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1. An Empirical Study on Configuration Errors in Commercial and Open Source Systems 2013/11/13 1
2. 出典・著者 • 出典 • Symposium on Operating Systems Principles 2011 • 著者 • Zuoning Yin ら ( Univ. of Illinois at Urbana Champaign ) • Jing Zheng ら ( Univ. of California, San Diego ) • Lakshmi N. Bairavasundaram ら ( NetApp, Inc. )
   
3. 背景 - システム障害の原因 • システム障害の中で最も多い原因は「設定ミス」 • ユーザの問題報告の中で最も多いのも「設定ミス」 10% 25% 15% 20% 31% 設定ミス ハードウェア障害 バグ ユーザの環境 ユーザの知識 ユーザから報告された問題の原因
   
4. 背景 - 設定ミスの原因 • 「設定ミス」の原因は誰にあるのか？ • ミドルウェアの開発者？ • ミドルウェアのユーザ？ • 開発者は設定用のインタフェースを作るとき、　 　 十分な考慮をしていない
   
5. 背景 - 設定ミスを減らすには • ユーザはどのような種類の設定ミスをするのか？ • 設定ミスを引き起こしやすい値はどんなものか？ • ユーザのどのような行動が設定ミスを起こすか？ • … • => どのような設定ミスがあるのか知る必要がある
   
6. 目的と問題 • 目的 • 実在する設定ミスについての特徴を理解する • 設定ミスに関する研究結果を開発者達に明らかにする • 問題 • 設定ミスはこれまで厳密に集計されたことがない • 設定ミスを理解するのは難しい
   
7. 方針 • 設定ミスを無作為に集計 • 直近2年間で発生したもの • 集計するのに十分な量のサンプルを集める • 設定ミスを分類する • 様々な開発者による検証を行う
   
8. 調査するデータ システム サンプル数 商用 COMP-A 309 オープンソース CentOS 60 MySQL 55 Apache 60 OpenLDAP 62 合計 546
   
9. 調査のルール • サーバサイドのソフトウェアに関してのみ調査 • 他のソフトウェアに関しては別の特徴がある • ユーザから報告があった設定ミスに関してのみ調査
   
10. 調査結果の分析 • 調査結果を以下の視点から分析 • 種類 • 反応 • 原因 • 影響範囲
    
11. 調査結果の分析 • 調査結果を以下の視点から分析 • 種類 • 反応 • 原因 • 影響範囲
    
12. 設定ミスの種類 • 設定ミスの種類はまず以下の3つに分類される • パラメータエラー • 互換性によるエラー • その他のエラー
    
13. 設定ミスの種類 COMP-A CentOS MySQL Apache Open LDAP 0 25 50 75 100 9.7 8.3 11.7 10.4 11.2 8.3 14.5 18.3 10 79 83.4 85.5 70 79.6 パラメータ 互換性 その他
    
14. 設定ミスの種類 • 設定ミスの大半はパラメータの誤りである • システムはパラメータによる設定を可能な限り　 減らすべき • 自動で設定してくれる方が好ましい
    
15. パラメータの誤りの例 COMP-A InitiatorName: iqn:DEV_domain MySQL: autocommit = True • COMP-Aの設定では小文字のみ利用することが出来る • 設定が読まれないので、デバイスを認識できない • 設定自体は正しいが… • INSERT文が集中するような環境では高負荷になる
    
16. パラメータの誤り • パラメータの誤りを更に分類 • legalなもの • illegalなもの COMP-A: InitiatorName: iqn:DEV_domain • 設定自体が正しくないのでillegal • 設定自体は正しいのでlegal MySQL: autocommit = True
    
17. legal/illegalの分布 COMP-A CentOS MySQL Apache Open LDAP 0 25 50 75 100 53.1 46 48.9 38.1 53.7 46.9 54 51.1 61.9 46.3 legal illegal
    
18. legal/illegal • legalな設定ミスとillegalな設定ミスはほぼ同数 • illegalな設定ミスは比較的容易に検出が可能
    
19. illegalな設定ミス • ここでは更にillegalな設定ミスに関して分析 1. フォーマットエラー 2. 設定値のエラー 2.1.不一致な設定値 2.2.その他の設定値エラー
    
20. COMP-A CentOS MySQL Apache Open LDAP 0 25 50 75 100 4 22 31 19 9 69 26 4 6 11 27 52 65 75 80 フォーマット 不一致な設定値 その他の設定値 illegalな設定ミスの分布
    
21. フォーマットエラーの例 (1) • COMP-Aでは小文字の設定値のみ　 利用可能 • OpenLDAPでは overlay ppolicy の 前にppolicy用のスキーマをinclude する必要がある • mysql.soがrecode.soに依存してい るため、この順番でextensionを読 み込むとsegmentation faultで Apacheが落ちる OpenLDAP: include schema/ppolicy.schema overlay ppolicy Apache: extension = mysql.so ...... extension = recode.so COMP-A: InitiatorName: iqn:DEV_domain
    
22. フォーマットエラー • 書式の制約は非直感的である • ユーザがフォローするのは難しい • 大文字・小文字と言ったような制約は特に • 書式の制約は値の設定ミスより検出が容易である
    
