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投資戦略202209

Pragmaworks
September 07, 2022
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 投資戦略202209

Pragmaworks

September 07, 2022
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  1. 2 2 金融引き締め局面の投資戦略 PWのポートフォリオ構築のための投資戦略骨子を確認します。 ◦経済情勢と大局観 2022年はここもと見られなかった本格的なインフレが確認され、グローバルな金融政策の引き締めと経済成長ペースの鈍化がテーマとなり、種々のアセット クラスが下落しました。債券のパフォーマンスが1980年以降で最も低調に推移し、主要株式指数も大きく調整。一方、ロシアウクライナの地政学リスクに関連 してコモディティは統計開始以来、最も大きくアウトパフォームしました。 2023年に向けて、引き続き金融緩和の段階的引き締め(2022年6月からはQTの開始、利上げ局面の到来)により過剰流動性が解消されること、堅調な労働 力市場、イールドカーブの平坦化、経済成長ペースの鈍化の可能性等を踏まえると、景気サイクルの終盤を意識しながらポートフォリオ運営を心がける必要

    があります。リセッションリスクに対応できるよう、ポジションはやや軽め、ディフェンシブな銘柄選定でキャッシュフローをしっかりと確保することを推奨します。 ✓ 引き続き金融引き締めが継続す るため、株式市場全体の回復は 2023年中旬以降に後ずれする 見込み ✓ 個別企業の企業価値や成長性 に着目して選別的な投資(アル ファ)が必要 ✓ 世界的なインフレのピークアウト が顕著に表れるまで新規投資は 控えることが望ましい。 ✓ 成長のストーリーを描ける企業 の押し目買いチャンスが必ず来 ること、相当な割安感がある銘 柄も多いことから、購入銘柄の リストアップを予め実践 ✓ ETFを活用して、米国のみならず、 成長の見込める地域、セクター を選別した投資を検討する 株式 債券 通貨 オルタナティブ 1. 金利 ✓ 米国債10年利回りは経済指標に応 じてレンジで推移 ✓ 短期金利は高水準で推移 ✓ 超長期については水準次第 2. クレジット ✓ ポートフォリオのインカムゲインを 維持するパーツとして利用 ✓ 短期のTier2劣後債の活用 ✓ アンダーパーの銀行シニア債の活 用 ✓ リセッション時、時間分散にて優良 発行体のAT1銘柄を仕込む 3. デュレーション ✓ 戦略投資銘柄は長めの年限 ✓ 安定的な年限は3-5年ゾーン ✓ ポートフォリオとしては緩やかなラ ダーを構成 4. セクター・エリア ✓ 新興国については、米金利の高止 まりによる相対的な魅力低下、イン フレリスク・取引コスト等の観点から 引き続き慎重な見方 ✓ 2023年は日銀黒田総裁退任、ま た米国インフレ動向、それに伴う 金融政策の見直しが想定される ため上下に大きくぶれる可能性 がある ✓ ドル建て資産を購入するために 必要なUSDの手当てについては、 購入する資産から得られる中長 期的なリターンと、円高リスクと の見合いを検討 ✓ 環境に応じて、ドルを購入するタ イミングは分散する ✓ 新興国通貨は基本的に保有しな い 1. REIT ✓ 日本は個別銘柄、米国はイン デックス投資、私募REITの場合 はファンド活用 ✓ 絶対水準に割安感がないため、 選別的に検討 2. コモディティ ✓ 基本的にキャッシュフローを生み 出さない資産には投資しない 3. ヘッジファンド ✓ ヘッジファンドの銘柄を見て一部 検討 ✓ 流動性と残高に留意しつつファン ドマネージャーを吟味する 4. プライベートエクイティ投資 ✓ 米国PEマーケットにおける、ミド ル~レイトステージの有望な企業 へ投資は引き続き検討 ✓ ただしプライベート市場における バリュエーションの高止まりに注 意 仕組債 ✓ 円建てのニーズに対しては CLN,PRDC(元本確保型仕組債) の活用を検討 ✓ 金利水準上昇により元本確保型 のオルタナ商品でイールドピック アップの検討 Pragmaworksの投資戦略骨子
  2. 3 投資戦略(株式) 株式(Equity) ①足元のテーマ ②方向感 12 1. 強固な参入障壁を持ち、決算が順調な会社はホールド(相場全体が 崩れても、決算に問題ない限り売却しない)。 2.

