2023年01月26日 SONYメイカースペースBRIDGE TERMINALにて
深センで見つけた面白いハードウェアと協力しイノベーションする方法高須正和スイッチサイエンス国際事業開発ニコ技深圳コミュニティ共同発起人开源社(中国オープンソースアライアンス)早稲田ビジネススクール大公坊創客基地(iMakerBase)羲融善道創投(Heroad)ガレージスミダ研究所
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高須正和の活動深圳ほか世界各地のパートナーを開拓し、IoT開発ツールを輸出入・共同開発、投資,企業間提携などを行う。事業:スイッチサイエンス グローバルビジネスデベロップメント研究/布教:早稲田大学非常勤講師 「深圳の産業集積とマスイノベーション」コミュニティ:ニコ技深圳コミュニティ Co-founderほか事業=仕組みになっていて利益を生むもの事業開発=事業を作ること社会的な価値が生まれる前、事業や研究でもできないところをやる。面白ければ仲間が増えるし、熱が冷めると終わる講演や執筆などで少しはお金になるけど、基本的には仕組みになりづらいもの2008~11年間で39都市107回のメイカーイベント参加早稲田大学リサーチイノベーションセンター招聘研究員ガレージスミダ研究所 主任研究員大公坊創客基地(iMakerBase)著書6冊「プロトタイプシティ」「ハードウェアハッカー」(翻訳)など日本にしかないものと深圳にしかないものを組み合わせる
原則みたいなもの多くのものを自分の目で見る展示会参加、全ブース見る、オフィス訪問するオープンにする・集合知化する見たものはなるべくSNSにアップする自分の判断より優れたエンジニアの判断を優先するなるべく早く商売にする規模の大きさ、小ささ、特殊さを意識したポジション取り世界最大級のメイカー/開発者マーケット
僕の世界観世の中/技術/ハードウェア/深センをどう見ているかPart1.ムーアの法則と製造業
コンピュータ的じゃない産業はコンピュータに置き換わる要因1:ほとんどの電化製品はコンピュータに置き換わる。すでに置き換わったもの:カメラ/音楽プレイヤー/テレビ/ビデオ/電話機要因2:ほとんどの産業は「コンピュータシステム」に置き換わるすでに置き換わったもの:流通/広告/マーケティング/金融深圳は「コンピュータを中心にしたいろいろな機器」を作り続けてきた世界の他の場所にない、独自の製造業とエコシステムがあるデジタルが主になる社会に向けての話をしますSource:藤岡淳一(ニコ技深圳コミュニティ)
コンピュータが中心の製造業は、どう違う?コンピュータ特有の要素=ムーアの法則(18ヶ月ごとに半導体の集積率が倍=能力が倍か価格が半分になる)→結果、系列を作りながらゆっくり発展でなく深センのどの会社も最終製品を作る(amazon.co.jp等で見られるよく似たイヤホンなど)
設計を早くモノに変えて売らなければ、ムーアの法則に巻き込まれて、アイデアの価値がなくなるコンピュータとは?「中央にCPUがあって、周りにInput/Outputがあり、他に記憶媒体などがある」スマホ、デジカメ、ドローン、掃除ロボ、配膳ロボなど、コンピュータサイエンス的には「同じもの」といえるこれまでコンピュータがくっついていなかったものにコンピュータ化することで多くのイノベーションが生まれているムーアの法則=プラットフォーム全体が進化するので、同じ製品で何十年も稼ぐのが難しい(10年使えたアナログカメラと2年で買い替えるiPhone)性能が上がったからできることで、(音声認識、常時接続)新しいサービスや製品が(音楽ストリーミングや自動運転)
日本と深圳の「製造業」という概念の違いSource:[Guerilla Production Tactics] by ‘bunnie’ Huang深圳では、川上・川下や系列という考えがなく、大企業でも下請けや、社員5人でも最終製品という企業が多く存在する。同じビデオ録画機を開発するのでも、「フルスタックな大企業」が1社系列ですべてを賄った時代から、設計・ツール・量産・OS・開発ボードを別々のプレイヤーが担う時代へ。ムーアの法則下では、個別の分野に特化して開発を高速化しないと、半導体の進化速度に置いて行かれる
タブレットをくっつけるとなんでもロボットになる(多くのコミュニケーションロボットがそう)コモディティ化された技術でも、市場投入され、フィードバックを受けることで進化していくVersion1 = 猿真似Version1.1Version1.2・・・・Version10は?
