Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
Reckoner の Scala プロジェクトにおける オブザーバビリティの取り組み / Ob...
Search
KADOWAKI Takumi
February 27, 2024
Programming
0
2.1k
Reckoner の Scala プロジェクトにおける オブザーバビリティの取り組み / Observability Initiatives in Reckoner's Scala Project
2024/02/27 Scalaわいわい勉強会 #2
https://scala-tokyo.connpass.com/event/307069/
KADOWAKI Takumi
February 27, 2024
Tweet
Share
More Decks by KADOWAKI Takumi
See All by KADOWAKI Takumi
Reckoner における Datadog Browser Test の活用事例 / Datadog Browser Test at Reckoner
nomadblacky
0
440
Scala アプリケーションのビルドを改善してデプロイ時間を 1/4 にした話 | How I improved the build of my Scala application and reduced deployment time by 4x
nomadblacky
1
990
AWS CDK on Scala ~ Scalaでインフラ管理してみたはなし / Manage infrastructure with AWS CDK on Scala
nomadblacky
0
4.6k
Slinky で Scala.js 製 React Webアプリケーションを つくったはなし / How to build a Scala.js React web application in Slinky
nomadblacky
1
5.2k
面倒なことはScalaスクリプトにやらせよう / let scala scripts do the troublesome things
nomadblacky
0
1.1k
Other Decks in Programming
See All in Programming
実践ArchUnit ~実例による検証パターンの紹介~
ogiwarat
2
280
Claude Codeの使い方
ttnyt8701
1
130
既存デザインを変更せずにタップ領域を広げる方法
tahia910
1
240
来たるべき 8.0 に備えて React 19 新機能と React Router 固有機能の取捨選択とすり合わせを考える
oukayuka
2
820
GoのWebAssembly活用パターン紹介
syumai
3
10k
Railsアプリケーションと パフォーマンスチューニング ー 秒間5万リクエストの モバイルオーダーシステムを支える事例 ー Rubyセミナー 大阪
falcon8823
3
720
生成AIコーディングとの向き合い方、AIと共創するという考え方 / How to deal with generative AI coding and the concept of co-creating with AI
seike460
PRO
1
320
GoのGenericsによるslice操作との付き合い方
syumai
2
670
Webからモバイルへ Vue.js × Capacitor 活用事例
naokihaba
0
740
都市をデータで見るってこういうこと PLATEAU属性情報入門
nokonoko1203
1
550
コード書くの好きな人向けAIコーディング活用tips #orestudy
77web
3
330
社内での開発コミュニティ活動とモジュラーモノリス標準化事例のご紹介/xPalette and Introduction of Modular monolith standardization
m4maruyama
1
130
Featured
See All Featured
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
20
1.3k
Building an army of robots
kneath
306
45k
Into the Great Unknown - MozCon
thekraken
39
1.9k
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
94
14k
The Illustrated Children's Guide to Kubernetes
chrisshort
48
50k
Making the Leap to Tech Lead
cromwellryan
134
9.3k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
346
40k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
35
2.3k
GraphQLとの向き合い方2022年版
quramy
46
14k
Navigating Team Friction
lara
187
15k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
307
110k
Measuring & Analyzing Core Web Vitals
bluesmoon
7
490
Transcript
Reckoner の Scala プロジェクトにおける オブザーバビリティの取り組み 2024/02/27 Scalaわいわい勉強会 #2 Copyright ©
3-shake, Inc. All Rights Reserved.
自己紹介 門脇 拓巳 (KADOWAKI Takumi) 株式会社スリーシェイク Incubation 事業部 Reckoner 開発チーム
RDAP と呼ばれる Scala 製バッチアプリケーションの 開発・運用に携わる X (Twitter): @nomadblacky GitHub: NomadBlacky
アジェンダ この発表の目的: - 誰に? - Scala アプリケーションを運用している人に - 何を? -
オブザーバビリティの概念を導入したら色々な良いことがあったよ オブザーバビリティの概要から、実際に Reckoner に適用していった事例をお 話します。
Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. Reckoner の紹介 01
4
None
直感的な UI で複雑なデータ操作
多種多様なデータ連携先
アーキテクチャ RDAP2 と呼ばれるScala製バッチアプリ (Akka Stream)
運用での課題 - ユーザーからの問い合わせから原因の特定、修正まで時間がかかっていた - ユーザーがどのような設定でワークフローを実行していたのか、 どのような処理で失敗していたのか、追うことが困難だった - パフォーマンス改善に必要な情報がなかった - どの処理でどれだけ時間がかかっているのか、判断する要素がなかった
- エラーログから対応が必要なものか逐一確認する必要があった - エラーログが発生する度にアラートが鳴る運用になっており、 ログを確認する人的コストが肥大化していた
Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. オブザーバビリティについて 02 10
オブザーバビリティとは? ざっくりと言えば… 「システムがどのような状態になったとしても、システム状態のデータからアプリケーショ ンで起こっていることをどれだけ理解し説明できるか (デバッグができるか) の尺度」 つまり… オブザーバビリティの概念を取り込むことで、 ユーザがいつ、どのような体験をしているのか が理解できるようになる!
