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俺たちは本当に分かり合えるのか? ~ PdMとスクラムチームの “ずれ” を科学する

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January 07, 2026

俺たちは本当に分かり合えるのか? ~ PdMとスクラムチームの “ずれ” を科学する

RSGT2026での講演資料です。
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エンジニアのみなさん、プロダクトオーナーやプロダクトマネージャーと仕事をしていて、こんな経験はありませんか。

「あまり前に出ない人だけど、一緒にやっていて仕事しやすい」
「言うことは立派なのに、どうも噛み合わないんだよなぁ」

一方で、プロダクトマネージャーの側からはこんな声も聞こえてきます。

「一緒に仕事をしていても手応えが感じられない」
「きちんと説明しているつもりなのに、どうもうまく伝わらない」

私は研究者として、プロダクトマネージャー(PdM)とアジャイルチームの関係がチームのパフォーマンスに与える影響を研究しています。その中で、両者の間のこうした“ずれ”こそが大きな影響要因ではないかと考えるようになりました。

※ 本セッションでいう「プロダクトマネージャー」は「チームが何を作るかの決定に最も影響力のある人」のことを指します。よって多くのチームでは「プロダクトオーナー」も含まれます。

この仮説を検証するために、私たちはアンケート調査で“ずれ”を数値化して測定しています。そしてプレ調査での分析の結果、そこには想像以上に複雑な構造が見えてきました。端的に言えば、PdMとチームを同時に満足させるポイントが極めて限定的なのです。
“ずれ”によっては、PdMは満足するのにチームは不満を覚える、あるいはその逆という困った状況が確認されています。

現時点ではまだ十分なデータ量はありませんが、

果たして十分なデータでも同じ傾向が見えるのか?
具体的にどんな“ずれ”の構造があるのか?
双方が満足するためのヒントはあるのか?
――こうした問いと、それへの解答を当日共有します。

さらに今回は、アジャイル界隈で長く「NG」とされながら、実は科学的エビデンスが乏しかった問題にも一歩踏み込みます。たとえば:

POとPdMは別にいていいのか?
「フィーチャーファクトリー」は本当に悪なのか?
※ フィーチャーファクトリー: PdMがただ指示するとおり、ただ言われるままに機能を作るだけのチーム

本セッションでは、12月上旬時点の中間データをもとに、“ずれ”をどう測り、何が見えてきつつあるのかをお伝えします。PdMとチームにまたがるこの問題について、現場の皆さんと一緒に考えたいと思います。

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Takeo Imai

January 07, 2026
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Transcript

  1. 23

  2. 25

  3. 参考: 「なぜイノベーションは 起こらないのか」 書名 なぜイノベーションは起こらないのか ― 真正の需要を捉えるプロダクト創出の科学 原著者 Matt Chanoff,

    Merrick Furst, Daniel Sabbah, Mark Wegman 訳者 今井健男 アイデアからイノベーションは生まれない?? 世界を変えるプロダクトを作りたい方必携の書 バナナの女性の事例は、この本での環世界の解説 に使われています 29
  4. 「認知サイクル仮説」 PdM とチームは、同じ開発プロセスを 通じて、それぞれに 1. 経験する 2. 解釈する 3. 共有する

    4. 次の判断につなげる という 循環的な認知プロセス を回してい るのではないか (知ってる人向け:たとえば SECI モデル) 42
  5. 57

  6. 58

  7. 60

  8. まとめると アウトプット志向なPdM アウトカム志向なPdM プロダクト志向なチーム ズレている エンパワーされたチーム 技術志向なチーム フィーチャーファクトリー ズレている クエッション(RSGT2025

    での講演より再掲) 1. ズレてるチームはパフォーマンスが低くなるか? 2. エンパワーされたチームはフィーチャーファクトリーよりパフォーマンスが高く なるか? ※ 一部の用語は易しい言葉に置き換えています 66