コモディティ化された部品を組み合わせて起こるイノベーションタブレット+ホバーボード(セグウェイもどき)+スマートスピーカー=ロボットこの受付ロボットMandyは銀行などに数千台販売され、今は第6世代目になっている。-受付用の大きいスピーカー-目の前の人間を特定するための超音波センサーなど、やってみて必要になった機能が付加されて洗練されていく
そして、その完成品も他人のビジネスの商材として売られる=別のイノベーションの材料になるこれをMITのバニー・ファンは「公开(GongKai)」と呼んだ
HuaweiやXiaomiも公开(GongKai)の一部IDHと連携することで高速に開発を行うエコシステムIDH=「高コスパ」のミドルレンジ製品をOppo,Vivo,Huawei,Xiaomi等複数メーカーに向けて開発Xiaomi等のメーカー=研究開発費をすべてハイエンド製品に割り振り、一芸ある製品を「オープンソースのモジュールをダウンロードしてシステムを作るように、深圳の若者は新しいハードウェアを作る」(MIT 伊藤穰一)図版出所:高口康太 https://gemba-pi.jp/post-179927
公开(GongKai)から开源(KaiYuan)中国オープンソース開発の盛り上がりそして製品の高度化公开=ムーアの法則を背景に自然発生的に始まった知財公開が、开源=イノベーションのために設計された世界共通のオープンソースに半導体チップやそれを統合した製品も深圳で開発され、高度化が進む中国の半導体エコシステムを「自分の目でちゃんと」見てみよう
ニセAirpodsこと「华强北4代」イヤホンとは67元(1300円)程度(ホンモノは27,800円)Airpodsの発売以後何度もバージョンアップしてこれで4代目淘宝や华强北の電気屋などで販売中「イヤホン」などの製品名でAliexpressやamazonなども
ホンモノそっくりの外観や外箱DesIgned by in California の文字(ホンモノはDesigned by Apple inCalifornia)
こいつ 動くぞ
分解してみる:チップはわずか4つ(AirPodsは21個)スピーカー接触センサのかわり銅板で静電気を感知マイコンを使わないイヤホンをケースに接続させるマグネットイヤホンをケースに接続させるマグネットバッテリ充電接点タッチ制御ICクロックジェネレータタッチ検出ボタンMEMSマイク裏面:メインSoC
Engineering的な工夫 イヤホンのなかみは左右でまったく同じPCB,まったく同じBOM(部品)唯一、2つセットの充電端子部分を入れ替えることで左右の違いを出している。(ファームウェアも別)部品調達や製造をラクにする工夫ちゃんと、値段と性能を織り合わせる設計ができている「人件費が安いから安い」ではない!2つセットの部品を、AB/BAで入れ替える
ニセモノ(600円のニセイヤホン)でも、ホンモノと部分的に遜色ない効果を、ホンモノと全然別のやりかたでできている人件費が安いから安い ではなく、技術で安くしている仲間と深センの力を借りて、もっと深く分析してみる
マーキングの消されたメインチップ山崎さん(解析仲間)がサイズとピンでチップ候補特定 AD6973Dかも?
中国の方案公司がAD6973Dチップデータシート公開中Comfidencialと書いてあるけど公開URLにおいてあるからこの会社がJieliから許可されたんだろうそうだろう・ワンチップでBT5.1、マイク接続、AACデコードなどができる・バッテリ制御、ボタン制御機能もある・GPIOによる接触センサなどもワンチップで可能、部品点数を減らせる・製品にBT5.3とあったのはウソ? > BT5.1だけど、MacやiPhoneが5.1しか対応してないから関係ない・空間オーディオないぞ > イコライザを適当に変えてそれっぽく見せてるブランドでごまかせる!
