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【Yahoo! JAPAN Agile 2nd】野球人・落合博満さんから学ぶスクラムマスター / デベロッパー

Takaichi00
December 17, 2020

【Yahoo! JAPAN Agile 2nd】野球人・落合博満さんから学ぶスクラムマスター / デベロッパー

Yahoo! JAPAN Agile 2nd (https://yj-meetup.connpass.com/event/193952/) にて登壇した「野球人・落合博満さんから学ぶスクラムマスター / デベロッパー」の資料です。

Takaichi00

December 17, 2020
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Transcript

  1. 自己紹介 @Takaichi00 tomoaki.takaichi.5 ・髙市 智章(タカイチ トモアキ) ・Java / Node でのシステム開発

    ・CI / CD ・Container / k8s ・ソフトバンク株式会社 → ヤフー株式会社 出向 共著: クリーンなコードへの SonarQube即効活用術 www.amazon.co.jp/dp/B086ML43DH
  2. ❏ 恐怖を感じるとアドレナリンとコルチゾールが分泌され、 これらの物質が扁桃体を活性化、「戦うか、逃げるか」の 選択を迫られ、創造性やイノベーションの道は閉ざされる ❏ 暴言は人の生産性を下げる ❏ 対象が自分...61% ❏ 暴言が吐かれているのを見た...25%

    恐怖は高くつく / 暴言は人の生産性を下げる 引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41Yb1Gl0vxL._SX328_BO1,204,203,200_.jpg, https://speakerdeck.com/raykataoka/xin-li-de-an-quan-siyani-slacktean-quan-woshi-zhuang-suru5tufalsesho u-fa?slide=121
  3. 「X 理論のプラクティスは, LeSS の導入 に問題をひきおこします.」 X 理論と Y 理論 X

    理論 Y 理論 • 本質的に仕事が嫌い • 強制/制御/命令/脅迫しないと成果 は出せない • 野心を抱かない、責任を取りたがら ない、命令されたい • 自然に努力し働く • コミットした目標のために自己管 理、自己統制を行う • 適切な環境が与えられれば、人は責 任を回避するよりむしろ責任を求め る 引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51+igEK3VPL._SX352_BO1,204,203,200_.jpg
  4. X 理論の背景 引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51+igEK3VPL._SX352_BO1,204,203,200_.jpg ❏ X 理論は19世紀にフレディック・テイラー氏によって生ま れた「科学的管理法」に基づいた概念 ❏ 当時の工場/採掘など、大量生産/単純作業を前提とした作

    業者に対する生産性を最大化するために生まれた考え方 ❏ 計画/改善と作業を分離することによるオーバーヘッド ❏ 体系的な改善に注力できない → 複雑な問題を取り扱うソフトウェア開発に適しているだろうか?
  5. X 理論の例 ❏ 開発が思うように進まないときに、以下のような言葉で発 破をかける ❏ リリースまでに必要なポイントから逆算して、あなた達は X ポイントのベ ロシティを出さなければいけないのだ

    ❏ 多少開発者に圧をかけ、急いでやらせたほうがいい ❏ 見積もりより早くタスクが終わったらその人はサボってしまう。エンジニ アはより多くのタスクを消化し、それを評価にするんだ ❏ このマネジメント手法では開発者自らが考えて行動しなく なり、自己管理チームを阻害する
  6. 「(アマチュア野球で多くの種類のユニフォームが着用されていることについて) 忘 れてほしくないのは、さまざまなタイプのユニフォームを着ることの大きなデメ リットである。(中略) 投手ならば、普段の練習から実践と同じ感覚を養うことも重 要だから、ブルペンで投球練習をする時は公式戦のユニフォームを着るのが望まし い。」 普段の練習から公式戦のユニフォームを着る 引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51X-NRVILwL._SX343_BO1,204,203,200_.jpg

