Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Sign up for free
Menu
Search
Features
All features
Private URLs
Password Protection
Custom URLS
Scheduled publishing
Remove Branding
Restrict embedding
Deck Collections
Notes
Features
All features
Private URLs
Password Protection
Custom URLS
Scheduled publishing
Remove Branding
Restrict embedding
Deck Collections
Notes
Explore
Featured decks
Featured speakers
Programming
Technology
Storyboards
Explore
Featured decks
Featured speakers
Programming
Technology
Storyboards
Pricing
Search
Sign in
Sign up for free
SSII2026 [OS2-3] 「気づいたら仕事が終わっている」体験を提供する LayerX...
Search
画像センシングシンポジウム
PRO
June 09, 2026
450
0
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
SSII2026 [OS2-3] 「気づいたら仕事が終わっている」体験を提供する LayerX バクラクの Ambient Agent の裏側
画像センシングシンポジウム
PRO
June 09, 2026
More Decks by 画像センシングシンポジウム
See All by 画像センシングシンポジウム
SSII2026 [SS1] 作業動画理解 〜基盤モデル時代の応用と課題〜
ssii
PRO
0
820
SSII2026 [SS2] CADにおけるAI分野の動向と製造業 への実適⽤
ssii
PRO
1
1.6k
SSII2026 [TS2] 日本古典文化とAI ~ データセットからアプリケーションまで~
ssii
PRO
0
610
SSII2026 [PT1] アクセラレーテッド・コンピューティングが切り拓く知能の最前線 ~生成AIからエージェンティックAI、そしてフィジカルAIへの進化~
ssii
PRO
0
690
SSII2026 [PT2] 記号創発ロボティクスとフィジカルAIの展開 〜集合的予測符号化が繋ぐ言語と身体の時空間階層性〜
ssii
PRO
0
840
SSII2026 [OS1] 計算機インフラどうしてる?
ssii
PRO
0
430
SSII2026 [OS1-1] 機械学習のための計算基盤の開発
ssii
PRO
0
420
SSII2026 [OS1-2] 学術クラウド基盤mdx IIの 設計と運用
ssii
PRO
0
490
SSII2026 [OS1-3] 実験室自動化を目指した 計算機との試行錯誤
ssii
PRO
0
420
Featured
See All Featured
Ecommerce SEO: The Keys for Success Now & Beyond - #SERPConf2024
aleyda
1
2.2k
Building AI with AI
inesmontani
PRO
1
1.3k
So, you think you're a good person
axbom
PRO
2
2.2k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
306
120k
Conquering PDFs: document understanding beyond plain text
inesmontani
PRO
4
3.1k
Between Models and Reality
mayunak
4
480
Crafting Experiences
bethany
1
370
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
55
10k
Marketing Yourself as an Engineer | Alaka | Gurzu
gurzu
0
320
Un-Boring Meetings
codingconduct
0
440
Measuring Dark Social's Impact On Conversion and Attribution
stephenakadiri
2
290
エンジニアに許された特別な時間の終わり
watany
109
250k
Transcript
© LayerX Inc. 「気づいたら仕事が終わっている」体験を提供する LayerX バクラクの Ambient Agent の裏側 2026/06/11