深センの解析屋の力を借りて、マーキング消されたチップを開封しようタオバオにはチップ開封、FIP(チップ内断線の修理)、ファームウェア抜き出しなどをやる専門の解析屋が何軒もいる(住所聞くと深圳华强北とか龙岗とか)チャット機能で見積もりとって発注300元(6000円)、失敗したらカネは返す(日本だと数十万かかるし、そもそも初見では頼めない)
300元を払って中3日、チップ写真が届くボンディングのパッドやトランジスタが少なすぎるSiP(System in Package)の小さいほうのチップ?「もうちょい調べてくれ、これはメモリっぽいが、MCUのはずだ」と依頼
←パーフェクトな研磨でSoCの中身を分析届いた写真SoCの上にフラッシュメモリワイヤーボンディングも想像できる(これで成功報酬で6000円)
テカナリエレポート517号 JIELI PB08576とMCUは完全に一致(フラッシュメモリは違う)これはドンキで2000円で売ってる
テカナリエレポート517では多くの100円ショップTWSイヤホン(2000円程度)が分解され、今回はドンキのFUGU TWEに搭載されているJIELI BP08576と同じマイコンだが、フラッシュメモリは違うので、SoCとしては別物
ニセAirpodsからわかること-ドンキで2000円で売ってるTWSイヤホンとニセAirpodsは親戚のようなもの-中国の設計力と深センのエコシステムは「数万円のものを数千円に」することができた(ムーアの法則を正しく作用させている)-設計屋、解析屋、製造屋などの厚みから、この分野ではまだ先がありそう
バブル的な投資とイノベーション余ったお金がPoCを加速させるPart2.投資とスタートアップとイノベーション
コピー品づくりとイノベイティブな製品づくりの関係コピー品,後追い品=マーケットがすでにある製品-売れることはわかっている-ゴールが見えるぶん、開発しやすい-ホンモノほど高くは売れないが、黒字を出しやすい合理的な意思決定が可能イノベイティブな製品=マーケットがない-ゴールが見えない-当たると大きい-ハズレを覚悟した意思決定が必要
ビジネスモデルとしてのスタートアップ投資ハズレを見込んで、分野(バイオ、モバイル、ハードウェアなど)ごとに毎年一定数のスタートアップに決まった額を投資ほとんどのスタートアップは倒産するが、大当たりが全体を救う出版社/メディアとマンガ家のモデルはそっくり-なるたけ多くの色んな作品をデビューさせる-どれが大ヒット、少ヒット、ハズレかはデビューするまでわからない-結果として日本のマンガの投資モデルは、質量ともに世界1で、海外では想像もつかない/企画書では判断つかないような作品が次々に出てきている(そういう奇想天外な作品も、ヒットすると後追いがでる)
Fake it till you make it中国人件費の上昇から、ビジネスが「より安く」でなく「ほかにないものを」に変わる他にないものは売れづらいが、投資ブームにより売上でなく時価総額でも会社がまわるようになる→よくわからない、イノベーションの種があふれる場所にJST調査 2017年9月 丁可2016年、世界のVC投資の7割が中国
掃除ロボとタブレット=配膳ロボ深セン普度pudu社ガストなどに入ってる配膳ロボLiDARなどセンサー類の低価格化と、深センのベンチャー投資ブームで生まれた(高須はここにangelで入れてるHeroad Fundの顧問やってます)
深圳SpinQ / 量旋科技2018年創業2022年9月、Pre-Bとして1億RMB調達(もともとの深圳高新投+金景衡巽,东海など)https://spinq.cn/社員50名ほど香港科技大、清華大MITなどから量子力学の他、化学、電子工学などの社員が集まる
深圳SpinQビジネスの特徴1.デスクトップ用の安価なモデルと、超電導主体の高性能なモデルの両方をビジネスにしている2.ハードウェア製造全体とアルゴリズム開発、ビジネス化の3方面を1社で手掛けているデスクトップモデルGemini-mini118万円(2022年販売開始初回入荷分完売)超電導環境で駆動する高性能モデル内部のチップも自作している量子コンピュータのクラウドサービス
日本でも販売開始
ビジネス,コミュニティづくり,日本の価値Part3.具体的に高須がやっているビジネス
デジタル/コンピュータが社会をどう変えていくか人間はハードウェア(生き物)なので、多くのサービスはフィジカル(物理材)が必要コンピュータと物理材をつなぐ、モータやセンサー、統合する様々なコンピュータ新しい中国ビジネスはそこから生まれる
