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量子コンピュータとWeb3世界.pdf

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May 02, 2025
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 量子コンピュータとWeb3世界.pdf

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Naoto Satoh

May 02, 2025

Transcript

  1. 自己紹介 佐藤直人 X: @charlie_rebirth 大学・大学院(修士)まで  工学部にて、主に有機化学系の実験・研究 • 卒業後(ソフトウェア・エンジニア) 1. -

    Webアプリケーション・エンジニア 2. - ブロックチェーン・エンジニア 3. - 量子コンピューティングのソフトウェア開発案件 4. etc… その他: JAIST 東京サテライト 社会人修士課程1年  情報科学専攻 (テーマ:量子アルゴリズムの形式検証) 自己紹介 2
  2. このスライドの内容 1. 1. 量子コンピュータとは? 2. 2. 量子コンピュータ開発の現在 3. 3. 量子ビット数の増加予測

    4. 4. 量子コンピュータのWeb3やブロックチェーンへの脅威 5. 5. Bitcoin、Ethereumコミュニティにおける主な議論 6. 6. 今後の動向・展望について 7. 7. おまけ 3
  3. 1. 実現すれば、今までどんなスパコンでも解けなかった問題が解け るようになる        100億年かかる計算 => 1年以下 2. GPU, FPGA,

    ASICなどのように「特定の計算」に特化して速くな る ➢ 量⼦化学計算、量⼦機械学習、暗号解読など ➢ 汎⽤量⼦コンピューターは将来的な⽬標だが、現在は特定課題に 特化 =>  新規材料開発や研究開発⽤途としてかなり有望 6 特長
  4. 量子コンピュータ開発の現在(ほぼアメリカ勢) 8 (「量子コンピュータの動向と展望」( 2025年1月10日、株式会社日本総合研究所 )) 1.ビッグテック Google, Microsoft, IBM, Amazon,

    Intel, NVIDIA(?) 2.新興企業も活発 QuEra, PsiQuantum, Quantinuum など 3. 日系企業も参入  QuEraはマネジメン トに日本人がいる(北 川 拓也) 4. 中国の台頭もある が詳細不明
  5. Web3・ブロックチェーンへの脅威とは? コンセンサス・アルゴリズムへの攻撃 1. PoW(Bitcoin)への攻撃(グローバーのアルゴリズム) - PoWが高速にできるが、劇的な速さ改善は理論的な限界があるため、大きな 問題になるのかは未確定 2. PoS (Ethereum)

    への脅威(秘密鍵の窃盗:ショアのアルゴリズム)  バリデーターの署名(ECDSA)から秘密鍵を解読することで、バリデーターを乗っ取 る、停止する、場合により資産を奪う(?)などの攻撃の可能性  チェーン自体が機能不全に陥る危険性 14
  6. 資産の所有権 or スマートコントラクト への攻撃 ⼀度でも送⾦を⾏なった場合、公開鍵は全世界に公開されるため、秘 密鍵を解いて資産を奪うことが可能 Bitcoinでは100万BTCを超えるサトシ‧ナカモトの保有するBTCが奪 い放題になるため、市場が崩壊する可能性が予測される ➢ ⼤量保持者は基本的に資産移動が難しくなる

    ➢ ハッカーグループによる取引所のウォレットへの⼤規模な攻撃 なども予測される => Bitcoinは死ぬのか?   EthereumにたくさんあるDappsやDeFiにセキュリティ対策が不⼗分な 場合、資⾦が奪われる事案の発⽣リスクが⾼い => Ethereumも死ぬのか? 15
  7. Bitcoinにおける主な議論 1. BIP-360 (P2QRH: Pay to Quantum Resistant Hash) 提案 量⼦コンピュータ攻撃にも強い「耐量⼦署名」を、ユーザーの選択オプションとしてBitcoinに加える

