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【Developers Boost 2020】凡人エンジニアの生存戦略

Takaichi00
December 12, 2020

【Developers Boost 2020】凡人エンジニアの生存戦略

Developers Boost 2020 / Developers Summit 2021 で登壇した凡人エンジニアの生存戦略の資料です
https://event.shoeisha.jp/devboost/20201212/session/2989/
https://event.shoeisha.jp/devsumi/20210218/

Takaichi00

December 12, 2020
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Transcript

  1. 凡人エンジニアの生存戦略
    (デブサミ2021 / デブスト2020 ver.)
    #devsumi / #devboost
    髙市 智章 (Tomoaki Takaichi)
    Feb, 18, 2021 Developers Summit 2021
    Dec, 12, 2020 Developers Boost 2020

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  2. 自己紹介
    @Takaichi00
    tomoaki.takaichi.5
    ・髙市 智章(タカイチ トモアキ)
    ・Java / Node でのシステム開発
    ・CI / CD
    ・Container / k8s
    ・アジャイル開発実践
    共著: クリーンなコードへの
    SonarQube即効活用術
    www.amazon.co.jp/dp/B086ML43DH

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  3. ❏ 自分の新人時代をふりかえる
    ❏ こんなつよつよな人がいる世界でやっていけるんだろ
    うという不安
    ❏ この業務をやっていて、本当にこれからも生きていけ
    るようなスキルが身につくのだろうかという恐怖
    ❏ 新人の頃はそんな思いから「こんなんじゃだめだ!」と自
    分にも他人にもピリピリしていた
    本日お話すること

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  4. ❏ 現在の状態をふりかえる
    ❏ 新人時代の不安や恐怖は拭いきれないが、少なくともピリピ
    リはしていない
    ❏ ネガティブな性格は変わっていないもしれないが、以前ほど
    悲観してはいない
    ❏ どのようにこの状態まで遷移したか、自身の行動をふりか
    えり、これからの生き方についても考えていきたい
    ❏ あくまで私の経験をおはなしするが、何か一つでも同じよ
    うな悩みを抱えている皆様の参考になれば幸い
    本日お話すること

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  5. 社会人1年目 ~ 2年目の不安

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  6. ❏ 「ここの環境にいて本当に大丈夫なんだろうか」という不安
    ❏ 配属先は「これからは社員中心で開発していこう」という過
    渡期だった
    ❏ 決して最先端でキラキラした技術を使った開発ではない
    ❏ セキュリティの厳しさや使う技術にも制限がある
    ❏ 身近な一歩先をゆくエンジニアの先輩もいない
    業務内容 / 環境による焦り

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  7. ❏ エンジニアとして活躍している方々は「楽しくて仕方がな
    い、ずっとでもやっていられる」という方が多い
    ❏ しかし自分はプログラミングなどが楽しくて楽しくて仕方
    がないというわけではない
    ❏ エンジニアのスキルアップに関して突発的な努力はできる
    が、それが苦痛なので継続できない
    活躍されているエンジニアの方とのギャップ

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  8. ❏ 自分の場合は「生活の糧だから」が一番の答え
    ❏ 大学で「なにかためになることをしたい」と始めた
    ゲーム開発、Web 制作のアルバイトがきっかけ
    ❏ それが仕事となるならとエンジニアを目指すことに決
    めた
    ❏ 雇用主が雇いたいと思うような人間にならなければ生活で
    きなくなってしまうのではという不安
    そもそもなぜ仕事をするのだろう?

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  9. どうしたらいいだろうか?

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  10. とある勉強会に参加してヒントを得る
    ❏ まつもとゆきひろさんの「プログラマー勉強方法」
    ❏ 知名度とその人の価値は可換である
    ❏ 人は知らない人を尊敬はしない
    ❏ アウトプットを行うことで周りとの差別化ができる
    知名度 価値

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  11. とある勉強会に参加してヒントを得る
    自分を知ってもらうことで価値が上がる
    そのためにはわかりやすい成果
    (=観測可能な成果) を出せばいい
    例え優秀でなくても
    誰か見ていてくれて雇ってくれるかも
    精神的安定!!
    見られていなくても成果がポートフォリ
    オになって自分を売り込めるかも

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  12. ❏ SNS (Twitter / Facebook)
    ❏ 技術ブログ (Qiita)
    ❏ コード公開 (Github)
    ❏ LT / 登壇 (SpeakerDeck)
    ❏ ブクログ (読んだ本の公開)
    ❏ 執筆
    公開するチャネルを考える

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  13. 公開することへの障壁を乗り越える
    ❏ 幸い自分の中には公開することへのためらいはあまりな
    かった
    ❏ 「できるようになってから」ではいつになってもやらない
    ことを肌感覚でわかっていた
    ❏ パーキンソンの法則...「仕事の量は、完成のために与え
    られた時間をすべて満たすまで膨張する」
    ❏ 「Done is better than perfect」

