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20150724

 20150724

Keio Orthopedic

July 24, 2015
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Transcript

  1. 共同研究グループは、日本人のAIS 患者と非患者、13,249 人の集団につい て、ヒトのゲノム全体をカバーする約400 万個の一塩基多型(SNP)[3]を調べ、 LBX1とGPR126 以外にもAIS と強い相関を示す27 個のSNP を見つけまし

    た。さらに、この結果を4,506 人の別の日本人集団を用いた相関解析により確 認したところ、AIS の発症と非常に強い相関を示すSNP を見つけました。
  2. 今後、BNC2 の機能をさらに詳しく調べることで、新しいタイプのAIS 治療薬の 開発が期待できます。成果は、アメリカ人類遺伝学会の機関誌『American Journal of Human Genetics』(8 月号)に掲載されるに先立ち、オンライン版(7 月23

    日付:日本時間7 月24 日)に掲載されます。 注1) 2011 年10 月24 日 プレスリリース 思春期特発性側弯症の原因を解明、治療への大きな一歩 http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2011/kr7a43000007vdug.html 注2) 2013 年5 月13 日 プレスリリース 思春期特発性側弯症(AIS)発症に関連する遺伝子「GPR126」を発見 http://www.riken.jp/pr/press/2013/20130513_1/
  3. 理化学研究所 統合生命医科学研究センター  骨関節疾患研究チーム   チームリーダー 池川 志郎(いけがわ しろう)   研究生 小倉 洋二(おぐら

    ようじ)   上級研究員 稲葉 郁代(いなば いくよ)  統計解析研究チーム   チームリーダー 鎌谷 洋一郎(かまたに よういちろう) 統合生命医科学研究センター  副センター長 久保 充明(くぼ みちあき)
  4. 更に、2013 年には同じGWAS のデータを更に詳しく解析して、2 つめのAIS 感 受性遺伝子であるGPR126 を発見しています。 しかし、多因子遺伝病であるAIS の原因や病態を解明するためには、さらなる遺 伝子の発見が必要です。そこで、共同研究グループは、慶應義塾大学医学部整

    形外科学教室の松本守雄教授を中心とする側弯症の専門医集団で構成された 側弯症臨床学術研究グループの持つ新たな患者サンプルとその臨床情報を、理 研骨関節疾患研究チームが解析することで、LBX1、GPR126 に続く新たなAIS の疾患感受性遺伝子の発見に挑みました。
  5. P 値:相関の強さの指標。 Cochran-Armitage trend test による。P 値が低いほど、相関が高いと判定できる。 オッズ比:相関の大きさ、リスク多型の影響力の指標。リスク多型を1 つ持つごとにAIS 発症リスクが約1.2

    倍高まる。 統合: GWAS と再現解析の結果をメタ解析で統合したもの。 人種 集団 rs3904778 のリスク多型の頻度 P値 オッズ比 患者群 対照群 (95%信頼区間) 日本人 GWAS 0.459 0.414 2.10 × 10-7乗 1.20 (1.12-1.28) 再現解析 0.476 0.424 4.46 × 10-3乗 1.23 (1.12-1.37) 総合 5.08 × 10-11乗 1.21 (1.14-1.28) 中国人 再現解析 0.429 0.384 1.14 × 10-3乗 1.20 (1.07-1.35) 東アジア総合 2.46 × 10-13乗 1.21 (1.15-1.27) 表1 AIS の段階的相関解析で発見された 9 番染色体上のSNP(rs3904778)の相関
  6. この4 つのSNP の機能について詳細な解析を行ったところ、YY1(Yin yang 1)と いう転写因子が結合しやすくなっているため、BNC2 遺伝子の発現が増加するこ とがわかりました。また、AIS の病変部であるヒトの軟骨や骨、脊髄、椎間板での BNC2

    の発現パターンを調べたところ、子宮で最も発現が高く、次いで脊髄、軟 骨、骨で高く発現していることが分かりました。このことから、脊髄、軟骨、骨など の組織でBNC2 の発現が増加することが側弯症の発症に関わっているのではと 考えられました。
  7. 英文タイトル:A functional SNP in BNC2 is associated with adolescent idiopathic

    scoliosis タイトル和訳:思春期特発性側弯症( AIS)発症に関連する遺伝子「 BNC2」を発見 著者名:Yoji Ogura, Ikuyo Kou, Shigenori Miura, Atsushi Takahashi, Leilei Xu, Kazuki Takeda, Yohei Takahashi, Katsuki Kono, Noriaki Kawakami, Koki Uno, Manabu Ito, Shohei Minami, Ikuho Yonezawa, Haruhisa Yanagida, Hiroshi Taneichi, Zezhang Zhu, Taichi Tsuji, Teppei Suzuki, Hideki Sudo, Toshiaki Kotani, Kota Watanabe, Naobumi Hosogane, Eijiro Okada, Aritoshi Iida, Masahiro Nakajima, Akihiro Sudo, Kazuhiro Chiba, Yuji Hiraki, Yoshiaki Toyama, Yong Qiu, Chisa Shukunami, Yoichiro Kamatani, Michiaki Kubo, Morio Matsumoto, Shiro Ikegawa
  8. 理化学研究所 統合生命医科学研究センター 骨関節疾患研究チーム チームリーダー 池川 志郎(いけがわ しろう) 研究生 小倉 洋二(おぐら

    ようじ) TEL:03-5449-5393(池川) FAX:03-5449-5393(池川) E-mail:[email protected](池川) 慶應義塾大学 医学部 整形外科学教室 教授 松本 守雄(まつもと もりお) TEL:03-5363-3812 FAX:03-3353-6597 E-mail:[email protected] ※研究内容については発表者にお問い合わせ下さい 【本発表資料のお問い合わせ先】