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AIエージェントの現在地と本番化への道筋

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 AIエージェントの現在地と本番化への道筋

2026/9/2(水)DevelopersIO オンライン #DevIO2026

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TakaakiKakei

September 02, 2026

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Transcript

  1. 会話から委任への転換 接続とツール実行の標準化が進み、AIは回答するだけでなく、一部の仕事を実行 できるようになった この規程の要点を教えて 要点は3つです 先週の商談メモか ら提案資料を作っ ておいて 質問 担当者

    従来:会話 人間が質問し、AIが答える © 2026 Classmethod, Inc. 商談メモを検索 し、資料を作成 仕事を渡す 生成AI 担当者 接続・ツール実行 AIエージ ェント 現在:委任 Slack / Box / CRM AIが仕事を進め、人間は結果を確認する 5
  2. 実験から本番への距離 企業では実験が広がった一方、継続利用され業務成果を出す本番運用はまだ少な い RAG単体の相談 実業務の効率化・高度化の相 談 まずはここから 調査 現場で増えている領域 数字

    Forrester State of Agentic AI, 2026 導入を進める企業は多いが、意味のある本番は少数 McKinsey 2026 実験は約3分の2、価値が出るスケールは10%未満 継続利用され成果を出す本番 運用 事例はまだ少ない 読み方 技術は先行、企業側が追いついていない 試すことと成果を出すことは別 参考:Forrester State of Agentic AI 2026/McKinsey The state of AI/McKinsey Building the foundations © 2026 Classmethod, Inc. 6
  3. 成果の出る本番に必要な4つの問い 成果の出る本番には、見合うか・何を任せるか・何を渡すか・何を残すかを先に 決めておきたい 問い 課題感 見合うか エージェントはコストがかさむ。活動指標だけでは、経営が見る業務成果に見 業務成果のKPIで置き、広く測って絞り、サイクルで判 合うかを判断できない 断時期を決める

    定型はワークフロー、状況判断と複数ツール操作はエ 手順が決まった作業のエージェント化は、コストと不確実性を増やす ージェント 何を任せ るか 何を渡す か 何を残す か 決め方(幕3) データを接続するだけでは、得られないコンテキストがある 用語辞書・関係性グラフ・意思決定ログを整えて渡す 何を買い何を貯めるかを決めないと、重複投資になり資産が残らない 基盤は買い、評価セット・実行ログ・意思決定ログは 自社で持つ © 2026 Classmethod, Inc. 8
  4. 問い1 見合うか エージェントはコストがかさむ。AIの活動指標(時間削減・利用者数)だけでは 見合うかを判断できず、経営が見る業務成果で測る必要がある 前提:コストがかさむ ツール呼び出し・再試行・渡す文脈で推論が 増える。ワークフローあたりの推論コストは 2028年までに5倍超との予測 よくある測り方 時間削減や利用者数が増えれば、価値

    が出ているとする 実際 活動指標は経営が見る業務成果(売 上・コスト・従業員体験)に結びつか ず、かさむコストに見合うかを判断で きない 参考:Gartner 推論コストが2028年までに5倍超になるとの予測/Gartner 5 AI Metrics That Actually Prove ROI to Your Board © 2026 Classmethod, Inc. 9
  5. 問い3 何を渡すか データを接続するだけでは、業務用語・データの関係性・過去の判断の経緯まで は伝わらない 接続で解けること 接続では伝わらないこと 外部システムとつながる データを取得できる データを操作できる 業務用語:システム名の略称や社内用語の説明は、デー

    タ先に書かれていない データの関係性:どのテーブルが正解の置き場か、どの 項目同士が結びつくか 判断の経緯:なぜその例外を認めたか、誰が何を基準に 決めたか →MCPなど既製の接続で解ける →整備しないと分からないことが多い 参考:Forrester Integrationが先/Gartner セマンティクスの欠如が招く不正確さと浪費 © 2026 Classmethod, Inc. 11
  6. 問い4 何を残すか 何を買い何を貯めるかを決めていないと、重複投資になったり、資産が残らない 基盤を先に作るリスク 資産が残らないリスク 評価基盤・LLM Judge・ダッシュボードを自作し始 める 独自Gateway・全社Ontologyの設計が先に走る 業務の前に、基盤で止まる

    評価データも実行ログも残っていない 人間がどこを直したかの記録がない モデル更新やベンダー変更で、品質を言えなくなる →作っている間に、プロバイダー側の機能が追い越す可能性 →評価セットは、先につくらないと手戻りが発生する 参考:Forrester Architect For Evolution/Gartner 内製化の目的をスピードと知見蓄積に置くべきとの見解 © 2026 Classmethod, Inc. 12
  7. 決め方1 見合うかについて 成功条件は業務成果のKPIで置く。最初から1つに絞らず広く測り、業務サイクルに 合った期間で効いた指標に絞る 決め方 Microsoftの営業組織の例 何で測るか:AIの活動指標ではなく、業務がもともと持つ成果のKPI(売上成 長・コスト削減・従業員体験) どう絞るか:最初からKPIを1つに絞らない。広く測って、影響が大きかった指標 に絞る

