Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

Issue設計から始める仕様駆動開発 / 20260731 Mizuki Hirata

Issue設計から始める仕様駆動開発 / 20260731 Mizuki Hirata

2026/7/31 AI駆動開発カンファレンス2026夏
https://www.ai-driven.dev/

AIアジャイル開発部 アジャイル推進グループ
平田 瑞樹

Avatar for SHIFT EVOLVE

SHIFT EVOLVE PRO

July 31, 2026

More Decks by SHIFT EVOLVE

Other Decks in Technology

Transcript

  1. AI駆動開発カンファレンス 2026 7 / 31 Issue設計から始める仕様駆動開発 13:50 - 14:30 株式会社SHIFT

    開発本部 開発事業部 AIアジャイル開発部 平田 瑞樹 Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. Mizuki Hirata 1
  2. 自己紹介 平田 瑞樹|Mizuki Hirata 株式会社SHIFT 開発本部 開発事業部 AIアジャイル開発部 2024年 株式会社SHIFTに入社

    ・案件管理システム開発にメンバーとして参画 ・AIエンジンを用いた応対支援システム 開発チームリーダーとして参画中 Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 2
  3. 「いきなりAI駆動開発」がもたらす悲劇 抽象的な指示 暴走する実装 差分の肥大化 「◦◦機能を実装して」 とAIに丸投げ 不要なリファクタリング 実装者・レビュアー共に 理解不能なPRに 既存実装との乖離

    コ ード が 書か れ る速 度 は圧 倒 的に 向 上し た が、 検 証・ 修 正し 、手 戻り に 対応 す るコ ス トが 最 大の ボ トル ネ ック 開 発の 主 戦場 は 「早く書かせる」から「手戻りなく制御する」へ →開発品質の標準化 この課題を解決するアプローチ SpecからIssue設計に落とし込む Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 6
  4. Issue = 開発者が見慣れた「チケット」と捉える プロジェクトの進捗を管理するタスク管理ツール(Jira, Backlog, GitHub Projectなど) Feature Issue #00001

    ユーザー情報と課金状態を 管理するテーブルを追加 実装方針 ✕✕✕・・・ Issueは1〜2日で完了できる単位 ・具体的で単一責任 ・明確な完了定義(DoD) →現場で標準化されていないことが多い ✓ AI駆動開発成功の鍵 Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 8
  5. Issueだけで開発した場合の病 Issue ・Spec実現の作業単位 ・機能追加 ・バグ修正 ・リファクタリング ・短寿命な設計 AIに起こる現象 ・既存設計を理解せず実装 ・局所のみ正しいコード

    ・短期間でのみの解決策 発生する問題 ・全体の整合性が崩壊 ・コード重複 ・責務の分散 ・技術的負債の蓄積 Issueを満たす局所最適な実装によってシステム全体の整合性が崩壊してしまう Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 9
  6. 解決策:SpecとIssueの「双方向同期」 Spec 双方向同期ループ Issue ① 切り出し・タスク化 ・判断基準 ・制約 ・設計原則 ・一貫性

    ② 最新の実装と同期 ・作業境界 ・実装範囲 ・完了定義 ・優先順位 ✓ 解決:双方向同期 ①仕様からIssueを切り出して実装 ②完了したら仕様に反映して最新化 これを繰り返し、 アーキテクチャの一貫性と自律生産性を両立 Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 10
  7. 遭遇した壁②:作業の重複とコンフリクト 個人で並列実装・メンバーとともに実装のどちらでも起こりうる問題 Issue A バックエンド実装担当 PR作成 バックエンドも 必要だとAIが判断 Issue B

    フロントエンド実装担当 PRレビュー/merge時に ・不要な工数が発生 ・コンフリクト修正の手間 ・不要なコードの残存 PR作成 不毛なコンフリクトや作業の重複が発生 ・2つの要件のチケットを別々に並行で処理させたことで重複実装が生じる ・チケット間の関係性や並行制御が不明瞭だとコンフリクトを招く Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 14
  8. 親Issueが持つ役割:全体設計と共通ルールを握る 親 Issue:◦◦画面 全体設計:目的・スコープ・責務分担・共通ルール・API設計 共通コンポーネント:UserSettingService 制約:新規 Service 作成禁止 Issue A

