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AIでデータ活用を加速させる取り組み / Leveraging AI to accelerat...

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October 29, 2025

AIでデータ活用を加速させる取り組み / Leveraging AI to accelerate data utilization

2025/10/29 大規模データ×AI活用の現在地 〜 Online Conference 2025 〜

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October 29, 2025
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  1. 2 自己紹介 Motoyuki Oki (@okiyuki99) Ubieでデータ利活用領域を担当 • 大手通信会社やメガベンチャーを経て、2021/12よ りUbieにjoin •

    事業部、分析基盤、プロダクト開発部それぞれでデー タ利活用を進めて今は経営企画がメイン • 注力領域 ◦ データ分析 ◦ アナリティクスエンジニアリング ◦ 生成AIの探索と展開
  2. 3 Confidential 今日のアジェンダ • Ubieについて • Ubieのデータ分析基盤 • 事例1: AIによるdbt開発の民主化加速

    • 事例2: AIパートナーによるデータ業務の民主化加速 • 事例3: AIが自走できるデータ分析に向けて • AIでデータ活用を進めての振り返り    頂いた質問に回答しますので、ぜひたくさん投稿していただければ!
  3. 6

  4. 7 自分の症状を答えるだけで、 参考病名や近くの医療機関等 「受診の手がかり」が調べられます 医療現場で実際に使われ鍛えられたAIを、 生活者が適切な医療にかかる目安として開放しています (2020年提供開始) 無料で 誰でも いつでも

    ほぼ全ての症状で * *99% (1.3万超)の症状に対 応 情報 アクセシビリティ 好事例2023 選出 総務省 症状検索エンジン「ユビー」ダウンロードリンク https://ubie.go.link?adj_t=1c2ifxv9 生活者向け事業
  5. 2020年のサービス提供開始以来、多くの方の適切な医療へのアクセスを支援しています 10 月間利用者数 1200万人 提携医療機関数 1万5000以上 累計利用回数 1億 8000 万回以上

    対応する症状 3500以上 ユビーを利用した後 実際に受診した人数(推計) 1838万人 対応する病名 1100以上 ユビーを利用したうち 「受診してよかった」 91.1% アカウント登録数 500万人
  6. 12 データ分析基盤の全体像 • ほぼ全て Google Cloud で構成 • DBからのETL /

    App からの Log Streaming に始まり、BIツール(Lightdash)までが分析基盤 • 仮名加工化と4層に分かれた分析用領域のデータモデリングにdbtを利用している データエンジニアの@yosh_yumyum の資料に詳細が解説されています https://speakerdeck.com/yoshyu m/cd
  7. 23 生成AIの社内内製ツールの利用状況 • 社内生成AI基盤 Dev Genius の週次利用者数は全社員の85% • 複数LLMモデルをサポート /

    システムプロンプトの保存・共有 / Slackからの利用もサポート • MCP等を使った社内データとの接続 / ワークフロー / エージェント機能なども搭載 UbieのAIパートナーを支えるコンテキストエンジニアリング実践 :https://speakerdeck.com/syucream/ubienoaipatonawozhi-erukontekisutoenziniaringushi-jian
  8. 25 取り組み1: データ/アナリティクスエンジニアリングついて詳しいAIパートナー • Ubie特有のデータモデリング・レイヤリング・開発規則などについて詳しい • アナリティクスエンジニアリングの歴史・重要となるエンジニアリング思想 もコンテキストに入れている … など

    AIパートナーとSlackで対話/協業していく体験により、疑問や悩みの壁打ちを自分のペースでできる 人とAIパートナーとSlackでデータモデリングについて対話 抽象的な質問に対しても、重要となる思想に基づき回答
  9. 26 AIパートナーのプロンプトの全体感(どんなプロンプト?) キャラクター 知識 スキル • Ubieの業務知識・ オンボーディング 資料 •

    Ubieのdbtモデ ル開発の手順・コー ディングルール • データ周りの業界 知識・歴史(Deep Research) • ペルソナ • 個人ミッション • 大事にしている哲 学・思想 • 行動指針 • 口調・トーン (AIと壁打ちして作成) • Ubieのダッシュ ボードの検索 • データマート検索 • 議事録検索 (Githubのコードベー スや社内MCPサーバと 連携。必要に応じて利用 してくれる) プロンプトそれぞれはNotionで管理・接続されており、複数人でメンテ/再利用できるように
  10. 35 道半ば... データ分析のAI適用が難しい点 誤った結果や意味のない結果が出てもエラーを吐かずに出力。気づきにくい • 例: メトリクスAの合計はXごとに見ないと意味のないなど 正しさの制御 コンテキスト AIが賢くても、人のほうもデータやコンテキストに詳しく無いとSo

    what?に なりやすい。一定人の学習も必要。 誤った能力拡張 それっぽい結果を容易に得られることから、武器に踊らされやすい。 どんなにAIが便利でも、良い問題とセットでないと無駄になりやすい
  11. 36 取り組み1: データモデリングへの投資で正しさの制御 • 究極的にはAIが(人間も)間違えようのないデータマートに絞ってそれを分析対象とする ◦ 例1: リッチなメタデータ付き大福帳テーブルの準備 ◦ 例2:

