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トヨタ⽣産⽅式(TPS)⼊⾨
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August 05, 2026
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トヨタ⽣産⽅式(TPS)⼊⾨
2026年度リクルート エンジニアコース新人研修の講義資料です。
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August 05, 2026
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Transcript
トヨタ⽣産⽅式(TPS)⼊⾨ 【2026年度 新⼈BootCamp研修】 Indeed Recruit Technologies Co., Ltd. VP 曽根
啓佑
AGENDA 本⽇お話しすること 01 02 03 04 はじめに ⾃⼰紹介‧本資料の構成 トヨタ⽣産⽅式(TPS) TPSとは‧ムダ‧ムラ‧ムリ‧IT/⾃働化/カンバン
プロダクト開発 前提‧ニーズからプル‧JIT/平準化‧⾃働化 今⽇時点でのAI開発を考慮したアップデート 前提‧変化‧おまけ
SECTION 01 01 TOPICS ⾃⼰紹介 本資料の構成 はじめに 03
経歴 2009/04: リクルート新卒⼊社 └〜3年⽬まではホットペッパーグルメの営業 └4年⽬〜エンジニア ‧ホットペッパービューティーや新規事業のエンジニア ‧ゼクシィにおけるオフショア開発の⽴ち上げ 2017/04: ゼネラルマネージャー 任⽤
‧婚活領域におけるPdM兼エンジニアマネージャー ‧HR領域における開発マネジメント 2024/04: 部⻑ 任⽤ 2025/10: VP 任⽤ ‧HR Placement領域の開発担当 TOPICS 曽根 啓佑 出⾝地:神奈川県横浜市 Keisuke Sone 趣味‧‧‧ゲーム、キャンプ、バー巡り
SECTION 01 · 本資料の構成 TPSについて紹介(ベースの知識) → プロダクト開発 本資料の流れ プロダクト開発の話 ④
ツール/⼿段 (カンバン) ① 基本思想 (ニーズや⽬的からプル) ② 考え⽅/前提 (ムリムラムダ/平準化) ③ システム/プロセス (ジャスト‧イン‧タイム /⾃働化) 成り⽴ちの流れ AI開発によるアップデート
SECTION 02 02 トヨタ⽣産⽅式(TPS) TOPICS TPSとは ムダ‧ムラ‧ムリ JIT/⾃働化/カンバン
SECTION 02 · TPSとは 戦後まもない当時のトヨタ⾃動⾞⼯業の豊⽥喜⼀郎⽒が提唱していた考えを⼤野耐⼀⽒らが 体系化し、⽣産ラインのムダ‧ムラ‧ムリを徹底的に排除するために確⽴した⽣産⽅式 7つのムダを定義しそれらを排除するために 「ジャストインタイム(JIT)」と「⾃働化」を2本柱として体系化された⼿法 また、ジャストインタイムと⾃働化を運営するためのツールとして「かんばん」⽅式を⽤いている オイルショック以降、⾼度経済成⻑がストップし、
コストをいかに安くすますかといった時代により注⽬された また、1990年、書籍「リーン⽣産⽅式が、世界の⾃動⾞産業をこう変える」において、 トヨタ⽣産⽅式に新たな呼び名を与えており、 それ以降「リーン⽣産⽅式」としても知られるようになる 引⽤元:トヨタ⽣産⽅式 https://www.diamond.co.jp/book/9784478460016.html
SECTION 02 · ムダ‧ムラ‧ムリ TPSの基本思想 — ニーズ(市場の需要)からプル
SECTION 02 · ムダ‧ムラ‧ムリ ムダ‧‧‧性能がニーズを上回っている状態 ムリ‧‧‧性能がニーズに追いついていない状態 ムラ‧‧‧ムリとムダが発⽣するように性能にバラツキがある状態 性能 ムダ ムダ
ムリ ムラ ニーズ (市場の需要) ムリ 時間
SECTION 02 · ムダ‧ムラ‧ムリ 7つのムダ - 最⼤のムダは、「作り過ぎのムダ」/「余分な機能のムダ」 引⽤元:トヨタ⽣産⽅式 https://www.diamond.co.jp/book/9784478460016.html 引⽤元:リーン開発の本質
https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/08/P83500/
