル・ウェブ アプリ開発 ⚫ クラウドインテグレーション ⚫ システムアーキテクチャコンサルティング など
  3. 生成AIの登場による分析業務変革のポイント ② 扱えるデータの拡大 ⚫解析のために高度な専門知識が必要だったデータも、実務者による 分析の対象とすることができるようになりました これまで 生成AIの登場後 Excel・CSV Word PowerPoint

    売上・実績・工数 提案書・議事録 報告資料・企画書 日報・週報 問い合わせ アンケート 所感・活動メモ 履歴・メール 自由記述の声 数値の表データ データベースやBIツールで扱える、整っ た形式のデータが中心 データ分析において大きな比重を占めていたデータ加工のプロセスが 大幅にスリム化 10
  4. 例① 工数・稼働の集計を行う(弊社内の取り組み事例) ⚫各社員の稼働計画・稼働実績をシステムから取り出し、分析する 従来のやり方なら(想定) 要件定義 → データベース・BIの構築 → 開発 期間:半年程度

    費用:3,000万円規模 今回のやり方 工数管理システムの実績CSV + AIへの指示 担当者1人、業務の合間に合計3日ほど 「部門別・月別の稼働率を集計して、 推移と内訳が分かる分析画面を作って」 12
  5. ファイルを集めてAIに聞くと、1分で答えが出る。でも… 3つのファイルを集めて 業種別の受注率を出して、来期注力すべき業種を教えて 案件リスト・訪問記録・日報 製造業 31.4% 小売 受注率が最も高い「製造業」に注力すべきです 30.0% 物流

    28.6% IT・通信 ここまで約1分。 このまま報告して大丈夫? 23.3% 医療・福祉 20.0% 報告する前に、「どこで誤りうるか」を3つの観点で確かめる 観点1 データ 観点2 検討 観点3 意思決定 データが誤っていないか 分析の仕方が誤っていないか 結論の出し方が誤っていないか ※AIの回答は説明用のイメージです(ダミーデータ) 16
  6. 観点1 データの品質 つまずき 210件中46件の「結果」欄が空欄。AIはこれを黙って「失注」として数えていた 案件ID 顧客名 業種 結果 P0101 (株)フレッシュマート

    小売 受注 P0102 フレッシュマート 小売 (空欄) P0103 株式会社あおば百貨店 小売 (空欄) P0104 グリーンストア 小売 失注 P0105 あおば百貨店 小売 (空欄) 空欄46件のうち、半分近くが「小売」 22件 小売 8件 製造業 物流 7件 IT・通信 7件 医療・福祉 2件 案件リスト.xlsx(イメージ) 空欄が多い業種ほど、受注率が不当に低く計算されていた 17
  7. 観点1 分析前のデータ確認 確かめ方 分析の前に、各列の空欄の数と、値の種類の一覧を出して 列 空欄 値の種類 案件ID 0 210種類

    顧客名 0 80種類 業種 0 5種類 担当者 0 6種類 金額 0 — 結果 46 受注/失注/空欄 発見① 結果の空欄が46件 進行中なのか、入力漏れなのか? 発見② AIが返す「健康診断」の結果(イメージ) ※AIの回答は説明用のイメージです(ダミーデータ) 18 顧客は37社なのに80種類 「株式会社◯◯」「(株)◯◯」、末尾スペー スなどの表記揺れ
  8. 観点1 直し方:ルールは人が決めて、AIに伝える 直し方 業種別の受注率(修正前 → 修正後) 修正前 営業担当者に確認すると… 空欄46件 =

    進行中37件 + 失注の入力漏れ9件 修正後 30.0% 小売 51.7% 31.4% 製造業 34.9% 28.6% 物流 進行中は除外、入力漏れ9件は失注として扱って。 顧客名は表記を統一してから再計算して IT・通信 医療・福祉 1位が「製造業」→「小売」に入れ替わった ※AIの回答は説明用のイメージです(ダミーデータ) 19 32.3% 23.3% 28.0% 20.0% 20.0%
  9. 観点2 検討:その分析の切り口、合っている? つまずき 受注を増やすには、どうすればいい? AIが出した「訪問回数別の受注率」 73.0% 訪問回数が多いほど受注率が高いので、訪 問を増やすべきです 35.6% この分析、2つの点があいまい