    ディメンショナルモデリング(1ファクトテーブル=1イベントのみを保存) • セマンティックレイヤーで定義された指定済みのメトリクスやディメンションだけが使えるように • ただし、普通にやるとインベスト大になるので、パイロットケースを定めてWINを得ながらの実行が大事 ユビーでは分析のコアとなるようなデータ層で改めてモデリングルールを策定し、適用を開始
  12. 38 第1優先 多数 取り組み3: 誤った能力拡張を避けるためにAIエージェントの利用者をフォーカス • 利用者をセグメントに分けて、AIパートナーや分析AIエージェントを徐々に解放していく • コンテキストの理解がAIの性能に大きく依存する。直接データを見れるエンジニアにはデータを渡す。 •

    以下は、全社の経営向け横断ダッシュボード策定プロジェクトの例: データはよくわからない・ブラックボックス データに詳しい・自力で調査できる ビジネス用語・ コンテキストも 詳しい ビジネス用語・ コンテキストは 詳しくない 自分 同PrjのBiz・経営メンバ  エンジニア/ 他BIメンバ 第2優先で拡張
  13. 39 Lightdash AI Agentsでシステマティックに行うために実践適用中 • Lightdash内の分析エージェントの機能が強化され、実用段階に来ている • dbtのレポジトリ内でメタデータを一元管理。AgentもIaCで構築しバージョン管理 AI Agentの設定画面

    弊社Yuさんの記事より: Supercharging BI with Lightdash AI: Agents https://yu-ishikawa.medium.com/lightdash-at-ubie-part-4-superc harging-bi-with-lightdash-ai-agents-06191f1381f2 利用できるdbt modelをtagで制御 dimensionやmetricsも選択可能 利用できるユーザ・グループを制御 プロンプトも自由に 特定のSlackチャネルからも利用
  14. 46 AI-readyな基盤への実践的なステップ 各企業によって分析基盤の状況は違うと思うが、最終的にはモデリングへの投資が一番の近道かもしれない?  フェーズ0 • だれでも使えるAI Agentツールや基盤の容易(外部 or 内製) ◦

    リーガルやセキュリティとデータ業務でのスコープ整理  フェーズ1 • 一定満足した水準で動くためのAI用のルール整備 • 社内の成功事例やファンを作る  フェーズ2  フェーズ3 • 信頼のあるデータマートを作ってAIを躍動 • メタデータ・コンテキスト拡充を組織の営みに • 計画的なデータモデリングの導入 • AIを評価して、質の低いメタデータを排除/更新 インベスト は大きくなる が、AI readyには 継続的に投資 が必要
  15. 47 AI-readyな基盤への実践的なステップ 各企業によって分析基盤の状況は違うと思うが、最終的にはモデリングへの投資が一番の近道かもしれない?  フェーズ0 • だれでも使えるAI Agentツールや基盤の容易(外部 or 内製) ◦

    リーガルやセキュリティとデータ業務でのスコープ整理  フェーズ1 • 一定満足した水準で動くためのAI用のルール整備 • 社内の成功事例やファンを作る  フェーズ2  フェーズ3 • 信頼のあるデータマートを作ってAIを躍動 • メタデータ・コンテキスト拡充を組織の営みに • 計画的なデータモデリングの導入 • AIを評価して、質の低いメタデータを排除/更新 インベスト は大きくなる が、AI readyには 継続的に投資 が必要 社内生成AI基盤 Dev Genius / Cursor Editor等のAIツール導入 により試行回数の最大化
  16. 48 インベスト は大きくなる が、AI readyには 継続的に投資 が必要 AI-readyな基盤への実践的なステップ 各企業によって分析基盤の状況は違うと思うが、最終的にはモデリングへの投資が一番の近道かもしれない?  フェーズ0

    • だれでも使えるAI Agentツールや基盤の容易(外部 or 内製) ◦ リーガルやセキュリティとデータ業務でのスコープ整理  フェーズ1 • 一定満足した水準で動くためのAI用のルール整備 • 社内の成功事例やファンを作る  フェーズ2  フェーズ3 • 信頼のあるデータマートを作ってAIを躍動 • メタデータ・コンテキスト拡充を組織の営みに • 計画的なデータモデリングの導入 • AIを評価して、質の低いメタデータを排除/更新 Cursor Editor等のルール整備を集中的に進めてWin データ系スキルに特化したAIを複数リリースし、Slack上で浸透最大化
  17. 49 インベスト は大きくなる が、AI readyには 継続的に投資 が必要 AI-readyな基盤への実践的なステップ 各企業によって分析基盤の状況は違うと思うが、最終的にはモデリングへの投資が一番の近道かもしれない?  フェーズ0

    • だれでも使えるAI Agentツールや基盤の容易(外部 or 内製) ◦ リーガルやセキュリティとデータ業務でのスコープ整理  フェーズ1 • 一定満足した水準で動くためのAI用のルール整備 • 社内の成功事例やファンを作る  フェーズ2  フェーズ3 • 信頼のあるデータマートを作ってAIを躍動 • メタデータ・コンテキスト拡充を組織の営みに • 計画的なデータモデリングの導入 • AIを評価して、質の低いメタデータを排除/更新 Ubieでは数個のWINが出てきた段階で、まだ道半ば..... ここを専属で引っ張る人材の確保が急務
  18. 51 おわりに 今日の内容 • 事例1: AIによるdbt開発の民主化加速 • 事例2: AIパートナーによるデータ業務の民主化加速 •

    事例3: AIが自走できるデータ分析に向けて • AIでデータ活用を進めての振り返り 今後もAI活用についての事例を紹介できればと思うのでフォローもよろしくおねがいします! https://x.com/okiyuki99