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Looker歴2か月、元Tableau運用者がそれぞれの良さを語ります

Sagara
November 04, 2020

 Looker歴2か月、元Tableau運用者がそれぞれの良さを語ります

Developers.IO 2020 Showcase
https://classmethod.jp/m/devio_2020_showcase/

【概要】
昨今多様なBIツールが世に出ておりますが、クラスメソッドではLookerとTableauを取り扱っています。前職でTableauを社内で運用し、2020年9月からはLookerを使い始めた者の視点から、Tableau、Looker、それぞれの良さをご紹介します。

Sagara

November 04, 2020
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Transcript

  1. Looker歴2か月、元Tableau運用者が

    それぞれの良さを語ります

    2020/11/04 14:30~15:15

    データアナリティクス事業本部

    ソリューション部

    相樂悟


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  2. 2
    自己紹介
    氏名
    相樂 悟 (サガラ サトシ)
    所属
     データアナリティクス事業本部
     ソリューション部
     カスタマーサクセスグループ
     プロフェッショナルサービスチーム
     (2020年9月入社)
    主な担当製品
     Looker
    前職の業務内容
     メーカーでのTableauの運用&活用推進

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  3. 3
    本セッションで「話す」こと
    Tableau、Looker、どちらも経験した人間が感じる
    「1人のBI担当者目線」での各ツールの良さ
    ・CM入社前まで、BIツール経験はTableauだけ
    ・CM入社後Lookerを触り、TableauにはないLookerの良さを感じた
    ・一方Lookerを知ったことで、LookerにはないTableauの良さも感じた
    それぞれに「異なる良さ」がある!!
    これを皆さんにお話したい。

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  4. 4
    本セッションで「話さない」こと
    ❌Tableau&Lookerの使い方
    ❌Tableau&Lookerの料金の話
     (どちらのツールでも一概に回答ができないため、
      気になる場合はぜひお問い合わせください!)

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  5. 5
    アジェンダ
    1.各製品について
     ・簡単な製品紹介
     ・それぞれの良さについて
    - グラフ作成
    - データ関係
    - 開発環境
    2.「どっち入れればいいの?」とお悩みの方へ
    ・個人的な見解
    3.最後に

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  6. 6
    アジェンダ
    1.各製品について
     ・簡単な製品紹介
     ・それぞれの良さについて
    - グラフ作成
    - データ関係
    - 開発環境
    2.「どっち入れればいいの?」とお悩みの方へ
    ・個人的な見解
    3.最後に

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  7. 7
    Tabelau 製品紹介
    ・ノーコードで
     データの可視化が可能
    ・対応しているデータの
     種類が豊富
    ・用途別に別れたソフト群
    - Tableau Desktop
    - Tableau Prep
    - Tableau Server/Online
    - Tableau Reader

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  8. 8
    Looker 製品紹介
    ・LookMLを用いた
     データモデリング
     によるガバナンス
    ・データはクラウド上の
     DWH/DBが前提
    ・一貫してブラウザ上で
     モデル開発~可視化

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  9. 9
    アジェンダ
    1.各製品について
     ・簡単な製品紹介
     ・それぞれの良さについて
    - グラフ作成
    - データ関係
    - 開発環境
    2.「どっち入れればいいの?」とお悩みの方へ
    ・個人的な見解
    3.最後に

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  10. 10
    それぞれの良さについて 観点説明
    グラフ作成 BIツールの必須機能であるグラフの作成や
    共有など、グラフに関する機能周りの観点
    データ関係 グラフの元となるデータについて、使用可能なデー
    タ形式や各ツール独自の仕様等の観点
    開発環境 バージョン管理や複数人での開発時の特徴など、開
    発を行うときの環境周りの観点
    上記の各観点について
    TableauとLookerの比較や
    想定される例も交えつつ説明

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  11. 11
    アジェンダ
    1.各製品について
     ・簡単な製品紹介
     ・それぞれの良さについて
    - グラフ作成 (Tableau)
    - データ関係
    - 開発環境
    2.「どっち入れればいいの?」とお悩みの方へ
    ・個人的な見解
    3.最後に

