エコプロステージ/セミナースライド【エコプロ2024】

 エコプロステージ/セミナースライド【エコプロ2024】

エコプロ2024/エコプロステージ

次代の展示会をつくる「ブース」のデザインとその構法

講師/SUPER PENGUIN株式会社 代表取締役/展示会デザイナー 竹村尚久

日時:2024年12月6日(金)13:50~14:30

本セミナー時に使用したセミナースライドをこちらにアップしています。
ダウンロードは自由に可能ですので、是非ご覧ください。

NAOHISA TAKEMURA

November 30, 2024
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Transcript

  1. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 7 PROFILE 竹村 尚久 SUPER

    PENGUIN株式会社 [スーパーペンギン] 代表取締役 展示会デザイナー 一級建築士 1970 兵庫県姫路市生まれ 1986 シンガポール日本人学校卒業 1989 同志社国際高校卒業 建築の道を決意 1994 法政大学 工学部 建築学科卒業 1996 法政大学 工学研究科 建設工学専攻修了 1996-2004 五洋建設株式会社 建築設計部 2005 独立(インテリアデザイン事務所) 2010 ブースデザインへの業務特化 2017 スーパーペンギンの社名を考案・社名変更 東京都品川区上大崎3-10-50 SEED花房山405 www.superpenguin.jp NAOHISA TAKEMURA 自治体・出展社説明会等でブースデザインセミナーを担当 ▪展示会セミナー講師を担当 ▪著書/ 「集客できる展示会ブースづくり」 PENGUIN METHOD 出版:PHPエディターズグループ
  2. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 14 MICEと「展示会」 M I C

    E ME E T IN G IN CE N T IVE T R A VE L CON VE N T ION E XH IBIT ION /E VE N T 企 業 会 議 ・ 研 修 報 酬 ・ 研 修 旅 行 国 際 会 議 ・ 学 会 展 示 会 / イ ベ ン ト 「 ブ ー ス デ ザ イ ン 」 の 観 点 か ら 見 る と 、 そ れ ぞ れ 考 え 方 が 異 な る MICEとは、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。
  3. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 15 「展示会」とは 展示会とは、「数多くの企業」が出展し、 新規顧客の獲得等、ビジネス的な結果を出すことを 目的として開催されるイベント

    MICEという言葉でひとくくりにはなっていますが、ブースをデザインする観点から見た場合、それぞれのブースを考える際は、思考回 路を変えなければいけません。展示会は、展示会場に数多くの出展社がおり、それぞれの出展社は、会場内を行き来する来場者を 確実に自社ブースに寄っていただくためにブースの工夫をしなければいけません。どのようにして集客を行うのか、展示会のブース はこの視点が強く求められます。 つまり、「出展の結果」がとても大事
  4. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 20 展示会終了後の 木材等の廃棄物 一般の出展社はあまり目にする機会がないかもし れませんが、毎週のように開催される展示会が終了

    する時には、膨大な量の木材廃棄物が発生します。 このことは、展示会業界の関係者にとって解決しな ければいけない大きな課題となっています。その主 たる要因となっているのが、木工ブースです。 スーパーペンギンも木工を中心とす るため、毎回頭を悩ます問題 展示会業界の課題
  5. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 21 木材廃棄量は、年間2万トン以上 少なく見積もった1年間で廃棄される木材廃棄の総量 年間の木材廃棄量は? 推計

    ・全国の推計出展総面積:2,067,911㎡(→約200万㎡として計算) ・東京ビッグサイト・幕張メッセ・インテックス大阪の推計割合:約80% ・上記3施設で開催の展示会の中で、木工ブースが占める割合:仮に60%として設定 ・2小間(今回の木工ブースを想定)の総木材量:約400kg (1小間あたり200kg→0.2トン) 計算/ 2,000,000㎡(総出展面積)×80%=1,600,000㎡(主要3施設の合計) 1,600,000㎡×60%(木工ブースの割合)=960,000㎡(主要3施設の木工ブースの総面積) 960,000㎡÷9㎡(1小間の面積)=106667小間(1年間の木工ブースの小間数) 106,667小間×0.2トン(200kg)=21,333トン(1年間の木工ブースの総木材量) 全国の推計出展総面積:約200万㎡ /1小間:200kg
  6. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 25 サステナビリティ・ガイドブック 展示会業界によるガイドブックが完成 対策-02 イベント・MICEサステナブル運営コンソーシアム

    一般社団法人 日本イベント産業振興協会 公益社団法人 2025年日本国際博覧会協会 一般社団法人 日本コンベンション協会 一般社団法人 日本展示会協会 公益財団法人 大阪観光局 一般社団法人 日本ディスプレイ業団体連合会 2024年9月発行
  7. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 訴求力のあるブースにするためには? 「よい印象」 をつくりあげること 「機能性」 を持っていること

    「企業の第一印象」 シワがよってない パネルの角がつぶれていない 雑然としていない 来場者が集まりやすい工夫 キャッチが分かりやすい 通路際に展示台がある 目立つ色
  8. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 現在の展示会の状況 ブース 出展社 設営会社 予算の削減