自分がコミットしている中国でのビジネス(中国に限らないけど)バーチャルとフィジカルを繋ぐ部分のハードウェア/研究開発ツール
バーチャルとフィジカルをつなげていくインターネットクラウド(情報)物理的な社会、モノ、人間、工場IoT,カメラ、センサーIoT,ロボットコンピュータの力が、現実社会を変えていく。人間はコミュニティーやコードでそのエコシステムを作っていく
M5Stack(2018年日本発売開始)・社長ジミー・ライは、もと中国南方電網のエンジニア・しょっちゅうスマートメーターを開発している間に、「多くのメーターに共通する機能を製品にしよう」と思いついて起業・社長室に専用の部品ボックスと作業台を起き、プロトタイプを自分で作る。いつも身の回りには試作品が転がっている・Arduino IDEが利用可能で、IoT開発に必要なwifi/BTをあらかじめ備えたESP32シリーズのCPUを採用した開発ボード。日本でもArduinoを置き換える勢いで普及が進んでいる・画面、バッテリ、ボタン、Grove,GPIOなどを備え、安価(1500-5000円程度)・毎週1つ以上の新ハードウェア/センサー類を発表し、拡張性が高いオープンソースハードウェア(部品リスト,ピン番号などの開発に必要な情報があらかじめ公開されているハードウェア)買ってくれば使える。ソリューションを開発する上でM5Stack社の取引開始稟議書、審査や許可が要らない。必要な情報はオンラインで公開されている
クローズアップ現代 「ものづくりxAI」特集 2021年10月20日放送これらの開発ボードは深圳M5Stack社(社員50名,日本発売開始2018年)の製品弊社スイッチサイエンスは日本での販売責任代理店ソリューションを販売しているのが日本の高専発startup
NTT研究所のIbuki 山口大の密回避システムNHK研の触覚デバイス全日本学生児童発明くふう展で特許庁長官賞(11歳)企業の研究所から小学生の発明まで、2018年の発売開始からわずか5年で、深圳M5Stackは多くの発明家に使われている
開発ボードという製品マイコンチップ、無線機能、I/O端子などをひとまとめにしたもの用途や価格に応じて多様なボードが存在する利用者はソリューションを開発するエンジニア、IoTシステム開発を学ぶ学生など代表的な開発ボードRaspberryPi(英国)などを使って開発・適合するセンサを選ぶ・センサーを処理するソフトをつくる・動作確認の画面をつける・ケースを3DプリンタなどでつくるM5Stackシリーズを使って開発完成までまだまだ、本質(ドアセンサー)以外の時間がかかる..完成。アイデアの検証ができる!(Proof of Concept)M5Stackシリーズは 「アイデア→実際に作ってみて試す」までの時間を最小化する例:入退室を記録するシステムを開発する
M5Stack成功の原因■何よりも、安心して使えるオープンなハードウェアであること-ソリューションを開発する上でM5Stack社の取引開始稟議書、審査や許可が要らない-必要な情報はオンラインで公開されている■現役エンジニアならではの優れた製品企画-プロトタイプ開発を圧倒的に早くするオールインワン(バッテリ,LCD,ボタン,無線)■深圳ならではの開発・製造力-プロトタイプから工場のDXまで、様々な用途に対応するセンサー、周辺機器-1000個単位のフレキシブルな自社製造ラインと、深圳で設計開発することによるサプライチェーンが可能にする超高速な製品開発(毎週1つ以上新製品発売)■それらが組み合わさった魅力的な製品と、ユーザーの支持やフィードバックが生んだコミュニティM5Stackユーザのコミュニティは、日本のユーザが中心になって作り上げた
1ロット1000個程度の製品をしょっちゅう変更しながら作るラインや工作機械の精度は雑だがフレキシブルiPhoneの製造ラインのように「日本製部品を使って300ラインをまったく同じ精度で作る」のとは別の製造方式M5シリーズの製造ライン(自社スタッフ・自社ライン)ほとんどの工程は人間,検査装置などでM5Stackシリーズが使われるアジャイルな製造ラインM5シリーズの良さは、モノの良さだけではない
M5シリーズのアイデア→PoC→DFM→生産は6週間といわれている製造と設計を同時並行するようなアジャイルな製造をどう実現するか?今稼働してる「ネジ止めだけやります」的なシンプルだけど安くて使いやすい工作機械自分たちでラインを立ち上げられる、M5Stackの工業用シリーズKeep It Simple Stupid, but Collaborative and Connected.