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  12. 12
    グラフ作成 Tableau 良さ~その1~
    合計、平均、中央値、などの
    集計方法の切り替えがとても容易
    まずはとりあえず平均値見てみるか…
    なるほど、中央値はどうだろう?
    ふむふむ、他の集計結果も気になるな…
    分析ユーザー
    例:1つの探索的な分析の進め方

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  13. 13
    グラフ作成 Tableau 良さ~その2~
    データのプロット数に限界がない
    ※ただし多すぎると動作が重くなるため注意
    IoTログデータや商品別データなど、細かい粒度で
    たくさん点をプロットし、細かい傾向を見たい時に便利

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  14. 14
    グラフ作成 Tableau 弱み
    TableauServerでの共有時、
    TableauDesktopと表示が変わることが”たまに”ある
    ※主にテキスト関係で発生しやすい印象
    TableauDesktop TableauServer
    TableauServerでは改行の位置がずれている

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  15. 15
    アジェンダ
    1.各製品について
     ・簡単な製品紹介
     ・それぞれの良さについて
    - グラフ作成 (Looker)
    - データ関係
    - 開発環境
    2.「どっち入れればいいの?」とお悩みの方へ
    ・個人的な見解
    3.最後に

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  16. 16
    グラフ作成 Looker 良さ~その1~
    LookMLを用いたデータモデル定義により、
    誰がグラフを作っても定義がぶれない
    例:DWH上のあるテーブルの複数のフィールドを用いた
      演算が必要なフィールドをグラフ作成に必要とする場合
    Looker Tableau
    DWH
    データ
    モデル
    【消費税込単価】
    消費税率*(仕入れ単価+販管費)
    DWH
    必ず同じグラフに 違うグラフになってしまう
    【消費税込単価】
    消費税率*(仕入れ単価)
    【消費税込単価】
    消費税率*(仕入れ単価+販管費)

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  17. 17
    グラフ作成 Looker 良さ~その2~
    グラフを作成するExploreのUIがシンプルで
    (個人的に)グラフの作成手順がわかりやすい
    ■大まかなLookerでのグラフ作成の流れ
    1.左側のフィールドピッカーから、
      グラフに必要なフィールドを選択し、
      必要に応じてフィルタを設定し、
      右上のRUNを押す
    2.作成したいグラフの種類を選ぶ
    3.グラフが決まったら、右上のEDITから
      色味や凡例など、細かな仕様を変更
      (困ったらとにかくEDIT!)
    4.完成!!

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  18. 18
    グラフ作成 Looker 弱み
    少しフィールドを追加・削除するだけでも
    LookMLでの編集が必須
    まずはとりあえず平均値見てみるか…
    なるほど、中央値はどうだろう?
    あれ!中央値がないぞ、お願いしないと…
    中央値はこうなのか!
    じゃあ標準偏差は…あれ!ない(以下略)
    中央値追加しました!!
    例:必要なフィールドを十分に定義できていない時
    標準偏差追加しました!!
    分析ユーザー
    モデル開発者

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  19. 19
    アジェンダ
    1.各製品について
     ・簡単な製品紹介
     ・それぞれの良さについて
    - グラフ作成
    - データ関係 (Tableau)
    - 開発環境
    2.「どっち入れればいいの?」とお悩みの方へ
    ・個人的な見解
    3.最後に

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  20. 20
    データ関係 Tableau 良さ~その1~
    ローカルファイルからクラウドサービスまで
    幅広いデータに対応している
    例:ExcelやCSVを用いてグラフを作成できるため、
      DWHやDBを介さずとも気軽に分析開始できる
    ある業務システムから
    抽出した在庫データ
    別の業務システムから
    抽出した見積データ
    ファイルで管理して
    いる担当者マスタ
    TableauDesktop上で
    結合し、グラフ作成

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  21. 21
    データ関係 Tableau 良さ~その2~
    Tableauに最適化した抽出ファイルにより
    データ分析をより高速に実施可能
    例:複数ファイルのファイルを結合して用いる場合で、
      抽出ファイル(.hyper)を作成することで動作を高速にさせる
    在庫データ
    見積データ
    担当者マスタ
    複数の結合の影響で
    動作が重くなりがち
    在庫データ
    見積データ
    担当者マスタ
    結合処理をなくし、かつ
    Tableauに最適化

