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【JTF2019】日系大企業で2年間アジャイル開発を経験した新卒エンジニアが考える、「なりたい組織・人物像」とは?

Takaichi00
December 08, 2019

 【JTF2019】日系大企業で2年間アジャイル開発を経験した新卒エンジニアが考える、「なりたい組織・人物像」とは?

Takaichi00

December 08, 2019
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  1. 配属 ~ 1年目前半 業務概要 ❏ オンライン予約システムの構築 ❏ 組織として以下のことを目標としていた ❏ 社員中心の開発を推進する

    ❏ アジャイル開発実践、社内教育 ❏ 内製フレームワークでの開発、改善要望出し ❏ ベテランエンジニア1名, 中堅エンジニア1名, 新人4名
  2. 1年目後半 業務概要 ❏ 某社内システム案件管理システムの構築 ❏ 引き続き以下の組織目標は継続 ❏ 社員中心の開発を推進する ❏ アジャイル開発実践、社内教育

    ❏ 内製フレームワークでの開発、改善要望出し ❏ エンジニア5名, 新人1名(自分) ❏ 途中エンジニアの入れ替え、外部エンジニアの参加が発生 ❏ Sprint0 のやり直し、プロジェクトの中断
  3. 2年目 業務概要 ❏ 某オンライン販売システムのリプレイス ❏ 初めて商用リリースを経験することになったプロジェクト ❏ 内製フレームワーク + JavaEE

    での開発 ❏ 約1年間のプロジェクトでメンバー構成が大きく入れ替わる ❏ 1年間通して携わったのは3名 ❏ 2年目のエンジニアや新人4名の参画、外部コンサル ❏ Sprint0 のやり直し、リリース間際のスケジュール遅延
  4. 3年目 業務概要 ❏ ショップの方が利用するシステム開発 ❏ SpringBoot, Quarkus などの一般的な Java フレーム

    ワークによる開発 ❏ ベテランエンジニア1名、3年目以下のエンジニア3名 ❏ 7月より2名、10月より1名の新人が参画
  5. 体験した X 理論 ❏ 某社内システム開発当時、開発が思うように進まないとき に受けたマネージャーの方からの指摘 ❏ リリースまでに必要なポイントから逆算して、 X ポイントのベロシティを

    出さなければいけない ❏ 多少開発者に圧をかけ、急いでやらせたほうがいい ❏ 見積もりより早くタスクが終わったらその人はサボってしまう。シニアエ ンジニアはより多くのタスクを消化し、それを評価にするんだ ❏ ⇒これは「大規模スクラム」で記載されている、フレディック・テイラー氏と アンリ・ファヨール氏が考えたマネジメント ❏ このマネジメント手法では自ら考えなくなり自己組織化の弊害につながる
  6. 体験した Y 理論 ❏ 現在のマネージャーの方のスタンス ❏ 開発の事はすべて任してくれる ❏ 権限を与えようと組織に働きかけてくれる ❏

    「チームは全力を出している」と信じてくれている ❏ するとチームも「期待を裏切ってはいけない」と奮起する といったことが起きる ❏ ⇒ チームの自己組織化を促進するマネジメント
  7. 新しいマネージャーのあり方 ❏ 新しいマネージャーのあり方を考える ❏ 「Less の組織においてマネージャーは、組織の価値提供能力を高めるこ とに注力します。マネージャーの仕事は改善です!」 ❏ 「Craig Larman,

    Bas Vodde (2019) 大規模スクラム」 より ❏ サイボウズさんはユーザー価値の最大化という理想のもと 組織改革を行った結果、マネージャーを廃止 ❏ マネージャーの役割はチームに分散させた ❏ 個人やチームが動きやすくなることを支援する組織へ ❏ 「組織変更したら部長がいなくなりました」
  8. ❏ チームの目標が「リリースまでに必要なストーリーポイン トを消化し切ること」にすり替わってしまった ❏ 見かけ上の進捗は確かに順調 ❏ プランニングをし、PO とキャパシティ調整をしても「どうせ後が きつくなるだけだから」 ❏

    慢性的な残業、スプリントレビュー前の休日出勤 ❏ テストカバレッジが「30%」と堂々と表示されていながら放置 ❏ 守られない Done の定義、タスクの完了条件 「上層部の圧力による偽りのベロシティ」問題
  9. 縦割り、局所最適な組織 ❏ クラウド環境構築時、従来のセキュリティポリシーが弊害 となり作業が難航 ❏ 開発側... ❏ PaaS 製品などを駆使して徹底的に自動化をしたい ❏

    セキュリティ、インフラ側... ❏ 社内の重要なセキュリティを守るため、開発に好き勝 手させるわけには行かない
  10. ❏ 「成功の循環モデル」はダニエル・キムが提唱したループ図。組織として成果を 上げていくためにどのような観点でカイゼンに取り組むべきかのフレームになる (カイゼンジャーニーで知りました) 好循環サイクル: (関係)お互いに尊重し一緒に考える (思考)気づきがあり面白い (行動)自分で考え、自発的に行動する (結果)成果が得られる (関係)信頼関係が高まる

    悪循環サイクル: (結果)成果が上がらない (関係)対立が生じ、押しつけや命令が増える (思考)面白くなく受け身になる (行動)自発的・積極的な行動が起きない (結果)さらに成果が上がらない 成功の循環モデルを意識する 関係の質 思考の質 行動の質 結果の質 ◦ 良い起点 × 悪い起点
  11. 著名な方のエンジニアとしての生き方を参考にする ❏ 和田卓人さんの「エンジニアとしてこの先生き残るために」 ❏ ロードマップ指向とエコシステム指向 ❏ 四半期毎に技術書を読む ❏ 写経する、量は質に転化する ❏

    まつもとゆきひろさんの「プログラマー勉強方法」 ❏ 知名度とその人の価値は可換である ❏ 社会人の勉強は100点が上限ではない ❏ アウトプットを行うことで差別化できる
  12. 外部発表に向けて「ネタ」を仕込む ❏ JJUG での発表を意識し、Quarkus の商用導入を決定 ❏ 外部に発表するというモチベーション ❏ 自社の技術アピール ❏

    チームとプロジェクトにチャレンジできる余裕とスキル セットがあれば、外部発表のために尖った技術にチャレン ジするといった戦略が取れる