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プロデザ! BY リクルートvol.17_『じゃらんnet』公式アプリの高速リニューアル事例を...
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March 11, 2024
Technology
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480
プロデザ! BY リクルートvol.17_『じゃらんnet』公式アプリの高速リニューアル事例を大公開
2024/03/14にプロデザ! BY リクルートvol.17で発表した橋本の資料です。
Recruit
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March 11, 2024
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Transcript
〜3つの不確実性と向き合った『じゃらんnet』公式アプリの高速リニューアル事例〜 不確実性が大きいプロダクトのリニューアルを スピーディに実現するには @プロデザ! BY リクルート vol.17 2024/3/14 橋本 悠
プロダクトデザイン室 販促領域プロダクトデザインユニット (プロダクトマネージャー) 1
自己紹介:橋本 悠 1年目〜5年目 営業部 2 学生時代 6年目〜現在 プロダクトデザイン室
プロダクトマネージャー ・2016年 リクルート新卒入社(8年目) ・プロダクトデザイン室 / 旅行領域 所属 昨年は久しぶりの海外へ →
ABテストの結果が出るまで 本番反映が確定できない... 成果が不確実 マスト対応案件もあるし 開発工数をどう分配しよう... デリバリーが不確実 検証したい仮説が多くて どこから手をつけよう... スコープが不確実 こんな悩みはありませんか
プロダクトを大きく変革したいけど、なかなか踏み出せない… 3
本日お話すること 不確実性が大きいプロダクトのリニューアルを スピーディに実現するには 4 成果の不確実性 デリバリーの不確実性 スコープの不確実性 最優先の検証にスコープを絞り一気に改善 攻めと守りの二刀流体制で挑む 積み上げた意義と仮説により
実現可能性を高める合意形成
5 変革のプロセスに潜む不確実性 不確実性 検証 開発着手 要件定義 ビジ検 プロセス 参考書籍:「エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング」
https://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9605-3
6 変革のプロセスに潜む不確実性 不確実性 検証 開発着手 要件定義 ビジ検 スコープの不確実性 成果の不確実性 デリバリーの不確実性
プロセス 参考書籍:「エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング」 https://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9605-3
事例と成果 7
事例:『じゃらんnet』公式アプリのリニューアルプロジェクト 国内最大級の旅行予約サイト『じゃらんnet』の公式アプリ 8
プロジェクトの成果 TOP画面のリニューアルでUX改善 ABテストに勝利し売上貢献 当初想定から工期を3分の1短縮 最優先の検証を新体制の構築で工期の短縮 9 Before After Before After
工期3分の1
背景 プロダクトの理想と現実 10
背景1:目指したい理想の姿 「宿泊予約サービス」から「旅行情報サービス」への進化 = プラスαの”魅力品質”を提供したい 11 魅力品質 プラスαの魅力 一元品質 使いやすさ・便利さ 当たり前品質
信頼できる 出典:トラベルボイス「【年頭所感】リクルート 旅行Division長 宮本賢一郎氏」2024年1月1日更新 https://www.travelvoice.jp/20240101-154701
背景2:直面していた課題 12 魅力品質 プラスαの魅力 一元品質 使いやすさ・便利さ 当たり前品質 信頼できる プラスαの”魅力品質”を提供したい しかし、その前に解決すべき
“一元品質”の課題が・・・! 22の機能が乱立し、メイン機能がわかりにくいTOP画面
背景のまとめ 13 魅力品質 プラスαの魅力 一元品質 使いやすさ・便利さ 当たり前品質 信頼できる プロダクトの理想像 “魅力品質”に向けて、
“一元品質”の改善を早期に実現する! 22の機能が乱立し、メイン機能がわかりにくいTOP画面
最優先課題にスコープを絞り一気に改善 〜 スコープの不確実性を突破〜 14
15 第1の不確実性:スコープの不確実性 (1/2) 不確実性 検証 開発着手 要件定義 ビジ検 スコープの不確実性 成果の不確実性
デリバリーの不確実性 プロセス 参考書籍:「エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング」 https://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9605-3
スコープの不確実性 第1の不確実性:スコープの不確実性 (1/2) ⚖ 機能ごとの 効果検証 検証の フェーズ数 =実現までの スピード
16 どの機能を、どのフェーズで検証していくか
課題:実現までのスピードの課題 機能ごとに細かい検証を繰り返す登り方では、 実現までのスピードに課題・・・ 1サイクル9ヶ月/フェーズ 4フェーズ 17 36ヶ月 開発 効果 計測
振返り 本番 開発 機能ごとの効果検証(イメージ) 機能A 機能B 機能C 機能D