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  22. 22
    データ関係 Tableau 弱み
    ワークブック・データソースの種類が多く
    内容を知らないとトラブルの原因になる場合あり
    例:ワークブックの.twbと.twbxの違いによるトラブル
      .twbxはデータも併せて保存する形式のため、
      参照先のデータを更新しただけでは、グラフが更新されない
    Excel更新したのに
    Tableau更新されないんだけど!
    何があったんだ…?
    問合せ者
    相樂
    保存形式が.twbxですね…

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  23. 23
    アジェンダ
    1.各製品について
     ・簡単な製品紹介
     ・それぞれの良さについて
    - グラフ作成
    - データ関係 (Looker)
    - 開発環境
    2.「どっち入れればいいの?」とお悩みの方へ
    ・個人的な見解
    3.最後に

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  24. 24
    データ関係 Looker 良さ~その1~
    Lookerと接続したDWH・DBを用いたデータモデルのみ
    使用可能のため、データにガバナンスが効く
    例:ある販売管理システムのデータを使用してグラフを作る
    Looker Tableau
    データは”1種につき1つ”で
    良いのに、複数のデータが存在
    システムからダウンロードした
    データを使ったグラフを
    パブリッシュしよ!
    システムデータを格納した
    DWHと繋げたデータを
    パブリッシュします
    データ
    その2
    データ
    その1
    不明確なデータが
    使用されることを防げる!
    システムからダウンロー
    ドしたデータは
    使えんし、Looker上の
    データでグラフ作ろ!
    システムデータを持つ
    DWHと接続設定して
    データモデル作ります
    データ
    モデル
    DWH
    モデル開発者 データ管理者
    分析者 分析者

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  25. 25
    データ関係 Looker 良さ~その2~
    パフォーマンスチューニングは基本的に
    接続先のDWH・DBを意識して対策すればよい
    ・Lookerは基本的にDWH・DBへのクエリ発行とレンダリング処理のみ
    ・TableauServerは発行されたクエリのデータ処理を担うこともある
    Looker Tableau
    DWH
    DWH
    データ
    モデル
    抽出
    抽出を用いた場合、
    TableauServerのスペックが
    それなりに必要になる
    基本的にこの1本道のため、
    各種チューニングはDWH側に
    専念できる

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  26. 26
    データ関係 Looker 弱み
    ローカルファイルを使えないため
    クラウド上にDWH・DBがあるのが前提のツール
    「ExcelファイルやCSVファイルをさっと分析したい」は出来ない
    基本的に何かしらの「クラウド上のDWH・DB」を使うことが必須
    OK例 NG例

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  27. 27
    アジェンダ
    1.各製品について
     ・簡単な製品紹介
     ・それぞれの良さについて
    - グラフ作成
    - データ関係
    - 開発環境 (Tableau)
    2.「どっち入れればいいの?」とお悩みの方へ
    ・個人的な見解
    3.最後に

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  28. 28
    開発環境 Tableau 良さ~その1~
    基本的にデータの加工~共有まで
    ノンコーディングで対応可能
    加工 分析 共有

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  29. 29
    開発環境 Tableau 良さ~その2~
    インターネットに接続しなくても
    データの加工~分析が行える
    ※普段DWHへのライブ接続の場合は、事前に抽出ファイル作成が必要
    例:
    ・TableauServerでデモを行おうと思っていたが、
     TableauServerの動作が重い等トラブルに直前で気付いたとき、
     急遽TableauDesktop上でデモを行うことに変更が出来る
    ・外出先でデータ分析をしたいとき、Wi-Fi環境がない
     または回線速度が遅いカフェ等でも分析ができる

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  30. 30
    開発環境 Tableau 弱み
    運用の仕方によっては
    どれが最新版のファイルかわからなくなる
    ・極端な例 運用ルールの一例:
    ・レポート1種ごとにフォルダ作成
    ・「old」には過去のファイルを
    ・「作業中」には、仕掛中のファイルを

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  31. 31
    アジェンダ
    1.各製品について
     ・簡単な製品紹介
     ・それぞれの良さについて
    - グラフ作成
    - データ関係
    - 開発環境 (Looker)
    2.「どっち入れればいいの?」とお悩みの方へ
    ・個人的な見解
    3.最後に