    2. QRAMP - 十分な移行期間を設けた上で、上記の安全な署名スキームに移行を促す。 - その後は、古い署名(楕円曲線)を使ってるアドレスからの出金は完全に「廃止」 - 移行しなかった人は失う - サトシ・ナカモトの資産はもう奪えなくなる ただし、これらが実⾏されたとしても‧‧‧‧‧  (1) 署名サイズ増加によるスケーラビリティの損失や⼿数料増加の懸念  処理可能なトランザクション数の低下‧ブロックサイズ増⼤‧ノード運⽤コストの増⼤‧署名検証 における計算量の増⼤       => Bitcoinが⼤事にしてきた分散性が失われかねない  - 下⼿に暗号を実装するとバグや未知の脆弱性など攻撃される(セキュリティへの懸念)  (2)かなり強硬な移⾏プラン&ハードフォークのため現在のチェーンやコミュニティが分裂の危険 16
  8. その他の議論:Bitcoin開発者メーリングリスト Against Allowing Quantum Recovery of Bitcoin 「私は、鍵を失った⼈々やアップグレードを怠った遅滞者のために、量⼦勢⼒へ 報酬を与え、循環供給を膨らませることに興味はありません。」(Jameson Lopp)

    https://groups.google.com/g/bitcoindev/c/uUK6py0Yjq0 Post Quantum Signatures and Scaling Bitcoin - サイズのでかい個々の署名を、⼀気に集約してサイズの⼩さいSTARK証明 (1/100) としてブ ロックチェーンに書き込む⼿法 - https://groups.google.com/g/bitcoindev/c/wKizvPUfO7w    => うまくいけば、スケーラビリティ問題はかなり改善できそう Introducing Hourglass - P2PKアドレスからの⼀つのブロックでの出⾦数を制限(禁⽌ではなさそう) https://groups.google.com/g/bitcoindev/c/zmg3U117aNc 18
  9. 今後の動向・展望 1. 市場予測 (悲観シナリオ)    有効な対策がなければ、⼤暴落と数ヶ⽉〜年単位の混乱(⼤暴落)の可能性 ブロックチェーン技術⾃体が終わる可能性はあまり無いとが、Web3技術への信頼の 根幹が揺らぐ (楽観シナリオ)  

    量⼦コンピュータがそもそも発展しない   ブロックチェーン側の対策が完璧で、何も問題なく、市場への影響はない 2. Post-Quantum Blockchainの研究・開発の必要性 - 署名の安全性の確立と、スケーラビリティ問題の解決が必要 - テストなどもかなり必要になる - 実用面での性能低下が問題(対応できない多くのアルトコインが終わる可能性) 19
  10. 他の問題 「技術的な仕組みとして対策ができるとしても、コミュニティ全体 でPQC移行が本当に混乱なくできるのか?」 1. ステークホルダー数が肥⼤化し過ぎたため、合意形成が難しい(国 家、⼀般市⺠、開発者、その他) - => 分散性の罠。 2.

    対策できなかった⼈への救済策    => 強制的な資⾦BAN‧ロックへの反発 3. すでに秘密鍵をロストした⼈への救済策 (こちらは量⼦コンピュータによって資産を復活できるメリット があるので、むしろ歓迎する。) => 強制凍結は激しく抵抗する可能性が⾼い 20
  11. おまけ:AIとブロックチェーンの関係 - AI = Centralization データの中央集権化、政治体制の集権化の懸念 - Blockchain = Decentralization

    データの分散化、自治・民主性の重視 => AIとブロックチェーンは設計思想としては反対である。 - 今後の社会を作る上で両者が相補的に補完しあうことでよりマ シな社会・経済を構築することを模索する必要がある。 21
  12. 参考資料 『量⼦コンピュータと量⼦通信』(2004),Michael A. Nielsen, Isaac L. Chuang 著, ⽊村 達也

    (訳) 「量子コンピュータの動向と展望」株式会社日本総合研究所 (2025年1月10日 Ver.1.2) https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/advanced/advanced-technology/pdf/15330.pdf Bitcoin Development Mailing List https://groups.google.com/g/bitcoindev Ethereum Magicians https://ethereum-magicians.org/ Ethereum Research https://ethresear.ch/ 22