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EMとして 自分の弱さと向きあい 人に背中を任せられるようになった話

EMとして 自分の弱さと向きあい 人に背中を任せられるようになった話

More Decks by PharmaX(旧YOJO Technologies)開発チーム

Transcript

  1. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 2 自己紹介 古家 大

    (ふるや まさる) ・ニフティ→フリーランスとして10数社→PharmaX ・PharmaXに入って約3年 ・2023年からEMを担当 X:@enzerubank
  2. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 3 PharmaXについて • PharmaX株式会社

    ◦ ビジョン「かかりつけの先生がそばにいる安心を」 ◦ 自社で薬局を運営しているヘルスケアスタートアップ ◦ 従業員数約40名 (2024年12月時点) • かかりつけ医療ブランドYOJO ◦ オンラインYOJO薬局を運営
  3. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 4 今日伝えたいこと • EMの役割はマネジメントをすることではない

    • EMの役割はプロダクトを成功させること であり、そのためのボトルネックを 解消し続けること • 自分がマネジメントしなくてもプロダクトが成功してる状態が理想
  4. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 7 EMの解像度が低く、目の前の課題に飛びついていた • 去年の7月にYOJO薬局のEMに就任

    • その前は別チームのスクラムマスターを担当 • EM就任後もスクラム中心での思考をしていた ◦ 実際今までは1人チームだったのでスクラム運用は直近の課題 ◦ それしか見えてないのは近視眼的でEMとして良くなかった
  5. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 8 人に実務を任せることが居場所を失うようで怖かった • 「自分の能力を活かす/伸ばす

    > プロダクトの成功」 になっていた • 自分の今の仕事が無くなる選択がとれない ので取れる選択肢が狭まる • 自分の能力を伸ばして問題解決を図ろう とするので、人に任せた方が早 い場合に意思決定を誤る
  6. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 9 失敗を経てから起こした行動の変化 • 他に得意な人がいる分野は任せて自分は他のことをやれるように対話

    • EMとしてのインプット&アウトプットを習慣化 • EMとしての個人のキャリアプランと成長戦略を作成
  7. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 10 他に得意な人がいる分野は任せて 自分は他のことをやれるように対話 •

    戦略マネジメント...全体戦略を元に実現可能なロードマップに落とし込む • 達成マネジメント…ロードマップを元にOKRを策定。デリバリー速度と品質を両立 させOKR達成にコミット • 組織マネジメント…メンバーの成長サポート・採用等で人的資本を増やす EMのマネジメントはLayerXさんのマネジメントの分類が参考になる 参考資料: プロダクトチームのEMが実践している3つのマネジメント(戦略・達成・組織) https://tech.layerx.co.jp/entry/three-management-practices-of-em
  8. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 11 他に得意な人がいる分野は任せて 自分は他のことをやれるように対話 •

    デリバリー速度と品質を両立させ目標達成にコミットする達成マネジメントをテッ クリードに委譲(自身は数値のウォッチはする) • 戦略マネジメントはPdMに任せつつ、自身は組織マネジメントに集中 ◦ 弊社では前述の3つのマネジメントプロセスがまだ整ってないのでその整備 も組織マネジメントに含めて動いている • 1日xx件対話するという目標を決めて、CTOやCEOと対話して上記の委譲を進 めた
  9. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 12 EMとしてのインプット &アウトプットを習慣化 •

    実務だけだと自社環境の経験からしか学べないため、 読書を習慣化(月5-6冊ペース) • この記事の書籍リストがバランスが良く、新任のEMの方は一通り読むこと をオススメ ◦ 社内で「新任EMに読んでもらいたい書籍リスト」を用意しました ▪ https://zenn.dev/neinc_tech/articles/yokoso-em-he-no-benkyo • ちなみにEMが読むべき本は果てしないことにすぐ気づく (月5-6冊でも足りないが、速読は効果薄いのでこのペースを維持)
  10. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 13 EMとしてのインプット &アウトプットを習慣化 •

    実務での経験を学びに変えるため 月1でEM系の登壇か記事を書く • 登壇か記事にして人に伝えないと経験しても忘れてしまうのでアウトプット による振り返り大事 • 月に数記事を書くことにもトライしたが、個人的には力を入れた記事・登壇 を月1する方が学びは深かった
  11. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 14 EMとしてのインプット &アウトプットを習慣化 •

