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研究者とプロダクト開発 深センとオープンハードウェアの活用 (TAKASU Masakazu)

TAKASU Masakazu
February 02, 2023

研究者とプロダクト開発 深センとオープンハードウェアの活用 (TAKASU Masakazu)

2023年2月2日 筑波大デジタルネイチャー研 LabDNGにて
落合陽一ゼミのゲスト講義

TAKASU Masakazu

February 02, 2023
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Transcript

  1. 高須正和の活動 深圳ほか世界各地のパートナーを開拓し、IoT開発ツールを輸出入・共同開発、投資,企業間提携な どを行う。 事業:スイッチサイエンス グローバルビジネスデベロップメント 研究/布教:早稲田大学非常勤講師 「深圳の産業集積とマスイノベーション」 コミュニティ:ニコ技深圳コミュニティ Co-founderほか 事業=仕組みになっていて利益を生むもの

    事業開発=事業を作ること 社会的な価値が生まれる前、事業や研究でもできないところをやる。 面白ければ仲間が増えるし、熱が冷めると終わる 講演や執筆などで少しはお金になるけど、基本的には仕組みになりづらいもの 2008~11年間で39都市107回のメイカーイベント参加 早稲田大学リサーチイノベーションセンター招聘研究員 ガレージスミダ研究所 主任研究員 大公坊創客基地(iMakerBase) 著書6冊「プロトタイプシティ」「ハードウェアハッカー」(翻訳)など 日本にしかないものと深圳にしかないものを組み合わせる
  2. 日本と深圳の「製造業」という概念の違い ムーアの法則以前と以後 Source:[Guerilla Production Tactics] by ‘bunnie’ Huang 深圳では、川上・川下や系列という考えがなく、大企業でも下請けや、社員5人でも最終製品という企 業が多く存在する。

    同じビデオ録画機を開発するのでも、「フルスタックな大企業」が1社系列ですべてを賄った時代から、 設計・ツール・量産・OS・開発ボードを別々のプレイヤーが担う時代へ。 ムーアの法則下では、個別の分野に特化して開発を高速化しないと、半導体の進化速度に置いて 行かれる
  3. Engineering的な工夫 イヤホンのなかみは 左右でまったく同じPCB, まったく同じBOM(部品) 唯一、2つセットの 充電端子部分を 入れ替えることで 左右の違いを出している。 (ファームウェアも別) 部品調達や製造をラクに

    する工夫 ちゃんと、値段と性能を織り合わせる 設計ができている 「人件費が安いから安い」ではない! 2つセットの部品を、AB/BAで入れ替える
  4. M5Stack(2018年日本発売開始) ・社長ジミー・ライは、もと中国南方電網のエンジニア ・しょっちゅうスマートメーターを開発している間に、 「多くのメーターに共通する機能を製品にしよう」と思 いついて起業 ・社長室に専用の部品ボックスと作業台を起き、プロト タイプを自分で作る。いつも身の回りには試作品が転 がっている ・Arduino IDEが利用可能で、IoT開発に必要なwifi/BTをあらかじめ備えたESP32シリーズの

    CPUを採用した開発ボード。日本でもArduinoを置き換える勢いで普及が進んでいる ・画面、バッテリ、ボタン、Grove,GPIOなどを備え、安価(1500-5000円程度) ・毎週1つ以上の新ハードウェア/センサー類を発表し、拡張性が高い オープンソースハードウェア(部品リスト,ピン番号などの 開発に必要な情報があらかじめ公開されているハードウェア) 買ってくれば使える。ソリューションを開発する上でM5Stack社の取引開始稟 議書、審査や許可が要らない。必要な情報はオンラインで公開されている
  5. 開発ボードという製品 マイコンチップ、無線機能、I/O端子などをひとまとめにしたもの 用途や価格に応じて多様なボードが存在する 利用者はソリューションを開発するエンジニア、IoTシステム開発を学ぶ学生など 代表的な開発ボード RaspberryPi(英国)などを使って開発 ・適合するセンサを選ぶ ・センサーを処理するソフトをつくる ・動作確認の画面をつける ・ケースを3Dプリンタなどでつくる

    M5Stack シリーズを 使って開発 完成までまだまだ、 本質(ドアセンサー) 以外の時間がかかる.. 完成。 アイデアの検証が できる! (Proof of Concept) M5Stackシリーズは 「アイデア→実際に作ってみて試す」までの時間を最小化する 例:入退室を記録するシステムを開発する
  6. 今後はコミュニティベースの製品開発、ビジネス開発を 例5.中国のVCふたつで顧問など iMakerbase 深センのVC 自前の工場があり、サプライチェーンとの関係 が深い 高須はイギリスの会社と一緒にタイヤの空気圧 を測る製品を量産中 Heroad 深センのVC

    「善投資」はSGDs投資ではなく、「いい会社は儲 かる」という考え方 社会的に価値ある事業で、かつ社内の意思決 定が明確で、得意先の評価も高い会社は儲か る。IPOして銭ゲバ化する会社は長期では駄目
  7. 3300人を超えるメンバーのいるニコ技深圳コミュニティ 経済・経営研究者など -木村公一郎 (JETROアジア経済研究所) -伊藤亜聖 (東京大学准教授) -牧兼充 (UCサンディエゴ、 早稲田ビジネススクール) -梶谷懐(神戸大学)

    -山形浩生(翻訳家・評論家) -高口康太(翻訳家・ライター) 起業家・経営者 -藤岡淳一 (JENESIS代表 ニコ技深圳コミュニティ 共同創業者) -澤田翔 (インターネットプラス 研究所) -金本茂 (スイッチサイエンス) コンピュータ科学者/技術者 -秋田純一 (金沢大学教授/NT金沢) -GOROman (VRエバンジェリスト) -Andrew bunnie Huang (ハードウェアハッカー) コミュニティマネージャー 茂田カツノリ(エンジニア深圳ツアー) 伊予柑(ドワンゴ・自作ゲーム) 中野しほ(ギーク中国語講座) 高須正和(AkiParty,メイカーフェア深圳,SG) 初期:深圳のイノベーター ギークと助け合えるクリエイター 中期:深圳情報を発信できる専門化たち 後期:起業家・経営者たち