    いつ見るか:効果が出る時間軸を業務サイクルで決める 現場と話して、営業1人あたり売上と商談成約率から入っ た 想定以上にPipelineが伸びた。時間短縮だけでなく、案件作 りにも効果が出た 商談サイクルが回るまで待つ。早すぎると変化が見えない 絞った後の実測値 商談成約率 +20%/営業1人あたり売上 +9.4%/Pipeline +5%(高利用群と低利用群の比較、月次で更新) 参考:Microsoft How we measured the business impact of Copilot on Sales/Gartner 5 AI Metrics That Actually Prove ROI to Your Board © 2026 Classmethod, Inc. 14
  8. 決め方2 何を任せるかについて 定型処理はワークフロー、状況判断と複数ツール操作はエージェントを第一候補 にする 仕事の性質 手順・分岐が決まっている 状況に応じて判断し、複数ツー ルを使う 送信・支出・削除・権限変更を 含む

    © 2026 Classmethod, Inc. 第一候補 人間の確認 AIエージェント 重要な判断・外部影響を承認 ワークフロー 例外処理を確認 狭い範囲のエージェント 原則として実行前確認。自律化は監視・復旧が +承認 整ってから 15
  9. 決め方3 何を渡すかについて 用語辞書・関係性グラフ・意思決定ログを業務責任者が持って渡せば、接続だけ では揺れる判断を改善できる 渡すもの 中身 誰が持つ 用語辞書 関係性グラフ 意思決定ログ

    略称や社内用語の定義。同じ言葉が指す範囲 正解の置き場(System of Record)と、項目同士の対応関係 判断の理由と判断者。判断基準になり、評価セットの種にもなる 業務責任者が定義し、更新し続ける 業務責任者が、データの持ち主と合わせて持つ 業務責任者が、承認のたびに残す 接続・RBAC・ログ基盤は既製品を買う。3つは業務固有なので自社で持ち、1業務で使う分から書く © 2026 Classmethod, Inc. 16
  10. 決め方4 何を残すかについて 基盤は買い、評価セット・実行ログ・意思決定ログは自社の資産として持つ 線引き 対象 今は作らない 持つ(自社の資産) 全社Orchestrator・巨大Ontology・共通Vector DB 評価セットの正解例

    20〜50件/実行ログのデータ/意思決定ログ/業務用語・承認ルール・業務責任者 RBAC・ログ基盤(可観測性)/Eval基盤・LLM Judge・ダッシュボード・Failure clustering/ 買う(既製品を第一候補) 接続・ Runtime・LLM 狙い 「評価システム」ではなく、自社固有の評価データや各種ログを資産化する。基盤の進化はプロバイダーに任せ、 進化しても効く資産を貯める 参考:Forrester Architect For Evolution/Gartner 内製化の目的 © 2026 Classmethod, Inc. 17
  11. 持つ・買う・待つの線引き 進化の速い領域で全部を自社で作ると、プロバイダーと重複投資になる。今から 持つ・買う・待つを分ける 持つ(今から自社で) 買う(既製品を使う) 待つ(標準化を) 業務KPIと成果1件のコスト 承認ルール・自律度・止め方 評価セット・実行ログのデータ・意 思決定ログ・業務責任者

    LLM・エージェント実行基盤 IAM・Gateway・ポリシー 可観測性(ログ基盤)・評価基盤 横断のAgent Control Plane Agent Registry・Identityの標準 Multi-Agent基盤・Agent間プロトコ ル →業務固有で、プロバイダーは出せない →進化が速く、作る間に追い越される →標準がまだ固まっていない 参考:Forrester Architect For Evolution/Forrester Integrationが先/Gartner 内製化の目的をスピードと知見蓄積に置くべきとの 見解/Gartner 一律ガバナンスのリスク ※区分は登壇者の整理 © 2026 Classmethod, Inc. 19
  12. 小さく本番化する 低〜中リスクの一連の業務を、承認つき実行で1本通す。狙いは技術評価ではなく、自社で本 番化する方法を学ぶこと 顧客情報収集・過去 商談検索 商談準備 提案案作成 人が確認 承認して実行 CRM更新

    小さな本番から残す資産(上の流れは営業の例・架空) 答える問い 適用業務の選定基準と業務KPI 自律度×リスクの対応表と止め方 人とエージェントの分担 評価セットと実行ログ・人の修正記録 意思決定ログ どの業務が向くか。成果を何で測り、いつ撤退するか どこまで任せ、誰がどこで止めるか どこを人が担い、どこをエージェントが担うか 何をもって正しいとするか。うまくいった件を正解例に いつ・誰が・なぜ自律度や範囲を変えたか。成果1件のコストの推移 運用基盤(AgentOps)はプロバイダーの成熟を待つ。記録は基盤がなくても今から貯める 参考:Forrester Control Plane/Gartner スプロール管理 © 2026 Classmethod, Inc. Follow-upメー ル作成 20