Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
数理最適化技術活用のための取り組みと事例 / techmeetup4_nishimura
Search
Recruit
PRO
February 18, 2022
Technology
4
8.5k
数理最適化技術活用のための取り組みと事例 / techmeetup4_nishimura
2022/02/17_RECRUIT TECH MEETUP #4での、西村の講演資料になります
Recruit
PRO
February 18, 2022
Tweet
Share
More Decks by Recruit
See All by Recruit
Azure Functions HTTPトリガーにおけるタイムアウトでハマったこと
recruitengineers
PRO
2
160
実務につなげる数理最適化
recruitengineers
PRO
6
690
うちにも入れたいDatadog
recruitengineers
PRO
2
380
リクルートのデータ基盤 Crois 年3倍成長!1日40,000コンテナの実行を支える AWS 活用とプラットフォームエンジニアリング
recruitengineers
PRO
2
330
Splunk Enterpriseで S3のデータを直接検索してみた!
recruitengineers
PRO
2
150
Looker APIを使い倒す ユーザーフィードバックを基にした継続的改善サイクル
recruitengineers
PRO
3
57
Kaggleふりかえり会〜LLM 20 Questions & ISIC 2024
recruitengineers
PRO
2
240
Balancing Revenue Goals and Off-Policy Evaluation Performance in Coupon Allocation
recruitengineers
PRO
2
51
Flutterによる 効率的なAndroid・iOS・Webアプリケーション開発の事例
recruitengineers
PRO
0
390
Other Decks in Technology
See All in Technology
watsonx.ai Dojo #5 ファインチューニングとInstructLAB
oniak3ibm
PRO
0
160
第3回Snowflake女子会_LT登壇資料(合成データ)_Taro_CCCMK
tarotaro0129
0
190
re:Invent をおうちで楽しんでみた ~CloudWatch のオブザーバビリティ機能がスゴい!/ Enjoyed AWS re:Invent from Home and CloudWatch Observability Feature is Amazing!
yuj1osm
0
120
マルチプロダクト開発の現場でAWS Security Hubを1年以上運用して得た教訓
muziyoshiz
3
2.3k
終了の危機にあった15年続くWebサービスを全力で存続させる - phpcon2024
yositosi
10
9.2k
ハイテク休憩
sat
PRO
2
150
オプトインカメラ:UWB測位を応用したオプトイン型のカメラ計測
matthewlujp
0
170
どちらを使う?GitHub or Azure DevOps Ver. 24H2
kkamegawa
0
790
Fanstaの1年を大解剖! 一人SREはどこまでできるのか!?
syossan27
2
170
How to be an AWS Community Builder | 君もAWS Community Builderになろう!〜2024 冬 CB募集直前対策編?!〜
coosuke
PRO
2
2.8k
マイクロサービスにおける容易なトランザクション管理に向けて
scalar
0
130
20241220_S3 tablesの使い方を検証してみた
handy
4
410
Featured
See All Featured
Scaling GitHub
holman
458
140k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
266
13k
The Invisible Side of Design
smashingmag
298
50k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
95
5.2k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
127
18k
How to train your dragon (web standard)
notwaldorf
88
5.7k
Building Flexible Design Systems
yeseniaperezcruz
327
38k
Product Roadmaps are Hard
iamctodd
PRO
49
11k
Optimizing for Happiness
mojombo
376
70k
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
280
13k
Side Projects
sachag
452
42k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1030
460k
Transcript
数理最適化技術活用のための取り組みと事例 株式会社リクルート 西村 直樹
[email protected]
1
2 ⾃⼰紹介 ⻄村 直樹 株式会社リクルート プロダクト統括本部 データ推進室 横断データソリューショングループ 2015年⼊社 じゃらん,ホットペッパー