次のテーマ「バーチャルとフィジカルの連携」をアップグレードM5Stackをコントローラにした安価なロボットアーム「myCobot」シリーズ(深圳Elephant Robotics社)
バーチャルな空間とフィジカルな空間をロボットで連携させるmyCobotシリーズはROS(Robot Operating System)をサポートこれから日本のROSコミュニティにも貢献していく予定さらにSLAM,AGVと組み合わせる
Minipupper,myCobotなどに搭載されているFeetechのサーボ安価で高性能、スタートアップ向けカスタマイズ3740円(税込)フィードバックポテンショメータ有40kg/cmトルク24Vサーボ左は85kg,右は120kgトルク
Minipupper,myCobotなどに搭載されているFeetechのサーボ安価で高性能、スタートアップ向けカスタマイズ深圳のサーボ企業 数百個単位からカスタムサーボ作ってくれるロット小(ソフトや付属品)-MCU内のファーム変更(速度とトルク、アラートなどのバランス)-色、ケーブル長さなどの変更ロット中(金型変更を伴わない)-サーボ内ギア変更-軸の長さ変更ロット大-軸の場所やコネクタの変更
Direct Drive Techのモーター高トルク、静音、多くの日本のスタートアップやロボット研究者に使われている(日本にもロボット開発ブームが来ている)
深センの価値、日本(僕)との関係■深セン=開発ツール、開発のためのHackableなモーター、センサー等「エンジニアのためのハードウェア」(量産のため、ではない)を続々生み出す土地。■日本=新しい開発ツールでは世界最大の市場(M5の日本シェアは35%が日本)米中が「有名にならないと買わない」のに対して、日本は積極的にいろんなハードウェアを試すエンジニアが、BでもCでも世界一多い■エンジニアフレンドリーなハードウェアを、手軽に買える状態-国内総代理=法規制クリアした製品しか輸入しない(短期売り抜けをやらない)-積極的に代理店開拓、アルファユーザの声をメーカーに届ける-深いパートナーシップ(少額投資,OEMでの協力とか)■日本を、日本市場を、よりエンジニアフレンドリーにそんなに大儲けではないが、成長できるモデル
コミュニティベースの製品開発Part4.今後広げていきたいこと
今後はコミュニティベースの製品開発、ビジネス開発を例1.なんでもぜんまい MakerNetという深センの会社で仕事-単にハードウェアをつくるだけでなく、世界で売る-中国のコピー対策をする(販路確保、コミュニティづくり)-製造数の半分を投資し、共同ブランドにして、海外/中国はMakerNetの名前で売る
今後はコミュニティベースの製品開発、ビジネス開発を例2.Atom Mate for toio- M5Stackとtoioを組み合わせて使ってるユーザが多いことから、SONY田中章愛さんからのオファー- toioのUIFlow対応- toio上にM5 Matrixを載せるハードウェア開発- (今のところ)日本限定
今後はコミュニティベースの製品開発、ビジネス開発を例2.ATOMFLY 2.0 M5Stackでお蔵入りになっていたプロジェクト(ファームウェアなし販売だった)が、日本のエンジニアの力で復活-日本で飛ばせる、100g未満の室内向け,技適等Okのドローン-国際高専の伊藤恒平教授が、飛行制御の授業で使えるように-ファームウェアはオープンソース(ほぼ伊藤先生が開発)
今後はコミュニティベースの製品開発、ビジネス開発を例4.MSX0 Stack もちろんMSX(西さん)のプロジェクトだが、M5StackとしてもシナジーだせるようにしたいBasicでIoTというのは意味があるどちらのユーザも増える方向に行くとうれしい