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン JIT以前の常識 - 同種/同型の部品をまとめて作成、ロットは⼤きく プレスライン ロットは⼤きく まとめて作業
加⼯ライン 組⽴ライン ロットは⼤きく まとめて作業
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン 各⼯程に⼿持ち在庫が必要になる → 在庫から⽣じる恐れのある「作りすぎのムダ」が発⽣ プレスライン 加⼯ライン ロットは⼤きく
まとめて作業 在庫 組⽴ライン ロットは⼤きく まとめて作業 在庫
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン 作り過ぎのムダ → 管理‧⼟地‧建物の負担が発⽣ プレスライン 加⼯ライン ロットを⼤きくして
まとめて作業 ⼟地や施設や管理の負担 ⼟地や施設や管理の負担 組⽴ライン ロットを⼤きくして まとめて作業
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン 作り過ぎのムダ → 管理‧⼟地‧建物の負担が発⽣ プレスライン 加⼯ライン 組⽴ライン
どうしても間接コストが膨らんでしまう構造 ロットを⼤きくして まとめて作業 ⼟地や施設や管理の負担 ⼟地や施設や管理の負担 ロットを⼤きくして まとめて作業
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン 必要なものを必要なときに必要な分だけラインサイドに到着する作り⽅ 後⼯程が前⼯程に必要なものを、必要なときに、必要な量だけ引き取りに⾏く⽅式 プレスライン 前⼯程は 引き取られた 分だけ作成
加⼯ライン 後⼯程が 後工程が 必要な分だけ 必要な分だけ 取りに⾏く 取りに行く 組⽴ライン
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン ただし、後⼯程が引き取る量のばらつきが⼤きいと、 前⼯程は余分な設備や⼈を抱え込まざるをえなくなる プレスライン 組⽴ライン 加⼯ライン 加⼯ラインはさらにまとめて
プレスラインの完成品 を引き取ってしまい‧‧‧ 組⽴ラインが まとめて加⼯ラインの完成品 を引き取ってしまうと‧‧‧ 加⼯ラインが たちまち⽋品を起こす 結果として ⼤量の在庫を抱えないと いけなくなる
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン 後⼯程の⽣産のバラツキの影響は前⼯程に遡るほど⼤きくなる プレスライン 前⼯程の プレスラインは たちまち混乱して しまう
組⽴ライン 加⼯ライン 加⼯ラインはさらにまとめて プレスラインの完成品 を引き取ってしまい‧‧‧ 組⽴ラインが まとめて加⼯ラインの完成品 を引き取ってしまうと‧‧‧
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン 後⼯程の⽣産のバラツキの影響は前⼯程に遡るほど⼤きくなる プレスライン 組⽴ライン 加⼯ライン 結局、間接コストが膨らんでしまう。。 前⼯程の
プレスラインは たちまち混乱して しまう 加⼯ラインはさらにまとめて プレスラインの完成品 を引き取ってしまい‧‧‧ 組⽴ラインが まとめて加⼯ラインの完成品 を引き取ってしまうと‧‧‧
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン 「⽣産の平準化」 ⽣産の流れの表⾯を穏やかに、ロットをなるべく⼩さくしてばらつきを抑える プレスライン 加⼯ライン 組⽴ライン ⽣産量
ロットを⼩さ くしてばらつ きを抑える ロットを⼩さ くしてばらつ きを抑える ロットを⼩さ くしてばらつ きを抑える 時間
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン ちょっと⼀休み - 今までの話を雑にまとめると JIT = なるべくリアルタイムに必要な分だけ市場に届ける
①従来の考え⽅で、まとめて⽣産、ロット⼤きく → 作り過ぎのムダが発⽣(ムリ‧ムダ‧ムラ) ↓ ②市場ニーズからプルしてくる(基本思想) ↓ ③ロットを⼩さくする‧平準化 = 流れる量を減らす(ムリ‧ムダ‧ムラを無くす) ↓ ④その分市場に対して早く届けられる →1リソースではなく流れる対象(案件)にフォーカスしている = フロー効率性を重視しているとも⾔える ↓ ⑤市場のニーズが変わっても柔軟に届けられる(作り過ぎのムダ、余分な機能のムダをなくす)
