Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
開発15年のAIネイティブでない 巨大サービスのAI最適化
Search
Sponsored
·
Your Podcast. Everywhere. Effortlessly.
Share. Educate. Inspire. Entertain. You do you. We'll handle the rest.
→
わたり
November 13, 2025
Programming
230
0
Share
開発15年のAIネイティブでない 巨大サービスのAI最適化
わたり
November 13, 2025
More Decks by わたり
See All by わたり
情報の『海』で 溺れないための航海術 〜フロー情報とストック情報の正しい使い方〜
rapicro
0
35
「このコード、捨てます」 カンファレンスの景品抽選アプリ開発から学ぶ、Vibe Codingの現在地
rapicro
0
24
AI時代に求められるエンジニア像と、AI活用の勘所
rapicro
0
81
Other Decks in Programming
See All in Programming
~ 秘伝のタレ化した『神スプシ』と戦う ~ 関数型パラダイムで壊れない仕組みへ
h0r15h0
1
140
今さら聞けないCancellationToken
htkym
0
200
Stage 3 Decorators でできること / できないこと / TSKaigi 2026
susisu
1
1.3k
新規プロダクトを高速で生み出すハーネスエンジニアリング
seanchas116
15
7.4k
Old Dog, New Tricks: The Java 25 Reinvention - JNation
bazlur_rahman
0
140
Claspは野良GASの夢をみるか
takter00
0
140
Technical Debt: Understanding it Rightly, Engaging it Rightly #LaravelLiveJP
shogogg
0
180
AI時代の仕事技芸論 — ソフトウェア開発で「遊ぶように働く」職人的熟達のすすめ
kuranuki
1
520
OSもどきOS
arkw
0
280
tsserverとは何だったのか、これからどうなるのか
nowaki28
1
420
プロパティの順序で型推論が壊れる!? TypeScript6.0の修正からContext-Sensitivityの仕組みを追う
bicstone
2
1.2k
AI 時代のソフトウェア設計の学び方
masuda220
PRO
28
11k
Featured
See All Featured
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
162
16k
Bridging the Design Gap: How Collaborative Modelling removes blockers to flow between stakeholders and teams @FastFlow conf
baasie
0
560
Digital Projects Gone Horribly Wrong (And the UX Pros Who Still Save the Day) - Dean Schuster
uxyall
0
1.5k
Darren the Foodie - Storyboard
khoart
PRO
3
3.4k
Navigating the Design Leadership Dip - Product Design Week Design Leaders+ Conference 2024
apolaine
1
330
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
251
13k
Groundhog Day: Seeking Process in Gaming for Health
codingconduct
0
190
Practical Orchestrator
shlominoach
191
11k
WENDY [Excerpt]
tessaabrams
11
38k
The Organizational Zoo: Understanding Human Behavior Agility Through Metaphoric Constructive Conversations (based on the works of Arthur Shelley, Ph.D)
kimpetersen
PRO
0
340
How to build an LLM SEO readiness audit: a practical framework
nmsamuel
1
760
The Curse of the Amulet
leimatthew05
1
13k
Transcript
開発15年のAIネイティブでない 巨大サービスの AI最適化 〜スマレジ開発現場のリアル〜 わたり @rapicro
わたり • CTO室 プロダクトチーム ◦ 現在はPOSシステム開発 • AIツール ◦ 2022年12月から利用(約3年)
