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バクラクのアノテーション基盤の伸びしろを考えてみた

sbrf248
April 18, 2024

 バクラクのアノテーション基盤の伸びしろを考えてみた

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April 18, 2024
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  1. © LayerX Inc. 2 バクラク事業部 機械学習チーム 機械学習エンジニア 伊藤 駿 (Shun

    Ito) 自己紹介 経歴 • 2020/04 〜 2023/12 株式会社エブリー ◦ データサイエンティスト ◦ データチームマネージャー • 2024/01〜 株式会社LayerX ◦ 機械学習エンジニア ◦ AI-OCR機能の開発
  2. © LayerX Inc. 4 バクラクシリーズラインナップ 仕訳・支払処理効率化 法人カードの発行・管理 稟議・支払申請・経費精算 帳票保存・ストレージ *

    経費精算のSlack連携は申請内容の通知のみ AIが領収書を5秒でデータ化 スマホアプリとSlack連携あり 領収書の重複申請などミス防止機能 AIが請求書を5秒でデータ化 仕訳・振込データを自動作成 稟議から会計までスムーズに連携 年会費無料で何枚でも発行可 インボイス制度・電帳法対応 すべての決済で1%以上の還元 AIが書類を5秒でデータ化 あらゆる書類の電子保管に対応 電子取引・スキャナ保存に完全対応 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 帳票発行 帳票の一括作成も個別作成も自由自在 帳票の作成・稟議・送付・保存を一本化 レイアウトや項目のカスタマイズも可能 ・ ・ ・
  3. © LayerX Inc. 7 • 内製ツールを使った社内アノテーション を進めている • 読み取り項目ごとに、座標の指定と 正解ラベルの値が入力できる

    • 手入力削減のための工夫 ◦ AI-OCRモデルによる事前 アノテーション ◦ 座標内の文字列抽出 ◦ etc. バクラクのアノテーション基盤 AI-OCR機能とアノテーション基盤
  4. © LayerX Inc. 9 アノテーションの改善は、大きく2つの観点から考えられる 1. 品質管理と効率化 ◦ どうやって速く正確にアノテーションするか ◦

    主にクラウドソーシング活用の文脈で研究されている 2. サンプリング ◦ どのデータをアノテーションするか ◦ 今回はこちらについて話します 現状のアノテーション基盤をさらに改善するには アノテーション改善の方向性
  5. © LayerX Inc. 10 学習に効果的なデータをサンプリングして重点的にアノテーションしたい • そのための一連の手法は能動学習 (Active Learning) と呼ばれる

    “効果的な”データを見つけるための2つの観点 • 不確実性サンプリング ◦ 機械学習モデルにとって予測が難しいデータを重点的にサンプリング • 多様性サンプリング ◦ 選ばれたデータの特性が互いに異なるようにサンプリング 『Human-in-the-Loop機械学習』 という書籍が体系的にまとめられていて参考になります https://www.kyoritsu-pub.co.jp/book/b10039888.html アノテーションにおけるサンプリングとは サンプリング
  6. © LayerX Inc. 11 機械学習モデルにとって予測が難しいデータを重点的にサンプリング 不確実性サンプリング サンプリング 不確実性サンプリングの例(最小確信度サンプリング) 0.8 0.1

    0.1 Class1 Class2 Class3 データ1に対する 予測結果 0.2 0.7 0.1 データ2に対する 予測結果 0.3 0.4 0.3 データ3に対する 予測結果 最大スコア 0.8 0.7 0.4 不確実性 小 大 • ラベルの無いデータから、機械学習モデルの決定境界近くに存在するデータを重視する 重点的にサンプリング
  7. © LayerX Inc. 13 課題: バクラクをご利用いただくお客様が増えるにつれて、アップロードされる帳票の枚数・種類も増加して いるため、より効果的なアノテーションが必要 不確実性サンプリングに注目した改善 • 新しい書類フォーマットへの対応

    ◦ 例えば請求書だけでも、事業規模や業界によってフォーマットは全く異なる ◦ 新しいお客様の帳票が学習データに無いフォーマットの場合、すぐには予測が難しい ◦ 不確実性サンプリングで難しい帳票をアノテーションし、いつの間にか読めない帳票が読める ようになる体験を素早く届ける バクラクのアノテーション基盤における改善案 バクラクにおける改善
  8. © LayerX Inc. 14 課題: バクラクをご利用いただくお客様が増えるにつれて、アップロードされる帳票の枚数・種類も増加して いるため、より効果的なアノテーションが必要 多様性サンプリングに注目した改善 • 学習データの量・質のバランス改善

    ◦ お客様に長く使っていただくほど、会社ごとに特有の帳票も多くアップロードされていく ◦ 似たような帳票が増えると、データサイズの増加に対して情報量があまり多くならない ◦ 多様性サンプリングで似た帳票に偏らない、量・質ともに適切な学習データを作ることで、 学習・モデル更新のサイクルを高速に回せる バクラクのアノテーション基盤における改善案 バクラクにおける改善