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  14. 公開することで知識を深める
    発表する
    内容に責任が生まれる
    理解を深め
    知識を広げなければならない

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  15. 公開することでニーズを知る
    ❏ 話してみると意外と反響があった、という経験や知識があ
    るかもしれない
    ❏ 自分の場合は Java のテスティング、CI / CD の考え方など
    ❏ 自分では当たり前と思っていることも、周囲からみたら貴
    重な知識になるかもしれないという発見

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  16. しかし継続ができない

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  17. 行動を継続化させたい
    ❏ 観測可能な成果は継続的に出し続ける必要がある
    ❏ 継続的に成果を出すことで「この人は~をしている人
    だ」と認識してもらうことができる
    ❏ しかしこのような努力というのは苦痛なので、気を抜いた
    り仕事が忙しくなるとおろそかになりがち

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  18. 行動を継続化させる ~ ふりかえりを実践する ~
    ❏ 「【若手向け】成長を加速させる「一人のふりかえり」を
    学ぼう」とう勉強会に参加する
    ❏ そこでの「ふりかえりは成長の加速装置」という言葉が印
    象に残った
    ❏ 「ふりかえりなら習慣にできるかもしれない」と、定期的
    にふりかえりを実施していくことを決断
    画像は以下から引用:
    https://anchor.fm/furikaerisuruo/episodes/ep-1-amPodcast---viva_tweet_xhiguyume-Podcast-ea1lk9

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  19. 行動を継続化させる ~ ふりかえりを実践する ~
    ❏ 毎日 / 週 / 月 / 四半期 / 年 単位でふりかえりを実施

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  20. ❏ ふとある動画が目に留まる
    ❏ 人間は退屈な作業でも、「今日は~時間これをやった」というこ
    とを記録し、グラフ化することで努力を継続することができる
    (参考動画:努力出来ない人が努力出来るようになるには?)
    ❏ この動画をはじめ、習慣に関するいろいろな動画をふりか
    えりの時に記録していた
    行動を継続化させる ~ 習慣を継続する ~

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  21. ❏ 習慣化する個数を6個まで定める
    ❏ 目標を限りなく小さくする (例) 運動を1分やる / 英語を1分勉強する
    ❏ やり始めるための障壁を下げることができる。人間はやり始めるとやる気
    が出るという特性を活かした方法
    ❏ 「どうにでもなれ効果」を発動させないようにする
    ❏ 一度決めた習慣をサボってしまうと、やけになって他の習慣も守らなくなって
    しまう
    ❏ 実施した習慣は記録してグラフ化する
    行動を継続化させる ~ 習慣を継続する ~

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  22. ❏ 「運動」「英語」「読書」「開発」という行動を半年間毎
    日継続し、可視化することができた。
    ❏ それぞれの目標は以下の通り。
    行動を継続化させる ~ 習慣を継続する ~
    運動 1 分
    英語 1 単語
    読書 1 ページ / 1 分
    開発 1 Commit

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  23. 行動を継続化させる ~ Write Code Every Day ~
    ❏ 習慣化の一つに「1日1 Commit (GitHub の草をはやす)」
    を取り入れ、結果的に Write Code Every Day の一部を実
    践できるようにもなった (参考資料: エンジニアとしてこの先生きのこ
    るために)

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  24. ❏ 毎日開発する → カンファレンス登壇のきっかけとなるネタを
    思いつく
    ❏ 毎日英語を勉強する → TOEIC 自身過去最高得点 (点数は秘密)
    行動を継続化させる ~ 習慣の成果 ~
    引用: https://dy7oszgl9a56g.cloudfront.net/wp-content/uploads/2017/09/12110121/logo-toeic-768x205.png

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  25. ここまでのまとめ

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  26. ❏ 観測可能な成果を出せばその人の価値につながっていく
    ❏ 例え知名度は高くなくても誰か見ていてくれるかもしれない、自
    分を売り込める材料になるかもしれない
    ❏ これには能力がある、優秀であるといったことに依存して
    いない
    ❏ さらにこれを習慣化すれば、「いま会社をほっぽりだされ
    ても生活はできる」という精神的安定に繋がっていく
    どのように不安に立ち向かうか

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  27. 人間の特性を知る

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  28. ❏ 例えば「ある行動を習慣化させたい!」 と心には思っても
    なかなか実行できなかった
    ❏ 嫌なことを努力してやるというとき、人間はコルチゾールという
    物質が分泌されて行動が抑制されるようになっている
    ❏ 頑張って続けていても、一回失敗してしまうと「どうにでもなれ
    効果」が発動して他の習慣まで続かなくなってしまう
    ❏ このように精神論で頑張るのではなく、人間の特性を知る
    ことで、適切なアプローチができる物事は結構あるのでは
    ないか?
    人間の特性を知るということを考える