◦ 社内 ▪ AI利用のルール作り / AIツール価値検証や開発最適化 ◦ プライベート ▪ AItuberでLive配信 ▪ PHPカンファレンス関西で使ったツールをVibeCodingで作成
今日お話しすること AIでゼロから高速にプロダクトを作る話はよく聞きます。 しかし、既存の巨大プロダクト開発にAIの支援を導入する場合、 思ったほど効率が上がらないと感じる人は多いと思います。 今日は私たちスマレジのPOS開発チーム が直面した「壁」と それらをどう乗り越えているかをお話しします。
前提: なんのAI使ってるの? AIエージェント: Cursor エディタ: PhpStorm 判断: 性能は「エージェント」より「基盤モデル」の影響が大きい 。 戦略: モデル縛りが少ない
Cursorでモデル進化の恩恵を即享受。 ただしCursorの利用はAIエージェントとしてにとどめ、 エディタとしては静的解析や機械的な補完に富むPhpStormを利用
壁1: AIがレガシーも増幅する (As-Isへの固執) • コード生成時にAIが良くない実装に引っ張られてレガシーコードも増やす! 対策: コメントとルールによる AIの教育 • 「今の正解」を「*
@deprecated xxxを使うこと」コメントやルールで to-beがわかるように記載。 効果: AIがレガシーを「増やす」から「減らす」になり、実装を進めれば負債が減る状態 へ。 after 私たちが直面した壁 before
私たちが直面した壁 壁2: メンバー間の AIスキル格差 • AIの使い方はGitには表れない。メンバー各自で学ぶ状態ではスキルに差がつく。 • 1ヶ月間Cursorの変更適用数が0のメンバーもいた。 対策: 輪読会とAIモブプロを交互に開催
• 輪読会: メンバー間の認識が合い、書籍の内容を「個人の意見」ではなく「 チームの方針」にできる。 初回はリーダブルコードがお勧め。短時間で読めAIの出力改善にも繋がるので読む価値も上がっている。 • AIモブプロ: AIを使った実際の対応をモブプロですることで他メンバーの AI利用方法を学習。 効果: Cursorの適用数が4週連続0だったメンバーが2ヶ月後には1週間あたり適用数10以上へ増加
私たちが直面した壁 壁3: AIに仕様背景が届かない (暗黙知) • ドキュメントがAIが参照できない場所(社内 Wiki、別リポジトリなど)にあったりそもそも無いことも。 ◦ AIが「ドメイン知識」を理解できない!間違った計算式や仕様でコードを生成する。 対策:
重要な知識はリポジトリに置く (Project as Code) • AIが知るべき話はAIが読める場所にMarkdown (.md) として設置。 ◦ CONTRIBUTING.mdやSTRUCTURE.mdを初めとしたmdファイルを作成し、 Cursor Rulesにパスを記載しAIが必要なときに参照できるように。 効果: • AIがプロジェクトの特性を理解した提案を出してくれる ように変化 • 離れた位置にある関連ファイルも修正できるようになった
私たちが直面した壁 壁4: レビューの壁 (時間がない ) • AI支援により生成するコード量( MR数)は増加 しておりレビュアーの負荷が爆上がり。 対策:
AIに「レビューさせる」 • CodeRabbit のようなAIレビューツールを導入しAIに1次レビュー を任せる。 ◦ ツールは何でもよい。CodeRabbitはCIへのAI自動レビュー導入が簡単なのでまず入れるにはよい選択肢。 効果: • 人間のレビュアーはAIによる指摘が解消された後で、より本質的なロジックのレビューに集中 。 • 「(AIが言うくらいだから)改善しないと」という意識変化、メンバー間の指摘による心理的摩擦の減少 に貢献。
トークンの節約Tips 最近の課題として、利用上限にあたるメンバーが出てきている。 • 指示修正は元プロンプトの編集で ◦ AIが間違えた時、追加の指示ではなく 前のプロンプトの編集で指示を追加 。 1. 時を戻してAIに”間違った内容”を覚えさせないことでブレを防ぐ。
2. コンテキスト(トークン)を節約し、精度を上げる。 1. 誤解を恐れずに言えば、コンテキストウィンドウのサイズは バリデーションの閾値 でし かなく収めればその量を理解できるというわけではない。 2. LLMは毎回それまでのインプットとアウトプットも食わせている。 a. スレッドが長くなるほど 1回あたりのトークン消費が増加。 • 同様の理由でタスクを小さく分割して AIに依頼できるとよい。
まとめ AIはプロジェクトに入った「賢い新人」である。なので ... 1. 悪い癖(レガシー)を真似しないよう「ルール(コメント)」で導く (壁1) 2. “上司”(我々)がAIをマネジメントできるよう「学習(輪読会)」する (壁2) 3.
会社の「暗黙知(ドメイン知識)」を「資料( .md)」でインプットする (壁3) 4. 「AIレビュー」で一次チェックし増加する負荷を低減する (壁4)
ご清聴ありがとうございました。 よければもっと話しませんか? スマレジに興味をもってくださった方、ぜひ一度お話ししましょう! ↑ カジュアル面談のお申し込みはこちら https://hrmos.co/pages/smaregi/jobs/2151921176291053569