23. 不一致な値の例 (1) MySQLの不一致な値の設定: log_output=“Table” … log=/path/to/query.log • MySQLのログの書き出し先が不一致 • 不一致な設定だとテーブルに出力 MySQLの正しい設定 (1): log_output=“File” … log=/path/to/query.log MySQLの正しい設定 (2): log_output=“Table”
    
24. 不一致な値の例 (2) my.cnf: max_connections = 300 ! php.ini: mysql.max_persistent = 400 • MySQLの接続許可数とPHPのMySQLへの接続許可数が不一致 • PHPのMySQL接続許可数の方が小さいべき
    
25. 不一致な値の設定ミス • 値の整合性による制約はエラーを引き起こしやすい • 値の整合性は複数のシステムにまたがる可能性がある • ユーザがチェックするのはより困難になる
    
26. 調査結果の分析 • 調査結果を以下の視点から分析 • 種類 • 反応 • 原因 • 影響範囲
    
27. 反応の分類 • 設定ミスによるソフトウェアの反応を3つに分類 • ピンポイントな反応 ← 良い反応 • はっきりとしない反応 • 沈黙し失敗する反応
    
28. 良い反応 (1) • 現象: COMP-Aにおいて /vol/vol1/xxx/data が作成出来ない • 原因: /vol/vol1/xxx/data にあるファイルの量 • 良い反応は、以下の様なメッセージをソフトウェアが出す事 > [COMP-A – dir.size.max:warning]: > Directory /vol/vol1/xxx/data/ reached > the maxdirsize Limit. Reduce the number > of files or use the vol options command > to increase this limit
    
29. 良い反応 (2) • 左記の例に対する良いメッセージ • MySQLに対し以下のパッチを　 当てる MySQLの不一致な値の設定: log_output=“Table” … log=/path/to/query.log +if (opt_logname + && !(log_output_options & LOG_FILE) + && !(log_output_options & LOG_NONE)) + sql_print_warning("Although a path was specified + for the --log option, log tables are used. To enable + logging to files use the --log-output option.");
    
30. COMP-A CentOS MySQL Apache Open LDAP 0 25 50 75 100 17.6 13.3 21.8 6.7 11 22.6 26.7 23.6 26.7 23.9 45.2 46.7 47.3 54.9 49.5 14.5 13.3 7.2 11.7 15.5 ピンポイントな反応 はっきりとしない反応 沈黙し失敗する反応 その他 反応の分布
    
31. 設定ミスによる反応 • 設定ミスに対してピンポイントな反応をする　　　 ソフトウェアは少ない • ユーザフレンドリーでない • 静かに失敗する物はデバッグが困難である • にも関わらず20%は静かに失敗する • 多くのソフトウェアは設定ミスに対し　　　　　　 バグのような反応をする(クラッシュ・ハング…etc)
    
32. 調査結果の分析 • 調査結果を以下の視点から分析 • 種類 • 反応 • 原因 • 影響範囲
    
33. 原因 • 設定ミスはいつ発生するのか？ • 初めてそのソフトウェアを使った時 • 実際に運用されている時
    
34. COMP-A CentOS MySQL Apache Open LDAP 0 25 50 75 100 5 30 12.7 16.7 14.2 3 3 5.7 16.7 32.4 91.9 66.7 81.6 66.6 53.4 初めて使う際 運用している最中 不明 設定ミス発生時の分布
    
35. COMP-A CentOS MySQL Apache Open LDAP 0 25 50 75 100 5 30 12.7 16.7 14.2 3 3 5.7 16.7 32.4 91.9 66.7 81.6 66.6 53.4 フォーマット 不一致な設定値 その他の設定値 設定ミス発生時の分布 複雑なシステムは、 運用されている最中に設定ミスを 持っている可能性がある
    
36. 調査結果の分析 • 調査結果を以下の視点から分析 • 種類 • 反応 • 原因 • 影響範囲
    
37. 影響範囲の分類 • 設定ミスによる影響範囲を3つに分類 • 部分的に利用不可 • 全て利用不可 • パフォーマンスに影響を与える
    
38. COMP-A CentOS MySQL Apache Open LDAP 0 25 50 75 100 6.3 1.7 20 1.7 6.8 9.7 25 27.3 20 13.3 83.9 73.3 52.7 78.3 79.9 部分的に利用不可 全て利用不可 パフォーマンスに影響 影響範囲の分布
    
39. 影響範囲 • パフォーマンスに影響するパラメータを理解し、　 設定するのは困難である • パフォーマンスの劣化が設定ミスによるものなのか を判断するのは困難である
    
40. まとめ • 設定ミスを集め、分析し、設定ミスについて理解を深めた • 設定のインタフェース • ユーザの視点で考えるべき • 直感的でシンプルなルールを適用すべき • エラーが起きた際は「良い反応」を返すように • 設定ミスを記録するべし • 失敗から学べ
    
41. 感想 • (インフラエンジニアとして)読んでて興味深かった • 昨今の Infrastructure as code に通ずる物がある • Chef/Puppet/Ansible … gargor • 多分人間の手では(やりたくないし)出来ない • 自分の研究の動機を再認識出来た • keepalivedは全部 quiet failure … • モジュール実装の際は複数の設定値を見ながら 　　　　　 メッセージを出してあげるようにしようと思った