詳しく知りたい方はこちらの本で
オブザーバビリティの構成要素 オブザーバビリティの基礎となる構成要素は 「任意の要素を持つ構造化イベント」 例えば、Web サーバへのリクエストでは… 実行コンテキスト - エンドポイント - HTTPヘッダー
- URLパラメータ - ユーザID ランタイム情報 - OS - JVM バージョン - コンテナID - リージョン ビルド情報 - アプリバージョン - コミットハッシュ - リポジトリURL … これらの要素が多ければ多いほど 要素をかけ合わせるパターンが増えて、 柔軟なデバッグが可能になる!
代表的な要素 メトリクス 定期的に収集される統計データ CPU使用率、メモリ使用率 etc. ログ アプリケーションから出力されるテキストデータ トレース 「いつ、どのような処理が、どれぐらい時間がかかったか」を可視化するデータ ※これらをまとめて「テレメトリーデータ」と呼ぶ
今回のメイン
Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. Scala プロジェクト (RDAP2)
に オブザーバビリティを導入する 03 14
RDAP2 におけるオブザーバビリティのアーキテクチャ OpenTelemetry API dd-java-agent
RDAP2 におけるオブザーバビリティのアーキテクチャ - dd-java-agent - 監視 SaaS である Datadog が公式に提供している
Java Agent - 起動時に java コマンドのオプションとして組み込む - HTTP リクエストや DB へのクエリなど、 一般的なライブラリやフレームワークの処理を自動で 計装することができる - OpenTelemetry - メトリクス、トレース、ログなどのテレメトリーデータを収集・転送する仕組みは監視ベンダごとに異な る実装になっていた - この仕組みを統一化し、ベンダロックインされない仕組みを作ろうと生まれたプロジェクト - ベンダに依存しないテレメトリーデータを様々なプログラミング言語で扱うことができる RDAP2 では主に、 IO 処理を dd-java-agent、ビジネスロジックを OpenTelemetry で計装 アプリケーションに テレメトリーデータを 組み込むこと
dd-java-agent によるトレースの自動計装 build.sbt sbt-native-packager sbt-javaagent dd-java-agent の設定
OpenTelemetry API によるトレースの手動計装 OpenTelemetry API の簡易ラッパー エラー時は内容を記録 (後述)
OpenTelemetry API によるトレースの手動計装 スパンにメタデータを付与 ActorSystem の初期化時間を計測 ブロックで囲むことで スパン (トレースにおけるいち処理の単位 )
を表現
できあがったもの
Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. オブザーバビリティ を導入してどうなった? 04
21
タスクの実行内容を詳細に確認できるようになった!
「失敗したタスクのうち、 BigQuery API の 5xx エラーを含むトレース」 といった柔軟な検索が可能に
SQLなどのクエリ内容を確認できる デバッグに役立つ様々な情報をトレースが提供してくれる
非効率な処理を見つけることができるようになった! 本来は並列で実行できるが 直列実行になってしまっている …
非効率な処理を見つけることができるようになった! Monix Task の使い方を誤っていた …
非効率な処理を見つけることができるようになった! 並列で実行されていることがトレースでも 確認できた! 数十分かかっていた処理が数十秒に短縮!
エラーを収集して品質改善に活かせるようになった! Datadog の Error Tracking を使ってエラーを収集 自動でエラーのクラスタリングと集計を行ってくれる
エラー切り分けの工数削減し、 ナレッジ共有ができるようになった! 週1回、エラーの内容を確認する会を実施 エラーの詳細ページではスタックトレースや スパンに追加したメタ情報を確認可能
Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. まとめ 05 30
まとめ Reckoner とは - 直感的な UI でデータ連携を実現する、クラウド型の ETL SaaS オブザーバビリティとは
- アプリケーションの状態を把握して、デバッグできるかの尺度 Scala プロジェクトにオブザーバビリティを導入することで - アプリケーションの実行内容を詳細に確認することができるようになった! - 非効率な処理を見つけて修正できるようになった! - エラーを収集して品質改善に活かせるようになった!
最後に Reckoner では Scala エンジニアを募集しています! - https://jobs-3-shake.com/ - https://hrmos.co/pages/threeshake/jobs/E_0220 連携先の追加、既存連携先の機能強化、
Java アップデート、Scala3 対応、Akka 移行、 オブザーバビリティの強化… やること盛りだくさんで人手が足りません 😭