    ①「受注を増やす」は、受注率?件数?金額? ② その訪問は、受注が決まる「前」?「後」? 9.5% 0〜3回 4〜6回 7回以上 問いの定義と、データの切り口があいまいなまま、AIはそれらしい答えを出してしまう ※AIの回答は説明用のイメージです(ダミーデータ) 20
  10. 観点2 検討|確かめ方:定義を決めて、切り口を変えて見る 確かめ方 受注率で比べたい。訪問は「結果が出る前」と「後」に分けて数え直して 訪問回数別の受注率 すべての訪問 結果が出る前の訪問のみ 73.0% 結果が出る前の訪問では 受注率はほぼ同じ

    35.8% 35.6% 37.0% 38.2% 訪問が多いのは 受注した後の手続き・ 導入支援のためだった 9.5% 0〜3回 4〜6回 7回以上 「訪問を増やせば受注が増える」とは言えない、ということが分かる ※AIの回答は説明用のイメージです(ダミーデータ) 21
  11. 観点3 意思決定:「受注率が一番高い業種に注力」で、いい? つまずき データを直して分析し直すと、AIはこう結論づけた 業種別の受注率(データ修正後) 51.7% 小売 34.9% 製造業 32.3%

    物流 IT・通信 医療・福祉 受注率が最も高い「小売」に注力すべ きです 28.0% 数字は正しくなった。でも… 「受注率が高い」から「注力すべき」は、本当に 言える? 20.0% 最初の問い「来期、どの業種に注力すべき?」に、この結論は答えになっている? ※AIの回答は説明用のイメージです(ダミーデータ) 22
  12. 観点3 意思決定|確かめ方:同じデータを、別の見方でも見る 確かめ方 受注額で見るとどうなる?受注率が低い業種は、なぜ低いの? 見方① 受注額で見ると(万円) 見方② 受注率が低い業種の中身を見ると 製造業 10,398

    小売 7,775 IT・通信 3,615 物流 3,536 医療・福祉 2,446 → 受注率は2位でも、受注額は製造業が1位 ※AIの回答は説明用のイメージです(ダミーデータ) 23 医療・福祉の担当 受注/確定 受注率 Aさん 0件/8件 0% Aさん以外 5件/17件 29% → 業種の問題ではなく、担当や進め方の問題かもしれない。改善す れば伸びしろがある
  13. 観点3 意思決定|判断:目的に照らして、複数の見方から決める 受注の「確率」を上げたいなら 売上の「金額」を伸ばしたいなら 「伸びしろ」を取りにいくなら 小売 製造業 医療・福祉 受注率が最も高い。進行中の案件への 提案に力を入れる

    受注額が最も大きい。大型案件の取り こぼしを減らす 担当や進め方を見直せば、受注率が上 がる余地がある AIの答えは「1つの見方」にすぎない 何のための意思決定かに立ち戻り、現場の実感とも突き合わせて決める 24
  14. まとめ:AIでデータ分析するときの「確かめ方」チェックリスト 25 観点 つまずき 確かめ方 AIへの聞き方の例 1 データ 空欄を「失注」として集計/顧客名 の表記揺れ

    分析の前に健康診断。直すルールは人 が決める 「各列の空欄の数と、値の種類を一 覧にして」 2 検討 受注前と後の訪問を混ぜて分析 根拠の場所を言わせる/問いの定義を 決め、切り口を変えて見る 「受注前と後に分けて」 3 意思決定 「受注率が一番高い」だけで注力業 種を決めかけた 目的に立ち戻り、別の見方(金額・伸 びしろ)でも比べる 「受注額で見ると?」「低い業種は なぜ低い?」
  15. 本日のまとめ AIで変わったこと それでも確かめること 待たずに 分析結果が、その場で手に入る データ 分析の前に健康診断。直すルールは人が決め る 文章も Word・PowerPoint・日報も分析の材料に

    検討 根拠を聞き返し、定義と切り口を確かめる 言葉で やりたいことを伝えるだけで分析できる 意思決定 目的に立ち戻り、別の見方でも比べる 最後に効くのは、皆さんの業務経験と「なんかおかしくないか?」という感覚 AIが手軽にしてくれた分、データを一番よく知る実務者の判断が、これまで以上に大事になる 29