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フロー効率から始めて、チームの生産性を向上させた話

 フロー効率から始めて、チームの生産性を向上させた話

■イベント


ローンチ4年でARR70億を達成するためのエンジニアリング組織の取り組み
https://sansan.connpass.com/event/292027/

■登壇概要

フロー効率から始めて、チームの生産性を向上させた話

登壇者:技術本部 Bill One Engineering Unit Smart インボイスネットワークグループ 江川 綾



■Bill One エンジニア 採用情報
https://media.sansan-engineering.com/billone-engineer

SansanTech
PRO

August 31, 2023
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Transcript

  1. Sansan株式会社
    部署 名前
    フロー効率から始めて、
    チームの⽣産性を向上させた話
    Sansan技術本部
    Sansan技術本部
    Bill One Engineering Unit
    江川 綾

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  2. 写真が入ります
    江川 綾
    Sansan株式会社
    技術本部 Bill One Engineering Unit
    2021年 Sansan新卒⼊社。
    ⼊社以来、Webアプリケーション開発エンジニアとして
    インボイス管理サービス「Bill One」の開発に従事。
    現在は、Bill Oneにおけるインボイスネットワークの拡⼤に向けた
    開発に加えて、フロントエンドの技術的な改善をリードしている。
    @er11161
    @erm1116

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  3. アジェンダ
    - まずはフロー効率から始める
    > リソース効率とフロー効率
    > 効率性のマトリックス
    - “効率性の海”における リソース効率への向き合い
    - さらに効率性を⾼めるためにやったこと
    - チームの⽣産性はどうなったのか
    - まとめ

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  4. まずはフロー効率から始める

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  5. リソース効率とフロー効率
    リソース効率
    - リソースを最⼤限に活⽤することを⽬指す考え⽅
    - 複数のことを同時にやることで稼働率を上げる(100%を⽬指す)
    - 結果として、リードタイムは⻑くなる
    フロー効率
    - リードタイムを短くすることを⽬指す考え⽅
    - 待ち時間・ムダをなくす(プロセスの最適化を⽬指す)
    - 結果として、リソースの稼働率は下がる

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  6. リソース効率とフロー効率
    出典: フロー効率性とリソース効率性について

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  7. リソース効率とフロー効率
    - 開発チームやプロジェクトによって⽬指す効率性は変わる
    - 意図を持って効率性を上げていくことを⽬指すのが重要
    - Bill Oneでは、ユーザーの価値を最⼤化するためフロー効率を重視
    - 「本質を⾒極め、素早くアウトプットし、改善を繰り返す」というのを⼤事に
    している

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  8. 効率性のマトリックス
    出典: This is Lean
    フロー効率



    効率性の孤島 完璧な状態
    荒野 効率性の海
    変動
    リソース
    効率

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  9. 効率性のマトリックス
    出典: This is Lean
    フロー効率



    効率性の孤島 完璧な状態
    荒野 効率性の海
    変動
    リソース
    効率
    理想
    現在地

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  10. 効率性のマトリックス
    出典: This is Lean
    フロー効率



    効率性の孤島 完璧な状態
    荒野 効率性の海
    変動
    リソース
    効率
    理想
    現在地
    ①まずはフロー効率から始めて

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  11. 効率性のマトリックス
    出典: This is Lean
    フロー効率



    効率性の孤島 完璧な状態
    荒野 効率性の海
    変動
    リソース
    効率
    理想
    現在地
    ①まずはフロー効率から始めて
    ②リソース効率も⾼めていく

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  12. 効率性のマトリックス
    出典: This is Lean
    フロー効率



    効率性の孤島 完璧な状態
    荒野 効率性の海
    変動
    リソース
    効率
    理想
    現在地
    ①まずはフロー効率から始めて
    ②リソース効率も⾼めていく
    ムダを炙り出し、プロセスの最適化をする中で
    フロー効率とリソース効率の両⽴を⽬指す

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  13. まずはフロー効率から始める
    - カンバンを採⽤
    - チーム(4-5名)で取り組むバックログは1つのみ(WIP制限)
    - モブワークで設計・プランニング(タスクだし・⾒積もり・リリースターゲット決
    定)をやる
    - レーンごとのWIP制限
    - プルリクエストのレビューで待ちが発⽣することが多いため、
    チームで「レビュー中」のレーンにWIP3制限を設けた
    > 後にふりかえりなどからWIP2に変えていった
    - チームの理想像や⼤切にすること・しないことを話し合う
    - 同じ⽅向性を向いて改善を進められるようにした

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  14. “効率性の海”における
    リソース効率への向き合い

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  15. リソース効率に向き合う
    バックログWIP1の中でも可能な限りタスクを細分化
    - スキーマ駆動開発によるバックエンド・フロントエンドの作業の分離
    - バックエンド: 各レイヤーごとにタスクを分割
    - ex) ドメイン・リポジトリ・ API実装はそれぞれ分割
    - フロントエンド: コンポーネント駆動開発で必要に応じてタスクを分割
    - Storybook + msw上で動かしながらコンポーネントごとに実装進める

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  16. リソース効率に向き合う
    バックログアイテムのスコープを広げた
    - チーム状況・プロジェクト状況を⾒ながらバッチサイズを調整
    - あえてフロー効率を下げて、リソース効率を上げた
    - プロジェクト状況に合わせて理想点をずらした
    - ⾒積もり精度とリードタイムのちょうどいい塩梅を取る
    効率性の孤島 完璧な状態
    荒野 効率性の海
    フロー効率


    理想
    理想

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  17. さらに効率性を⾼めるためにやったこと

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  18. さらに効率性を⾼めるためにやったこと
    バリューストリームマップ(VSM)でプロセスのムダに向き合う
    - プロセスのうち、どこで待ちや⼿戻りが発⽣しているのかを可視化し
    改善案を⽴てる
    - ex)
    > モブワークをやるための待ち
    > リリースまわりの待ち
    > レビュー待ちなど

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  19. さらに効率性を⾼めるためにやったこと
    デイリースタンドアップでチームの⽬線を揃える
    - バーンアップチャートとカンバンの状況から、
    個⼈ではなく「チームとして今⽇進めたいこと」を認識合わせする
    - 今⽇どのタスクをDoneしていくかを会話
    - 中でも特に優先するタスクも認識合わせ
    > 例えばタスク間で依存会計があるようなもの(ドメインモデルの実装など)は
    優先的にタスクを取り、レビュー依頼が⾶んできたら何よりも優先してレビュー
    する

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  20. チームの⽣産性はどうなったのか

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  21. チームの⽣産性の変化
    PRのサイクルタイム
    - First CommitからPRマージまでの期間を計測
    - 2⽉時点では44.1h ▷ 直近は23.1h

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  22. チームの⽣産性の変化
    チームのキャパシティ
    - デイリーで完了できるタスクのポイント数を計測
    - リリース予定⽇の決定や、⽇頃の検査・適応にも活⽤
    - 2⽉時点では約4pt ▷ 直近は約8ptまで上昇(チームが4→5⼈になったと
    いうのもある)

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  23. まとめ

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  24. まとめ
    - まずはフロー効率から始めることで、改善の⼒学を働かせる
    - フロー効率に向き合う上でプロセスの最適化に向き合った結果、リソース
    効率も⾼まる
    - チームやプロジェクト状況に合わせて理想を描き、チームで改善を進めて
    いくのが重要

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