SSII2026 株式会社LayerX Yuya Matsumura
© LayerX Inc. 2 バクラク事業部 AI‧機械学習部 部⻑ / 機械学習エンジニア 経歴
2018/03 京都⼤学⼤学院 情報学研究科 修⼠課程修了 画像を入れてね ⾃⼰紹介 松村 優也 ⼀⼈⽬データサイエンティストとして推薦システム開発チームの⽴ち上げなど 2018/04 ウォンテッドリー株式会社 ⼊社 退職後は機械学習領域の技術顧問に就任 AI-OCRなど機械学習技術を活⽤したプロダクト開発に広く従事 2022/10 株式会社LayerX ⼊社 バクラク事業部 その他、⼤学にて⾮常勤講師や スタートアップの技術⽀援等 Yuya Matsumura 共著者 @yu__ya4 現在はAI‧機械学習部 部⻑としてAI戦略の策定や、 AIエージェントプロダクトの新規⽴ち上げなどを担当
LayerX‧バクラクについて ABOUT
4 © LayerX Inc. LayerX の Mission
5 © LayerX Inc. LayerX が解決しようとしている課題 (※)2025年11⽉時点
6 © LayerX Inc. LayerX のバクラク事業
7 © LayerX Inc. バクラク事業 事業領域 (※)2025年11⽉時点
8 © LayerX Inc. LayerX のバクラク事業
バクラクAIエージェントが⽬指すもの 「気づいたら仕事が終わっている」体験を提供する Ambient Agent
© LayerX Inc. 10 バクラクAIエージェントが⽬指すもの バクラクは “業務の完全⾃動運転” を⽬指す
© LayerX Inc. 11 バクラクAIエージェントが⽬指すもの たとえば、出張予定をカレンダーに登録すると出張に伴う業務が完了している 「気づいたら仕事が終わっている」体験 出張予定が カレンダーに登録 バクラク
Aエージェント 出張内容をもとに 事前の出張申請を作成 ユーザー 確認 業務の遂⾏ 承認 トリガー 社内規定に沿った 交通⼿段や宿泊施設を⼿配 出張期間中の経費精算など 事後の申請を作成
© LayerX Inc. 12 バクラクAIエージェントが⽬指すもの 仕事の主体はあくまで⼈間 従来のチャット起点の汎⽤Agentの限界 チャットで 依頼 ⼈間
エージェント が実⾏ 汎⽤AIエージェント 仕事完了 汎⽤Agent 仕事が始まらない‧並列数が増えない‧効果的に頼めない あらゆる業務のコンテキストをひとつのAgentに詰め込むのは⾮効率であり、性能にも影響あり
© LayerX Inc. 13 バクラクAIエージェントが⽬指すもの 業務ごとに特化したAIエージェントが主体となり、⾃律的に仕事が完了している。 バクラクが⽬指す Ambient Agent ⼈間
メール通知 フィードバックを もとに精度向上 出張⼿続きが⾃動で完了 承認作業が⾃動で完了 請求書処理が⾃動で完了 スケジュール登録 業務の⾃動化 サイクル イベント検知 仕事完了 領収書アップロード 業務ごとに特化した AIエージェント 必要に応じて ⼈に確認 ⾃律的に判断‧実⾏ 確認‧修正‧承認 Ambient Agent
バクラクAIエージェント事例 「気づいたら仕事が終わっている」体験を提供する Ambient Agent の実例
© LayerX Inc. 15 メールの内容からURLやパスワードなどを取得し、⾃動で証憑を取得してデータ化 証憑取得エージェント
© LayerX Inc. 16 バクラクAIエージェント事例 ⾃動分割 ⾃動分割 申請作成エージェント 読み取った証憑データやカードの明細情報、過去の申請情報などから申請を⾃動作成
© LayerX Inc. 17 社内規定や過去の申請差し戻し履歴から学んだ企業ごとの申請ルールに基づき、申請内容を⾃動レビュー 申請レビューエージェント
© LayerX Inc. 18 申請内容や過去データに基づき仕訳を⾃動作成し、内容チェックまで実施 仕訳エージェント
© LayerX Inc. 19 業務に必要な軸でコストを可視化‧分析し、コスト削減施策まで提案 コスト分析エージェント
どこまでをAIエージェントに任せるか? できるだけ⼤きく任せる:申請レビューエージェント開発‧運⽤からの学び
© LayerX Inc. 21 最初からできるだけ業務全体を AIエージェントに任せる/⾃動化することを⽬指す どこまでをAIエージェントに任せるか? 問題を⼩さく分解し、優先度をつけ、着実にひとつずつ解決していく従来の⽅法とは異なるアプローチ
© LayerX Inc. 22 バクラク申請レビューエージェントの開発‧運⽤を通した学び 部分の⾃動化から、全体を任せる⽅針への転換が進んでいる どこまでをAIエージェントに任せるか? 開発当初(1年半前) タスク‧情報を細かく分割して構築 運⽤開始