    「ものを作る喜び」を思い出すため個人開発を習慣化 • 最近はマネジメント業務が多く「ものを作る喜び」を忘れかけてた • 作ることが楽しくなければ、エンジニアとして良いプロダクトにする意欲は 沸かないし、技術も伸びない • 週1ペースで何かしらプロダクトを作るという目標を元に個人開発中
  12. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 15 EMとしての個人のキャリアプランと成長戦略を作成 • EMとしてのキャリアプランを描けていなければEMとしてのスキルアップに

    身が入りにくい • 自分の人生の目的からEMをキャリアとして選ぶ理由・どんなEMになりたい か・時間軸を考えた
  13. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 16 EMとしての個人のキャリアプランと成長戦略を作成 • 人生の目的

    ◦ 自分でコントロールできる幅を広げること • EMを選ぶ理由 ◦ エンジニアの強みを活かしつつ自分の能力次第でコントロールできる 幅を広げていけることが面白いから • どんなEMになりたいか ◦ 最終的にプロダクト・デリバリー・テクノロジー・ピープル全てができる 「強いEM」になってコントロールできる幅を広げたい
  14. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 17 EMとしての個人のキャリアプランと成長戦略を作成 • 成長戦略

    ◦ 人や組織のことを考えるのが好きなのでピープルを強みにする ◦ ピープル/組織 → デリバリー・テクノロジー/達成 → プロダクト/戦略の 順に伸ばす ◦ 達成・戦略分野はより得意な人が活躍できるよう組織を動かす。チー ム状況的に自分が巻き取る場合は移行ロードマップを引く • 時間軸 ◦ 今から5年(34歳〜38歳)はEMを軸にキャリアを育てる ◦ 1-2年でEMを経験してエンジニアに戻るということはしない
  15. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 18 結果としてどうなったか • EMの解像度が低く、目の前の課題に飛びついていた

     → プロダクトの成功に向き合うためのEMの戦略や個人の成長戦略を考えら れるようになった • 人に実務を任せることが自分の居場所を失うようで怖かった  → プロダクトの成功のため「自身がやるべきこと」と「やりたいこと」が明確にな り、任されたいこと・任せたいことが判断できるようになった
  16. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 19 学んだこと • EMの役割はプロダクトを成功させる

    ことであり、そのためのボトルネックを 解消し続けること ◦ マネジメントには戦略・達成・組織の3つがあり、EMはBiz/Pdm/TL等 と密に連携しながらそれらを機能させて成果を最大化する ◦ 自身がマネジメントに入ることで他が機能不全を起こしてしまうなら、全 体を機能させることが先。 ◦ 戦略が実行され、目標が達成されているかを常にトラッキングし、健 全化していくこと がEMには求められる
  17. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 20 学んだこと • 戦略・達成・組織のマネジメントを実現するのに必要なEMのスキルがピー

    プル・テクノロジー・プロジェクト・プロダクトマネジメント • 高いテクノロジーマネジメント能力が無ければデリバリー速度や品質を両 立できない し、デリバリーコントロールもできない ◦ アジャイル開発のように締切より価値を重視する場合はプロジェクトマ ネジメント=デリバリーマネジメントと置き換えられる ◦ プロダクトオーナーが実現したいものを、適切な品質で、できるだけ 早く、予測可能な形でリリースする ことに注力する領域
  18. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 21 学んだこと • プロダクトに関してエンジニアリングの観点で貢献するにはテクノロジー

    / デリバリーのマネジメントスキルが必須 ◦ デリバリー/テクノロジー → プロダクトの順に習熟していく必要がある ◦ デリバリー/テクノロジーのスキルが高ければプロダクトマネジメントの 知識が弱めでも貢献できる (逆はEMとしては厳しい・PdMならあり)
  19. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 22 学んだこと • ピープルマネジメントは分担可能。弱めのEM定義と言われるもの

    ◦ ただ組織が整っていない会社ではむしろピープル /組織マネジメント が最重要と感じる ◦ 戦略→実行→達成という基本プロセスが機能する組織がないと、経営 陣のトップダウン体制からいつまでも移行できない ◦ もしマネジメントせずに泥臭く行動して事業がスケールしても、事業規 模が経営陣の能力を超えて破綻してしまう • マネジメントはすぐに習得できるものではなく、数年レベルでの修行が必 要。創業早期にマネジメントをインストールしておくことは重要
  20. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 23 学んだこと • EMの世界も一度入るとかなり沼

    ◦ エンジニアに戻って両方経験するというキャリアも可能だが、エンジニ アを一度極めたくらいの人じゃないと中途半端になる • EMの世界も入るなら、一度EMを極めるくらいの気持ちでやらないと厳しそ う ◦ 自分がどちらを軸にキャリアを築きたいか、キャリアプランを考えておく ことは大切