    材料の高騰 「利益を取れない」状況に 極力、金額の掛からないブースをつくる必要がある 100万→80万 50万→80万
  9. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN シンプルブースでのポイントは? シンプルブース 集客のロジック 機能面 デザイン面

    →なにもしないと、ただの「安かろう悪かろう」ブースに ディテール グラフィック デザイン上、2つのポイントが重要
  10. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 46 スーパーペンギンの場合 小間位置の反映 集客の結果を出すためには、細かなデザイン調整が必要 距離感の調整

    陳列の調整 小間位置に合わせた レイアウトを設定する 出展社・来場者の 距離感の調整を行う 商品に合わせた 陳列台の最適寸法を設定する
  11. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 47 小間位置図の 読み込みで「大枠のレイアウト」 を導き出す 来場者が集まるブースを考え出すためには、実は「小間位

    置図」をしっかり読み込み、この段階でブースの大枠のレイ アウト方針を固めておくことが集客の成否を分けます。まず、 会場全体を見渡し、自社のブースに対してどの方向から来 場者が流れてくると想定するのか、どの位置からブースのど の部分が見えるのか(キャッチの位置になります)、そのため にどこに壁があればいいのか、などが見えてきます。 小間位置を「読む」
  12. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 52 展示会ブースの主な「構法」 木工 システム部材 段ボール等

    01 02 03 木工ブースだけが、デザインのよいブースを作れるのか?
  13. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 57 それぞれの構法に 「木工」を加えると、 より自由度が増す 寸法自由性・デザイン実現性という観点から素材を比べた

    場合、やはり木工がもっとも自由度が高いと言えます。しか し、環境には優しくない、ということを考えると、基本構造を システム部材にして、一部分にのみ、木工を活用する、という 手法もあり得ます。寸法の自由度という点からはシステム部 材などは自由度がどうしても比較して落ちてしまいますが、 木工と併用した構造にすると、自由なデザインが可能となっ てきます。 木工の併用
  14. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 62 再生板紙構法とは? 木工ブースの構法はそのままに、 基本素材を「再生板紙」に置き換える構法 再生板紙構法は、木材を無くして新しいブース構築法を模索するものではまく、木工ブースの作り方はそのままに、基本素材となる木材を「再生板紙」に

    置き換えたブース構築方法です。再生板紙とは古紙等から作られた紙をベースにしたもの。ブースへの使用後は、改めて再生板紙としてのリサイクルも 可能です。段ボールによるブースが、木工とは完全に異なるブース構築方法に対して、こちらは木工との併用も可能な「素材を置き換える」構法です。
  15. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 72 ビス打ち方向の制限 課題-01 紙を圧縮して積層させた素材であるため、積層した上部 からビスを持った場合は強度が出ますが、積層する横方

    向からビスを打った場合、ビスが効かないという決定が あります。木の棒のように使用する際には、この方向を確 認する必要があります。 〇
  16. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 73 定型サイズの制約 課題-02 もともとブース用には作られていない素材であるため、 現在の定型の製作幅がW400mmとなっています。展

    示会ブースで効率的に使用することを考えた場合、 W900mmが必要なところです。 400 400 400 900 2700 2700 〇
  17. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 74 重量 課題-03 紙を圧縮して積層させた素材であることから、木の棒 と同じ形状にした場合、木に比べてかなり重い重量に

    なってしまいます。紙と聞くと軽い印象ですが、実際に は重くなる傾向にあります。 防炎処理 課題-04 本構法で最大の課題は、この防炎処理になります。現 在は加工する素材1枚1枚に防炎処理を施しているた め、金額的にどうしても高くなってしまっています。(写 真は木工の防炎素材)
  18. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 76 もし、再生板紙構法が広がったら 出展社にとって 展示会業界にとって 1.企業のPRに活用できる

    2.環境対策に制限のある展示会でもデザイン性の高い ブースが実現可能になる 2.展示会業界のカーボンニュートラルが実現しやすくなる 3.造作物の物量を抑えることなく、環境配慮ができる 3.デザイン性の高いブースにすることで、出展結果を出 しやすくなる 1.展示会終了後の木材廃棄量がゼロに近づく
  19. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 78 導入期 導入イメージ PHASE-01 PHASE-02

    PHASE-03 拡散期 定着 木材廃棄物「ゼロ」 ・再生板紙の「部分採用」 ・企業PRとしての活用 ・製紙業界の設備導入 ・展示会用「再生板紙」素材の製造方法確立 ・コストの安定 ・設営会社の施工手順の習得 ・「再生板紙」製造会社の増加 ・認知の一般化 ・設営会社の技術の習熟 現在
  20. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 85 サステナビリティ・ガイドブック イベント・MICEサステナブル運営コンソーシアム 一般社団法人 日本イベント産業振興協会

    公益社団法人 2025年日本国際博覧会協会 一般社団法人 日本コンベンション協会 一般社団法人 日本展示会協会 公益財団法人 大阪観光局 一般社団法人 日本ディスプレイ業団体連合会