    もし決算をミスした場合、そのミスの内容を確認することが重要。一 過性の要因で決算が不調だった場合はホールドを継続。 3. グロースやハイテク系の中には、既に割安な水準まで売り込まれて いるものが多数散見される。長期の時間軸で見れば2月以降現在に 至るまで下がった局面は買い場と認識できるが、未だ暫くは高いボ ラティリティが継続すると予想されるため、一回当たりの投資を少額 に抑えるなど時間分散による投資が望ましい。逆に、相場が一旦上 昇を始めると迂闊にエントリーしないことが無難(短期的には高値掴 みとなる可能性大)。 4. 投資の対象は、既に黒字化が定着している高収益体質企業が望ま しい。金融引き締めのタイミングではハイパーグロースなどの赤字決 算企業は株価が上がり難い。この辺の銘柄は事業が成長し、黒字 化が定着するまで気長に待つことを推奨。金利上昇局面では、既に 十分な業歴があり、PLとCFが両方共に黒字化しており、強靭なBSを 持つ企業で、直近の決算で良好な数字を出した先が良い。また、時 価総額が大きい大型銘柄がより望ましい。 5. 今年のジャクソンホール会議で、インフレを退治するまで断固として 金融引締めを継続することをパウエルFRB議長が明言した。元々は、 インフレ緩和の兆候が一定期間確認されたところで引締めの速度を 緩めるべきだとアナウンスしていたが、ジャクソンホールでは態度を 一変させ、インフレを壊滅するまでは断固として金融引締めの手綱 を緩めないことを明言した。これを受けて、今年から来年にかけて金 利が高い水準で水平飛行する可能性が現時点では高く、グロース 株の回復にはもうしばらく時間を要する可能性が高い。 ③投資戦略 ①インフレ動向 ②足元の過剰インフレに向けた対策としての米国金融引締め(FRBバラ ンスシート縮小及び金利引き上げ・米国10年債利回り上昇)⇒ジャクソン ホールにおけるパウエル議長の講演を受けて強く再認識。 ③ウクライナ情勢 ④台湾情勢 株式市場における当面の最重要問題は引き続き「過剰インフレ」。これこ そが昨年後半から続く株式市場調整の諸悪の根源であり、FRBの金融引 き締めを唯一正当化する背景。 当初は、この過剰インフレが一過性のものであるか、或いは中長期的な ものかの判断は年央をめどに明らかになると言われていたが、インフレ が高止まりする状況はもうしばらく継続することが予想される。 一部にはインフレが落ち着きつつあることを示すデータも見られるが、ウ クライナ情勢も状況は膠着しており、引き続き予断を許さぬ状況であるこ とに変わりはない。 8月後半に実施されたジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長の講 演により、改めてFRBのタカ派姿勢が示され、株式市場の落ち着きは来 年中旬以降に持ち越し。 また、米中間の緊張も足下高まりつつあるなど、今後も暫くはボラティリ ティの高い相場が継続することが予想される。
  3. 4 債券(Fixed Income) ①足元のテーマ ②方向感 13 ③投資戦略 通貨(Currency)/米ドル円 ①足元のテーマ ②方向感

    1. 米国インフレ動向 2. 政策金利利上げ回数およびFEDの保有資産圧縮スタンスによる米 国金利動向 3. 米景気の方向感 1. 原則USDポジションをキープし、USD建運用のメリットを享受 2. ドル建て資産を購入するために必要なUSDの手当てについては、 購入する資産から得られるリターンと、円高リスクとの見合いを検 討(円高抵抗力を考慮) 3. 為替差益獲得が目的ではなく、あくまでも、各々の資産運用ゴール に基づいた、通貨分散及び長期的な分散投資が目的であることを 認識し必要であれば為替リスクをとる ③投資戦略 投資戦略(債券・為替) 1. 9月の利上げペースは次回会合までの雇用や物価動向次第。 2. 協調的なFED高官のタカ派発言とパウエル議長によるジャクソン ホールタカ派講演。(米金融当局を中心としたタカ派的な中央銀行) 3. 7,8月の米雇用統計は堅調。CPIは下振れ。 4. ユーロ圏のインフレ高騰、引き締め観測。(欧州のスタグフレーション 懸念) 1. 米長期金利はレンジ内でインフレ指標に一喜一憂も、金利上昇圧力 がかかりやすく、上方へのレンジブレイクの可能性に注意。 2. インフレと景気減速についてコンセンサス醸成まではFRBのハト期待 (株高・金利低下)⇔タカ懸念(株安・金利上昇)のシーソーゲーム。 3. 8月の資本性証券は金利、信用スプレッド共に単価下落方向に寄与。 引き続き弁済順位が低い債券については、株式に連動してボラティ リティは高く、スプレッドはやや拡大基調(単価下落)が続く見通し。 1. 8月は債券全般に単価が下落しました。円ベースではドル円レート の上昇で損益が相殺。ポートフォリオの中核資産としてポジションを 維持し、中長期目線でキャッシュフローをしっかりと受取るスタンス は維持。 2. 景気減速に伴って単価下落時は、資本性証券新規、追加購入の好 機。収益力があり、資本の厚い銀行(発行体)を選択し、CoCosは不 安定な値動きが続く想定のため、複数回にタイミングを分けてエント リしたい。 3. 利上げ&景気悪化観測の際は、3-5年ゾーン中短期の欧州金融劣 後債(Tier2)に投資妙味が出る可能性有。4%台中盤~後半目線、 持ち切り前提でエントリしたい。 4. 長期金利の上方レンジブレイク時は、将来の景気悪化に伴う金利 低下を想定すると、投資適格(IG)社債への購入好機。また、景気悪 化観測によるスプレッド拡大時は10年近辺の劣後債(Tier2)等、 5% 台中盤~後半目線でエントリしたい。 1. 日米金利差の更なる拡大観測によるドル買いが加速 2. ドル売り円買い介入を警戒しながら、1998年の高値147.66円をトライ する展開
  4. 5 5 5 ご留意いただくポイント 〇想定リスク 各シミュレーションから算出された数値は、一定の前提条件の元で計算さ れた概算値のため、実行にあたっては、必ず金融商品取引業者等の専門 機関にご相談ください。 〇その他 本資料の内容は、2020年6月1日時点の税法、その他関連法規に準拠して

    います。今後の関連法規の改正等により相違が生じることがあり、対策内 容の見直しが必要になる場合があります。 今後の政治経済情勢、業界動向の変化によっては、本資料の内容が適合 しなくなる可能性があります。 〇免責事項 本資料は、一般的な考え方の一部を参考資料として記載したものであり、 特定の取引の実現性・実効性を保証し、または実施を勧誘するものではあ りません。 弊社は、お客様に対し法律、税務、あるいは会計上の助言を供するもので はなく、本資料に関する法律、税務、あるいは会計上の十分性、適切性、有 効・妥当性について、いかなる見解を示すものでもありません。 〇その他 本資料に掲載された税務・会計・法律等に関わる事項に関しては、予めお 客様の顧問税理士、公認会計士、弁護士等の専門家にご相談のうえ、総合 的にご判断ください。 免責事項