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  32. 32
    開発環境 Looker 良さ~その1~
    Gitが使えるためデータモデルや
    ダッシュボードのバージョン管理が楽
    ・Lookerは、データモデルだけでなく
     ダッシュボードもコード管理可能
    ・Gitなので当然だが、もし誤ったコードを
     本番環境へマージしても、履歴をたどって
     元に戻せるのがとても便利
    ・新規開発や他の方が作成した既存モデルを
     改修するときは自動で自分専用のブランチ
     が切られる

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  33. 33
    開発環境 Looker 良さ~その2~
    Lookerはグラフを作成する画面が
    全ユーザーで統一されている
    Looker Tableau
    データ
    モデル
    抽出
    Creator保持者
    Explorer保持者
    モデル開発者
    データ分析者
    DesktopとServerのグラフ作成画面の
    UIや機能の一部が異なるため、戸惑うことがある
    どんなユーザーでも同じ画面のため、
    機能の差異やUIの違いに悩むことがない

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  34. 34
    開発環境 Looker 弱み
    LookMLの書き方とLooker用語の習得が必須
    ※どのツールでも”習得”は必須かもしれませんが…
    ■LookMLについて感じていること
    ・SQLやデータ加工の経験があれば、
     基本的なexploreやviewの作成は難しくない
    ・LookerのIDEはsuggest機能が優秀
     例えば”:”を打つと、使用可能なパラメータの
     一覧が表示されます
    ・ダッシュボード同士のリンクや、
     動的なフィルタなど、込み入ったことを
     行うには独特な記述方法の理解が必要

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  35. 35
    アジェンダ
    1.各製品について
     ・簡単な製品紹介
     ・それぞれの良さについて
    - グラフ作成
    - データ関係
    - 開発環境
    2.「どっち入れればいいの?」とお悩みの方へ
    ・個人的な見解
    3.最後に

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  36. 36
    個人的な見解
    どちらにも違った良さがある!
    解決したい課題や今後の方向性を元に選定すべき
    Tableau Looker
    作成する
    コンテンツ
    - 試行錯誤を繰り返す探索的な 
      データ分析
    - ”個人での分析作業”が中心
    - 評価指標が定まった上での
      分析や定型レポート(KPIなど)
    - ”組織向けのコンテンツ”が中心
    データ関係
    の状況
    - 対象データはExcelやCSVなど、
    ローカルのファイルが中心
    - 接続先のDWH・DBがオンプレミスで
    クラウドへの移行計画がない
    - すでにクラウド上にDWHを構築済、
      または構築の目途がたった
    - 他のBIツール導入済だが、データの
    ガバナンスが取れていない
    組織&開発者
    の状況
    - まだBIツールを導入しておらず、
    スモールスタートで始めたい
    - 現在のデータ分析は個人作業中心であ
    り、今後も変わらない予定
    - 組織としてBIツールによるデータ分析とレ
    ポーティングを推進したい
    - Lookerでのデータモデリングを
    担当できる個人またはチームがいる

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  37. 37
    個人的な見解
    「どちらも入れたい!」もありだと思います!
    個人でデータをこねくり回して分析する時:Tableau
    組織向けに指標を統制した上でダッシュボード構築:Looker
    あるいは…
    詳細はこちらを御覧ください
    https://dev.classmethod.jp/articles/20200619-global-peace/

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  38. 38
    アジェンダ
    1.各製品について
     ・簡単な製品紹介
     ・それぞれの良さについて
    - グラフ作成
    - データ関係
    - 開発環境
    2.「どっち入れればいいの?」とお悩みの方へ
    ・個人的な見解
    3.最後に

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    忘れてはいけないこと
    - BIツールを入れたいと考えているならば、
     「解決したい課題」や「導入の目的」があるはずです
    - TableauもLookerも、1つのツールであり1つの手段のため、
    「~を最近よく聞くから」など”ツール先行”の理由で
    BIツールを導入するのはおすすめしません
    - 課題や目的を明確にした上で、どんなデータ基盤を
    構築すればよいのかを具体的にし、狙いに合ったツールを導入
    するのがベストです!

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  40. 40
    もしデータ周りで悩みがあれば…
    弊社ではデータの蓄積~活用、
    トータルでデータ基盤の構築のご提案が可能です
    Snowflake、Fivetran、AWSのAIサービスについて、
    この後にもセッションがあります!

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