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  29. 特に意識している人間の特性

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  30. 他人と比較をすると幸福度が下がる
    ❏ Facebook の利用を1週間やめると幸福度は 18% 上がる
    (参考文献: 他人と比べて不幸になる【比較癖】の治し方)
    ❏ 「あの人に比べて自分は全然 ×× のスキルがない」と比較
    をしてもただ幸福度を下げるだけ
    ❏ 今の自分のスキルを考え、「仕事にありつけるためには
    もっとこのスキルを伸ばそう」といった考えをしたい
    ❏ 比較は過去の自分に対して行う

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  31. ❏ これを自己防衛本能という
    ❏ (参考資料: 成長を加速させるふりかえり実践ワークショップ)
    ❏ よって人の良い部分は意識的に目を向ける必要がある
    ❏ 「人間には自己防衛本能がある」ということを知っておく
    だけでも、普段から人の良い部分を見るような意識付けを
    することができるのでは
    人間は悪いところに目が行きやすい生物である

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  32. 長所に目を向け、長所を伸ばす
    ❏ 社会人のスキルに100点満点はない。1000点にも10000
    満点にもなる可能性がある。
    ❏ (まつもとゆきひろさんの「プログラマー勉強方法」より)
    ❏ その人の長所を自覚させ、それを伸ばしていくほうが価値
    は上がる
    ❏ しかし人間には自己防衛本能が備わっているためどうして
    も欠点ばかりを指摘しがち
    ❏ アスリートの方が数学はさっぱりだからといって、数学の勉強を
    したとして費用対効果は高いだろうか

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  33. ❏ 「成功の循環モデル」はダニエル・キム氏が提唱したループ図。組織として成果
    を上げていくためにどのような観点でカイゼンに取り組むべきかのフレームにな
    る (出典: カイゼンジャーニー)
    好循環サイクル:
    (関係)お互いに尊重し一緒に考える
    (思考)気づきがあり面白い
    (行動)自分で考え、自発的に行動する
    (結果)成果が得られる
    (関係)信頼関係が高まる
    悪循環サイクル:
    (結果)成果が上がらない
    (関係)対立が生じ、押しつけや命令が増える
    (思考)面白くなく受け身になる
    (行動)自発的・積極的な行動が起きない
    (結果)さらに成果が上がらない
    成功の循環モデルを意識する
    関係の質
    思考の質
    行動の質
    結果の質
    ○ 良い起点
    × 悪い起点

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  34. 「なんでこんなこともできないんだ」は禁句
    ❏ この言い方は「結果の質」が起点になっている典型例
    ❏ 自分も最初は同じことができなかったはず。自分は今までにそうしたこと
    は一度もなかったか?
    ❏ 全てを完璧にこなせる人など存在しない。人によって得手不得手は異なる
    のに、自分の得意なことを押し付けることに意味はない
    ❏ 現状を受け入れ、その人の特性に適した指導法や指摘の方法を考えて
    いくような接し方をしていきたい
    ❏ (参考文献: #RSGT2020 テックリードは未来の話をしよう / Tech Lead in Scrum)

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  35. 最善を尽くしたのだからこれで良かったのだと割り切れるように行動する
    ❏ 人間には後知恵バイアスというものがある
    ❏ ふりかえる際、ふりかえった地点の知識量で考えてしまうた
    め、「なんでもっとこうしなかったんだ」と考えてしまう
    ❏ 「見積もりが甘かった。もっとしっかり見積もっていれば...」 と
    いうのは正しいふりかえりだろうか?
    ❏ 後悔があってもただ悔しがるのではなく「あのとき最善を
    尽くしたのだからこれでよかったのだ。 次はここを改善し
    て、これからも最善を尽くしていこう。」と考えられるよ
    うになりたい

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  36. まとめ

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  37. まとめ
    ❏ この発表では「エンジニアとしてこのままで生きていける
    んだろうか」という不安をどのように対処しているかをお
    話した
    ❏ ただ漫然と不安になる / 頑張るのではなく、人間の特性を
    知り、その人間が生きていくのに適した生き方を考えてい
    くことでこうした不安は少しでも解決できるのでは

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  38. ❏ 定期的にふりかえりをしてみる
    ❏ 習慣にしたいことは以下のルールにしてみる
    ❏ 目標はしょぼく
    ❏ 記録をして「ゲーム感覚」に
    ❏ 自分・他人の長所を意識的に考えてみる
    ❏ 狭い範囲でも長所を伸ばせば市場価値につながる
    ❏ 続けられそう、長所だと思う分野で観測可能な成果を出してみる
    ❏ 人間のいろいろな特性を調べてみる
    今日から始められること

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  39. ご清聴ありがとうございました

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