    DB実装 Issue B BE実装 Issue C FE実装 親Issueを共有コンテキストとして利用する ・単なる管理単位として親チケットを扱わず、子チケットの実装を同期 ・親Issue→設計の一貫性を保持して子Issueを用いた実装の並列化に成功 Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 15
  9. 全体フロー:仕様から実装・mergeまでの作業 ①仕様書を用意 ④チケット自動生成 ・要件定義、設計書を投入 ・docsに配置して管理 ・タスク管理ツールAPIで 一括作成 ・メンバーに展開・確認 ➁機能単位で抽出 ⑤実装

    「◦◦画面の設計」 ・既存実装の調査 ・タスクの洗い出し ・チケット番号を指定して 自動実装〜PR作成 ③Issueに分解 ⑥レビュー・merge ・タスク間の関係性 ・見積もりと完了定義 ・レビュー用エージェント ・docs更新エージェント Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 20
  10. 開発時の実装フロー テンプレート例 ①仕様書を用意 ・要件定義、設計書を投入 ・docsに配置して管理 ➁機能単位で抽出 「◦◦画面の設計」 ・既存実装の調査 ・タスクの洗い出し ③Issueに分解

    ・タスク間の関係性 ・見積もりと完了定義 Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. ・実装方針、タスクリスト(Issue分解用)、注意点など 洗い出し時に調査してほしい内容はテンプレート化 ・調査で重視したい範囲はAgents.mdやSkillsで指定 22
  11. Issueをチケットで管理する チケット作成プロンプト例 ④チケット自動生成 ・タスク管理ツールAPIで 一括作成 ・ラベルのルールなど PJごとの固有ルールを 追加して管理・調整 Discussion! Agree!

    ・チケットをきれいに作成することよりもメンバーと認識齟齬がないか確認することが重要 ・Issueの粒度に落とし込んだにもかかわらず「わからない」を避けるための自動化に Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 23
  12. Issue→実装の自動化 実装用プロンプト例 ⑤実装 ・チケット番号を指定して 自動実装〜PR作成 ・/start-work [チケット番号] 明示的に作業を指定 ・PJ特性に合わせて改良 例)branch戦略、静的解析…

    ・コマンド実行後に作業フローを確認し、誤った実装や作業フローがあれば コマンド内の指示がおかしいのか子チケットの粒度がおかしいのか検証・改善する ・最終的には自動実行しても問題なく実装完了できる→実装者には依存しない Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 27
  13. 開発フローのまとめ ①仕様書を用意 ④チケット自動生成 ・要件定義、設計書を投入 ・docsに配置して管理 ・タスク管理ツールAPIで 一括作成 ・メンバーに展開・確認 ➁機能単位で抽出 ⑤実装

    「◦◦画面の設計」 ・既存実装の調査 ・タスクの洗い出し 改善! ・チケット番号を指定して 自動実装〜PR作成 ③Issueに分解 ⑥レビュー・merge ・タスク間の関係性 ・見積もりと完了定義 ・レビュー用エージェント ・docs更新エージェント Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 30
  14. 本運用におけるToken cost メリット ・ドキュメントを参照 →調査にかかるコスト抑制 ・Issue単位で実装方針が明確 →AIとの往復回数を削減 デメリット ・各テンプレートやドキュメントの整備 ・フィードバックサイクル分の

    Token使用料が発生 設計 実装 従来 ・設計時へコストを前倒し ・設計/Issue分割のコストは一部の担当者へ集約 Issue ・実装担当者は少ないコンテキスト&安価なモデルで開発可能 →Claude Codeにおける「Opusで設計、Sonnetで実装」の思想と同義 組織単位でみれば設計担当者と実装者に付与する契約形態でコスト運用できる可能性 ・Token Costは開発が進むほど減少する Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 32
  15. まとめ 1. 標準化の課題 2. Issue駆動開発 3. 標準化の成功 モデルや担当者によって 成果物の品質がばらつく 仕様からIssueへ分解し

    完了定義や責務を明確化 仕様同期までをサイクル化し 継続的に品質を向上 Issue駆動開発によって品質の標準化を実現する Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 34
  16. 明日から始められる3つのこと 1. Issue分割 2. 親子関係の管理 3. 仕様書の更新 単一責任を徹底 子Issueを管理することの できる親Issueの整備

    暗黙知や開発ルールを ドキュメントで管理 常に最新化 Copyright SHIFT Inc., All Rights Reserved. 36