「陣形」で対処せよ！ワンパターンスクラムからの脱却 #xpjug

XP祭り2017
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Transcript

1. 「陣形」で対処せよ！ ワンパターンスクラムからの脱却 鈴⽊ 隆昭
2. はじめに
3. 鈴⽊ 隆昭（すずき たかあき） Ø KDDI株式会社 (2014年〜) p アジャイル開発センター アジャイル開発3G p 某コンテンツプロバイダ(〜2014年) Ø スクラム歴：４年 p 時にエンジニア p 時にSCM p 時にテスト設計
4. Agenda Ø はじめに Ø ワンパターン化するスクラム Ø 「陣形」で課題解決する Ø まとめ
5. ワンパターン化するスクラム
6. 問１ドゥンカーのロウソク Q. ⽬の前の道具を使って、”ろう”を垂らさないように ⽕のついたロウソクを壁に取り付けてください ろうそく 画鋲 マッチ棒 壁 凡例
7. 問２ドゥンカーのロウソク ろうそく 画鋲 マッチ棒 壁 ろうそく 画鋲 マッチ棒 凡例 Q. ⽬の前の道具を使って、”ろう”を垂らさないように ⽕のついたロウソクを壁に取り付けてください
8. 壁 回答例 A. 画鋲を箱から出す→箱の上にロウソクを⽴てる→箱を壁に画鋲で固定する 落とし⽳ ü 使って良い道具を3種類だけと勘違いした ü 箱を⼟台として使う発想が思い浮かばなかった 箱の「機能」に発想が固着し、別の⽤途が浮かび にくくなる(『機能的固着』:経験的先⼊観の⼀種) つまり.. Ø 経験的先⼊観は課題解決の発想の妨げになり得る ということ
9. ワンパターンスクラムの定義 ロール プロダクト オーナー スクラム マスター Devチーム アクティビティ デイリー スクラム スプリント計画 スクラムで提唱されてきた型に対して経験的な先⼊観に捉(囚)われ、 課題にフィットしない解決⽅法で頑張ってしまう思考のこと プラクティス ペアプロ チームダイア
10. 今回お話すること Ø 実案件にてスクラムの型に拘らず、状 況1つ1つに対して向き合った Øチームメンバーの動きのスナップ ショットを『陣形』として定義した
11. 「陣形」で課題解決する
12. 陣形 (tactical formation) Ø 戦闘⼒を最⼤に発揮するための⼈員と 装備の類型化された配置 from ウィキペディア
13. 編み出された4つの陣形 ① 密集陣形(ファランクス) ② 超索敵陣形 ③ ボックスワン ④ 捨て艦戦法 時間 陣形①②を適⽤ 波乱 具合 陣形③④を適⽤ 開発チーム⽴ち上げ期 社内調整⼤変期
14. 密集陣形（ファランクス）
15. 最初にスキルセットは揃わない スキル ü AWS ü Python ü Terraform / Packer ü Linux ü Docker ü Git ü CI / CD ü インフラのキャパプラ ü 機械学習 ができる⼈ね ドメイン知識 ü 製品Aの仕様 ü 製品Bの仕様 ü 社内システムの仕様 ü 現運⽤業務の理解 に詳しくて 求 む 結局 ü サーバサイド開発経験 で募集 新規チームを構成した際の「欲しいスキル」と「現実」のギャップ
16. 課題：育成をどうするか 「メンバーの育成」と「プロジェクトの進捗」を両⽴したい 育 成 進 捗 育 成 何 か 進 捗 こうじゃなくて こうできないか
17. 密集陣形(ファランクス) 集団で⼀丸となり課題に取り組む スクラムチーム 課題 特徴 ü 全員で同じ課題に取り組む ü チーム内の誰かが知っているスキルや知識を基にモノづくりをする ü スキル・ドメイン知識の不⾜や偏りがある場合に有効 ポイント ü 誰も会得していないスキルは「誰かが知っている状態」を先に作る ü ⼀度に並⾏して、⼤量に、はできない ü 「共有」「ボトムアップ」を主⽬的にするとスピードが上がりにくい from ウィキペディア