顧客‧ルールが増加 運⽤課題の発⽣ 管理コスト増‧柔軟性喪失 転換(現在) まるっとAIに任せる⽅向へ 開発当初は、AIによる不確実性をできるだけ⼩さくする意図で、タスクを細かく分割した上で必要と思われる情報に絞って AIエージェントに与えていた。 運⽤を開始し、顧客や対応するレビュールールが増えるにつれ、管理コストや柔軟性の課題が⽣じた。 分割せずにまるっとタスクや申請の内容など関連情報をAIエージェントに渡してみたら、解けた。性能向上した部分も。
© LayerX Inc. 23 なぜ最初から全体の⾃動化を⽬指すべきか ②部分のみへの注⽬は コンテキスト不⾜を招く どこまでをAIエージェントに任せるか? ①LLMは想像している よりも賢い
③そもそも⽬指すべきは 全体の⾃動化
© LayerX Inc. 24 どこまでをAIエージェントに任せるか? ①LLMは想像しているよりも賢い 従来の機械学習:「⼩さく切り分ける」が原則 • E2Eで解こうとしても性能が出ない •
莫⼤な学習データが必要 • ブラックボックス化し、改善が回しづらい → 「細かく分割」は合理的な意思決定であった ⼤LLM‧Agent時代:前提が変わった • フラグシップモデルは、必要なコンテキストさ え渡せば思っているよりできてしまう • 今できなくても、近い将来できるようになる可 能性が⼗分にある → 分割の前提となっていた技術的制約から解放 Claude Codeもリリース当時は厳しい声も多かったが、今やなくてはならない存在 モデルの進化により「将来できるようになる」前提でbetして作るのも、⼗分に合理的ではないか
© LayerX Inc. 25 どこまでをAIエージェントに任せるか? ②部分のみへの注⽬はコンテキスト不⾜を招く ⼀部の項⽬だけでは判定できない。プロセス全体を⾒渡したコンテキストが必要。 これは「妥当」な内容か? 申請の全体‧添付ファイル 事前申請の内容
上⻑とのやりとり 商談ガイドブック
© LayerX Inc. 26 どこまでをAIエージェントに任せるか? ③そもそも⽬指すべきは全体の⾃動化 ⼤LLM‧Agent時代、全体を⾃動化する体験がどんどん出てくるであろう。 部分の⾃動化で満⾜していては勝てない。 「気づいたら仕事が終わっている」体験は ⼀部だけの⾃動化からは⽣まれない
© LayerX Inc. 27 どこまでをAIエージェントに任せるか? そもそも「100%の精度を求めないといけない」という前提を疑ってみる 間違うことのあるAIに仕事を任せられない? • LLMの性能向上により、⼈間の⽅が間違う分野も増 えている
• まずAIにまるっと任せて、⼈間が確認側に回るのは 妥当ではないか ユーザーのメンタルモデルも変化 • 「AIだから多少間違うのは当然」を前提に利⽤する 考えが普及しつつある • 学習して賢くなるだろう、という期待さえある • ⽢えてばかりではいけないが、今はある意味「ボー ナスタイム」ではないか そもそも、⼈間も間違う
© LayerX Inc. 28 どこまでをAIエージェントに任せるか? まずは⼀部のユースケースの「全体を⾃動化すること」から始める その時点の最⾼のモデルで、全体の⾃動化を試みる どうしても難しい部分を、分解する‧切り出す 最初に取り組むユースケースは「反復的で、定期的に発⽣するタスク」がオススメ ほぼ同じだが、少し違う
コピペでは済まないが、コンテキス トを渡せば完全に⾃動化できる可能 性が⾼い 件数が多い 参考にできる情報が多い ⾃動化の効果が⼤きい 定期的に発⽣する 改善ループが回しやすい 例:毎⽉発⽣する交通費の精算
AI-BPOによる全体の⾃動化の実現 Human-in-the-Loop から Human-on-the-Loop へ
© LayerX Inc. 30 AI-BPOによる全体の⾃動化の実現 Human-in-the-Loop から、Human-on-the-Loop へ HITL(Human-in-the-Loop) •
仕事の⼀部を⼈間が代わりに実施する / 途中の⾏動 ‧成果物を⼈間が承認する • ただし、プロセスの中に⼈間を何度も⼊れると、⼈ 間がボトルネックに • 細かく確認していては、全体を任せた意味が薄れる HOTL(Human-on-the-Loop) • エージェントがゴールに向けてループを回す • ⼈間はループの外側で、⽬的‧制約‧品質基準 ‧検証を設計する • 中の挙動には細かく介在しない
© LayerX Inc. 31 AI-BPOによる全体の⾃動化の実現 AI-BPO: 安⼼して実現できる Human-on-the-Loop の形 仕事を丸投げ
AI-BPO AIエージェント × ⼈間オペレーター 最終確認 ユーザー⽬線の「勝⼿に仕事が終わっている」体験を、⼈間オペレーターとともに実現 ユーザー(顧客) 仕事の完了
© LayerX Inc. 32 AI-BPOによる全体の⾃動化の実現 AI-BPO: AI Agent with Human
(≠ Human with AI Agent) https://bakuraku.jp/news/20260130/