    「(別のユニフォームを着ることにより) 袖の長さによって腕が引っ かかるようになり、それが故障につながると考えたことはあるだろ うか。実際に、それが原因で肩を痛めた選手も知っている。プロが キャンプの時から公式戦のユニフォームで練習するのは、実践的な 感覚を養うためという理由もある。(中略) このユニフォームに関す る話題を通して考えてもらいたいのは、その物事の本質はどこにあ るのかということだ」
  7. ❏ 継続的に main ブランチマージし、自動ビルド/テストなどを行 うで常に動作するソフトウェアを維持する ❏ 継続的にデプロイを行い、リリースによるリスクを早期に発見 し対処する ❏ 本番とほぼ同じように動いているアプリケーションに対し

    て、自動受け入れテストを行う ❏ 自動デプロイメントのテストという意味合いもあるため、本 番環境と同じプロセスでデプロイを行う CI / CD (継続的インテグレーション / デリバリー)
  8. ❏ CI / CD を実践していないプロジェクトでは以下のような 問題が往々にして起こりがち ❏ 何日も main ブランチにマージされずに機能開発が並行して行わ

    れ、リリース間際にマージ作業。しかしコンフリクトが多発し、 マージしてもシステムが動作しないで遅延。 ❏ リリース期限ギリギリに本番環境にデプロイ。しかし本番環境特 有の設定値が考慮されておらず、外部システムと連携できなかっ たり、パフォーマンスに問題が生じて遅延。 ❏ CI / CD は、自動化によるコスト削減が本質的なメリットではない CI / CD を実践しないとどうなるか
  9. ❏ ヒューマンシステムにネガティブさの3~5倍のポジティブさが あるとき、繁栄する可能性が有意に高くなる ❏ ポジティブ:ネガティブ が 3.0 ~ 6.0 の場合、ハイパフォーマ

    ンスと高い相関がある ❏ ネガティブイベントの5倍のポジティブイベントを持つチーム は、成功する可能性が有意に高くなる ポジティブ・ウォール 引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51vxSE6gGHL._SX351_BO1,204,203,200_.jpg https://www.slideshare.net/zuzuzka/great-scrummaster
  10. ❏ 「成功の循環モデル」はダニエル・キムが提唱したループ図。組織として成果を 上げていくためにどのような観点でカイゼンに取り組むべきかのフレームになる (出典: カイゼンジャーニー) 好循環サイクル: (関係)お互いに尊重し一緒に考える (思考)気づきがあり面白い (行動)自分で考え、自発的に行動する (結果)成果が得られる

    (関係)信頼関係が高まる 悪循環サイクル: (結果)成果が上がらない (関係)対立が生じ、押しつけや命令が増える (思考)面白くなく受け身になる (行動)自発的・積極的な行動が起きない (結果)さらに成果が上がらない 成功の循環モデル 関係の質 思考の質 行動の質 結果の質 ◦ 良い起点 × 悪い起点
  11. 「例えば、家庭の中で妻が夫に対して『あそこのご主人は課長になったの に、あなたは何をやっているの』(中略) などと言うのは絶対にタブーだ。 (中略) だが、自分の才能を伸ばすという意味の競争は必要だと思う。」 他人との比較対照ではなく、自分自身の目標に置き換える 引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41TV8E87QFL._SX323_BO1,204,203,200_.jpg 「ここで気をつけたいのが、そのグラフを見て『自分もなんとか成 績を上げよう』と考えずに『どうせ自分はあいつには勝てないから

    いいんだ』と思ってしまうことだ。この『いいんだ』が、人間のあ らゆる進歩を止めてしまうのだ。そんなときには、何らかのモチ ベーションをもたせて『いいんだ』症候群から解き放ってやりた い。日々わずかでも進歩していることが実感できれば、人間は目標 を持てるはずだ。他人との比較対照ではなく、自分自身の目標に置 き換えることが肝要である」
  12. 他人と比較をすると幸福度が下がる ❏ Facebook の利用を1週間やめると幸福度は 18% 上がる (参考文献: 他人と比べて不幸になる【比較癖】の治し方) ❏ 「あの人に比べて自分は全然

    ×× のスキルがない」と比較 をしてもただ幸福度を下げるだけで何も生まれない ❏ 今の自分のスキルを考え、「仕事にありつけるためには もっとこのスキルを伸ばそう」といった考えをしたい ❏ 比較は過去の自分に対して行う