18. 超索敵陣形
19. 課題の居所がわからない 課題は存在するのだろうが、どこにあるのかわからない 進む⽅向の意識が合う 全体像がつかめる コンパス ⽬視 課題の認識 地図 ああ
20. 課題：ほどよい安全ルートの確保 GameOver GameOver GameOver Go next 遠い将来よりも近い将来の事の⽅が不確実さは下げれるはず GameOver GameOver GameOver GameOver GameOver GameOver GameOver Go next ここまででいい ここは置いておく
21. 超索敵陣形 可能な限り事前に課題を察知する スクラムチーム リスク 特徴 ü 近い将来に遭遇する課題を察知するためのタスクを⾏う ü リスクアセスメントに不安な場合に有効 ポイント ü 時間的余裕がある場合には実施すると良い ü 「結果的に不要になるかもしれない」ことを考慮し、やりすぎない ü 索敵は全員でなくても良い(QAのみ、とか) from 進撃の巨⼈ チームの 進⾏⽅向
22. ボックスワン
23. 課題：プロジェクトの撹乱 「プロのトラブルメーカー」は実在する 会議の破壊 ・・・ 合意事項のリセット Take and take 「聞いてない」 「知らない」 「認識が ずれてます」 ずっと俺のターン！！ 議題を進めたいのだが… どこまで遡ろうか… ◦◦ください ◦◦教えて ◦◦作って そっちも少しは⼿伝って… 我々は やらないけど
24. ボックスワン PO トラブルメーカーを抑⽌する スクラムチーム トラブルメーカー 特徴 ü トラブルメーカーを誰かがマンツーマンで引き受ける ü 残りのメンバーはとりあえず平常運転 ü トラブルメーカーの放置リスクが看過できない場合に有効 ポイント ü 相⼿も⾃負と正義を持っていることを認識する ü トラブルメーカーと会話のコンテキストが合う⼈をアサインする ü マンツーマンで張り付いた⼈間がかわされると悲惨 from SLAM DUNK マンツーマンするのは 誰でもよい
25. 捨て艦戦法
26. ステークホルダー相関図 プロジェクト発⾜時 以下部⾨から担当をアサイン ü 開発部⾨ ü 企画部⾨ ü 業務部⾨
27. 課題：POの調整疲れ 2ヶ⽉後 ステークホルダーに変化 ü システム連携先の部⾨ ü 社内統制的に相談必須とさ れた部⾨ ü 勝ち⾺に乗ろうとする部⾨ ü 案件乗っ取ろうとする部⾨ ü ステークホルダーとして機 能してない部⾨ !?
28. 捨て艦戦法 PO 相対先を絞りProductOwnerを温存する スクラムチーム 相対部⾨ 特徴 ü 他メンバーが肩代わりすることで、POは本来相対すべき相⼿とのコ ミュニケーションにフォーカスする ü POの負荷分散に有効な陣形 ポイント ü POの過度な消耗は意思決定や開発に影響が出ることを認識する ü 肩代わりに配備する艦はそれなりの⼈をアサインする必要がある ü 肩代わりする艦の消耗は「気にしない(=仕⽅のないコストとして割 り切る)」 from 艦隊これくしょん –艦これ- 突撃!! 俺に構わず 先に⾏け!! 俺に構わず 先に⾏け!!
29. まとめ
30. 状況に応じた「陣形」を組んだ ü チームの取り巻く状況に応じて個々⼈ が振る舞いを変えた ü役割や機能に対する経験的先⼊観は置いておこう ü「とり得る選択肢」は多いはず ü陣形は「⾃然とそうなった」が良い ü陣形はチームの状態変化におけるスナップショット üきっとチームが⾃⼰組織化されている証拠
31. 注意点 ü 万能な陣形はない ü 組める陣形はチームメンバーに依存する ü 相⼿も陣形を組んでくる ü 軍師を気取らない
32. Thank you for listening