© LayerX Inc. 33 AI-BPOによる全体の⾃動化の実現 AI-BPOのメリット ① 難しい仕事も受けられる 現時点のLLMで⾃動化が難しいもので も、まるっと受けることができる。LLM
の性能が追いついた時点で⾃動化を進 める。⾃動化の精度が上がるほど、コ ストが下がる構造を作り上げられる。 ② リリース前の実験場になる まずはAI-BPOで仕事を受け、データや 業務ナレッジを蓄積する。AI-BPO内で の活⽤で性能が出たAIエージェントを随 時プロダクトへリリースする好循環を 作り上げられる。 ③ 業務理解獲得の最強の場 実際にどう業務を進めているのか、ど んなコンテキストが必要なのか。やっ てみないと⾒えないものが⾒える。 参考: 当社PMの実践例『7,800⾏の明細を承認して考える、AI-BPO with SaaS の可能性』 https://note.com/applism_118/n/nff2a7f97c3a2
「使えば使うほど賢くなる」AIエージェント フィードバック → 改善 → テスト → リリースのループを作り上げる
© LayerX Inc. 35 「使えば使うほど賢くなる」AIエージェント フィードバックをもとに、AIエージェントが(⾃動で)賢くなる改善ループを作れるか 「使えば使うほど賢くなる」AIエージェント ⼈間 フィードバックを もとに精度向上
業務の⾃動化 サイクル 業務ごとに特化した AIエージェント 必要に応じて ⼈に確認 ⾃律的に判断‧実⾏ 確認‧修正‧承認 フィードバックの収集 ユーザー / オペレーター / AI⾃⾝ 改善 プロンプト‧ナレッジ ‧Workflowなどの更新 テスト 安⼼して変更する リリース そして次のループへ
© LayerX Inc. 36 「使えば使うほど賢くなる」AIエージェント フィードバックの収集 ⼈間からのフィードバック プロダクト上でユーザーから(体験を 阻害しない形で収集)/ BPOオペレー
ターから Langfuseなどを利⽤して蓄積 モニタリングからのフィードバック プロダクト体験ごとに「性能」を定義 し、ダッシュボードを構築 モニタリングの中でフィードバックを 獲得 Snowflakeなどを利⽤して構築 AIによる⾃⼰分析 プロダクト上での失敗をもとに、 AIが⾃⾝で改善点を分析してフィード バックを⾏う
© LayerX Inc. 37 「使えば使うほど賢くなる」AIエージェント フィードバックにもとづいたAIエージェントの改善 フィードバックをもとに地道なデータ分析や追加のヒアリングなどを⾏い、モデルやプロンプト、メモリ ‧ナレッジ‧Workflowなどを改善する。 これからはAIエージェントの改善さえもAIエージェントに⾃動で実⾏させる時代 ⼈間をボトルネックにしない
Human-on-the-Loopの思想を、改善プロセス⾃体にも適⽤する 『AI Agent時代における「使えば使うほど賢くなるAI機能」の開発』 https://tech.layerx.co.jp/entry/2025/10/23/222742 『Software Design 2026年7⽉号: 実録 AIネイティブプロダクト開発 プロンプト最適化』 https://gihyo.jp/magazine/SD/archive/2026/202607
© LayerX Inc. 38 「使えば使うほど賢くなる」AIエージェント AIエージェントに直接指⽰を与えるのではなく、 AIエージェントの改善ループをデザインする https://x.com/steipete/status/2063697162748260627
© LayerX Inc. 39 「使えば使うほど賢くなる」AIエージェント 安⼼して変更するための、バックテストによる評価システム 『AI Agentのビジネス価値を計るバックテスト基盤の構築』 https://tech.layerx.co.jp/entry/2025/10/30/085410 『Software
Design 2026年6⽉号: 実録 AIネイティブプロダクト開発 AIエージェント時代の性能評価』 https://gihyo.jp/magazine/SD/archive/2026/202606 代表的なケースを集めた評価セットを⽤いて、 変更の効果‧副作⽤を定量的に確認 顧客環境でのバックテスト 顧客ごとの実過去データに対して、顧客の環境にお いて変更後のAgentの振る舞いを検証 評価データセットでのオフラインテスト 評価はできるだけE2Eで実施し、プロダクト体験を再現する
おわりに 結局、「やるべきこと」をやりきれるかがすべて
© LayerX Inc. 41 おわりに 当たり前を、やりきれるか 当たり前に聞こえることも多かったかもしれない。 ただ、それを「やりきれるか」は別の話。めちゃくちゃ泥臭く、めちゃくちゃ⼤変。 AIエージェントをユーザーに届けてフィードバックを獲得しつつ、 とにかく泥臭い運⽤‧改善を終わりなく回し続けることが、
完全⾃動化への⼀番の近道