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン 「⾃働化」 ‧⾃動停⽌装置付きの機械によって、異常を⾃動検知できる仕組み ‧また異常が発⽣した際に、作業者がラインをストップさせることを徹底する →不良品の発⽣を防⽌し、作り過ぎを抑えることができる ⾃働化の改善サイクル ②機械や
ラインが ⽌まる(⽌める) ③真因を ⾒つけて 取り除く ①異常を検知 ④品質が 作り込まれる
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン 品質が⼯程で作り込まれ、結果として各⼯程での⽣産のバラツキが抑えられる ⽣産の流れを作るJITにおいて、⾃働化は必要不可⽋な仕組み ニンベンのない⾃動化 異常(不良品)が混じり込んでも検査まで気づけない 品質が悪いと⼿戻りを⽣み、⽣産速度が低下する。結果として在庫を抱え始めることに プレスライン
加⼯ライン 組⽴ライン 検査 異常検知 ⼿戻りの発⽣ ニンベンのついた⾃働化 異常発⽣時に発⽣現場でラインが⽌まるため、その異常に対する処置がその場で施される = ⾃⼯程完結 プレスライン 加⼯ライン 組⽴ライン 異常検知 異常検知 改善 検査 改善
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン TPSの運⽤⼿段のために作られたツール 「いつ、どこで、何が、どれだけ使われたか」が書いてある1枚のカード ‧かんばんが外れた分だけ後⼯程が前⼯程へ引き取りにいく(ニーズからプルしている) ‧かんばんのないときは運ばない、作らない(作り過ぎ‧運搬のムダを抑える) ‧100%の良品でなければならない(⾃働化/⾃⼯程完結の実現) A
引取りかんばんの流れ A ⽣産指⽰かんばんの流れ 前⼯程 ①剥がされた⽣産指⽰かんばん の数だけ部品を造る 後⼯程 A ②引取りかんばんを もって部品を取りに⾏く A A A A ②⽣産指⽰かんばんを造った商品に つけて置き場におく ③⽣産指⽰かんばんを外し、 引取りかんばんかんばんをつける ①使うときに 引取りかんばんを外す A ④引取りを付けた部品を後⼯程に運ぶ
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン ‧かんばんのないときは運ばない、作らない(作り過ぎ‧運搬のムダを抑える) →WIP制限をかける。例えばWIP:3まで そのレーンに4つ以上チケットを追加する場合は1つ完了させてから追加する。 (始める前に、終わらせることから始めることで作りすぎのムダを抑える) ‧100%の良品でなければならない(⾃働化/⾃⼯程完結の実現) →各レーン毎にDoneの定義を設定する
※⼩さくて⾒づらくてごめんなさい
SECTION 02 · JIT/⾃働化/カンバン カンバンレーン毎の在庫量やリードタイムを 累積フローダイアグラムのレポートを使⽤すればすぐに可視化できる 在 庫 数 リードタイム
在 庫 の 推 移
SECTION 03 03 TOPICS 前提 ニーズからプル JIT/平準化 ⾃働化 プロダクト開発 03
SECTION 03 · 前提 前提となる考え 引用元スライド:https://speakerdeck.com/recruitengineers/business-value-and-engineering-2022
SECTION 03 · ニーズからプル プロダクト開発におけるニーズからプルしてくる流れはTPSそのもの 作り過ぎのムダを抑えるために、 ニーズに対して必要最低限の価値あるもの(MVP)を構築する
SECTION 03 · ニーズからプル 素うどん= 必要最低限の価値あるもの(MVP) の話 かもしれない市場のニーズには、リリース後の計測と学習で必要に応じて追加していく 市場のニーズの整理 =
完成品(MVP)において何が必要かを整理する 1)天ぷらうどんは美味しいので、天ぷらうどんで! 3)卵アレルギーに対応しなくてはいけないので、卵は入れられない 4)忙しい顧客がターゲットなので、早く食べられるものがよい ★最終的なHow)素うどんならすぐ作れるし最低限のニーズはみたしている から、素うどんにしよう! 2)ネギ、七味唐辛子、白ごまの薬味やトッピングがあったほうが 売れそう。なんなら天かすも追加しておこう リリース 計測・学習 5)意外と 生姜と大葉の トッピングあったほう がいいかも
