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数理最適化技術活用のための取り組みと事例 / techmeetup4_nishimura
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February 18, 2022
Technology
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9k
数理最適化技術活用のための取り組みと事例 / techmeetup4_nishimura
2022/02/17_RECRUIT TECH MEETUP #4での、西村の講演資料になります
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February 18, 2022
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Transcript
数理最適化技術活用のための取り組みと事例 株式会社リクルート 西村 直樹
[email protected]
1
2 ⾃⼰紹介 ⻄村 直樹 株式会社リクルート プロダクト統括本部 データ推進室 横断データソリューショングループ 2015年⼊社 じゃらん,ホットペッパー
などのウェブサービスにて データ施策の企画、推進を担当 ⽒名 所属 略歴
• 2021年9⽉に 「Pythonではじめる数理最適化」 という本を共著で書きました • 4章の「割引クーポンキャンペーン の効果最⼤化」のテーマを担当 3 ⾃⼰紹介
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 4
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 5
6 リクルートのデータ組織︓データ推進室 • 各種販促やHR、SaaSといったビジネス 領域毎に構成される「縦の組織」とデータ エンジニアリング/データマネジメントと いった専⾨機能毎にまとまった「横の組織」 を併せ持つマトリクス構造 • 「縦の組織」では、領域ごとの戦略に基づき
様々なデータ施策を推進 Recruit data blog リクルートデータ組織のブログはじめました 参考: データ推進室の組織構造
7 データ組織での数理最適化技術の活⽤ • 機械学習による予測のタスクは各事業領域 で多く活⽤されるように (私⾒) • すべての技術について、どの事業領域にも ⼗分にひとがいる、というわけではない •
数理最適化技術については、解くべき課題を 計算機で解ける形の問題としてモデリング する部分にハードルがあり、予測タスクと ⽐べると活⽤実績は少ない 数理最適化の技術普及や案件探索のために ⼤阪⼤学の梅⾕先⽣と実施している取り組み と活⽤施策について紹介 リクルートの事業領域の例
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 8
• 個別案件としては2018年度 から共同研究を実施してきた • 2020年度から⽉次の頻度で、 各回複数領域の案件を相談や 議論させていただいている 9 取り組み① 数理最適化案件相談
• 担当者だけでなく専⾨家や参加者も複眼的に解決策を検討 • 客観的な観点が⼊るため、既存⼿法調査や検証がより丁寧に 10 利点① 案件の成功確度の向上 事業領域外 分析者 案件ディレクター
専⾨家 (⼤学教員) 複眼的な検討 案件担当 分析者 複眼的な検討により 案件の成功確度が向上
11 利点② 社内分析者の知⾒獲得 • ひとりが1期で担当できる案件数には限りがある • ⾃⾝の案件に加えて他の案件の検討にも参加することで 実課題の解決策の引き出しが増える 専⾨家 (⼤学教員)
知⾒獲得 事業領域外 分析者 案件担当 分析者 多様な実ケーススタディに ついての議論により知⾒獲得
12 利点③ 社内分析者の活躍機会の創出 • 検討のみ参加していた案件へ、途中から参画を希望して もらい、活躍機会が創出されたことも 専⾨家 (⼤学教員) 案件参画 事業領域外
分析者 案件担当 分析者 技術適性のある案件への 参画機会の創出
• 社内での数理最適化技術の 普及と案件探索を⽬的として 昨年より隔週の頻度で開催 • 事例紹介など案件企画者も 対象とする回と、実装者向けに アルゴリズムなどの詳細も扱う 回を区別してアナウンス 13
取り組み② 数理最適化セミナー
14 取り組み② 数理最適化セミナー n コンテンツ • 事例紹介・技術活⽤の⽅法論 • アルゴリズムなどの講義 •
社内事例のパネルディスカッション • ・・・ 本セミナーがきっかけで、専⾨外 のメンバーが数理最適化の活⽤を 着想し適⽤された案件もでてきた
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 15
16 事業制約を考慮したメール配信、レコメンド n 課題 • 素朴にスコアの⾼い順にメール配信、 レコメンドすると事業制約を満たせない n アプローチ •
制約条件のもとでアクション数が 最⼤となるような配信割当を決定 • 制約条件が満たされるようなスコア 補正係数を算出 ユーザー コンテンツ 広告B 広告A
17 費⽤制約を考慮したインセンティブ※配信 ※ポイントやクーポンなど n 課題 • 投資対効果が最⼤化されるような インセンティブ配信対象を決定したい n アプローチ
• インセンティブ付与、⾮付与の場合の アクション率を推定 • 費⽤制約や配信制約のもとでアクション数 が最⼤化される配信対象を決定 ユーザー カテゴリー ヘアサロン リラクゼーション ネイルサロン
18 フリーペーパーの配送計画 n 課題 • 各ラックでのフリーペーパーのはけ具合、 積載重量・配送可能件数などを考慮して ルートを決定したい n アプローチ
• 配送における制約や⾞両台数制約のもとで 配送時間を最⼩化 • ラックに配達可能な時間枠も考慮
19 テレビCMの配信枠への割当 n 課題 • CM対象で⼀定回数以上視聴するユーザー 数を最⼤化するように各サービスの枠に 対する配信割当を決めたい n アプローチ
• TV視聴ログからどの枠をどの属性の ユーザーが視聴するかを推定 • 推定値に基づき、枠に対して配信するCM を決定 A局 B局 C局 D局 E局 18 20 19 21 時刻 配信候補 CM1 CM2 CM3
20 キッチンモニターでの調理順サジェスト n 課題 • 全体の調理遅れ時間の総和が最⼩となる ような調理開始順をサジェストしたい n アプローチ •
過去の注⽂、提供時間の分布から調理 終了期限を設定 • その時点での注⽂と終了期限から遅れ 時間を最⼩とする調理対象を推薦 時刻 調理終了期限 注⽂-調理終了時間 調理中 遅れ 遅れ 遅れ 遅れ 遅れ 遅れ 遅延時間
• 数理最適化の課題解決、案件創出のための産学連携での 取り組みと、社内事例について紹介した • リクルートでの数理最適化の事例などについて、@ITにて 2⽉以降より連載予定 • 取り組みの詳細に興味を持っていただける⽅はカジュアル ⾯談にて、ぜひお話させてください 21
おわりに