今後はコミュニティベースの製品開発、ビジネス開発を例5.中国のVCふたつで顧問などiMakerbase 深センのVC自前の工場があり、サプライチェーンとの関係が深い高須はイギリスの会社と一緒にタイヤの空気圧を測る製品を量産中Heroad 深センのVC「善投資」はSGDs投資ではなく、「いい会社は儲かる」という考え方社会的に価値ある事業で、かつ社内の意思決定が明確で、得意先の評価も高い会社は儲かる。IPOして銭ゲバ化する会社は長期では駄目
今後はコミュニティベースの製品開発、ビジネス開発を例6.オープンソース運動への貢献2022年、中国オープンソース運動リーダー33人(外国人は僕だけ)
現在の中国は、「日本みたいな製造業」と別の製造大国を目指しているので面白そうなイノベーションがでてきそう第14次五か年計画15章「デジタル経済で新しい優位性をつくろう」完善开源知识产权和法律体系,鼓励企业开放软件源代码、硬件设计和应用服务オープンソースの知財管理を完全なものにし、企業がソフトウェアのソースコード、ハードウェアの設計をオープンにすることを奨励する
中国のオープンソースについて、GitHub上で共同翻訳などの研究をしています#中国オープンソースでtwitter等で検索ください工業やロボット関係の資料レビューしてくれる方などおまちしてます。共同翻訳、中国語の勉強にもなるよ!
3300人を超えるメンバーのいるニコ技深圳コミュニティ経済・経営研究者など-木村公一郎(JETROアジア経済研究所)-伊藤亜聖(東京大学准教授)-牧兼充(UCサンディエゴ、早稲田ビジネススクール)-梶谷懐(神戸大学)-山形浩生(翻訳家・評論家)-高口康太(翻訳家・ライター)起業家・経営者-藤岡淳一(JENESIS代表ニコ技深圳コミュニティ共同創業者)-澤田翔(インターネットプラス研究所)-金本茂(スイッチサイエンス)コンピュータ科学者/技術者-秋田純一(金沢大学教授/NT金沢)-GOROman(VRエバンジェリスト)-Andrew bunnie Huang(ハードウェアハッカー)コミュニティマネージャー茂田カツノリ(エンジニア深圳ツアー)伊予柑(ドワンゴ・自作ゲーム)中野しほ(ギーク中国語講座)高須正和(AkiParty,メイカーフェア深圳,SG)初期:深圳のイノベーター ギークと助け合えるクリエイター中期:深圳情報を発信できる専門化たち後期:起業家・経営者たち
ニコ技深圳コミュニティ現在Facebook上で3300人を超えるメンバーを集める技術コミュニティエンジニア・起業家・研究者などがオープンにプロジェクトや意見交換を行い、これまでに紹介したような提携や投資、研究活動を行っています。2015年時点で、「英語圏含めて、もっとも詳細な深圳のイノベーション解説」(野村総研総合研究所)と言われています
書籍が出ます。明後日1月28日、日曜日、オンラインイベントやりますコミュニティはフローなので、記事や本はストックになって良い
中国に欠けがちなものと我々(≒日本)の価値-ビジネスが盛り上がってるので、お金にならないこと への動きが鈍い(だから、オープンソースや先鋭的な開発ボード等、イノベーティブな分野での僕らの活動が重宝されている)-だいたいの仕事が中国人で片付くため、グローバルさ、ダイバーシティに欠ける(アメリカの企業や大学は世界一が集まるが、中国の大学はそうならないただし、この点では日本はもっと悪くて日本人で固まりがち)(だから国際的なコミュニティである僕らの活動が重宝されている)日本の多くの組織が「オールジャパンで予算つけて中国に対抗」のように、さらにアンチイノベーションでドメスティックな戦略をとりがちそれで良いことはなにもない。手を動かす人はみな、人類を前進させるための仲間です。
どうもありがとうございました。今日話したことの詳細はこちら「プロトタイプシティ」「メイカーズのエコシステム」「ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ」「ハードウェアハッカー」にて。連絡先:高須正和 [email protected]Twitter: @tksFacebook: https://fb.me/takasuinfoWeChat:takasumasakazu