などのウェブサービスにて データ施策の企画、推進を担当 ⽒名 所属 略歴
• 2021年9⽉に 「Pythonではじめる数理最適化」 という本を共著で書きました • 4章の「割引クーポンキャンペーン の効果最⼤化」のテーマを担当 3 ⾃⼰紹介
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 4
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 5
6 リクルートのデータ組織︓データ推進室 • 各種販促やHR、SaaSといったビジネス 領域毎に構成される「縦の組織」とデータ エンジニアリング/データマネジメントと いった専⾨機能毎にまとまった「横の組織」 を併せ持つマトリクス構造 • 「縦の組織」では、領域ごとの戦略に基づき
様々なデータ施策を推進 Recruit data blog リクルートデータ組織のブログはじめました 参考: データ推進室の組織構造
7 データ組織での数理最適化技術の活⽤ • 機械学習による予測のタスクは各事業領域 で多く活⽤されるように (私⾒) • すべての技術について、どの事業領域にも ⼗分にひとがいる、というわけではない •
数理最適化技術については、解くべき課題を 計算機で解ける形の問題としてモデリング する部分にハードルがあり、予測タスクと ⽐べると活⽤実績は少ない 数理最適化の技術普及や案件探索のために ⼤阪⼤学の梅⾕先⽣と実施している取り組み と活⽤施策について紹介 リクルートの事業領域の例
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 8
• 個別案件としては2018年度 から共同研究を実施してきた • 2020年度から⽉次の頻度で、 各回複数領域の案件を相談や 議論させていただいている 9 取り組み① 数理最適化案件相談
• 担当者だけでなく専⾨家や参加者も複眼的に解決策を検討 • 客観的な観点が⼊るため、既存⼿法調査や検証がより丁寧に 10 利点① 案件の成功確度の向上 事業領域外 分析者 案件ディレクター
専⾨家 (⼤学教員) 複眼的な検討 案件担当 分析者 複眼的な検討により 案件の成功確度が向上
11 利点② 社内分析者の知⾒獲得 • ひとりが1期で担当できる案件数には限りがある • ⾃⾝の案件に加えて他の案件の検討にも参加することで 実課題の解決策の引き出しが増える 専⾨家 (⼤学教員)
知⾒獲得 事業領域外 分析者 案件担当 分析者 多様な実ケーススタディに ついての議論により知⾒獲得
12 利点③ 社内分析者の活躍機会の創出 • 検討のみ参加していた案件へ、途中から参画を希望して もらい、活躍機会が創出されたことも 専⾨家 (⼤学教員) 案件参画 事業領域外
分析者 案件担当 分析者 技術適性のある案件への 参画機会の創出
• 社内での数理最適化技術の 普及と案件探索を⽬的として 昨年より隔週の頻度で開催 • 事例紹介など案件企画者も 対象とする回と、実装者向けに アルゴリズムなどの詳細も扱う 回を区別してアナウンス 13
取り組み② 数理最適化セミナー
14 取り組み② 数理最適化セミナー n コンテンツ • 事例紹介・技術活⽤の⽅法論 • アルゴリズムなどの講義 •
社内事例のパネルディスカッション • ・・・ 本セミナーがきっかけで、専⾨外 のメンバーが数理最適化の活⽤を 着想し適⽤された案件もでてきた
Contents 1. 背景:リクルートのデータ組織 2. 数理最適化の産学連携の取り組み 3. 数理最適化活用施策の紹介 15
16 事業制約を考慮したメール配信、レコメンド n 課題 • 素朴にスコアの⾼い順にメール配信、 レコメンドすると事業制約を満たせない n アプローチ •
制約条件のもとでアクション数が 最⼤となるような配信割当を決定 • 制約条件が満たされるようなスコア 補正係数を算出 ユーザー コンテンツ 広告B 広告A
17 費⽤制約を考慮したインセンティブ※配信 ※ポイントやクーポンなど n 課題 • 投資対効果が最⼤化されるような インセンティブ配信対象を決定したい n アプローチ
• インセンティブ付与、⾮付与の場合の アクション率を推定 • 費⽤制約や配信制約のもとでアクション数 が最⼤化される配信対象を決定 ユーザー カテゴリー ヘアサロン リラクゼーション ネイルサロン
18 フリーペーパーの配送計画 n 課題 • 各ラックでのフリーペーパーのはけ具合、 積載重量・配送可能件数などを考慮して ルートを決定したい n アプローチ
• 配送における制約や⾞両台数制約のもとで 配送時間を最⼩化 • ラックに配達可能な時間枠も考慮
19 テレビCMの配信枠への割当 n 課題 • CM対象で⼀定回数以上視聴するユーザー 数を最⼤化するように各サービスの枠に 対する配信割当を決めたい n アプローチ
• TV視聴ログからどの枠をどの属性の ユーザーが視聴するかを推定 • 推定値に基づき、枠に対して配信するCM を決定 A局 B局 C局 D局 E局 18 20 19 21 時刻 配信候補 CM1 CM2 CM3
20 キッチンモニターでの調理順サジェスト n 課題 • 全体の調理遅れ時間の総和が最⼩となる ような調理開始順をサジェストしたい n アプローチ •
過去の注⽂、提供時間の分布から調理 終了期限を設定 • その時点での注⽂と終了期限から遅れ 時間を最⼩とする調理対象を推薦 時刻 調理終了期限 注⽂-調理終了時間 調理中 遅れ 遅れ 遅れ 遅れ 遅れ 遅れ 遅延時間
• 数理最適化の課題解決、案件創出のための産学連携での 取り組みと、社内事例について紹介した • リクルートでの数理最適化の事例などについて、@ITにて 2⽉以降より連載予定 • 取り組みの詳細に興味を持っていただける⽅はカジュアル ⾯談にて、ぜひお話させてください 21
おわりに