取り組み:最優先の検証スコープに絞る 1. 課題の仮説を絞り込む 18 2. 打ち手の仮説を絞り込む 売上貢献度:高 円の大きさ:経由売上 CTR CVR
最優先の検証スコープに絞るための取り組み(1/2) 19 サービスの主導線を特定 主導線に起動後すぐにアクセスできない課題 図:TOP画面の機能ごとの売上貢献度(イメージ) 1. 課題の仮説を絞り込む 売上貢献度:高 円の大きさ:経由売上 CTR
CVR
最優先の検証スコープに絞るための取り組み(2/2) 20 過去のABテストから有効なパターンを整理 デザイナーと協働でUI仮説を策定 2. 打ち手の仮説を絞り込む
アウトプット:最優先課題にスコープを絞り一気に改善するリニューアル案 現状 ABパターン ✔ 宿を日付目的地から検索できる 検索パネルをTOP画面に配置 21
ナレッジポイント! 「スコープの不確実性」に直面したとき 最優先の検証にスコープを絞り一気に改善 ✔ スピードを優先した検証では、検証スコープの絞り込みが課題 ✔ データや過去事例など、客観的なファクトを納得できるまで 集めきり、優先課題に検証スコープを絞る 22
攻めと守りの二刀流体制で挑む 〜デリバリーの不確実性を突破〜 23
24 第2の不確実性:デリバリーの不確実性 不確実性 検証 開発着手 要件定義 ビジ検 スコープの不確実性 成果の不確実性 デリバリーの不確実性
プロセス 参考書籍:「エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング」 https://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9605-3
既存体制で“守り”のマスト案件との並走では、 “攻め”のリニューアル案件が遅延するリスク...” 課題:デリバリーの不確実性 25 守り案件A 開発 リニューアル 開発 守り案件B 開発
開発スプリント 既存体制 iOS Android 〇〇プロジェクトで 対応が必要! リニューアル 開発 リニューアル 開発 xxプロジェクトでも 対応が必要! 当初の 完了予定🚩 …
開発体制を「守り」の既存保守と 「攻め」のリニューアルに分ける 取り組み:攻めと守りの二刀流体制を構築 26 既存体制 iOS Android 新体制
リニューアル 開発 リニューアル 開発 守り案件A 開発 リニューアル 開発 守り案件B 開発 開発スプリント リニューアル 開発 リニューアル 開発 当初の 完了予定🚩
“リニューアルの早期実現”というプロダクトデザイン室のWillと “技術的負債の解消”というエンジニアのWillが重なる 取り組み背景:プロダクト開発と組織を超えて協業 27 既存体制 iOS Android 新体制
リニューアル 開発 リニューアル 開発 守り案件A 開発 リニューアル 開発 守り案件B 開発 開発スプリント リニューアル 開発 リニューアル 開発 iOS/Android 1コードにより実装工数削減 技術的負債の解消
アウトプット 28 Before After 工期3分の1 最優先の検証にスコープを絞り一気に改善 & 攻めと守りの二刀流体制で挑む 当初想定から工期を3分の1短縮
おまけ:プロジェクト名は Jalan App Transformation = JAX 29 プロジェクト名とプロジェクトロゴ
ナレッジポイント! 「デリバリーの不確実性」に直面したとき 攻めと守りの二刀流体制で挑む ✔ 最速で実現するための体制を 開発組織と協業してつくる 30
積み上げた意義と仮説により 実現可能性を高める合意形成 〜成果の不確実性を突破〜 31
32 第3の不確実性:成果の不確実性 不確実性 検証 開発着手 要件定義 ビジ検 スコープの不確実性 成果の不確実性 デリバリーの不確実性
プロセス 参考書籍:「エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング」 https://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9605-3
検証 開発着手 要件定義 ビジ検 成果の不確実性 プロセス 課題:本番反映の判断軸 “ABテストの結果が出るまで本番反映が確定できない...” 33 参考書籍:「エンジニアリング組織論への招待
~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング」 https://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9605-3
最優先で取り組む意義 取り組み:確実に前進できる成果で合意形成を 積み上げてきた意義と仮説について、決裁者と共通認識を形成 34 検証仮説の妥当性 最速で実現する体制構築
アウトプット:プロダクト責任者ともすり合わせた結果、合意を形成できた 合意内容 できる限り早く変化をしていくには というスピード感にこだわっていきたい プロダクト責任者 本番反映条件 売上の毀損がなければ本番反映を起案 35
ナレッジポイント! 「成果の不確実性」に直面したとき ✔ 最優先で取り組む意義、仮説の信頼性、 最速で実現する体制構築を目線合わせ ✔ 実現可能性が高い条件で本番反映への合意を獲得 36
プロジェクトの成果(再掲) TOP画面のリニューアルでUX改善 ABテストに勝利し売上貢献 当初想定から工期を3分の1短縮 最優先の検証を新体制の構築で工期の短縮 37 Before After Before After
工期3分の1
本日お話すること(再掲) 不確実性が大きいプロダクトのリニューアルを スピーディに実現するためのナレッジ 38 成果の不確実性 デリバリーの不確実性 スコープの不確実性 最優先の検証にスコープを絞り一気に改善 攻めと守りの二刀流体制で挑む 積み上げた意義と仮説により
実現可能性を高める合意形成
Fin. ご清聴ありがとうございました 39