SECTION 03 · JIT/平準化 プロダクト開発におけるJIT/平準化 = フロー効率 引用元スライド:https://i2key.hateblo.jp/entry/2017/10/02/081429
SECTION 03 · JIT/平準化 スキルの平準化もTPSの「⽣産の平準化」において重要 開発チームのスキル運⽤マップの⼀例
SECTION 03 · JIT/平準化 平準化を実現するための体制例 =作業者の多⼯程持ち 企画担当 分析担当 開発担当
SECTION 03 · JIT/平準化 TPSの多⼯程持ちの考え⽅を開発現場に落とし込むと、 1ロール/1チームが全⼯程を担当するほうが効率が良いという話になる。 他チームへの引き継ぎのムダや待ち時間の削減をすることができる。 所謂ブルックスの法則と同じ話 - コミュニケーションパスが増えると⼤体はスループットが落ちてくる
SECTION 03 · ⾃働化 各⼯程での⾃⼯程完結の取り組み例 要件定義 設計/実装 異常検知 改善 承認フロー
Doneの定義‧‧‧ 結合テスト 受け⼊れ テスト 異常検知 改善 Formatter/Linterの導⼊ テストコード コード品質のモニタリング レビューの型化‧‧‧ 形式知‧標準化 ワーキングアグリーメント 開発ポータル プロセス定義‧‧‧ 移⾏ リリース
SECTION 03 04 TOPICS 前提 変化 おまけ 今⽇時点でのAI開発を考慮した アップデート 03
SECTION 04 · 前提 AI開発における前提 - 需要の解放
SECTION 04 · 前提 AI開発における前提 - テーラーメイド化
SECTION 04 · 前提 AI開発における前提 - 繰り返される歴史
SECTION 04 · 変化 開発における変化 - 「事後コスト」の爆発
SECTION 04 · 変化 体制における変化 - 多⼯程持ち × AI 問い⽴て
課題設定 ‧‧‧ AI 作業 タスク ‧‧‧ 開発⼯程 AI AI AI AI
SECTION 04 · 変化 体制における変化 - 多⼯程持ち × AI =
より境界があいまいになっていく
SECTION 04 · 変化 体制における変化 - 多⼯程持ち × AI 案件①
AI AI AI AI AI AI AI AI AI AI AI AI AI AI AI AI AI AI AI AI 案件② 案件③ 案件④ 開発工程
SECTION 04 · 変化 ここまでのまとめ 作るエンジニアリングと同様に維持するエンジニアリングが 事業価値において重要になる ROIのIが0に近づいていく ボトルネック =
作る (スループットの上限 = 限界) 維持するエンジニアリングも重要になる AI時代 × TPS 事後コストの爆発 → 事後コストに 対しての効率化 並走度が上がる → フロー効率 × 並走度
SECTION 04 · おまけ V字型からI字型っぽくなってきている 詳細設計から単体まではAI開発され、その結果、⼈はビジネス検討/要件定義から受け⼊れ試験を⾏き来しだす システム /受 け入れ ビジ検
シス テム/ 受け 入れ ビジ 検 Human 要件定義 結合 基本/詳細設 計 単体 実装 要件 定義 結合 基本/ 詳細 設計 単体 AI 実装
SECTION 04 · おまけ ニーズからのプルがより容易に ⼈がやる上流⼯程もClaude code等で先にモック作成による検証を終えてから設計に⼊ることが増えてきている。 このリリース後のイメージ作成がより簡単になって来ている印象 pullしやすくなる システム
/受 け入れ ビジ検 シス テム/ 受け 入れ ビジ 検 Human 要件定義 結合 基本/詳細設 計 単体 実装 要件 定義 結合 基本/ 詳細 設計 単体 AI 実装
SECTION 04 · おまけ ⼯程単位の⾃働化ではなくなる AI⼯程で検知された異常はコンテキストエンジニアリングによる改善 となると、検知する⼯程 = 改善する⼯程 がイコールにならなくなってきている
システム /受 け入れ ビジ検 シス テム/ 受け 入れ ビジ 検 Human 要件定義 要件 定義 結合 結合 改善 基本/詳細設 計 単体 単体 AI 実装 異常検知 改善 基本/ 詳細 設計 実装 異常検知 改善 異常検知
SECTION 04 · おまけ 最後に軽く具体例の紹介をして終わります